最終更新日:'24/5/2  最終チェック日:'24/5/2
我流・個別分析 <ケンタロス>

変態ポケモン図鑑はこちら


<概論>

第1世代から引き続き、金銀においても持ち前の火力と素早さにより、「暴れ牛ポケモン」の名に恥じない性能を発揮し続けているポケモン。
特に、金銀のみに登場するアイテム・破壊の遺伝子を装備した型の強さは見逃せず、
Lv.55の破壊光線で多くのポケモンを上から一撃で倒せることで有名。
ただの火力馬鹿ではなく、攻撃範囲も広く、ノーマル技と相性の良い地震と大文字を両方覚えられる点も優秀。
耐久面も、そこまで硬いわけではないが、ノーマルタイプゆえ弱点が少なく、
それなりに高火力の技でないと、2発で倒すことも難しい。
その上素早さも、サンダーはもちろん、レベル差を付ければスターミーやフーディン等にまで先制出来るため、
火力・攻撃範囲を備えながら、上からの行動が保証されているという点で、止めるのが極めて難しいポケモンとなっている。
破壊の遺伝子以外にも、とにかく厄介な型が多い、あまり敵には回したくないポケモンと言えるだろう。
なお、当コンテンツは大部分では一撃無しのルールを扱っているが、
一撃ありのルールでは、角ドリルによってますます歯止めが利かない存在となり、カビゴンと人気を二分するほどである。


<実戦的ステータス>

タイマン性能■■■■■■■■■■ 出番の多さ■■■■■■■■■■
複数対決性能■■■■■□□□□□ 使い方の多様性■■■■■■■□□□
対カビゴン性能■■■■■■■■□□ 不利な相手への対抗力■■■■■■■■■■
対その他の一線級■■■■■■■■■■ 個人的総合評価■■■■■■■■■■


<優劣関係>

格好の餌ゲンガー ハピナス フォレトス スイクン ヘラクロス フシギバナ
割と有利サンダー ガラガラ ライコウ ファイヤー リザードン バンギラス
場合によるムウマ カイリキー エアームド ハガネール ブラッキー
割と不利パルシェン スターミー ミルタンク カビゴン ナッシー
天敵プテラ ツボツボ サイドン フーディン サンダース


<防御面>

55食べ残し555250
55カビゴンの捨て身タックル確3確3微高確率2発超高確率2発
50カビゴンののしかかり乱数5-6発超高確率4発確4低確率3発
50カビゴンの爆裂パンチ確3確3超低確率2発微高確率2発
バンギラスの岩雪崩確4低確率3発確3確3
バンギラスの噛み砕く確4中乱数3発確3確3
50ヘラクロスのめざ格確3低確率2発超高確率2発確2
53ベトベトンのヘドロ爆弾高確率4発超低確率3発微高確率3発確3
50エアームドのドリル嘴乱数6-7発乱数5-6発超低確率4発中乱数4発
52ゲンガーの10万ボルト超低確率4発確4超低確率3発中乱数3発
55サンダーの10万ボルト確3低確率2発超高確率2発確2
50スターミーの波乗り確4微高確率3発確3確3
50パルシェンの冷凍ビーム高確率4発超低確率3発高確率3発確3
50ハピナスの雷乱数5-6発超低確率4発超高確率4発確4


<技候補>

捨て身タックル
恩返し
安定の属性一致メイン技。破壊の遺伝子があっても無くても使える。
両立不可の弊害は全く無いので、威力重視なら捨て身タックルを。
破壊光線破壊の遺伝子型においては、むしろこっちがメイン技と言っても過言ではない。
場合によっては上記のノーマル技を抜くことすらある。
地震ノーマル技と相性の良い安定サブ技。どの型にしても大抵持たせることになるだろう
大文字
火炎放射
安定サブ技2。ここまでだとエアームドで止まってしまうので、
ここまで持たせてセミフルorフルアタとすることが多い。
アイアンテール地震の代わりに持たせることがある。ツボツボ・プテラへのピンポイントキラーだが、
それらはケンタロスにとって天敵なので、流行次第ではキラーとして持たせる価値がある。
こちらは大文字の代わりに持たせることがある。エアームドと同時に、
厄介なリフレクターパルシェンへの対策となる技。プテラは3発かかる。
鈍い破壊の遺伝子を持たない場合の積み技。カビゴンやガラガラに強くなる。
威張る身代わりと併用もあるが、破壊の遺伝子型でコレを単独で持たせることで、
不利な相手への勝率を上げるという効果もある。
身代わり威張ると併用もあるが、素早いので起点作りのために単独で持たせても良い。
眠る回復しない型の方が多いので、ある種の役割破壊的な使い方が出来るかも知れない。
特に、どくどくに依存したエアームドやブラッキーに倒されないようになるのは美味しい。
睨み付ける
尻尾を振る
素早いので、相手の防御を下げる技もそれなりに有効。
これら2つの技はどちらも性能が全く同じなので、お好みで。
頭突きこの速さと火力からの3割怯みは伊達じゃない。
破壊の遺伝子持ちなら、多くのポケモンを2発で倒せるぐらいの火力が出る。
いびき頭突きと同じ怯み率。しかも王者の印が適用されて、更に怯み率アップ。
ノーマルタイプで、攻撃力と素早さを兼ね備えているケンタロスならでは。
寝言破壊の遺伝子と組み合わせたり、鈍いと併用でカビゴンのような使い方をしたり。
影分身闇の世界へようこそ。詳しくは型サンプルにて。
のしかかり一応覚えるが、元々素早いので、麻痺はあまり有効活用しづらい
冷凍ビーム特攻も低いし、耐久的にも試行回数を稼いで凍結を狙うのは難しいだろう。
角ドリル一撃アリ用。全ポケモン中最も注意されるべき一撃技。
これ1つだけで、2000ルール全体の対戦バランスを大きく揺るがすほどの強さを持つ。
地割れ一撃アリ用。基本的には角ドリルで足りているが、ムウマを対策したい場合に両刀にする手がある


<型サンプル>

Lv.55 捨て身タックル/地震/大文字/破壊光線@破壊の遺伝子

破壊の遺伝子を持たせた、いつの時代も代表的な型。
一撃無し2000ルールにおける「速攻」の代表格であり、かつクソゲーの代表格(!?)でもある重要な存在。
こちらの記事のようにメインで使ってもかなりの強さを発揮出来るが、
むしろ別のLv.55エースが立っているパーティで、不利なパーティと当たった際にクソゲーに持ち込むための最終手段として、
WAの相方として組ませ、爆破+爆破+この破壊の遺伝子ケンタロスでワンチャンに賭ける、という使い方が特に恐ろしい。
破壊の遺伝子状態の破壊光線で55サンダー・55カイリキー・50カビゴン超高確率一撃、55ガラガラ・50ブラッキー高確率一撃、
捨て身タックルで52スターミー・53ハピナス・55フーディン確1、
地震で53ライコウ・55ゲンガー確1、ムウマ・ほとんどの岩・鋼を確2、
大文字で50エアームド・50ハガネール高確率2発、50フォレトス超高確率一撃。
上記の記事にあるように、撒き菱と組み合わせれば更に倒せる範囲が広がる。
この中では特に、55サンダーや55カイリキー・50カビゴンを超高確率一撃で倒せるというのはあまりに大きく、
2010年頃、Lv.55眠る+寝言サンダーが跋扈していた頃は、それに対するキラーとしての側面が強かった。
Lv.55サンダーには破壊の遺伝子+破壊光線で超高確率一撃で、こちらは雷を1回は耐えるため、最低2ターンは動く猶予がある。
これに加えて雷の命中率の低さもあるため、最終的にはケンタロス側がかなり有利な数字となることで知られる。
本来苦手なはずの格闘タイプのカイリキーですら、上から破壊光線一撃で、
しかもクロスチョップを1回は耐えられるので、やはりサンダーと同様に有利を取れる。
サンダーやカイリキーですらこれなので、それよりも火力や耐久が低いポケモンには当然、更に有利を取れることになる。
このようにケンタロスが何ターン行動の猶予があるかで勝率は大きく変わって来るので、
それを引き延ばすことが出来るリフレクターor光の壁によるサポートが極めて相性が良い。
また、序盤のサイクルの途中で、吠える/吹き飛ばしによって、ケンタロスが控えから強制的に引きずり出されてしまうと、
その瞬間破壊の遺伝子が強制的に発動してしまい、更に次のターン、もう1回吠える/吹き飛ばしを食らって引っ込むと、
もう二度と破壊の遺伝子は使えなくなってしまう、という注意点がある。
そのため、大爆発からのケンタロス1匹残しというのが、基本的な動きとなる。
これらの性質より、壁を残して大爆発出来るポケモンとして、パルシェンやマルマインあたりと非常に相性が良い。
なお、破壊の遺伝子は環境によって仕様が異なり、
ポケスタ金銀やPBSでは通常の混乱と同じようにターン経過によって解除されるが、
GB/VC環境においては実質ほぼ永続的に解けないため、使い勝手は幾分か落ちることになる。
ただ、こちらの記事にあるように、2020年以降は爆破速攻に限らず、
サイクルの中でこのケンタロスを繰り出し、破壊の遺伝子が必要無くなったら一旦引っ込め、通常のケンタロスとして使うという、
より柔軟な立ち回りによって、破壊の遺伝子の不安定要素もカバー出来るという研究が進んだ。
特に、破壊の遺伝子が無くても上からの地震で普通に2発で倒せてしまう炎ポケモンや、
大文字2発で倒せてしまうエアームド・ハガネールあたりに対しては、むしろ破壊の遺伝子は邪魔になってしまうため、
初手でいきなりケンタロスを出して即引っ込めるなどして、わざと破壊の遺伝子を解除するという使い方もある。
混乱が解除されるポケスタ/PBS環境においては、壁+爆破戦法が特に有効であり、
壁の効果が切れる頃にはちょうど混乱が解けて自由に動ける、というギミックが成り立っている。
技構成に関して、捨て身タックルと破壊光線は、複数の相手を倒す際に使い分けたいが、
爆破+爆破からのタイマンに特化するならば、ノーマル技は破壊光線だけで良く、捨て身タックルを抜くという手もある。
また、大文字はほぼ対エアームドピンポイントのようなものなので、エアームドが少ない環境ならばこれを抜く選択肢もある。
これらの代わりの技候補としては、後攻で甘えるや状態異常を狙って来る相手に強くなる身代わりや、
どくどく等でチマチマHPを削って来る戦法に対して負けが無くなる眠る、
不利とされる相手を強制的に運ゲーに持ち込ませる(=勝率を少しでも上げる)ための威張る、などが挙がり、それぞれ実際使われた実績もある。
また、同じく不利な相手に対してワンチャンを作るために、
捨て身タックルの代わりに3割怯みを狙いつつ、絶妙に半分程度相手のHPを削れる、頭突きが使われることも稀にある。
オマケ
パーティ … ケンタロスエレブーWA(2021)
パーティ … ケンタロスSA(2020)
パーティ … プテラケンタロスWA(2020)
パーティ … ポリゴン2リザードンケンタロスTA(2014)
パーティ … ケンタロスガラガラサンダーTA(2013)
ログ … 爆破速攻からの破壊の遺伝子ケンタロス
ログ … 爆破速攻からの破壊の遺伝子ケンタロス2
ログ … サイクルからの破壊の遺伝子ケンタロス
ログ … サイクルからの破壊の遺伝子ケンタロス2
ログ … サイクルからの破壊の遺伝子ケンタロス3
ログ … サイクルからの破壊の遺伝子ケンタロス4
ログ … サイクルからの破壊の遺伝子ケンタロス5
ログ … 破壊の遺伝子を解除してからの動き
ログ … 破壊の遺伝子を解除してからの動き2
ログ … 破壊の遺伝子を解除してからの動き3
ログ … 破壊の遺伝子を解除してからの動き4
ログ … 破壊の遺伝子を解除してからの動き5
ログ … 破壊の遺伝子を解除してからの動き6
ログ … ゴースト技無効を活かして場に出す
ログ … 苦い木の実を持って破壊の遺伝子持ちからバトンタッチしてもらう
ログ … 身代わりが初見殺しになる
ログ … 頭突きケンタロス


Lv.55 捨て身タックル/アイアンテール/大文字/破壊光線@破壊の遺伝子

↑の型のケンタロスの天敵として、ツボツボとプテラが居る。
それを対策するために、地震をアイアンテールに変更した型。
これによって遺伝子状態のアイアンテールで、全レベルのプテラを確1、全レベルのツボツボを確2となる。
命中率の問題はもちろんあるが、当然ながらバンギラスやサイドン、ムウマ等へのダメージは地震と同じ。
最も注意すべき点は、低レベルゲンガーを一撃で倒せないため、大爆発される危険があるという点。
その他に、高レベルライコウに対して破壊光線しか打てなくなったり、
オムスターを一撃で倒せないため反撃を喰らったり下手したら黒い霧で止められてしまうというデメリットもある。
採用するかどうかは、ケンタロス対策にツボツボやプテラが多いかという、環境次第だろう。
同様に、パルシェンを気にするなら大文字の枠を代わりに雷に変更する手もある。
この場合、ハガネールに弱くなるため、サブ技は地震を持たせておいた方が良いだろう。


Lv.55 恩返し/地震/大文字/鈍い@奇跡の実

運ゲーが忌避され、大人しい戦術が主流であった2000年代では、ケンタロスはこのような型が代表的だった。
とは言え、これだけでも止めるのは難しいので、十分暴れ牛扱いされていた。
Lv.55ケンタロスは、鈍いを1回積んでLv.51ブラッキー等と同速であり、Lv.55カイリキーあたりまでには先制出来る。
更には2回積んでもLv.51ヌオーと同速、Lv.54までのカビゴンやハガネールには先制出来る。
素早さが逆転してしまう相手には、出来るだけ素の状態で殴りたいが、
これらの先制出来るポケモンの前では、鈍いを積むことで、物理面は攻防共に強化でき、基本的に打ち得となる。
特筆すべきはLv.55ガラガラとのタイマンで、鈍い+恩返し2発で倒すことができ、こちらは鈍いの防御UPによって地震を2耐えするので、
鈍い→恩返し→恩返しの手順で、ガラガラに対してタイマンで勝てるというのは非常に大きい。
また、ツボツボに対しても、鈍いを複数回積んだ上で上から地震で殴れるため、アイアンテールに頼らずとも突破が狙える。
他にも、鈍い+恩返しで55サンダーや50カビゴン等の重要ラインがほぼ確定で2発となる。
ピンクのリボンを持ったミルタンクの恩返しより少し強いぐらいと思えば良いだろう。
鈍い+地震では55サイドンを高確率2発、先制出来ないがバンギラスは確2で倒せる。
恩返しは捨て身タックルにして火力に磨きをかけても良いが、回復手段が無いため反動には要注意。
サンプルでは状態異常に強くなれるよう奇跡の実を持たせているが、食べ残しを持たせるなら捨て身タックルでも良いだろう。
パーティ … ミルタンクケンタロスWA(2011)
ログ … 鈍いケンタロス
ログ … 鈍いケンタロス2


Lv.55 捨て身タックル/地震/威張る/身代わり@食べ残し

破壊の遺伝子とは違う方向のクソゲーを仕掛けるケンタロス。
物理ポケモンでいばみがコンボが成り立つのはなかなか珍しい。
大文字が無いことによってエアームドを倒すのは難しくなるが、逆にそれ以外の大半のポケモンに対しては、
基本的に捨て身タックル+地震だけで決定力を出せるからこそ成り立っている。
素早さ的には、サンダーに先制で身代わりを貼れるのが嬉しい。
しかもLv.55サンダーの目覚めるパワーを身代わりが高確率で耐えるため、雷サンダーに対しては身代わりで外れ待ちを狙える
逆に岩やゴーストを切る代わりに、エアームドに強くしたいなら地震の代わりに大文字にするのも手か。
物理ポケモンのいばみがの弱点として、鈍いを積まれるとたちまち弱くなってしまうという点に注意。
威張るが効かなくなるのもあるが、特殊ポケモンと違って、メイン技の火力自体も弱まってしまうからである。
そのため、出来れば居座りをキャンセルさせる、滅びの歌を持ったポケモン等を併用するのがベター。


Lv.55 捨て身タックル/地震/大文字/身代わり@食べ残し

素早さがあり、また圧力によって対面から引かせられる相手も少なくないため、起点作成のために身代わりを単発で貼るだけでも有効。
特に前述のように雷サンダー、他ブラッキーあたりに対しても効果覿面。
金銀の一撃無し2000ルールにおける、このような単発の身代わりは弱い場合が多い(こちらの記事参照)が、
ケンタロスはそれでも成り立つ数少ない存在と言える。
攻撃技はやはりこの3つが広くて便利。ただそれ以上の突破力は持たないので、鈍いを積んで来るカビゴン等には注意。
素の捨て身タックルだけでは、食べ残し持ちのLv.55カビゴンに高確率で3耐えされてしまう。
カビゴンが素眠りならば急所待ちに追い込めるということだが、寝言持ちの場合は倒しにくい。
寝言で捨て身タックルを打たれた場合、カビゴンに反動ダメージが入るため、それを利用して倒す手はある。
以下省略するが、ケンタロスはこの3種の攻撃技があるだけで基本的に優秀なので、
残りの枠は例えば眠る+薄荷の実にしたり、変な技を持たせて遊んでみることも出来なくはなかったりする。
パーティ … ケンタロスSA(2022)
ログ … 身代わりでブラッキーを起点にして全抜き
ログ … 身代わりでブラッキーを起点にして全抜き2
ログ … 身代わりでナッシーを起点にして全抜き
ログ … 身代わりでムウマを完封しながら突破
ログ … 攻撃範囲を活かして全抜き


Lv.55 捨て身タックル/睨み付ける/影分身/身代わり@食べ残し

その素早さからの身代わりを、影分身と併用することで耐久を上げて行く型。
影分身を積み切ったら、あとは睨み付けるによってじっくりと全抜きを狙うことが出来る。
鈍いだと、同じく鈍いを積んで来るエアームドやサイドンを倒すことが出来ないが、
睨み付けるならば鈍いをPPで大幅に上回るため、いずれ相手の防御ランクをマイナスにして突破することが可能。
因みに尻尾を振るも、睨み付けると全く同じ性能なので、お好みでどちらでも可。
見ての通り、攻撃技は1本になってしまうため、ゴーストには完封されてしまう。


Lv.55 捨て身タックル/地震/いびき/眠る@王者の印

某氏が考案した、寝ている間も暴れ続けるケンタロス。
いびきは30%という高い確率で怯みの追加効果がある上、何故か王者の印が適用されるため、
更に上乗せして、合計約38%もの確率で上から怯ませることが出来る。
肝心の威力は40しか無いためあまり実戦的ではないが、
属性一致で打てて、それなりの攻撃力があり、素早さが高いため怯みも活かしやすいという、
ケンタロスならばギリギリ実戦登用の価値があると言っても良いかも知れない。
また、いびきは防御的な意味合いもあり、通常素眠りなら、敵からの攻撃を3発受けたら倒れてしまうが、
ぐうぐう眠っている間に2回いびきを打てるとなると、少なくとも1回以上は怯みが発動する確率が5割を超える。
そのため、敵から受ける攻撃を2発以内に収められる可能性があり、結果的に延命出来る可能性がそれなりに出て来るという仕組みである。
攻撃の反動を受けても眠って、その間も殴り続けることが出来るため、
反動をあまり気にせず捨て身タックルを連発出来るというのは、この型独特の良さのひとつ。
なお、王者の印はメイン技の捨て身タックルにも適用され、11.7%の確率で怯みが発動するが、
地震には何故か適用されない点に注意。


Lv.55 影分身/鈍い/身代わり/眠る@食べ残し

某氏が考案した、闇の世界のガルーラを模倣した、全く同じ型のケンタロス。
型そのものの解説はガルーラのページを参照されたい。
ケンタロスはガルーラに比べて耐久面でやや落ちる代わりに、素早さと攻撃力が高いという利点を持つ。


<対策例>

・ツボツボ
最強のケンタロスキラー。あらゆる型のケンタロスに対して、ストッパーとなることが出来る。
特筆すべきは対破壊の遺伝子型で、丸くなる+眠るさえ持っていれば、
ケンタロスに後出しした上で、全て動かれてしまった上でも受け切ることが出来る。
このようなことが出来るのは、全ポケモンで見てもツボツボしか存在しない。
身代わりを持った型に対してはダメージソースを失うが、アンコールで行動を縛ることは可能。
その上で、別のポケモンと連携をとって倒すようにしよう。
もしくは、砂嵐があれば身代わりを貫通して本体に直接ダメージを与えることも出来る。
影分身+転がるがあれば、ケンタロスを起点にした上で、反転攻勢まで取ることが出来る。
唯一、鈍いを持った型に対しては、サイクルで何度も受け続けることは出来ないので注意。
また、ツボツボキラーでアイアンテールを使われてしまうと流石に無理。

・プテラ
耐久が低いので安定はしないが、Lv.50でも確実に先手が取れて、
上から身代わりやリフレクターで受けたり、どくどくを仕掛けてジリ貧に追いやる等が狙える。
プテラ側も破壊の遺伝子を持っていた場合、Lv.55の目覚めるパワー岩で2発で倒せるため、打ち合いで有利となる。
これも、キラーでアイアンテールを持たれると弱い他、雷も有効打となってしまう。

・パルシェン
丸く汎用的なケンタロス対策として使える。
特にリフレクター型ならば、破壊の遺伝子型に対してかなり強く出られる。
Lv.50であっても、破壊の遺伝子+破壊光線を確実に耐えられる数少ないポケモンで、
後攻で大爆発なりリフレクターなりに転じることが出来る。
ラス1のタイマンでは大爆発は出来ないが、リフレクター型ならば、何とタイマンにおいても有利を取れることが知られている。
その他の型のケンタロスに対しても、基本的にはリフレクターによるサポートと、大爆発の圧力で汎用的な対策となれる。
雷と、闇型には滅法弱いので注意。

・エアームド
大文字を持っていないケンタロスに対しては大きな壁になれる他、
破壊の遺伝子型に対しても、吹き飛ばしで誤作動を狙うことが出来る。
また、どくどく+守る+食べ残し型ならば、破壊の遺伝子型との完全タイマンでも有利を取ることが出来る。
守る+食べ残しによって、大文字を2耐え出来るようになるのだ。

・ハガネール
ケンタロスに対してあまり直接的に強いわけではないが、
マルマインで壁を貼って起点を作り、破壊の遺伝子ケンタロスで暴れるという構造に対して、
マルマインをハガネールで起点にし、吠えるで強制的にケンタロスを引きずり出すという手がある。
他の型のケンタロスに対しても、例えば身代わりに対して吠えるや、
回復ソースが無いケンタロスに対してどくどくなど、それなりに厄介な壁となることが出来る。
タイマンでは大文字でも地震でも倒されてしまうので、複数対決のうちに活用したい。

・ミルタンク
Lv.55なら破壊の遺伝子+破壊光線を確定で耐えつつ、鈍い+ミルク飲みで要塞と化すことが出来る。
その他のケンタロスはむしろもっとぬるいので、更に余裕でミルタンクで受けることが出来る。
パルシェン並に汎用的なケンタロス対策と言って良いだろう。
そもそもカビゴンの鈍い+捨て身タックルを無理矢理受けているようなポケモンなのだから、
それより火力が低いケンタロスを受からないはずが無い。
上を取られてしまう点だけに注意。ミルク飲みのタイミングは慎重に。

・ムウマ
ケンタロスの全てのノーマル技を無効化した上で、地震も2耐え出来るという唯一のポケモン。
破壊の遺伝子であったとしても、確実に地震を1回耐えることが出来るため、
後攻にはなるが、滅びの歌で退場させたり、痛み分けで耐えながらHPを削るなどが出来る。
ただし逆に、ムウマ側のHPがある程度削られていて、地震圏内になっている場合、
逆にケンタロスに起点にされてしまう場合があるので注意。
特に黒い眼差しや怪しい光を打つ際には注意で、破壊の遺伝子ケンタロスを場に繰り出すには、
それらの技は実質はねる同然の無意味な技なので、悠々とド起点にされてしまう。
他の型に対しても、基本的に一時凌ぎにはなるが、上からの地震を蓄積されると弱いので注意。

・ブラッキー
ケンタロスが身代わりを持っていなければ、壁となることが出来る。
基本的に甘えるで無力化した上で、どくどくをかけてしまえば、あとはジリ貧に追いやれる。
黒い眼差し+バトンタッチの起点にするのも可。
逆に身代わりを持っていたら、ケンタロスにド起点にされてしまうので注意。

・フーディン、スターミー、サンダース等
ケンタロスに先制し、身代わりで行動を抑止し、特殊技で打点もあるポケモンたちの代表例。
破壊の遺伝子型に対しては、キラーレベルとなる。
サンダースはLv.50でも先制出来るが、フーディンはLv.52以上、スターミーはLv.54以上必要。
その他の型に対しては、普通に捨て身タックルを打たれただけで痛手となり、必ずしも有利とは言えない。
ただ、上から厳しい特殊攻撃を浴びせられるのは間違いないため、
ケンタロスを上から抑え込むような戦いを目指すと良いだろう。
リフレクターや電磁波などの補助技があると、なお有効。

・ライコウ
身代わりこそ覚えないが、Lv.55で磁石+雷を持った型ならば、上からケンタロスを2発で倒せるため、有利となる。
もしくは、リフレクターを持てば、ケンタロスのあらゆる物理攻撃を受けつつ、10万ボルトでも有利を取れるようになる。
レベルは54以上無いと55ケンタロスには先制出来ないので、ほぼ55専用と思って良いだろう。

・マルマイン
単純な殴り合いでは全くケンタロスに勝てないが、
Lv.50でも確実に上を取りながら、電磁波もリフレクターも大爆発も出来るというのは、
ケンタロスにとってはかなり嫌な存在。
状態異常を治せない型は、上から電磁波を打たれるだけで実質機能停止してしまうし、
そもそも上から大爆発でゴッソリ削られるのも嫌なので、マルマインで強引にケンタロスを流すことが出来る。
ケンタロス側は短期決戦を狙いたい場合が多いため、上からリフレクターを確実に貼れるというのもかなり美味しい。
短期戦におけるリフレクターの5ターンというのは、とても長いのだ。

・ポリゴン2、サンダー等
同様に、電磁波+リフレクターを併用したポケモンが居れば、それが汎用的なケンタロス対策となる。

・クロバット、ダグトリオ、ニューラ、ペルシアン
ケンタロスの上を取れるマイナーポケモンは活躍のチャンス。
「ケンタロスの上を取れる」というだけで貴重なアイデンティティなので、ここで活躍させない手は無い。
上からの怪しい光やメロメロ、爆裂パンチ、催眠術、どくどく+怯み技などが考えられる。

・サワムラー、エビワラー、カポエラー
マッハパンチを持った型が活躍のチャンス。
これらのポケモンより速く、かつ格闘技で弱点を突けるポケモンというのが実は貴重で、
メジャーなポケモンではケンタロス以外にはミルタンクぐらいしか居ない。
例えばカポエラーは、鈍い+飛び膝蹴り+マッハパンチでケンタロスを倒せたりする。

・メタモン
破壊の遺伝子型に対して活躍のチャンス。
ケンタロスが初手で混乱自傷してくれたら、その時点でほぼ勝ちが確定する。
後攻の変身によって、混乱せず、上がった攻撃力だけをコピーすることが出来るため、
次のターンは破壊光線で相手のケンタロスを確定で倒すことが出来る。
(HP満タンからだと8割程度の確率で一撃だが、初手で混乱自傷している前提なので、それ込みで倒せる)
同速勝負になってしまうのだが、メタルパウダーを持っておけば硬くなり、
ケンタロスに変身したメタモンは、相手のケンタロスの破壊光線を確定で耐えることが出来る。
つまり、変身さえ成功すれば、次のターンの同速勝負に負けたとしても、自分だけ破壊光線を耐えて、
相手は破壊光線一発で倒して勝つことが出来るというわけだ。

・その他
2013年の記事だが、当時破壊の遺伝子ケンタロスが大流行していたため、
それに対する対策としてこちらの記事を書いたので、そちらも参照されたい。


<一撃ありの場合>

Lv.55 捨て身タックル/地震/角ドリル/身代わり@光の粉

ご存知、一撃ありルールにおいては角ドリルによって一線級エースへと豹変するケンタロス。
ケンタロスの角ドリルひとつが対戦環境全体に与えている影響力は尋常でなく、
このルールで戦うからにはパーティ全体で常にこのポケモンに隙を見せないよう総力でかかる必要があるほどである。
また、この他の一撃技を持ったポケモンを使う際は、何が一芸が無いと、
「それってもっと速くて弱点も少ないケンタロスでやった方が良くない?」という課題が常に付き纏うため、
多くのポケモンの参戦権を揺るがす元凶にもなっている。
角ドリル使いとしては全ポケモン中最速であり、これより速い一撃技使いとしては地割れダグトリオが居るが、
色々な飛行ポケモンで止まる地割れと違って、角ドリルはゲンガーとムウマでしか止まらない。
そこに対しても地震で打点があるため、本格的に止まらないポケモンとなっている。
大文字の枠が角ドリルになっているため、エアームドに対しては角ドリルを打つしか無いが、
そのエアームドがケンタロスへの有効打に乏しいため、結果的に角ドリルの試行回数を稼いで有利を取ることが出来る。
耐久もそこそこにはあるため、ケンタロスを下からでも2発以内に倒せるポケモンというのは非常に限られ、
それ以外の相手に対しては、最低でも角ドリルを2回は打てる保証があり、
すなわちほとんどのポケモンに対して対面から5割かそれ以上の勝率を確保出来てしまう。
それでいて、あくまで捨て身タックルと地震の火力は健在なので、もちろん普通に殴り合いで打ち勝てる相手も少なくない。
身代わりは読み合いにはなるが、相手の補助技や交代などを読んで貼ることが出来れば、
これを盾にして角ドリルの試行回数を稼げる他、Lv.50の相手に対しては、大爆発への抑止にもなる。
持ち物の光の粉は、一撃技の打ち合いにおいて有利になるほか、雷ライコウとの交戦において効いて来る。
この型ではHPも状態異常も回復ソースを持っていないため、場に何度も繰り出すことは難しいというのと、
性別が♂固定なので、メロメロで対策しやすいというのが、数少ない弱点であり、また救いとも言える。
このケンタロスを使った代表的なパーティや動かし方の解説として、こちらの記事によく書かれているので参照すると良いだろう。
パーティ … グライガーケンタロスゴルダックTA(2024)
ログ … 対面有利から枚数差を付けて詰める
ログ … ハピナスを起点に


Lv.55 捨て身タックル/地震/角ドリル/眠る@奇跡の実

身代わりは起点作成のためや、大爆発への抑止など非常に便利だが、必須というわけではない。
例えば、この枠を眠る+薄荷の実or奇跡の実にすることによって、HPをジワジワ削って来る相手に対して対策が出来る。
特にエアームドに対しては、身代わりを吹き飛ばされたり、どくどくや砂嵐で体力をジリジリ削られ、
その間に角ドリルを連続で外してしまうと負けてしまう場合があるが、
眠る1つ持っているだけで、逆にエアームドを「受ける」ことが出来てしまうため、
エアームドに対して嬉々として後出しし、起点にして角ドリルを振り回すという動きが出来てしまう。
エアームドに限らず、スイクンぐらいのぬるめのポケモンに対してもかなりの回数角ドリルを振れるようになる。
身代わりを抜いたことによる弊害としては、Lv.50の相手から大爆発を通されてしまうという点はある。
爆破速攻主体の相手には身代わり型が、硬めのサイクル系相手にはこちらの型が、刺さりやすい。
パーティ … ダグトリオケンタロスWA(2023)
ログ … 捨て身タックルと角ドリルの使い分け
ログ … 低レベルゲンガーは完全に起点


Lv.55 捨て身タックル/角ドリル/地割れ/眠る@奇跡の実

ゲンガーは上から地震2発で倒せる上、ゲンガー側もケンタロスへの打点に乏しいため、
ケンタロスはむしろゲンガーに対しては嬉々として起点にして行くぐらいのことが出来るのだが、
ムウマに対しては地震で3発かかるため、滅びの歌や怪しい光などで誤魔化され、
最低1回ぐらいは後出しから流されてしまう場合が多い。
「ケンタロスの角ドリルを無効化した上で、地震に対しても1回は後出し可能」という唯一のポケモンがムウマなので、
それだけこのルールにおけるムウマの需要も高く、ケンタロス対策として起用されることは多い。
そこで、ムウマに対しても一貫する一撃技として、敢えて地割れを採用する手がある。
あくまで角ドリルが無いと、飛行相手に捨て身タックルを打つしか無くなってしまうため、
角ドリルを持ちつつ、両刀で使うことになる。
ゴーストと飛行ポケモンが両方選出された場合は一貫を切られてしまうが、
そんな選出が毎回出来るわけでもないため、相手はどちらか片方が居ない場合も多い。
そこでゴーストが居ない選出に対しては角ドリルを、飛行が居ない選出に対しては地割れを、
というように、相手の選出に合わせて、一貫する方の一撃技を選んで打って行くことが出来る。
特にムウマは、ケンタロスを倒そうとすると滅びの歌に頼らざるを得ないため、時間がかかる。
黒い眼差しを打って、滅びの歌を打って、そこから2ターンを稼ぐ・・・ということをやっているうちに、
地割れを打ち込む隙が何度もあり、試行回数を稼いでそのうちヒットさせやすいのだ。
逆に、地震を失ったことによって、地震で楽々倒せたゲンガーに対しても、地割れを打たざるを得ないのが欠点。
その他、バンギラスやハガネール等に対しても、一撃技に頼らざるを得なくなる。
それだけ汎用性としては落ちるので、ムウマがどれだけ対戦環境に居るかによって、需要は変わって来るだろう。
パーティ … ケンタロスSA(2023)
ログ … 捨て身タックルが普通に強い
ログ … 角ドリル+地割れ両刀
ログ … 角ドリル+地割れ両刀2
ログ … 角ドリル+地割れ両刀3


Lv.55 捨て身タックル/角ドリル/身代わり/眠る@薄荷の実

極論、地震か地割れが絶対に必要な相手はゲンガーとムウマだけであり、
それ以外に対しては、岩や鋼ポケモンであろうが角ドリルを当ててしまいさえすれば良いので、
もしゴーストポケモンを無視することが出来たら、このような型で運用出来ることになる。
上記の身代わり型と眠る型の良いとこ取りで、身代わりによる起点作成や爆破回避をしつつ、
削れたHPを眠るで回復したり、エアームドを受け続けたりもすることが出来る。
かなり硬い型になってしまい、相手すると本格的に手を付けられなくなってしまうため、
このような型を許さないように、環境からゴーストポケモンを絶やさないようにする他無いだろう。
それでも、ケンタロス側としては、追い打ちを持ったポケモンと併用する等の策があるかも知れない。
また、身代わりの枠を寝言にし、道具を光の粉にしたりする手もありそうだ。
なお、ゴーストポケモンが使われることがまず無かった一撃ありのウルトラカップにおいては、
実際にこれと同じ型が活躍し、大会を優勝に導いた実績がある。


Lv.55 角ドリル/地割れ/眠る/寝言@光の粉

金銀黎明期から使われていたという、分かりやすい害悪型。
今となっては身代わりなどで簡単に対策されてしまうが、
状態異常やダメージの蓄積などでケンタロスを対策しようとしている相手に対しては、
この型が思わぬ穴になってしまう可能性も十分ある。


<その他ルールのログ>

・ウルトラカップ
パーティ … 角ドリルミュウ編成(2010)
ログ … 身代わり+角ドリルで禁伝とも渡り合える
ログ … 眠る+角ドリルで禁伝とも渡り合える

・ヒストリアカップ2024
パーティ … 51スターミーライコウバランス編成(2024)
ログ … 低レベルのポケモンに角ドリルを撃ちまくる
ログ … レベル差でライコウを抜いて上から圧力をかける


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