秀才カビ'23

55カビゴン捨て身タックル地震電磁砲眠る食べ残しFFFF
50エアームドドリル嘴どくどく吹き飛ばし眠る薄荷の実FFFF
50ムウマ電磁砲黒い眼差し滅びの歌道連れ黄金の実1FFF
50スターミーハイドロポンプサイコキネシス電磁波自己再生奇跡の実1FFF
50ガラガラホネブーメラン岩雪崩目覚めるパワー
剣の舞太いホネDDFF
55ミルタンク八つ当たり電磁砲鈍いミルク飲みピンクのリボンFFFF

'23/2/10構築、2/26完成
速さ★★★
硬さ★★★★
コンビネーション★★★★★
変態度★★
煮詰め度★★★★★
総合的満足度★★★★★

2020年に組んだカビバンは、個人的に数年おきに組んでいる不器用なカビパの最新バージョンという感覚だったが、
周りからの評判は予想外に良く、コピーやアレンジして使ってくれる人も複数居たため、もう少しブラッシュアップしようと思い立った。
作者としてカビバンの弱点だと認識している点としては、やや受け方向に偏重し過ぎており、
エースが決定力を発揮出来ない相手には極端に弱くなってしまうという点があった。
また、WAのバンギラスは選出機会も少なく、もっと適したポケモンが居るのではと思い、その模索もしてみたかった。
そこで、WA含め、構築全体としてもう少し柔軟に対応出来るような改良を目指した。
ベースはカビバンと同じなので、以下変更点を記す。

●カビゴン
変更点無し。別バージョンのカビバン'22では電磁砲無しの鈍い+地震型で使っていたが、
よく考えたらエアームドへの決定力が無さ過ぎたので、一旦2020年版のセミフル型の方で考え直すことにする。
後述のスターミーから高速スピンが抜けたことにより、電気+パルシェンの組み合わせに対しては、
電磁砲を前面に出した、よりアグレッシブな立ち回りが要求されることになる。
Lv.55吹き飛ばしサンダー+Lv.50パルシェンに対する電磁砲カビゴンの性能について少し補足すると、
パルシェンとカビゴンが向き合った際、カビゴンは撒き菱読みで電磁砲を打つことが出来るが、
パルシェン側からしたら、もしカビゴンが居座って来るのならば即大爆発してしまうという択がある。
しかし、55食べ残しカビゴンは、50パルシェンの大爆発+55サンダーの10万ボルトを、半分よりやや高めの確率で耐えることが出来る。
この後どうするかは、場に55サンダーが出て来て、カビゴンが食べ残し回復してからのHPを見て判断すれば良い。
10万ボルトを高確率で耐えそうならば、そのまま居座って眠るを選択すれば復活出来るし、
耐える確率が低そうならば、パルシェン対策に用意していた別のポケモン(スターミーなりムウマなり)を捨てて、
再度カビゴンを無償降臨させることで、食べ残し回復をもう1回させ、そこから無事眠るで復帰が出来る。
この場合こちらはカビゴンが助かる代わりに1枚ポケモンを失うことになるが、
そもそもその前に相手もパルシェンを1枚失っているため、「パルシェン受けが役割を遂行した」と見なすことが出来る。
しかも、パルシェンが即大爆発したということは、場に撒き菱が撒かれない状態でパルシェンが消えたということなので、
この後昆布を気にせずに、カビゴンの食べ残し回復を稼いだり、サンダーに受け出したりすることが出来る。
したがって、55カビゴンはHP満タンの状態なら、昆布型サンダーの隣のパルシェンには1ターン居座ってもほぼ問題無いということになる。
ただし注意点として、撒き菱が無くても、カビゴンはサンダーの吠えループで中乱数急所待ちされてしまうという点がある。
(詳しい手順等についてはこちらの記事を参照されたい。)
したがって、眠るで復帰出来たとしても、カビゴンが素眠りである以上、撒き菱無しでも吠えループで突破されてしまう危険性はある。
ここは10万ボルトの乱数を見ながら、それなりの確率でカビゴンが耐えそうな時に、電磁砲でサンダーを麻痺させるのを狙うと良いだろう。
また、パルシェンと向き合った際に電磁砲が1回外れ、撒き菱を撒かれてしまったら、次からは安定しなくなる。
撒き菱が撒かれた時点で、「控えポケモンを捨ててのカビゴンの食べ残し回復」が出来なくなるし、
2vs3からでも昆布で崩される危険性は十分にあるからである。
また、今の話はあくまで50パルシェンの素の大爆発+55サンダーの10万ボルトを耐えるという話なので、
例えばサンダーのメイン技が雷だったり、パルシェンが水玉リボンを持っていたりしたらこれは通用しなくなる。

●エアームド
奇跡の実→薄荷の実。
眠るバンギラスが抜けたのと、後述のスターミーに奇跡の実を渡したかったため、薄荷の実で綺麗に収まった。
カビゴンエースに強くするため鈍いを持たせたいところだが、ガラガラ受けがやや薄いため、どくどくを優先。

●ムウマ
眠る→電磁砲。
全体の速度を少し上げたことに伴う変更。
後述のスターミーから高速スピンが抜けたことにより、電気ポケモンによる昆布への対策が薄くなったため、そこへの対抗策でもある。
また、後述のガラガラとのシナジーもある。
電気+パルシェンの組み合わせに対して麻痺を撒く役にもなり、
そのような選出に対してはカビゴン+スターミー+ムウマの選出で戦える場合が多い。
相手の3枚目がハガネールならスターミー受けが薄くなり、3枚目がカビゴンならムウマから電磁砲を撒きやすくなる。

●スターミー
波乗り→ハイドロポンプ。高速スピン→サイコキネシス。光の粉→奇跡の実。今回の大きな変更その1。
55カビゴンの横でこのスターミーを使いたかったのが、今回の動機のひとつ。
何の変哲もないテンプレの一種だが、最近他のパーティでも使っていて改めて強さを見直し評価アップ。
選出によってはスターミー自身が決定力にもなり得る。
ねむねごカビゴンエースの有名パーティ「キチカビ」でもほぼ同じ型のスターミーが使われているが、
セミフルという異なったアプローチのカビパに組み込むことで、新しい崩し筋が得られないかと期待。
また、高速スピンを手放したことについてだが、
セミフル型のカビゴンはそもそも、電磁砲によってパルシェンやフォレトスを事故らせられる可能性があるという強みがある。
そのため、昆布戦術に対しては、受けようとせず、カビゴンで速度勝負に持ち込むのもアリだと考えた。
高速スピンが思いっ切り昆布対策に偏重しており、他に対してはほぼ全く役に立たないのに対し、
この型ならばカビゴンと併せて昆布もある程度見つつ、より広範囲に対して対応出来るため、こちらの方が良いではないかという理屈。
更に、後述のガラガラも投入して全体の速度を速めたことで、スターミーもそれに対応した形。
ここから先が異なるが、結果的にここまでの構成は1192さんのこちらのパーティとほぼ同じとなった。

●ガラガラ
55バンギラス→50ガラガラ。今回の大きな変更その2。
まず、冒頭にも書いたように、WAがそもそもバンギラスである必要があるかどうかはずっと疑問だった。
ぼんやりと相性補完は取れてはいるものの、この枠はもう少し模索してみても良いと考えた。
他に55カビゴンミラーや、電気エースの選出に対して刺せる可能性があるWAとして、まず55ガラガラを思い付いた。
カビバンでは電気受けがカビゴンしかおらず、その電気ポケモンがメロメロを持っていたりしたら受からないというのが弱点のひとつだったが、
ガラガラのホネブーメランによってそこを対策した。
55ガラガラの採用によって道具が浮くためスターミーに奇跡の実を回せたり、
速度を速めることによって前述の高速スピンを抜いたり、ムウマが電磁砲を持てたりと色々小回りが利く。
しかし実際使っていると、むしろカビゴンとガラガラを同時選出したいなと思うことが何度かあった。
せっかくカビゴンが電磁砲で麻痺を撒けるので、そのシナジーもある。
また、バンギラスにしてもガラガラにしても、結局サポメンが同じである以上、電気が受からないのには変わりない。
なので、カビゴンをクッションにしつつ、同時にガラガラで突破を狙った方が良いと考えた。
ガラガラがLv.55でないといけないようなシーンもそこまで無さそうだったため、Lv.50に下げ、一旦はカビゴンSAとなった。
これでかなり良い形になったかと思われたのだが・・・(以下に続く)

●ミルタンク
50ヘラクロス→55ミルタンク。今回の大きな変更その3。
50ガラガラを採用し、良い形に纏まったと思いかけた矢先、致命的な欠陥に気付いてしまった。
ガラガラをLv.50に落としてしまっては、肝心の55カビゴンにタイマンで勝てなくなってしまうのだ。
元々、セミフルカビゴンは明らかにカビゴンミラーには弱いのだから、WAでミラーを対策するためのバンギラスなり55ガラガラだった。
これは流石にいけない。それに気付いた頃、ちょうどヘラクロスの出番があまり無いことが気になり始めていた。
元々痒いところに手が届く存在で、対ガラガラ、バンギラス、ナッシー等、絶妙に受け切れない相手を、絶妙な速度でカバーしてくれて、
フシギバナの眠り粉受けとしても重宝する存在だった。
しかし、パーティ全体の速度を上げた今回、絶妙な速度で色々と誤魔化すというのは、メインの筋であるカビゴンやスターミーで足りているので、
代わりにこの枠を、55カビゴンに強いポケモンで考え直すことにした。
55カイリキーや55ゲンガーなど試していたが、ヘラクロスが居なくなったことで、出来れば対ガラガラも見ておきたかった。
そこで、55カビゴンとガラガラの両方に有利を取れるエースとして、ミルタンクを思い付いた。
更に、カビゴンと同様に電磁砲を持たせることで、ガラガラとの接続も出来る。
元のWAだったバンギラス以上に、電気には弱くなってしまうものの、今回のバージョンは基本的には電気にはカビゴンを出す想定であり、
ミルタンクでも最悪電磁砲である程度誤魔化せれば、それぐらいで十分という考え。
電磁砲を使う機会があまり無く、途中一瞬だけ影分身に変更したりもしたのだが、
選出の段階で相手のパーティにゴーストが居るだけで出す気が無くなってしまったので、
やはりお守りとしてでも持っていること自体が大事だと考え直し、電磁砲に戻した。

●まとめ
カビゴンが鈍いこそ持っていないが、古典的なカビゴン+スターミー、スターミー+ガラガラの強さを感じられる試合は多かった。
高速スピンを抜くのは個人的になかなか勇気の要ることだったが、対電気に対しては十分戦うことが出来た。
パーティ6匹中3匹が電磁砲、1匹が電磁波を持っているすごい編成になったが、
逆にこれぐらい徹底するからこその麻痺ゲーに持ち込めた試合は少なくなかった。
特に、カビゴン・ムウマ・スターミーのうち2匹もしくは全員でどこからでも麻痺を撒けるようにすることで、
任意の相手に麻痺を入れることができ、そこから崩しを展開出来るというのは面白い構造になったと思う。

途中で気付いたのは、相手のパーティに50カビゴンが居ても、選出されることがあまり多くないという点。
確かにこのパーティ、相手から見たらカビゴンが大文字でも持っていない限り、役割を持ちにくいように見えるかも知れない。
しかしその場合、代わりにハピナスでも居ない限り、スターミーが非常に通しやすくなり、
電磁波撒き放題からのカビゴンかガラガラで決定力を出したり、スターミー自身が決定力を発揮しやすくなるという試合はかなり多かった。
結果的に全体としてのメンツが相手の50カビゴンに対して魔除けとなっており、スターミーを動かしやすくなっていたようだ。

セミフルカビゴン軸という視点で言えば、天敵の代表格である寝言カビゴンに対しても、十分対抗出来るパーティになったのではないかと思う。
注意点としては、サイクルの中で敵の55カビゴンやミルタンクに麻痺を入れると、逆転勝ちを許してしまうリスクがある。
鈍いを積んで来る動きに対し、カビゴンは殴ることしか出来ず、エアームドも吹き飛ばすので精一杯。
ムウマを選出していれば滅びの歌で退場させられるため対策が可能だが、
カビゴン+エアームド+スターミーのような選出の場合、スターミーの電磁波が相手のカビゴンやミルタンクに入ったら、
それらのポケモンを1匹残しされて鈍いを積まれると、そこから3タテされてしまうという負け筋がある。
そのため、それを回避するためにムウマを用意するか、極力麻痺を撒かずに、
エアームドのどくどく+カビゴンの捨て身タックルでジワジワと削って行く動きを目指したい。
もちろん、55カビゴン相手だったら初めからミルタンクを選出してしまえば良いが、WAの場合読み合いは不可避。
その他の弱点としては、カビバンに比べてヘラクロスが抜けたことにより、シンプルにカイリキーやガラガラに対しては少し弱くなった。

主な戦績としては、突発対戦会27('23/3/4)にこのパーティで出演したが、2勝2敗で2位と奮わず。
パーティ変更ありの突発対戦会28(3/18)に、見た目このパーティで、技構成をコロコロ変えながら参戦したところ、4勝1敗で優勝を収めることが出来た。
また、オフ会においてもしのぶさんにこのパーティをほぼそのまま再現していただいた個体をお借りし、
第3回不穏オフ(3/19)では3勝2敗で3位、miyaオフ(3/25)では4勝1敗で2位と、いずれも優勝には至らなかったが、勝ち越すことは出来ている。


ありがとうございました!NN:しのぶ氏。至って普通の型なのに変態呼ばわりされてキレそう


ログ壱 …対55バンギ、スターミーでガン受け
ログ弐 …対バランス、スターミー受け不在
ログ参 …対55バンギ、受けつつカビから崩す
ログ肆 …対55サンダー、昆布に対する状態異常
ログ伍 …対55サンダー、電磁砲で速度勝負
ログ陸 …対55タンク、電磁砲から突破
ログ漆 …対55サンダー、ガン受けコース
ログ捌 …対55イノムー、スターミーの突破性能
ログ玖 …対55ファイヤー、PP戦を意識した受け
ログ拾 …対55カビ、エアで止めつつサイクル
ログ拾壱 …対55エレブー、メロみがを攻略!
ログ拾弐 …対55ライコウ、電磁砲地獄
ログ拾参 …対55カビ、ミラーで詰まないか?
ログ拾肆 …対55カイリキー、エアを刺す
ログ拾伍 …対55ガラ、スターミーが決定力
ログ拾陸 …対55サンダー、カビの攻撃範囲
  ログ拾漆 …対55ライコウ、ムウマから崩す
ログ拾捌 …対エース抜き、フー系には有利
ログ拾玖 …対55ガラ、ミルタンクの出番
ログ弐拾 …対55リキー、50カビ受け55カビ
ログ弐壱 …対エース抜き、麻痺からのガラ
ログ弐弐 …対55サンダー、眠らせてガラ
ログ弐参 …対55バクフーン、ガラの範囲を刺す
ログ弐肆 …対55カビ、遂にミルタンクの出番
ログ弐伍 …対55ゴースト、吹き飛ばしの使い方
ログ弐陸 …対55クラゲ、ヘド爆の一貫切り
ログ弐漆 …対55タンク、電磁砲から崩す
ログ弐捌 …対55カビ、タンク+スターミー
ログ弐玖 …対55バンギ、スターミーが決定力
ログ参拾 …対53リキー、臨時カウンタカビ
ログ参壱 …対55サンダー、臨時寝言カビ
ログ参弐 …対55バクフーン、ガラで2タテ
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ログ参肆 …対55カビ、カビミラーで挑む例
ログ参伍 …対55ケンタ、盤石のタンク残し
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ログ参漆 …対55カイリュ、タンクを爆破の盾に
ログ参捌 …対55タンク、1枚残しには滅びを
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