キングオブザキング

55アズマオウ角ドリル波乗り目覚めるパワー
ゴースト
高速移動光の粉DEFF
55ニドキング角ドリル地震冷凍ビームカウンター食べ残しFFFF
50カビゴンのしかかり地割れ眠る自爆薄荷の実FFFF
50カイリキークロスチョップ地割れ岩雪崩鈍い先制のツメFFFF
50ナッシーサイコキネシス目覚めるパワー
眠り粉大爆発奇跡の実EEFF
50ゲンガー10万ボルト冷凍パンチ道連れ大爆発水玉リボンFFFF

'22/1/10構築、4/2改良
速さ★★★
硬さ★★★
コンビネーション★★
変態度★★
煮詰め度★★★★
総合的満足度★★★★

2022年初頭、ジムリーダーの城でも一撃ありの通常のニンテンドウカップ2000ルールが遊ばれ始めたということで、
管理人としてはまずは真っ先に、「一撃無しでは活躍が難しかったが、一撃が使えるならば飛躍的に強くなりそうなポケモン」を使いたかった。
一撃無しとアリとの差の大きさで見るならば、管理人としてはアズマオウが一強だと思っている。
一撃無しでは本当に救済が難しく、他の特定のポケモンとの差別化が困難だったが、
角ドリルひとつ使えるだけで、誰にも出来ないアイデンティティを持ちつつ、
ガチ環境にも一矢報いられるぐらいの実戦的な強さも発揮出来ると期待した。そこから組み始めたパーティ。

※一撃ありルールについて、ほぼ初めてまともに回し続けたパーティなので、
以下、そもそもの一撃あり環境自体についての考察も多く含みます。

●アズマオウ
まずアズマオウの型を初めに考える。角ドリルと、それを上から打てるようになる高速移動までをまず決定。
高速移動という技は、一撃無し環境ではバトンタッチぐらいしか使い所が無かったが、一撃環境では大きな意味を持つ。
例えば身代わりを持ったケンタロスとの交戦において、こちらは角ドリルを選択しても先制の身代わりに防がれてしまう。
他の攻撃技を打てば身代わりは壊せるものの、逆にその場合ケンタロスに角ドリルを打たれたら、リスクを負ってしまう。
このように、ケンタロスを筆頭とする、素早い身代わり持ち、しかも一撃技を持っているような相手には、基本的に主導権を握られてしまう。
しかし、高速移動で先手を取ることが出来れば、こちらは逆に相手の行動を見てから、打つ技を決めることが出来る。
相手が裸ならば角ドリルを打つチャンスがあるし、後手で身代わりを貼って来ても、普通に攻撃技で壊せば良いだけの話。
そういうわけで、アズマオウは、一撃技の角ドリルだけでなく、高速移動を使えるという点においても、
一撃環境に適した性能を持っていると言えるのだ。

さて、角ドリルをメインとする際に一番の障壁となるのは、これを無効化して来るゴーストである。
実際に一撃環境では、角ドリルへの対策として、ゴーストポケモンが多く使われている。
アズマオウは微妙な火力の一致水技と氷技の他には、ほとんどノーマル技ぐらいしか覚えない。
しかし、攻撃種族値は92と悪くない数字(むしろ種族値で言えばこれがアズマオウの一番の武器と言わざるを得ない)であり、
目覚めるパワーゴーストを打てば、何と50ムウマ・ゲンガーを共に、絶妙に超高確率2発で落とせるのである!!
しかも、ここにも高速移動の恩恵が絡んでいる。ムウマやゲンガーはアズマオウに対して上から道連れを張れるのだが、
金銀の道連れは、「その次の相手のターンの攻撃」に対してしか効果が無いため、
先制の道連れに対して後攻で高速移動を使ったあと、次のターンに先制で倒せば、道連れを無効化出来るというテクニックがある。
これによって、ムウマやゲンガーを倒しやすいというのは、角ドリル持ちにとっては大きな武器となる。

ここまで3つの技が決まり、まだ水技は考えていない。
水ポケモンだからと言って、水技を持たせる必要は無い。
実際に、同時期に別の一撃あり用パーティキ軍団でキングラーを使っていたが、これには水技を持たせなかった。
しかし、アズマオウはキングラーほど物理系ステータスに偏重しているわけでもなく、
例えばガラガラやバンギラスと対面した時など、普通に水ポケモンとして使いたい場面も出て来そうだ。
高速移動の素早さアップを活かせる身代わりや、一旦回復出来る眠るなども候補だったが、
ここは水ポケモンとしての矜持を尊重し、波乗りを持たせることにした。
実際、使っていると、この波乗りが案外役に立つことが多く、
特に博打要素の強い角ドリルとの対比によって、波乗りの命中率100%の安定感に救われる場面は少なくなかった。
また、一撃ありの影響として、ケンタロスに強いプテラや、最速の一撃持ちであるダグトリオ、
その他素早い一撃持ちであるギャロップやリザードンと言ったポケモンも台頭して来るのだが、
波乗りがこれらのポケモンにことごとく効くというのは、実際使ってみてから気付いたことだった。

●ニドキング
WAについて。まず初めは、これも一撃ありによって面白い性能を発揮出来そうな、ギャロップをWAにしていた。
しかし、ギャロップは同時期に上記の「キ軍団」でも使うことになったため、こちらは別のポケモンに変更することに。
しばらく実験枠として色々な一撃技持ちや、それに対する対策ポケモンを試していたが、
最もガチなニドキング入りの形で公開とした。

ニドキングは、一撃無しルールでも一定の活躍を収めているが、
一撃ありでは更に強力になるポケモンのひとつだと予想している。
まず角ドリルを打てるポケモンの中では、耐性が優秀で比較的起点を作りやすく、素早さも高め。
更に、ゴーストポケモンに対しても、普通に属性一致の地震で自然と対策が出来ている。
特に、ムウマに対しては、レベル差で上から地震2発で落とすことができ、電磁砲もどくどくも無効化出来るというのはかなり偉い。
あとはお得意の特殊技を1つか2つ持たせれば、一撃無しと同じように広範囲に対応することが出来る。

環境のキーとなるポケモンに有効な技として、今回はカウンターを持たせた。
ニドキングは種族値が丸いポケモンなので、このようなポケモンはケンタロスに起点にされやすい。
ケンタロスの身代わりは地震一発で壊せるものの、そもそもケンタロスが地震を打って来たら普通に殴り合いで負ける。
そこで、カウンターを持たせることで、裸で普通に殴って来る動きに対してリスクをかけることが出来るようになる。
また、金銀のカウンターは、全てのタイプの目覚めるパワーに対しても跳ね返すことが出来るため、
サンダーが打って来る目覚めるパワー氷に対しても、致命傷を与えることが出来る。
そのため、サンダーの電気技に対して受け出ししながら、一方的にサンダーを倒すという動きも取れる。
更には、これはPBSやポケスタ金銀の環境では効果が無いのだが、
VC環境においては、角ドリルと地割れは、攻撃が外れた場合でもカウンターで跳ね返して一撃で倒せるという仕様がある。
これによって、ケンタロスが裸で角ドリルを打って来た場合でも、7割の確率で逆にケンタロスを即死させることが出来る。
更に、これもPBSでは効果が無いが、VCでは一撃技は他の技と同様に命中率・回避率の影響を受ける。
そのため、一撃技対策として影分身などが使われる場合があるのだが、
カウンターは必中技なので、影分身に対しても有効な対策となり得る。
以上の性質から、この型はVC環境で使えば、より強さを発揮出来ることとなるだろう。

また、そもそも一撃ありの環境では、一撃無しに比べて悠長な受け合いがしづらいため、前のめりな試合が増えると予測される。
となると、単純に攻撃技が打たれる回数が増えることになるため、
そういった点でもカウンターは一撃あり環境で強さを発揮出来ると思われる。
例えば一撃無しの場合は、物理ポケモンを前にしたカビゴンは、多くの場合まず鈍いを積むことになるだろう。
これによってほとんどの場合、相手の攻撃技を余裕で耐えるようになり、かつ捨て身タックルで2発で倒せるようになるからである。
しかも、ここを起点にして鈍いを積んでおくことで、目の前の相手を倒したあと、後続もそのまま牛蒡抜きしやすくもなる。
しかし一撃ありルールでは、必ずしもこれが正解とは限らず、
悠長に鈍いを積んでいると、一撃技を上から打たれて全てが水の泡になってしまう危険性がある。
それよりは、総力戦のダメージリレーで倒すことを考えて、
鈍いを積まず単発で殴るのが正解となるシーンも増えるのではないだろうか。
これが一撃無しルールとの、根本的な環境の違いであり、カウンターはそこに刺せる可能性が高いと考えている。

さて、特殊技枠に関してだが、角ドリルとカウンターだけでは、身代わりサンダーに詰んでしまう。
そこを対策するために、冷凍ビームを持たせた。これによって、身代わりに対しても択ゲーを仕掛けられるようになる。
また、サンダーの目覚めるパワー氷をカウンターで跳ね返しても、サンダーを一撃で倒すことは出来ないが、
ニドキング側も目覚めるパワー氷を2発は耐えることが出来るため、
1ターン目は冷凍ビームでHPを削っておき、次のターンにカウンターで倒す、と言った動きが可能。

●カビゴン
管理人は元々Lv.50地割れカビゴンの評価が高かった。
高レベルのポケモンには地割れは当たらないが、そこには自爆の圧力をかけることが出来る。
高レベルのポケモンが、Lv.50のカビゴンの自爆で1-1交換されるのは当然損なので、そこにリスクをかけられるという相性の良さがある。
しかし、地割れを持たせると、当たり前だが地震を持つスペースが無くなる。
これによる弊害として、バンギラス等の、「自分よりレベルが高い岩・鋼・ゴースト」に何も出来なくなるという点がある。
Lv.50からの一撃技は、後述のカイリキーに地割れを持たせたので、今回は大人しくカビゴンは地震で初めは使っていた。
しかし、地震が必要という場面は実際にはあまり無く、バンギラスも他のポケモンで対応が出来ることが分かって来たため、
途中からは結局地割れで使うことにした。
また、一撃環境では、ケンタロス対策としてや、一撃技を振り回す起点作成の目的として、♀のメロメロがやや増える傾向にある。
そのようなポケモンを大雑把に一括で対策出来るのが、♀のカビゴンである。
♀のメロメロ使いは、カビゴンに対しては、メロメロで動けないのを利用してじっくり倒すことがほとんどなので、
カビゴンにメロメロが効かなくなった途端に止まることが多い。
そのため、攻撃力は落ちるものの、カビゴンを♀で使うことで、それらに対する汎用的な対策として使うことが出来る。
これは、とみかさんが実戦で♀カビゴンを使っていたところから学ばせていただいた。
♂:♀の比率上、攻撃個体値は1まで落とさざるを得ないため、
例えばLv.55カビゴンに対して、自爆をやや高確率で耐えられてしまう点などに注意が必要。

●カイリキー
一撃ありルールでは、一撃無しよりやや活躍が期待出来そうと見ているポケモンのひとつ。
猛威を振るうLv.55ケンタロスに対抗出来る数少ないLv.50のポケモンのひとつであり(しのぶさんによるこちらの記事参照)、
また、地割れも打てるため、Lv.50同士の戦いでも突破の筋を作ることが出来る。
特に、一撃無しルールに比べて、フシギバナ等でガン受けされるようなことが無くなるのは強み。
飛行ポケモンには効かないが、岩雪崩と併用出来るのもポイントであり、
Lv.50であっても55サンダーをほぼ3発で落とすことが出来る。
更にこれを2発で落とせるようになると美味しいため、鈍いを持たせた。
道具は一撃無しルールでも最近お世話になっていた先制のツメで、これによってサンダーにも一矢報いることが出来る。
また、ケンタロスに対しても、先制でクロスチョップを急所に当てるなどのチャンスが作れる。
ナッシーが環境に多ければ、鈍いを目覚めるパワー蟲に変更しても良いのかも知れない。

●ナッシー
これが居ないと対ガラガラに困る、三銃士枠(?)。
ナッシーをしっかり受け止められるポケモンは一撃に弱い者が多いため、一撃環境では影を潜めがち。
よって、明確な役割対象が居なくとも、広く浅く戦うことが出来る。
身代わり持ちのスターミーやフーディンを対策するため、目覚めるパワー草は必須。
今回は一撃環境におけるスピード感を重視して、宿木のタネを抜いてサイコキネシスとの両刀としたが、
回復技を持たないエースを場に出しやすくするという面で、宿木のタネを持たせるのもアリではあるかも知れない。
眠り粉は起点作成のために欲しいといったところ。奇跡の実は正直余ったので。

●ゲンガー
一撃無しルールにおいてもお世話になっている、管理人の中でのテンプレ型をそのまま採用。
角ドリルを無効化しつつ、ムウマと違って攻撃的な回し方が出来るため、手軽に扱うことが出来る。
また、これは対戦や考察をしているうちに気付いたのだが、
一撃ありルールでは、地割れという一撃技があることによって、
一撃無しルールでは地震を打っていたポケモンが、その枠を地割れに変更して使われることがしばしばある。
現に、このパーティのカビゴンとカイリキーの型が、まんまそれであり、
Lv.55のカビゴンなんかも、「捨て身タックル/地割れ/鈍い/眠る」のような型で使われていたりもする。
もちろん、地面タイプがメイン技として打つ地震は流石に抜けないだろうが、
これらのようにサブ技として使われる場合、地割れを使えるポケモンは地震よりもそちらを採用されやすい傾向がありそうだ。
これは、地震を弱点とするゲンガーにとっては好都合であり、3割の確率で命中さえしなければ、致命傷を受けることは無くなる。
しかも、特にカビゴンやカイリキーに関しては、
地震さえ無ければ他にゲンガーに対して有効打を持っていない場合も少なくないため、
一撃無しルールに比べて、ゲンガーでそれらのポケモンを流すということが比較的しやすいと感じた。

●まとめ
ひとまず一撃ありルールで輝けると思ったアズマオウを使いたくて、あとは引き立て役として適当に組んだパーティだったが、
♀カビゴンやゲンガーの採用は上手くハマったように思う。
また、そもそもアズマオウ自体が思ったよりだいぶまともに強くて、マジで一撃無しルールとは雲泥の差があるなと思った。
一方、使っているうちに思ったのは、電気とケンタロスの両方に弱いのが弱点だと感じた。
一撃ありルールでは、少なくとも電気かケンタロスのどちらかに強いポケモンをエースにするところから始めると良いのかも知れない。
今回、WAをニドキングにすることによって、対電気はカバーしているものの、対ケンタロスで不安が残る。
1発目の叩き台としては、十分満足な出来ではある。


ログ壱 …対55ダグトリオ、高速移動の強さ
ログ弐 …対55カビゴン、ひたすらブラッキーを起点に
ログ参 …対55スターミー、アズマオウの攻撃範囲が活きる
ログ肆 …対55サンダー、ツメカイリキーマンセーログ
ログ伍 …対55ケンタロス、ド変態一発芸ハッサム()
ログ陸 …対55サンダー、ニドキング本領発揮
ログ漆 …対55リザードン、アズマオウ本領発揮
ログ捌 …対55サンダー、困ったときの角ドリル(
ログ玖 …対55ギャロップ、アズマオウ本領発揮
ログ拾 …対55ライチュウ、カビゴンが刺さるケース
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ログ拾弐 …対55ケンタロス、サイクルから一撃の試行回数を稼ぐ
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