たいあたり

ノーマルタイプの小技のひとつ。引っ掻く・はたくに比べて威力・命中率の双方で劣っており、
PPも同じなので、その2つの技の完全下位互換技である。
この技を覚えて引っ掻くもはたくも覚えないポケモンは多いが、
それでも威力が低過ぎて何の旨味も無い技なので敢えて使用する価値はまず無い。
威力が3倍近くある恩返し・八つ当たりでもPPは十分なので、それらを使った方が良い。

だいばくはつ

威力500相当という、破壊光線の3倍を超える圧倒的最強火力と引き換えに、自らが瀕死状態になるという、諸刃の剣。
多くの場合、これで相手を一撃で倒すことが出来るため、お互いのポケモンの残り枚数を1匹ずつ減らす道連れ効果がある。
(どのポケモンで、どのポケモンを、どれぐらいの確率で倒せるかについては、こちらの記事を参照されたい。)
特に金銀は努力値の仕様上、第3世代以降に比べて圧倒的に全体の耐久力が高く、
また火力を上げるアイテムも乏しいため、この技における超火力というのは対戦環境において極めて重要な意味を持つ。
特にカビゴン等のような硬いポケモンを倒す際には、この技に頼らざるを得ないという場面も少なくない。
金銀で遊ばれている多くのルールは、いわゆるシングル6-3ルールであり、バトルに出場するポケモンは3匹ずつであるが、
基本的にはこれを一度使えば2vs2になり、更にもう一度使えば1vs1のタイマン勝負となる場合が多く、
この技を使ってお互いのポケモンの数を減らして行くことにより、複雑な役割関係がどんどん単純化されて行く。
そのため、緻密な受け合い勝負を苦手とするトレーナーは、この技を使って盤上を狭める戦術を取ることが多い。
しかしながら、ただ単に盤上を狭めても、最終的に残ったポケモンが有利に戦いを進められるとは限らないため、
この技を駆使して勝つには、この技を相手のどのポケモンに当て、どのポケモンを残させるか、
と言った詰将棋的なシミュレーションが不可欠である。
このあたりに関連して、この技を使う際の心構えとしてこのような記事も書かれている。
なお、この技によって相打ちによりお互いの枚数を減らすことは「1-1交換」などと呼ばれる。
この技を使用したポケモンは瀕死になるという性質上、最後に1匹残ったポケモンがこの技を使った場合、
たとえそのダメージで相手を倒せたとしても、使った側の判定負けとなる。

この技の主な使い方は、大きく分けて3通りある。
1つ目は、この技を持ったポケモンを2匹選出し、1-1交換を2回繰り返して、最後の1匹同士のタイマンに持ち込むというもの。
一般に「爆破速攻」と呼ばれる。
この際、闇雲に1-1交換を繰り返しても、最後にお互いどのポケモンが残るかの博打にしかならないため、
基本的には撒き菱・リフレクター・眠り粉・日本晴れなどの場に残る技を使用して、
味方が有利になるように仕向けた上で1-1交換をし、最後のタイマンに運ぶというのが鉄則である。
もちろん、相手のパーティ全体に対して明確に有利を取れるポケモンが居れば、
そのような効果を場に残すことなく、いきなりこの技を2回繰り返してタイマンに持ち込むのも、戦術のひとつである。
いかに最後に残すポケモンにとって邪魔な相手にこの技を当てるか、
またリフレクターや光の壁、天候技などターン数の限られたものを場に残す場合は、
それがエースの前で何ターン残るか、と言った、数ターン先を見据えた詰将棋的なシミュレーション力が試される。

2つ目は、対面性能が高いポケモンで相手のポケモンを1匹倒したあと、
この技を持ったポケモン2匹を使って詰めて行くという戦術。
3vs3から均衡が崩れ、3vs2になった時点で、この技で1-1交換をすれば2vs1になり、
更にもう1匹のポケモンで同じことをすれば、1vs0となり、枚数差によってこちらが勝てるというギミックである。
この技を持ったポケモンを2匹用意するというのは、先述した爆破速攻戦術と同じだが、
この技を使う手順がそれとは異なっている。

3つ目は、この技による大ダメージには重きを置かず、起点を作って自主退場するためにこの技を使うという使い方。
例えば眠り粉などで相手を眠らせた場合、そのポケモンにこの技を当てて倒していては、
せっかく眠らせた意味が無くなってしまう。
そこで、敢えてギリギリ相手を倒し切らないダメージを与えながら自分だけ倒れることで、
眠った相手を目の前に残しながらこちらのエースを無償降臨させることが出来る。
無償降臨したエースは、眠ったままの相手を起点にして展開しやすくなるということである。
後の世代で登場した「置き土産」と似たような考え方と言えるだろう。
金銀でこの使い方をする際に、極めて重要となるのが「ターンカット」という仕様である。
これは、お互いのポケモンのうちどちらかが瀕死になったら、その瞬間そのターンは強制終了されるというものである。
これによって、先攻がこの技によって瀕死になり、次のポケモンを繰り出した場合、
後攻のポケモンが選択していた技は実行されず、先攻が新たに繰り出したポケモンは技を受けずに無償で繰り出せることになる。
詳しい処理順に関してはこちらのコラムで解説しているため、参照されたい。

以上のように、極めて優秀な効果を持つ技であるため、この技を覚えるポケモンは優先的に採用されることが多いどころか、
この技を覚えること自体がそのポケモンの価値を大きく上げていると言っても過言ではない。
事実、この技を覚えるポケモンは全員もれなく、対戦界において一定水準以上の活躍を果たし続けている。
この技は自力で覚えるポケモンも居るが、初代マシン技でしか覚えられないポケモンも存在し、
そのようなポケモンは、金銀で初登場した遺伝技と両立不可のケースがいくつかあるため要注意。
また、この技は金銀ではスケッチが不可であるため、ドーブルはこの技を使うことが出来ない。

仕様に関する少し細かい話をすると、この技の威力は厳密には250であり、
攻撃の際に対象の防御力を半分にして計算するという仕様になっている。
防御力が半分になるというのは、実質的に威力が倍になるのとほとんど同じであるため、この技は実質威力500相当と言える。
ただし、「対象の防御力を半分にする」という処理は、この技を選択したポケモンが混乱自傷した際にも行われる。
混乱自傷する場合、攻撃の対象となるのは自分自身であるため、その際自分の防御力を半分にして計算してしまうということである。
すなわち、「混乱状態のポケモンがこの技を選択したが、失敗して混乱自傷した」という場合、自傷ダメージが2倍になってしまう。

・マルマイン、ナッシー、パルシェン
味方を有利にする様々な技を残しながら、この技によって1-1交換や、自主退場が出来るポケモン。
マルマインは場に残る技としてはリフレクター・光の壁・雨乞い、デバフ技としては電磁波やフラッシュを使える。
何よりも大きいのは、全ポケモン中最速の素早さからこの技を使えるという点で、
ターンカットを利用して、好きなタイミングで自発的に自主退場し、エースの起点に繋げることが出来るというのが何よりの強さと言える。
ナッシーは眠り粉や痺れ粉と言った状態異常技を振りまきながら、この技による自主退場で起点を作れる。
リフレクターや日本晴れを残すことも可能。光合成とは両立不可なので注意。
パルシェンは、撒き菱を使った上でこの技で1-1交換をすることで、相手にだけ撒き菱を踏ませた状態でその後のタイマンを迎えることが出来る。
この他、リフレクターや雨乞いを残すことも可能。高速スピンとは両立不可。
また、この技自体は岩・鋼・ゴーストポケモンに受けられてしまうと、半減や無効化され、自分だけが瀕死になってしまうが、
パルシェンは波乗りをメイン技として持つことが出来るため、岩や鋼ポケモンには受けづらくすることが出来る。
ナッシー&マルマイン:壁を残して後続に繋ぐ
ナッシー&マルマイン:日本晴れのターンを無駄にしないため2匹連続ですぐ爆発する
ナッシー:仲間にとって邪魔な相手を吹っ飛ばす(間接的役割破壊)
ナッシー:敢えて倒さないことで後続の起点を作る
ナッシー:一刻も早く退場するためにゴースト相手に打つのが有効になる場合もある
パルシェン&ゴローニャ:相手を1匹倒して3-2に持ち込んでからこの技の2連発で詰める
パルシェン:とにかく誰でも良いから1-1交換してタイマンに持ち込む
パルシェン:サンダー昆布を決めて最後の詰めに使う
パルシェン:どちらに当たっても後続が勝てるという状況で詰めに使う
パルシェン:ターンカットを利用し、後続で前のターンの技をアンコールする
パルシェン:身代わりを残されないように下手なことをせずさっさと爆ぜる
【一撃あり2000】マルマイン:敢えてムウマの前で使うことによって後続の起点作成

・ゴローニャ、ハガネール、フォレトス
ノーマル耐性と高い物理耐久によって、カビゴンを受けながら最終的にはこの技で1-1交換を狙えるポケモン。
カビゴンというのは攻撃力も高いが、耐久力も並外れており、物理ポケモンを以てしても一方的に倒すのは難しい。
そこで、この技の超火力によって、自らが犠牲となる代わりにカビゴンも巻き込んで1-1交換を狙うという手がある。
倒されたくないカビゴンにとっては、これらのポケモンがこの技を持っているというだけで大きな圧力になるため、
結果的に場から引かせる(=流す)ことが出来る。
この際、カビゴンに鈍いを積まれて防御力を上げられてしまっては、せっかくのこの技も耐えられ、眠るで復活されてしまうが、
それに合わせてこちらも鈍いを持たせ、攻撃力を上げることで対策が可能。
ゴローニャは、この技で最強の火力を出せるポケモンである。
ハガネールは、鈍いの代わりに嫌な音でこの技の火力を伸ばすことも可能。
フォレトスは、パルシェンと同様に撒き菱やリフレクターを場に残しながら退場も出来る。
ゴローニャとハガネールは、属性一致の地震を打てるため、岩・鋼・ゴーストポケモンにこの技を止められにくい。
ゴローニャ:相手のバトンコンボを切り離して破綻させる
ゴローニャ:後ろに誰が控えているかを隠しながらどんどん枚数を減らして行く
ゴローニャ:それなりに硬いポケモンすら一撃で吹っ飛ばす
ハガネール:身代わりを吠えるで退場させてから確実に1-1交換
ハガネール:一撃で倒される相手に対しても先制のツメが発動すれば1-1交換
フォレトス:カビゴンを受け続け最終的に吹っ飛ばす
イワーク:嫌な音でエアームドをほぼ倒す
【2012ルール】ゴローニャ:鈍いを積んだ相手も一撃で倒せる火力

・ゲンガー
これも、ノーマルや格闘無効化によって、カビゴンを始めとする一部のポケモンを流しつつ、この技によって1-1交換を狙える。
ゲンガーは、この技でなくとも、滅びの歌や道連れでも1-1交換自体は可能だが、
滅びの歌は決まるまでに3ターンかかる上、吠えるや吹き飛ばしで対策されてしまうことがあり、
道連れは相手が攻撃技を打ってくれないと決まらず、特にゲンガーが先制される相手には決まりにくい。
それに対し、この技ならば自ら能動的に使うことが出来るため、使い勝手は良いと言える。
ただし、上記のポケモンよりも攻撃力が低いため、一撃では倒せない相手が多い。
そのため、あらかじめ他の攻撃技で相手のHPを少し削っておいたり、タイプ強化アイテムのリボンを持たせる等の工夫が必要。
カビゴンが鈍いを積んで来た場合、ゲンガーはゴーストタイプなので鈍いを使えない(呪いになってしまう)。
その代わり、黒い霧を使うことが出来るため、それによって鈍いの防御アップを解除することは出来る。
また、ゲンガーはこの技を黒い眼差しと併用出来る唯一のポケモンであり、
相手をチェンジ出来なくした上で、確実に目の前の相手にこの技を当てるというコンボが可能。
滅びの歌は、この技と両立不可なので注意。
場に残せる技としては、催眠術・日本晴れ・雨乞いがある。
ゲンガー:フルアタで場を荒らした挙句最後に爆ぜる
ゲンガー:催眠術を残して後続に繋ぐ
ゲンガー:日本晴れを残して後続に繋ぐ&水玉リボンを持たせて一撃で倒しやすくする
ゲンガー:ロックバトンから繋いで確実に目の前の相手を倒す
ゲンガー:道連れとのコンビネーション

・ベトベトン、マタドガス
その他、この技を覚えるポケモン。最終進化形態は、以上が全てとなる。
両者の共通点として、属性一致のヘドロ爆弾とこの技の相性は悪いが、大文字を覚えるため、鋼ポケモンには止められづらい。
また、嫌な音によってこの技の火力を伸ばすことが出来る。
ベトベトンは、ゴローニャに次いで高い火力でこの技を打つことが出来る。
マタドガスは、煙幕を打ちながらこの技で自主退場し、後続のポケモンの身代わりの起点を作る、と言った動きが可能。
ベトベトン:鈍いに対して嫌な音で確実に1-1交換
マタドガス:1匹倒した後に使うことで1-2交換

・イワーク、ゴースト、タマタマ、ビリリダマ、ミュウ等
一撃無し2000以外の公式ルールやローカルルールにおいても、
この技はほぼ例外なく強力であるため、それぞれのルールにおいてこの技を使用出来るポケモンは、それだけで評価を上げていると言える。
ミュウは、この技を剣の舞や再生回復(タマゴ産み)と併用出来る唯一のポケモンである。
【ドラフト対戦】ビリリダマ:雨乞いを残して自主退場
【金銀ファンシーカップ】ゴース:最後の詰めに使う

だいもんじ

炎タイプの最高威力技。吹雪・雷と同様、威力120で、命中率とPPが低く、追加効果がある。
金銀では技マシンが無限に入手出来るようになったため、手軽に覚えさせられるようになった。
吹雪と雷はどちらも命中率が70%とかなり低いため、安定性を取って冷凍ビームや10万ボルトが使われることも多いが、
この技の命中率は85%とそれらに比べたらかなりマシである。
また、炎ポケモンがメイン技として打つ時に、
弱点を突けるポケモンを火炎放射だと2発かかってしまうがこの技なら一撃で倒せることも多い。
そして、炎以外のポケモンが、鋼などへの役割破壊としてサブ技に炎技を持たせる場合、
火炎放射では3発かかるがこの技なら2発で倒せるというケースもかなり多い。
以上の理由から、実戦での採用率は火炎放射よりもかなり高いと言って間違いないだろう。
なお、この技を覚えるポケモンは全員、火炎放射も覚えることが出来るため、選択の余地はある。
逆にこの技を覚えず火炎放射だけを覚えるポケモンは存在する。オクタン族とノコッチである。

使い手としては、まず炎ポケモンは全員もれなくこの技を覚えることができ、
日本晴れでこの技を強化出来ることもあって、十中八九この技はメイン技として使われる。
草や鋼などメジャーなポケモンでこの技で一撃で倒せる相手も多く、
水や岩などの耐性を持つポケモンが相手のパーティや選出に居ない場合もあり、無効化属性も無いため、
攻撃が一貫する場合も少なくない。
炎ポケモンは特攻が高いポケモンも多いため、かなり強力なメイン技として使うことが出来る。
また、炎ポケモン以外でこの技を覚えることが出来るポケモンもかなり多い。
この技で弱点を突くことが出来る草や鋼やヘラクロスはよく使われるポケモンなので、
それらに対する有効打として、それらを苦手とするポケモンがサブ技として持つことも非常に多い。
特に、メイン技が鋼ポケモンに止められてしまうノーマルポケモンにとっては重要なサブ技となる。
鋼ポケモンは特殊耐久の低いものばかりなので、特攻が高くない物理ポケモンでもこの技で致命傷を負わせることが出来る。
攻撃技をたくさん持たせて範囲を広げるタイプのエースが、その一環として持たせることもある。
なお、この技を始めとした火傷の追加効果を持つ技は、凍っているポケモンに打つと相手の氷を溶かしてしまうので注意。

・ファイヤー
この技の最強の使い手。日本晴れと併用することで全ポケモン中ぶっちぎり1位の特殊火力を出すことが出来る。
この火力は、特殊技でありながらレベルが下のカビゴンを2発で倒せてしまい、
ハリーセンやサイドン等、特殊耐久の低いポケモンは、耐性を持っていても2発で倒せてしまうというほど。
このように多少の属性相性の悪さは覆してしまうほどの超火力なので、
残りは眠る+寝言などにして、攻撃技をこの技1本にしても十分戦うことが出来る。
ファイヤー:日本晴れとの併用で超火力
ファイヤー:低レベルですら55カビゴンを倒し切る超火力
ファイヤー:同レベルのカビゴンを2発で倒し得る
ファイヤー:効果今ひとつの相手をも強行突破

・バクフーン、エンテイ、ヘルガー、ギャロップ
その他、日本晴れと併用して火力を伸ばす使い方が多い炎ポケモン。
エンテイとヘルガーはソーラービームとも併用が出来て、非常に相性が良い。
ヘルガーはファイヤーの次に高い火力でこの技を打つことが出来る。
エンテイ:日本晴れでルージュラを先制一撃
バクフーン:火傷でカビゴンを無力化
ヘルガー:日本晴れ+眠ると併用なら電気ポケモンにタイマンで勝てる
ヘルガー:裏からの決定力
ヘルガー:火傷昆布
ギャロップ:催眠術と併用でゲンガーに何もさせず突破
【一撃あり2000】ギャロップ:角ドリルと打ち分ける

・リザードン、ウインディ、ブーバー、キュウコン、ブースター、マグカルゴ
その他の炎ポケモン。日本晴れと併用されることは少ないが、
やはり通りが良く火力も高いため、特別な理由が無い限りこの技は十中八九メイン技として採用される。
リザードン:腹太鼓と両刀でハピナス+エアームドを粉砕
リザードン:同速勝負でミルタンクを事故らせて倒す
リザードン:身代わり持ちに対して交代際に火傷ワンチャン
ウインディ:55サンダー軸に刺す
ブーバー:クロスチョップとの両刀
キュウコン:あやみがと併用で55サンダーを突破
マグカルゴ:サンダーを突破した上カビゴンをガン受けして詰ます

・カビゴン、ケンタロス、ピクシー、ハピナス、プクリン
属性一致の捨て身タックルや恩返し等をメイン技とするノーマルポケモンが、
突破しづらい鋼ポケモンへの役割破壊として持たせるケース。
鋼ポケモンはこれらのポケモンに対して大きな打点を持たないことがほとんどなので、
この技ひとつ持たせるだけで完全に優劣が逆転し、起点にまですることが出来るようになる。
岩ポケモンには止められてしまう。
カビゴン:エアームドを楽々倒す
カビゴン:ムウマをジワジワ削る
ケンタロス:55ハガネールにタイマンで勝つ
ケンタロス:この技があるだけでエアームドを起点に出来る
ケンタロス:広範囲型の一環として
ケンタロス:不利な状況で火傷ワンチャン狙い
ピクシー:エアームドへの役割破壊
プクリン:エアームド+ヘラクロスに刺さる

・ベトベトン、マタドガス
属性一致のヘドロ爆弾をメイン技とする毒ポケモンが、無効化されてしまう鋼への役割破壊として持たせるケース。
どちらも大爆発を使うポケモンなので、それを止められてしまうという意味でも鋼への打点は重要。
これまた、エアームドやフォレトスに対してはこの技ひとつ持つだけで完全に起点に出来るようになる。
鋼ポケモンが打って来ることが多いどくどくを無効化出来るのも大きな強みのひとつ。
マタドガスに至っては、技スペースを圧縮した結果、ヘドロ爆弾を差し置いてこの技がメイン技となることすらある。
ベトベトン:エアームドを起点にする
マタドガス:裏から刺せる例
マタドガス:属性不一致メイン技として使う例

・ガラガラ、ゴローニャ
地震+岩雪崩を攻撃の軸とするポケモンが、突破しづらいエアームドと草とヘラクロスをまとめてこの技で対策するケース。
草やヘラクロスはそれでも3発はかかってしまうことがほとんどなので、エアームドへの打点という意味合いが強い。
ゴローニャ:広範囲型の一環
ガラガラ:フォレトスを楽々倒す

・カイリキー
メイン技のクロスチョップと、相性の良いめざ霊、めざ蟲、岩雪崩、地震などがよく使用されるが、
それらではどうしても突破が難しいヘラクロスやフシギバナ、ウツボットへの打開策としてこの技が有効。
光合成で粘って来る草ポケモンに連射する必要が出て来ることもあるので、
この技よりも安定性のある火炎放射が採用されることもある。
ついでにエアームドにも、クロスチョップよりも大きなダメージを入れることが出来る。

・バンギラス、カイリュー、ニドキング、ニドクイン
苦手な相手を対策するというよりは、攻撃範囲を広げる一環としてこの技を持たせるというケース。
ナッシー、フシギバナ、ハガネール、エアームド、ヘラクロス、パルシェンと、
低レベルで使われることが多いサポートキャラに対して軒並み通りが良いため、
この技を持っていると相手をエースの裏から崩しやすくなる。
バンギラス:リフレクターが効いている相手に物理技の代わりに打つ
バンギラス:広範囲型の一環
ニドキング:広範囲型の一環
ニドクイン:広範囲型の一環
カイリュー:広範囲型の一環
プテラ:ハガネールに大ダメージ&火傷で大爆発を無力化
【一撃あり2000】ニドキング:特殊技これ1本でも広範囲に有効

・トゲチック
アンコールや甘えるを中心としてサポート的な動きが中心となるが、
攻撃技を持たせる際に、威力・攻撃範囲ともに最も優れている技を考えると、この技が筆頭候補に挙がる。
トゲチック:貴重な高威力技

・ギャラドス、ヤドラン、ヤドキング
水ポケモンで、この技を覚えるという珍しいポケモン。
この技で弱点を突ける草に対しては、より水技と相性の良い冷凍ビームを使うことが出来る。
また、ヘラクロスに対しても、どれも複合タイプの属性一致技で弱点を突くことが出来る。
鋼ポケモンを手早く倒し、ヘラクロスと草への打点が欲しいという条件を同時に満たしたいという場合に、
ようやく利用価値が出て来る技と言ったところか。

・小ネタ
初代では、ジムリーダーから貰えるマシン技であったので、この技を自力で覚えるポケモンは存在しなかった。
金銀ではそうでなくなったので、そのような制約は無くなり、一部の炎ポケモンがレベルアップで覚えるようになった。

たきのぼり

同じ水技である波乗りと命中率・PPが全く同じであり、威力だけが下回るため、完全下位互換である。
第4世代以降のような怯みの追加効果も、金銀では存在しない。
更に、この技を覚えるポケモンは全員もれなく波乗りを覚える。
したがって、実戦では全く価値の無い技と言い切ってしまって差し支えない。

・スイクン、キングドラ
波乗りの完全劣化技であっても、開き直って「第2の波乗り」として使えば使えないことはない。
単純に、技スペースを圧迫する代わりにPPが増えるため、
波乗りでも滝登りでも変わらないような相手に対しては、それだけ多い回数(合計48発)攻撃が打てるようになるというのもあるが、
「眠る+寝言と併用することで、2/3の確率で水技が発動する」という利用法がある。
この技は、Lv.50スイクンであってもちょうどギリギリ火力が足りていて、
55ガラガラを確定2発、55バンギラスを確定3発というのは波乗りと同じである。
したがって、これらに対して眠る+寝言で粘りながら戦う際、寝言でどちらが発動しても良いということになる。
更には、55フーディンや55ゲンガーの身代わりもちょうどギリギリ確定で割れるため、
スイクンが寝ている間にこれらのポケモンがメロみがの起点を作ろうとして来た際の抵抗にもなる。
スイクンはメロメロ無効なので、サイコキネシスで殴るしか無いフーディンに対しては特に壁となれる可能性がある。
こうした動きが他の技では代用出来ない。
冷凍ビームではバンギラスには大したダメージにならないのはもちろん、55ガラガラも3発かかってしまい、
55フーディンや55ゲンガーの身代わりも確定で耐えられてしまう。
また、これより威力の低いバブル光線などの水技でも、やはり55ガラガラに2耐えされてしまうなど火力が足りないため、
「第2の波乗り」としてこのラインを突けるのはこの技しか無い。
一方で、それならば始めから技を持たせず、波乗り+眠る+寝言だけの技構成にしてしまえば、
寝言で50%で波乗り、50%で眠るを引けるのでもっと良くなるのでは、となりそうだが、
寝言で眠るを引いてしまうと、ガラガラには剣の舞、バンギラスには嫌な音、フーディン等には身代わりを打つチャンスを与えてしまい、
その隙に突破されてしまう危険性が増える。
そのため、これらの相手に対しては、寝言で眠るよりも、水技を引いて確実にダメージを与えた方が良いという場合が少なくない。
その点で、50%で波乗りしか引けないよりも、2/3の確率でどちらかの水技が発動した方が、高精度の流しと言える場合がある。
場合によってはムウマやカイリキーあたりを眠る+寝言で誤魔化す場合でも、眠るを引くよりダメージを与えた方が良いことがあるため、
偶発的に役に立つこともあるかも知れない。
スイクン:波乗りと併用で急所試行回数を稼ぐ

・小ネタ
初代ではアズマオウ族の専用技であったが、金銀で秘伝技となり、水ポケモンの半分程度が覚えられるようになった。
自力で覚えることが出来るのは依然、アズマオウ族のみであり、
秘伝技をマシンを使わず自力で覚えるというケースは全ポケモンで見てもこれが唯一である。
この技を属性不一致で覚えるのは、カイリュー族とルギアだけである。

たたきつける

同じノーマル技である恩返し・八つ当たりと比べて威力と命中率が共に大きく劣っており、PPも同じで、
追加効果も無いため完全下位互換技である。
ついでに言うとメガトンパンチと比較しても命中率が低いだけの完全下位互換であり、
PPだけが多い点を除けばトライアタックと怪力の下位互換にもなるという、相当悲惨な技。
この技を覚えるポケモンはもれなく恩返しと八つ当たりを覚えることが出来るため、
対戦での価値は全く無いと言ってしまって良いだろう。

・小ネタ
初代では、ベロリンガがこの技を属性一致で使える唯一のポケモンであった。
これに加え、金銀ではオオタチ族とエイパムが追加された。

たつまき

ドラゴンタイプの小技。他の特殊タイプの小技である火の粉や電気ショック等と同じく威力は40。
この技の効果は2つあり、ひとつは空を飛んでいる相手にも命中し、その際に威力が倍になるというもの。
これに関しては、空を飛ぶ自体がまず対戦で滅多に使われないため、有効な効果とは言い難い。
もうひとつは20%の確率で怯みの追加効果が発動するというものである。
これを無視した場合、同じドラゴン技で命中率・PPが同じであり、より威力の高い竜の息吹の劣化となってしまうため、
採用する際はこの怯みを狙うことがほぼ前提条件となる。
しかし、この技を覚えるポケモンは全員、頭突きを覚えることも出来る。
頭突きの方が追加効果発動率が30%と高く、
しかもほとんどの場合はこの技よりも頭突きを使った方がダメージも大きいため、
怯み目当てで使うにも壁がある、実戦登用するのはかなり難しい技。

・マンタイン
他のドラゴン技は覚えず、この技だけを覚えるという唯一のポケモン。
また、この技を覚えるポケモンの中では唯一、物理攻撃力が極端に低いため、
特殊耐久の低い相手に対しては、頭突きよりもこの技の方がダメージが大きくなるという場合がある。
これを怪しい光と併用して、ストップコンボを狙うというようなことが出来なくはない。
マンタイン:どくどく+怪しい光と併用してストコン

ダブルニードル

スピアーの専用技。2回連続攻撃の中では威力が25と最も低いが、
それでも蟲技の中では、目覚めるパワーを除くと、威力の期待値50というのはメガホーンの次に高い。
属性一致で使っても実質威力75相当なので、同じ倍率の場合火力は恩返しにも及ばないが、
連続攻撃であるので身代わりを貫通出来る可能性があるというのと、急所率が上がるという点、
それから20%の確率で相手を毒状態にするという追加効果によって独自性を持っている。
特に、毒技以外で毒の追加効果を持つ唯一の技であり、
鋼ポケモンに毒状態を浴びせることが出来る唯一の技であるというのが特筆すべきポイント。
(※PBSでは鋼ポケモンにも毒を入れられないという仕様になっている。)
鋼ポケモンは回復を食べ残しや黄金の実に依存し、眠るを持たないことも多いため、
毒を入れること自体がかなり有効な対策となる場合が少なくない。
寧ろこの効果を持つためにこの技が採用されるというケースすらある。
毒ポケモンだけは元々毒状態にならないという性質があるため、毒状態にすることは出来ない。
また、連続攻撃で追加効果を持つ唯一の技でもあり、
追加効果発動の判定は1発ごとに行われるので、2発分で実質36%の確率で相手に毒を浴びせることが出来る。
この確率は、ダイレクトに相手に毒を浴びせる技を除けば、最も毒の発動確率が高いと言える。
これより高い40%の確率で毒状態にするスモッグがあるが、命中率が70%しか無いため、実質28%でしか毒状態に出来ない。
また、身代わりを割りつつ2発目で追加効果の毒を入れることも出来るため、
「先制で身代わりを貼って来た相手に対し、そのターンに状態異常を入れることが出来る」という唯一の技である。
(※こちらもPBSにおいては1発目にしか追加効果判定が無いようで、身代わりを貫通は出来ない模様。)

・スピアー
この技を使える唯一のポケモン。
メイン技としては、もっと威力が高く、しかも追加効果発動率も高いヘドロ爆弾がほぼ100%採用される。
この技は、使う場合はあくまでサブ技のようなポジションになるだろう。
エスパーや悪にはヘドロ爆弾より僅かだが大きなダメージを与えることができ、
特にヘドロ爆弾に耐性を持つバンギラスには有効なダメージソースとなる。
弱点を突けるポケモンのうち、スターミーやフーディンなど身代わりを使って来そうな相手には積極的に狙いたい。
また、ヘドロ爆弾が無効化される鋼ポケモンに毒を浴びせることが出来るというのも狙い目のひとつ。
ヘドロ爆弾との直接的な属性相性は全く良いとは言えないので、
実際には身代わりの貫通と、鋼ポケモンに対する毒状態が主な目的となる。
そのため、そもそもこの技を無理に持たせる必要も無い。

・小ネタ
初代では、威力25という数値を持つ唯一の攻撃技だったが、金銀でボーンラッシュが追加された。

タマゴうみ

再生回復技。ハピナス族の専用技である。
技の性能はミルク飲みと全く同じであり、PPの面ではより多い自己再生の完全下位互換技となってしまう。
しかし技の性能自体は極めて強力であり、ハピナスは自己再生を覚えないため、
ハピナスが耐久型の種族値であることもあってまず100%に近い勢いでこの技は採用される。

・ハピナス
この技の唯一の使い手。この技を持つことによって、特殊攻撃に対する最強の壁となることが出来ている。
眠るに比べて、状態異常を治せないというデメリットがあるが、癒しの鈴を持つことでそれも克服することができ、
たとえそれを持たずとも、ほとんどの場合は眠るよりも遥かに受けは安定する。
この技で粘りながら、鈍いや丸くなる+小さくなるを積んで、決定力を出して行くことも出来る。
ハピナス:55サンダーをガン受け
ハピナス:回復しながら積み技をどんどん積んで行く
ハピナス:回復しながら受け回し続けるだけで勝てる例

・ラッキー
ラッキーパンチを使ってハピナスと差別化するか、
もしくはリトルカップや城杯、2012等、ラッキーの利用価値があるルールでは、
ラッキーもやはりハピナスと同じように高い特殊耐久を活かしてこの技で受け続けることになる。
お互いの耐久力が相対的に大幅に落ちるリトルカップですら、ラッキーは非常に丈夫であるのでこの技で粘ることが可能。
ラッキー:低レベルでも55サンダーを受け切ることが可能

・ミュウ
ウルトラカップ等でミュウを使えるルールである場合、
ミュウにとってはこの技が唯一の再生回復技であり、耐久力も高いため、採用されることがかなり多い。
【一撃無しウルトラカップ】ミュウ:回復しながら影分身+転がるで全抜き
【一撃無しウルトラカップ】ミュウ:回復しながら剣の舞を積む

・小ネタ
初代ではラッキーの専用技でありながら、技マシンでしか覚えることが出来なかった。
すなわち初代ではこの技を自力で覚えるポケモンは存在しなかった。
金銀では技マシンは撤廃され、ラッキー・ハピナスは自力でこの技を習得するようになった。

タマゴばくだん

ハピナス族とナッシーのみが覚える技。
同じノーマル技である恩返し・八つ当たりと比べて威力・命中率・PP全ての面で劣っており、
追加効果も無いため完全下位互換技である。
ハピナスもナッシーも恩返し・八つ当たりを覚えることが出来るので、対戦で使う価値は全く無い。
恩返し・八つ当たりの性能があまりにも良過ぎるだけで、この技の性能も決して悪くはないため、
技タイプさえ違っていれば、急激に利用価値が出て来る可能性があるだけに、惜しまれる。

・小ネタ
初代では技マシンで覚えられる技であり、ラッキーもナッシーも自力では覚えなかったため、
タマゴ産みと同じく技マシンでしか覚えることが出来なかった技のひとつ。
2種類のポケモンしか覚えることが出来ないのに、無駄にタマムシデパートで無限に購入することが出来た。
金銀ではタマゴ産みと同じく技マシンは撤廃され、それらのポケモンは自力でこの技を習得するようになった。
ラッキーの進化系であるハピナスを除き、新たに覚えるポケモンが追加されることは無かったという、かなり地味な技。

だましうち

悪タイプの必中技。必中であることを除くと、
威力とPPが同じであり、命中率も100%であり、怯みの追加効果もある噛み付くの劣化となる。
更に、PPが5だけ多いことを除けば、より威力の高い噛み砕くと目覚めるパワー悪の劣化にもなる。
そして肝心の必中効果に関してだが、
影分身を使って来るようなポケモンには、この技を打った所で威力不足過ぎて対策として機能しないことが多い。
弱点を突けるエスパーやゴーストポケモンが影分身戦術を使って来るような場合には刺さるかも知れないが、
あまりにもピンポイント過ぎてそのために実戦採用するのはなかなか難しい。

・ヤミカラス、ニューラ
噛み付くも噛み砕くも覚えず、この技を覚える悪ポケモン。
他の目覚めるパワーを使いたかったり、♀で使いたい等の理由により目覚めるパワー悪を使えない場合に、
属性一致技として採用の余地がある。
ニューラはあまりに特攻が低過ぎてそもそも悪技を持たせること自体が稀だが、ヤミカラスならば少しは可能性がある。
ブラッキー:ムウマを確実に仕留めるためならば噛み付くと変わらず使える

・ネイティオ
属性不一致の中ではこの技の最強の使い手であり、メイン技のサイコキネシスとも相性が良く、
噛み付くも噛み砕くも覚えないため、これまた目覚めるパワー悪を使えない場合にサブ技として採用の余地がある。

たまなげ

ナッシー族の専用技。同じノーマルタイプの連続攻撃技である棘キャノンに比べて、威力と命中率で劣っている。
PPだけは5だけ多いものの、そこまで打つこともまず無いのでほぼ棘キャノンの下位互換技と言える。
ナッシーは棘キャノンを覚えないものの、かと言って威力が低過ぎて実戦ではまるで使えたものではない。
1発分ぐらい急所に当たったところで合計ダメージは恩返し・八つ当たりに及ばず、
威力が低過ぎて身代わりを壊すこともままならないため、使うことはまず無い。
せっかくナッシー族の専用技なのだから、技タイプが草にでもなってくれたら一気に利用価値が上がっていただろうに。


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