ほえる

初代ではストーリープレイにおいて野生ポケモンとの戦闘でしか効果を発揮しない技だったが、
金銀でトレーナーとの対戦や通信対戦においても新たに効果が追加された。
基本的な効果・命中率・PP・技タイプと、全て吹き飛ばしと同じ効果を持ち、
金銀には特性の概念が存在しないため、防音なども関係無いが、
唯一、空を飛んでいる相手にも命中するという点で吹き飛ばしの方が優れているため、
この技は吹き飛ばしの完全下位互換技と言える。
しかし、吹き飛ばしを覚えずこの技のみを覚えるポケモンは多数存在し、
効果そのものは強力であるため、この技を使用するポケモンは実際には多い。

・ライコウ、スイクン
この技によって、撒き菱と組み合わせたコンボとして有名な「昆布」戦術が取れる代表的なポケモン。
味方のパルシェンやフォレトス等で撒き菱を撒いたあと、
有利対面を作り、相手が交代するのを読んでこの技を使うことで、再び有利な相手を場に引き戻せる可能性があり、
相手には撒き菱のダメージだけが加算されて行く、というものである。
これによって、通常では突破が困難なカビゴンやハピナスを倒せることがある。
特に、種族値が高いが攻撃手段に乏しい準伝説ポケモンにとっては需要の高い技。
ライコウはこの技を持つことにより、ほとんどの型のゲンガーを完封することも出来るようになる。
ゲンガーの攻撃技では大爆発以外ではまず倒されることは無いし、黒い眼差し+滅びの歌のコンボも、
この技によって完全に対策出来るようになる。
ライコウ:撒き菱とのコンボで全体を崩す
ライコウ:2vs2ならば昆布を決めやすい
ライコウ:道連れに対して退場させることで1-1交換を防ぐ
ライコウ:眠る読みで退場させることによって後続の起点を作りやすくする
スイクン:サンダーやライコウとは違った硬さを活かした撒き菱とのコンボ
スイクン:黒い眼差し絡みのコンボを阻止する

・ヘルガー、イノムー等
その他にも、撒き菱と組み合わせて昆布戦術を狙うことがあるポケモンの例。
ヘルガーは、追い打ちと併用することにより、狩りたいポケモンをこの技で強制的に目の前に引きずり出し、
追い打ちのカモにする、というコンボが狙える。
黒い眼差し+滅びの歌に対する対策としても使える。
ヘルガー:火傷とのコンボでハピナスを突破
ヘルガー:強制的にカモを引きずり出して追い打ちを狙う
イノムー:サンダーの威張るをもらいながら身代わりだけを退場させて全抜き

・ガルーラ、リングマ、グランブル、ハガネール、バンギラス、エンテイ等
この技を、鈍いと併用した「鈍い吠え」のコンボを使うことがあるポケモンの例。
お互い鈍いを積み合った際、この技を使うことによって相手の鈍いだけをキャンセルさせ、
自分はそのまま上がった攻撃力を利用して牛蒡抜きを狙うことが出来る。
更に、金銀では、お互いがこの技か吹き飛ばしを選んだ際は、素早さの遅い方のみが成功し、
先制してしまった場合はこの技や吹き飛ばしは失敗するという仕様がある。
つまり、鈍いで素早さを下げることによって、相手のこの技や吹き飛ばしを無効化しながら、一方的に相手だけ退場させることも出来る。
これによって、鈍いを積んでも吹き飛ばしエアームド等では対策出来なくなるという、金銀独特の戦術である。
グランブルは全ての種族値でリングマに劣るが、素早さが低いことを利用して逆にこのコンボを狙うことが出来る。
ハガネールとバンギラスは、この技を砂嵐と併用することにより、
この技で控えポケモンを強制的に引きずり出した上で砂嵐ダメージを与えるというコンボが使える。
これは、撒き菱や追い打ちを持たずして控えポケモンに強制的にダメージを与えられる数少ない手段のひとつ。
ハガネール:どくどくと併用で黒い眼差し絡みのコンボを完封
ハガネール:食べ残し回復を稼ぎながら影分身ミルタンクを完封
ハガネール:強制的に引きずり出して破壊の遺伝子を誤作動させた上で即退場させる
ハガネール:先制の身代わりを強制退場させることで確実に大爆発を決められるようになる
ガルーラ:鈍いと併用して相手を強制退場させるコンボ
ガルーラ:道連れ回避&相手が眠るターンに打つことで1ターン得をする
ガルーラ:相手が鈍いを積むターンに打つことで得をする&その間に食べ残し回復
ガルーラ:鈍い+身代わりと併用
ガルーラ:バトンタッチコンボを阻止しながら崩す
エンテイ:カビゴンと鈍いを積み合ってから相手だけ追い出す
エンテイ:影分身持ちが居そうな場合は先に引きずり出しておいて1匹残しをさせない

・シャワーズ、サンダース、ブースター
この技を、バトンタッチと併用出来るポケモン。この3種類のみである。
バトンコンボへの対策として、この技や吹き飛ばしで退場させるというものがあるが、
上記の通り、お互いこの技を打ち合った場合は後攻のみが成功するので、
例えばエアームドより素早さの低いシャワーズやブースターは、
エアームドの吹き飛ばしを無効化しながら相手を退場させることが出来るため、
溶けるや影分身などの積み技を邪魔されることなく積んで行くことが狙える。
サンダースは自身の素早さが極めて高いため、このコンボは狙いにくい。
シャワーズはこのコンボだけでなく、スイクンと同様にエースで昆布戦術を狙うことも出来る。
スイクンよりも種族値は安定していないものの、火力がかなり高いため圧力をかけることが出来る。
シャワーズ:相手の積み技を阻止し自分だけ溶ける+バトンタッチを決める

・ゴローニャ、サイドン、ドンファン
地面ポケモンにこの技を持たせることによって、電磁砲+黒い眼差し+滅びの歌のムウマを完封することが出来る。
同様に、電気技のみを持った同じような型のゲンガーも完封出来るが、
ゲンガーの場合は冷凍パンチや炎のパンチも持っている場合もあるため注意。
また、これらのポケモンは鈍いを持つことによりカビゴンを受けたり流すことも出来るが、
この技を持つことで、鈍いを持たずに流し性能を持つことも出来る。
ゴローニャ:お互い鈍いを積みあった末に相手だけ退場させる

・ギャラドス、ニドキング、カメックス、フシギバナ、ウインディ等
その他、明確な目的は無くても、この技を持っていると便利という場面は決して少なくない。
例えばリフレクターと併用すれば、相手のカビゴンが鈍いを積んで来てもこの技である程度対策が出来たり、
相手が滅びの歌やバトンタッチ等のコンボ戦術を使って来そうな時の臨時の対策になったりもする。
相手が先制で身代わりを使って来そうならば、それを読んで後攻でこの技を成功させれば、
相手が身代わりで削った1/4のHPを丸損させることも出来る。
フシギバナ:これがあるだけでゴーストの滅びコンボを完封
フシギバナ:身代わりサンダーに対する起点回避
【一撃あり2000】ギャラドス:身代わりに対する起点回避
【一撃あり2000】ニドクイン:身代わりに対する起点回避から角ドリルを打ち込む

・フリーザー、サンダー、ファイヤー、プテラ、ミュウ
これらのポケモンは吹き飛ばしを覚えることが出来るため、基本的には上位技である吹き飛ばしを使えば良い。
しかし、吹き飛ばしが秀でている点は、空を飛んでいる相手にも当たるという点だけであり、
実際には空を飛ぶという技自体、対戦でほとんど使われることが無い技なので、この技でもほとんど変わらない。
したがって、実際にはこの技か吹き飛ばしかどちらを持たせるかはほとんど趣味の領域である。

・ホウオウ、ルギア
これらのポケモンも吹き飛ばしを覚えるが、Lv.77からしか使うことが出来ない。
したがって、それよりも低いレベルでホウオウやルギアを使うようなローカルルールがあった場合、
吹き飛ばしの代わりにこの技を持たせるしか無いということになる。

ボーンラッシュ

ガラガラ族の専用技その1。2-5回の連続攻撃であり、技タイプはガラガラ族と同じ地面である。
2-5連続攻撃技の中で、技タイプがノーマルでないのはこの技とミサイル針のみである。
またその中でも、威力25という最強の威力を誇り、5発全て当たれば合計威力125相当のダメージを叩き出すことが出来る。
これは最大威力(150)のマグニチュードに次いで強い地面技となる。
しかしながら実際には4発以上を引く確率は25%しか無く、命中率も80%しか無いため、
合計威力の期待値は命中率非考慮で75、命中率を加味すると60まで落ちて、穴を掘ると同等になってしまう。
このあたりがやはり例に漏れず2-5連続攻撃の宿命と言えるものの、
その中では最大威力で同タイプの主力技(地震やホネブーメラン)を超えることが出来るだけでもまだ救われている方ではある。
ただし、この技を覚えるガラガラ族は既に、威力100相当のダメージが約束されている地震やホネブーメランを覚えることが出来る。
この技は連続攻撃であるため相手の身代わりを貫通したり、1発分急所に当たる確率は高くなるというメリットはあるが、
それですら2連続攻撃であるホネブーメランが存在するため、そちらで十分である。
よって、よほど5連続命中に全てを賭けるわけでもなければこの技を敢えて採用することはまず無い。
強いて言えば、威力25のこの技1発分だけで相手の身代わりが壊れる場合、
4発当てただけでも、本体に3発分すなわち威力75相当のダメージが入るため、ホネブーメランを超えるダメージを与えることが出来る。
また、気合溜めと併用したりピントレンズを持たせて急所率を上げた場合、
ホネブーメランよりも多い試行回数を、少しは役立てることが出来るかも知れない、という程度である。
せっかくの専用技である上、第1世代から存在するホネ棍棒・ホネブーメランに追加する形で第2世代で登場し、
更にはホネブーメランよりも高いレベルで習得する技であるのに、ほとんど有難みを感じられない技となってしまっている。
性能が他の2-5連続攻撃ほど悪くはないため、もしもこの技を覚え、
地震やホネブーメランを覚えないというポケモンが存在すれば、通常の地面技としての需要がまだあったかも知れない。

・ガラガラ
この技を覚える唯一のポケモン。上記のように地震もホネブーメランも覚えるため、実戦で使うことはまず無いが、
上記のようにどうしても5発分を狙いたい時・気合溜めと併用した時・1発のみで身代わりを壊せる時に理論上採用の価値はある。
ガラガラは幸いにも、気合溜めとこの技を併用することが出来る。
また、3つ目の条件に関しては、実は弱点さえ突くことが出来ればほとんどのポケモンが該当する。
地面技を弱点としながら身代わりを使うことがあるポケモンは、サンダース、ライチュウ、ドククラゲ、ゲンガー等が居るが、
どれも最大のレベル差を付けられてもこの技の1発目だけで身代わりを破壊することが出来る。
更には、その程度の耐久のポケモンであれば、本体も3発分でほぼ倒せるポケモンばかりである。
「2発分(威力50相当)では倒せず3発分(威力75相当)で倒せる」というのが非常に大事で、
これならばホネブーメランでは倒せず、この技でのみ倒せるということになる。
本体に3発分当てるということは、すなわち4発以上を当てなければならず、その確率は25%にしかならないものの、
ホネブーメランの2発目を急所に当てるよりはよほど期待が出来る。
例えば、既に身代わりを貼っており、HPも食べ残しで満タンまで回復してしまった55ドククラゲと、50ガラガラが対面した場合、
ガラガラは波乗りを1発耐えるが、後攻のホネブーメランでは身代わりを壊しつつ2発目で相手を一撃で倒すことは出来ないため負けてしまう。
しかしこの技なら、4発以上を当てれば身代わりを壊しつつそのままドククラゲを一撃で倒すことが出来る。
以上から、このような身代わり持ち地面弱点を相手にした場合、ホネブーメランよりも有用であるケースが現実的に無くはない。
ただし、あくまでこれを満たすのは25%(更にここに命中率80%をかけると20%まで落ちる)でしかなく、
また地面技を弱点としないポケモンに関しては、ほとんどがこの技1発だけでは身代わりを壊せないため、
結局5発当てないとホネブーメランと差別化出来たことにならない。
更には、上記のように身代わりを壊せる相手にはそもそもガラガラと対峙した際ホネブーメランを警戒されやすいため、
分かりやすく対面から身代わりを貼ってくれるという期待もあまり出来ない。
ガラガラ:とりあえずホネブーメランとある程度同じように使うことは出来る

・カラカラ
リトルカップにおいては、ダメージ計算の都合上、
威力が高い技を1発打つより、威力の低い技を細かく打った方が合計で大きなダメージを与えられるケースが多い。
実際、地震とホネブーメランは威力の合計値は同じ100だが、リトルカップではホネブーメランの方が2ダメージほど多く与えることができ、
これによって完全に優劣関係が変わってしまうケースすらある。
これを利用して、更に細かくダメージを与えるこの技を利用する方法が無くはない。
一例として、クラブ相手にホネブーメランで倒せる確率は急所・命中非考慮で約34%だが、
この技ならば4発命中させれば(威力の合計値は同じ100のはずである)、ほぼ100%の確率で一撃で倒すことが出来る。
ただし、冷静に考えると4発以上を引かなければならないという時点で既に25%であり、34%を下回っている上、
ここに命中率も考慮すると更にホネブーメラン(命中率90%)に差を付けられてしまう。
もっとシンプルに、「ホネブーメランは確定で耐えられるが、この技を5発ヒットさせれば倒せる」という相手はいくつか居るので、
結局は天に祈って5連続ヒットを当てるための技となるだろう。

・小ネタ
初めに「ガラガラ族の専用技その1」と書いたが、他にはホネ棍棒・ホネブーメランと合計3つあり、
この3つは偶然にも五十音順で連続しているため、当コンテンツでもここから下へ、3連続で解説することとなる。
それでは次、その2です。どうぞ。

ホネこんぼう

ガラガラ族の専用技その2。地面タイプの中威力技。
威力は穴を掘るよりも高い65とそこそこあるものの、何故か命中率が85%と異様に低く、専用技の割に報われていない。
一応、怯みの追加効果を持つ技であるため、そこでアイデンティティを発揮してはいるものの、
発動率が1割しか無いため、命中率も考慮するととてもそれ前提で頼れたものではない。
それ以外に関しては、主力技の地震どころか目覚めるパワー地面ですら威力・命中率ともに上回り、PPでしか勝てていない。
この技を覚えるガラガラ族は地震を覚える上、素早さも低いためこの技のメリットである怯みもほとんど活かせないため、
実戦で使われることはまず無い。

・小ネタ
ストーリープレイや育成上では、ガラガラ族は専用技以外に属性一致の地面技を覚えないため、
ほぼ初期の状態から習得しているこの技は、ホネブーメランを覚えるまでは主力技となり得る。
それにしても、命中率85%というのはやはり使い勝手が良くはない。
はい次ラスト、3つ目

ホネブーメラン

ガラガラ族の専用技その3。2連続攻撃であり、技タイプはこれも、ガラガラと同じ地面。
1発分の威力は50であり、2連続攻撃の中でも最強の威力を誇る。
これを確定で2発相手に与えるため、合計威力は100相当になり、地面タイプの主力技である地震と一致する。
PPも同じ10であるが、残念ながら命中率が90%であるため、100%の地震にこの点で劣っている。
せっかくの専用技なのにこれも地震に劣りがちな性能となってしまうが、連続攻撃というのがアイデンティティであり、
相手の身代わりを1発目で壊しながら、2発目で本体に直接ダメージを与えられるという点と、
少なくとも1回以上急所に当てる確率の高さという点で、地震よりも秀でている。
特に、連続攻撃にしては1発分の威力が大きいため、実際に1発で身代わりを壊せることも多く、
身代わり持ちの相手への対策として実際に使われることも少なくない。
この技の使い手であるガラガラやカラカラが、それぞれ代表的なルールの中で一線級というのもあり、
不遇な技が多い連続攻撃の中では、この技だけが群を抜いて実戦に耐えうる技と言ってしまって良いだろう。

・ガラガラ
この技の唯一の使い手。属性一致で使うことができ、合計威力も地震相当であるため、太いホネを持たせることによって主力技となることが出来る。
地震とわざわざ両方持たせることはまず無いが、上記のように主に身代わりへの対策として、地震を差し置いてメイン技に採用されることがある。
レベル関係にもよるが、サンダースやゲンガーと言った、地面技を弱点とし、物理耐久も低めのポケモンは、
対面から身代わりを貼ってしまうと、この技の1発目で身代わりを壊され、2発目で本体を一撃で倒されてしまうほどの火力があるため、
「先制で身代わりを貼ったにも関わらずそのターンに一撃で倒されてしまう」という事態が起こりうる。
1発で身代わりを壊せないような相手に対しても、ガラガラはこの技を剣の舞と併用出来るので、
攻撃力を上げることによって、相手の身代わりを貫通することも出来る。
他には、「この技2発分のうち、少なくとも1回急所に当てれば倒せる」という場面でも地震より高い勝率を確保することが出来る。
このような相手はそこそこ多く、例えば黄金の実を持っていない同レベルのパルシェンに対しては、地震では2発で倒せず、
この技でも2発では倒せないが、この技を2発打つということはすなわち攻撃回数が4回あるということであり、
このうち1回でも急所に当てればパルシェンを倒せるため、試行回数の差によって地震よりも倒しやすくなる。
ただし2回急所に当てなければいけない場合は、地震の場合これが1回の急所で済むため、逆に勝率を落としてしまう点に注意。
あくまで1割の確率で外れることもあるという点も忘れてはならない。
また、地味ながらカウンターへの対策にもなる。連続攻撃に対するカウンターは、最後の1発分しか返すことが出来ない。
これが最も大きいのがカウンター+鈍いを持ったカビゴンとのタイマン。
この技を持たず、剣の舞+地震のガラガラだった場合、読み次第ではカウンターを成功されて負けてしまうことがある。
しかしこの技を持っていれば、ガラガラは「この技→剣の舞→この技」と行動することでカビゴンがどのような行動をしても勝つことが出来る。
(※カビゴンが初手でカウンターを打って来た場合のみ、この技を2連続で打てば勝てる。読みの必要は無し)
ガラガラ:身代わりを貼ったサンダースを瞬殺
ガラガラ:身代わりを貼ったエレブーを瞬殺
ガラガラ:片方だけ急所に当てることでパルシェンを倒しやすくなる
ガラガラ:ダメージ計算の関係上地震より少しだけダメージが大きい
ガラガラ:身代わりで壁のターンを稼がせない

・カラカラ
リトルカップにおいては、ダメージ計算の都合上、威力の合計値が同じであるはずの地震よりも僅かに大きなダメージを与えることが出来る。
よって、シンプルに「地震では倒せないがこの技でなら倒せる」という相手がいくつか存在し、カラカラにとって死活問題となる。
例えばヒトデマンは、カラカラの地震を約44%の確率で耐え、先制の波乗りで一撃でカラカラを倒すことが出来るので、
5割は下回るもののカラカラに後出しから勝てる可能性がある。
しかし、この技ならば僅かにダメージが大きく、ヒトデマンを確定一撃で倒すことが出来るため、後出しを完全に許さないことが出来る。
馬鹿にならない違いなので、たとえ命中率が低くとも地震よりこの技がメイン技として採用されることが多い。

ほのおのうず

バインド技のひとつ。炎タイプ唯一のバインド技であり、技タイプ以外は全て渦潮と同じ性能を持つ。
バインド技はただでさえ命中率が低いものが多いが、この技はその中でも命中率70%と最底辺である。
初代では、2-5ターンの間、この技を連続して出し続け、相手はその間、交代は出来るが攻撃が出来ないという効果だったが、
金銀では逆に、自由に技を使えるが交代が出来ず、また自分のターンの最後に1/16の定数ダメージを受けるという仕様に変更された。
その効果から、滅びの歌や嫌な音、大爆発など、相手に交代されたくない技との相性が良いが、
残念ながらこの技をそのような技と併用出来るポケモンは全く存在しない。
定数ダメージがある点以外はほとんど黒い眼差しやクモの巣の劣化となってしまう点では、他のバインド技と同じである。
ただし、この技を覚えるポケモンは、それらの上位技を覚えないため、その代用として使うことは出来る。
因みにこの技は、凍っている相手を溶かすことがない唯一の炎攻撃である。
第3世代以降はこの技でも解凍されるようになったようだが、
第2世代までは、凍っている相手を解凍することがあるのは「炎技」ではなく「火傷の追加効果を持つ炎技」である。
この技を属性不一致で覚えるポケモンは存在しない。

・ファイヤー、エンテイ
お互いのレベル関係にもよるが、カビゴンと戦う際、日本晴れ+大文字のダメージが僅かに足りないという場合がある。
その際に、この技の定数ダメージを活かして倒すという使い方が出来なくはない。
相手に交代させず確実に仕留められるようになるという効果もある。
エンテイ:相手を拘束して確実にダメージを与える&凍っている相手を溶かす心配が無い

・ギャロップ、キュウコン
この技を、催眠術と併用することが出来る。
眠りは公式ルールにより複数のポケモンにかけることが出来ないため、サイクルで受けられてしまうことが多いが、
この技で交代出来なくすることにより、目の前の相手を確実に眠らせられるようになる。
確実にと言っても、この技の命中率が70%な上、催眠術の命中率も60%なのだが。

・ヘルガー
滅びの歌を使って来るゴーストポケモンを追い打ちで狩ろうとする際、
守るなどによって3ターンを凌ぎ切られてしまう危険性があるが、
この技を使っておくことによって、相手も逃げられなくし、確実に相打ちを狙えるようになる、という使い方が出来なくはない。

ほのおのパンチ

炎タイプの中威力技。初代ではエビワラーとブーバーのみに許された技だったが、
金銀では技マシンによって覚えるポケモンが大量に追加された。
技の性能自体は火炎放射と比べて威力が低く、その他は全て全く同じであるため、火炎放射の完全下位互換である。
しかしながら火炎放射や大文字を覚えずこの技だけを覚えるというポケモンもそれなりに存在し、
そのようなポケモンにとってはこの技が最強の炎技となる。
ただし属性一致である炎ポケモンはもれなく火炎放射・大文字を覚えることが出来るため、
必然的に実戦でこの技を使うのは属性不一致のポケモンがサブ技として、ということになる。
特に、炎技というのは、優秀な耐性を持つ鋼や草ポケモンの弱点を突けるということで、
それらに対する有効打としてサブ技としての需要は高い。

・フーディン
属性不一致ではこの技の最強の使い手。またこの技の最速の使い手でもある。
メイン技のサイコキネシスに耐性を持つポケモンのうち、全ての鋼ポケモンおよび、ナッシー・ルージュラと、
最も多くの相手の弱点を突くことが出来る。
そのほとんどが特殊耐久も高くないため、ほぼ先制2発で倒すことが出来る、かなり恩恵の大きいサブ技である。
他の3色パンチも全て覚えることができ、どれもフーディンにとっては採用の余地があるが、
最もシンプルにサイコキネシスとの属性的相性が良いのがこの技と言える。
フーディン:サイコキネシスと相性の良いサブ技
フーディン:火傷の追加効果を活かす
フーディン:アンコールでハメればブラッキーもいずれ倒せる

・ゲンガー
属性不一致ではフーディンに次いで強いこの技の使い手であり、フーディンの次に素早い使い手でもある。
10万ボルトや冷凍パンチ等を持たせた広範囲型の一環としてこの技を持たせる場合も無くはないが、
それよりは黒い眼差し+滅びの歌のコンボとこの技が併用されることが多い。
というのは、それらのコンボを対策して来るポケモンの代表格である、
吹き飛ばしエアームドや吠えるハガネールを簡単に倒すことが出来るようになるからである。
エアームドへの打点は他にも電気技を持っていることも多いが、ハガネールにも地震を耐えつつ殴り合いで勝てるようになるのは貴重。
つまり、相手の選出の中に吠える持ちがハガネールしか居なかった場合、滅びコンボが決まりやすくなるということになる。
その他にも低レベルで使われるポケモンのうち、ナッシー、フシギバナ、ヘラクロス等、
攻撃技がこれ1個あるだけで有効範囲はなかなか広い。
ゲンガー:ハッサムを問答無用で一撃で倒す

・デンリュウ、エレブー
電気ポケモンが、広範囲型の一環としてこの技を使う場合がある。
特にデンリュウは、この技が電気技以外に覚える唯一の特殊攻撃となり、
草ポケモンやハガネールに対して有効であるため非常に重要なサブ技となる。
エレブーは、これよりも電気技と相性の良い冷凍パンチを覚えるため、この技の採用率は低いが、
ハガネールやイノムー、ヘラクロス等を強く意識したい場合はまれに採用されることもある。
デンリュウ:ハガネールを楽々倒す
デンリュウ:メガニウムを楽々倒す

・バリヤード、スリーパー
サポート技をたくさん覚える器用なエスパーポケモンに、ひとつだけ攻撃技を持たせる場合に、この技が候補に挙がる。
この技1本あるだけで、ナッシー、フシギバナ、パルシェン、ハガネール、エアームド、ヘラクロス、フォレトス等、
低レベルで使われることが多いポケモンに対面有利を取れたり圧力をかけられる相手が非常に多いからである。
ただし、バリヤードは特攻種族値が100あるから良いが、スリーパーは73しか無いため、
威力75のこの技では少し火力不足になりがち。

・オコリザル、エビワラー、ウソッキー、リングマ、ミルタンク等
大文字や火炎放射を覚えず、この技が最強の炎技であるという物理ポケモンの例。
ほとんどのポケモンは特攻がかなり低いため、威力75のこの技では弱点を突いてもろくなダメージにならないが、
4倍弱点を突けるフォレトスやハッサムのキラー程度にはなる。
この中ではリングマだけ、特攻種族値が75というなかなかの数値を持っているため、
2倍弱点のエアームドやハガネールに対してもそれなりの打点を入れることが出来る。

・ユンゲラー
フーディンを使えない、2012や城杯などのローカルルールでユンゲラーを使う場合も、
フーディンと同じようにサイコキネシスとの相性補完として、サブ技にこの技を持たせるのが有効である場合が多い。
特に2012では、2000(一撃無し)ルール以上に鋼や氷ポケモンが相対的に上位に多いため、重要性は高い。
進化前とは言えど特攻種族値は120、素早さ種族値は105もあり、
どちらもフーディン・ゲンガーに次ぐ3番目に強いこの技の使い手となっている。
なお、同じく炎のパンチを覚えるゲンガーの進化前であるゴーストは、手が離れているからか、この技を覚えない。

ほろびのうた

使った瞬間の、お互いの場に出ているポケモンに「滅びカウント」をかける。
カウントは、この技を使ったターンの最後に3となり、ターン経過ごとに1ずつ減って行く。
これが0になると、そのポケモンは強制的に滅びる、つまり倒れる。
滅びカウントを解除する方法は、ポケモンを引っ込めるしか無い。
通常のポケモンチェンジ、死に出しによるチェンジ、吠える・吹き飛ばしを使われたことによる強制的なチェンジのどれでも良いが、
バトンタッチではカウントは継続してしまうため、逃れることは出来ない。
既に滅びカウントがかかっているポケモンにはこの技を重ねがけしてカウントを3に戻したりすることは出来ないが、
相手が交代によってこの効果を解除した場合、新しく出たポケモンに改めてこの技をかけ直すことは可能。
また、自分の控えにポケモンが残っていない場合、この技は失敗する。
最後の1匹同士のタイマンで、この技によって引き分けに持ち込んだりすることは出来ない。

その性質上、相手が交代出来ない状態で使うことで真価を発揮する技なので、
黒い眼差しやクモの巣、渦潮などとのコンボは、攻略本にも載っているような基礎的なコンボのひとつである。
また、相手の手持ちポケモンが残り1匹であり、自分は2匹以上残っている場合、
最後に残った相手にこの技をかけることでトドメを刺すという使い方も有名。
いわゆる「1枚残し対策」としては最強の部類である。
逆に、黒い眼差し等とは併用せずに、単発でこの技を使うことで、居座る相手を引っ込ませるという使い方もある。
また、相手だけでなく自分にも同じ効果が発動するため、この技を使いながら敢えて居座り続けて倒れることで、
壁などを残しながら後続の無償降臨に繋ぐという、いわゆる「自主退場」的な使い方も可能。
どちらにせよ、場に残っているポケモンのHP等の状況には全く関係無く、
カウントが0になったポケモンは問答無用で即倒れるという効果は、極めて強力であると言える。
なお、自分にも滅びカウントをかけるという性質上、使い方を誤ると自滅行為に陥る危険性もある。
使い方の重要な注意点について、こちらおよびこちらの記事にまとめてあるので、参照されたい。

この技は全てのゴーストポケモンが覚えることが出来るが、他に一部の水ポケモン等もこの技を使用出来る。
この技を覚えるポケモンは遺伝で習得する場合が多いため、初代マシン技とは両立不可であるケースが多い点に注意。
余談だが、技タイプはゴーストでなくノーマルである。

・ムウマ、ゲンガー
黒い眼差し+この技のコンボは、ゴーストポケモンにとっては生命線ともなる極めて重要なコンボである。
ゲンガーは高い特攻からの多様な攻撃技や大爆発でも十分に戦えるが、ムウマは特にこのコンボへの依存が強い。
黒い眼差しをかけることで、相手の滅びカウントが0になるまで自分も居座り続ければ、
相手は吠える・吹き飛ばしを使わない限り逃れられず、結果的に滅ぼすことが出来る。
更に、カウントが0になるターンに自分だけ交代で逃れることで、相手だけを一方的に滅ぼせるというコンボである。
この際、滅びカウントが3から0になるまでの3ターン分、相手の攻撃を凌ぎ続けなければならないというのがポイント。
この間にこの技を使ったポケモンが相手に倒されてしまったら、その瞬間黒い眼差しの効果も消えるため、
次のターンに相手はチェンジでカウントから逃れられてしまう。
実際には3ターンのうち1ターン目はこの技を使ったターンなので、その後の2ターンを凌げれば良い。
ターンの凌ぎ方として代表的なのは、守るや眠るで時間稼ぎをしたり、怪しい光によって相手の攻撃を妨げること。
ゲンガーは催眠術、ムウマは痛み分けによっても、それぞれターン稼ぎが可能。
また、相手だけを一方的に滅ぼすまでは行かずとも、大爆発と同じように、自分と相手が共倒れになればそれで良いという場合もある。
そのような場合は道連れと併用し、この技を打ってから道連れを連打することで、
相手は攻撃によってこちらを倒せば道連れが発動し、倒さなければ3ターン後にお互い強制的に滅び、
結果的にどちらにせよ共倒れに持ち込むことが出来る。
ゲンガーとムウマはどちらも道連れを併用出来るため、黒い眼差し+この技+道連れの3段コンボを使うことも多い。
このコンボへの対策として、相手を強制的に引っ込めることで黒い眼差しの効果を解除する吠える・吹き飛ばしや、
相打ちは上等で、こちらからも黒い眼差しをかけてお互い確実に逃げられないようにする方法や、
最後にカウントが0になり滅ぶターンに、相手が交代によって逃れようとしてもその交代先を倒せるよう大爆発を選択する、
等といった方法がある。
なお、ムウマはこの技を自力で覚えるが、ゲンガーは遺伝技であるため、初代マシン技とは両立不可。
特に、大爆発と併用出来ないという点に要注意。
ムウマ:対策されていないと一方的に倒せてしまう例
ムウマ:眠るがあれば追い打ちブラッキーも一方的に倒せてしまう
ムウマ:守る+眠るで粘りながら1枚ずつ倒して行く
ムウマ:ブラッキーとダブルロック戦術で吹き飛ばしエアームドを攻略
ムウマ:敵のバトンタッチ対策として使える
ムウマ:身代わり+腹太鼓を決めたカビゴンを退場させることが出来る
ムウマ:自主退場してエースの起点作りの技として使う
ムウマ:無理矢理交代させることで控えポケモンの毒ダメージを稼ぐ
ムウマ:吠えさせて相手だけにカウントを残す
ムウマ:途中で出て来た破壊の遺伝子ケンタロスを引っ込ませる
ムウマ:ターンカットを利用することで強制的に滅びカウントを進ませて倒す
ゲンガー:広範囲の攻撃技と両立する
ゲンガー:影分身+バトンタッチも対策出来る
【一撃あり2000】ムウマ:身代わりケンタロスを退場させる
【一撃あり2000】ムウマ:相手にカウントを残してエースの身代わりの起点作成
【一撃あり2000】ムウマ:自主退場してバトンタッチ役の起点作成

・ルージュラ
ルージュラも黒い眼差しとこの技を併用することが出来る。
ただし上記のゴーストポケモンとは違って優秀な無効化耐性などを持っているわけでもなく、耐久力もかなり低い。
その代わり、ゲンガーの催眠術よりも命中率が高い悪魔のキッスと併用出来る他、
Lv.51以上ならば身代わりやリフレクターとも両立出来るようになるため、ターン稼ぎの手段が広がる。

・ドーブル
この技を、色々な技と併用したコンボが展開出来る。
ゴーストポケモンと同じように、クモの巣+この技+道連れでの相打ちを狙いつつ、
更にアンコールを併用し、道連れを恐れて無駄技を打って来たポケモンをアンコールでハメたり、
逆に無駄技をアンコールして隙が出来た相手にこの技を打ったりすることが出来る。
種族値が低く、特に攻撃手段には乏しいドーブルが、自ら決定力を持てるようになる貴重な技のひとつ。

・ラプラス、ニョロトノ、ジュゴン、マリルリ
この技を、渦潮と併用出来る水ポケモン。当初は初歩的なコンボのひとつとして知られており、
怪しい光や催眠術といったターン稼ぎをしやすい技を併用出来るポケモンも居るのだが、
実際には渦潮は黒い眼差しとは違って、継続ターンが不確定であるため滅びカウントが0になる前に解除されてしまったり、
技そのものの命中率が低いため外してしまったりというリスクがあまりにも大きく、
黒い眼差しとのコンボに比べて性能が大幅に劣る。
このコンボに固執するよりは、単発で使って相手の交代を促進したり、
最後の1匹残しへの対策として持たせるといった使い方の方が、よほど効果を発揮出来るというぐらいである。
ジュゴンは、ドーブルと同様この技をアンコールと併用出来るポケモンである。
マリルリは、この技がカメックスとの差別点のひとつになる。
なお、ラプラスとニョロトノはこの技を自力で覚えるため、初代マシン技との併用も可能。
ラプラス:相手を交代させる技として単発で使う
ジュゴン:ロックバトンから繋いで逃げられない相手を滅ぼす
ジュゴン:最後の1匹への詰めとして使う
ニョロトノ:渦潮との併用でフーディンを滅ぼす

・プクリン、ガラガラ
その他、この技を覚えるポケモン。相手を拘束する効果を持つ技は一切覚えられないが、
技の効果自体は強力なので、持たせる価値は一定以上にはある。
特に、プクリンはこの技がピクシーとの重要な差別点のひとつになる。
どちらも遺伝でこの技を覚えるため、初代マシン技との両立は出来ない。
プクリン:転がる1匹残しに対する最強の対策

・ゴースト、ゴース
ゴーストタイプというのは極めて優秀な属性であるため、
ゲンガーを使えるルールにおいても、構築にゲンガーを入れつつ、第2のゲンガーとしてゴーストも共存させる選択肢がある。
その際に、進化後のゲンガーと同じようにゴーストにも黒い眼差し+この技のコンボを使わせることが出来る。
相打ち性能が高い技であるため、間接的役割破壊が狙いやすいというのと、
進化前のポケモンは流石に種族値が低いため、数値の影響が全く無いこのコンボを使うという点で、理に敵った使い方と言える。
ゴーストの更に進化前であるゴースにも同じ話が言える。

・セレビィ
ウルトラカップでセレビィを使う際に候補に挙がる技。
ただし他の得意技である宿木のタネやバトンタッチとの相性は最悪。
身代わりで居座りながら、一撃技を打って来るポケモンへの対策や、ラスト1匹への詰めとして使える程度か。


戻る