いあいぎり

ノーマルタイプの中威力技。秘伝技のひとつで、ストーリーを攻略するのに不可欠な技のひとつ。
対戦においては、威力・命中率・PP全ての面において挟むの完全下位互換となっている。
挟むを覚えず、この技を覚えるポケモンは多数存在するが、
PP以外の面で大幅に上回っている恩返しor八つ当たりを全員もれなく覚えるため、
敢えてこの技が採用されるようなことはまず無い。

いかり

世代によって詳細な効果は異なるが、金銀においては、
「この技を使った直後に相手から攻撃技によるダメージを受けると、怒りのボルテージが1回上がる。
この技を連続で使用した際、この技のダメージは、(怒りのボルテージが上がった回数+1)倍される。
攻撃を外したり動けなかったりしてもこの効果は消えないが、他の技を使用してしまうと直ちにこの効果は消える。」
という効果になっている。
連続で使用するだけ強くなって行き、任意のタイミングで解除することが出来るという点で、連続切りに似ているが、
「相手から攻撃を受けないと強化されない」という仕様はあまりにも不便である。
しかも、連続切りはダメージがどんどん倍増して行くのに対し、
こちらは2倍、3倍、4倍、…という増え方であるため、上昇率が低すぎる。
ボルテージが4回上昇した状態でようやく威力100相当であり、
コンスタントにこの技を連発した場合、少なくともボルテージが8回上昇、つまりこの技を9連続以上使わないと、
恩返しや八つ当たりを連打した際のダメージ総量を上回ることが出来ない。
しかも、他の技を使ってしまうと上昇はリセットされてしまうため、その間回復技を使うことすら許されない。
回復せずにそこまで敵の攻撃を受け続けられるのは、せいぜい相手が悪足掻き状態に入った時ぐらいであり、
そのような状況になったらどくどくでも打った方がよほど早く倒すことが出来る。
また、この技は初代において、例外系以外の全てのポケモンが技マシンで覚えることが出来るが、
これを覚えるポケモンは全て、金銀の技マシンで恩返しや八つ当たりも覚えることが出来る。
PPも、転がるや暴れる等と違って、1回使うごとに1回ずつ消費されてしまうため、PP節約としても使えない。
以上により、この技を実戦で有効に使うのは限りなく不可能に近いと見てしまって良いだろう。

・ハピナス
一応、食べ残しを持たせれば、特殊攻撃しか持たないポケモンを、タマゴ産みを使わず何ターンも受け続けられる可能性がある。
また、ハピナスは攻撃力が乏しいので、通常の攻撃技では相手を倒し切れない場合も少なくない。
そこで、特殊ポケモンに対してこの技を連打することで、いずれ突破出来るようになる見込みがあるが、
そもそも9ターンも10ターンもかける前に、転がるを使ってしまえば5発目でさっさと相手を倒すことが出来る。
やはり使い所を見出すのは至難の業である。

いかりのまえば

ラッタ族にのみ許された専用技。
相手のHPを現在の値の半分(切り上げ)にするという効果のため、
当然残りHPの割合が高いポケモンにほど有効で、残りHPが少ないポケモンにはこの技ではろくなダメージを与えられないため、
通常の攻撃技と併用して相手を倒すことになる。
威力の無い、いわゆる定数ダメージ技であるが、珍しく命中率が100%ではなく90%であり、外れることもあるので注意。
王者の印が適用される技なので、相手のHPを半分削った上に怯ませてもう一発攻撃を打てたり、
カウンターの対象となる技なので、HP満タンからこの技を喰らった場合はカウンターで一撃で倒せるといった対策法もある。
他の定数ダメージ技の例に漏れず、無効化の場合のみ属性相性の効果を受けるため、ゴーストタイプには無効である。
完全タイマンにおいて、この技で相手のHPを半分削ったあと、強力な攻撃を打てば、2ターンで倒せる場合もある。
これを狙って、この技を破壊光線と併用するといったコンボも存在する。

・ラッタ
この技の最速の使い手。物理攻撃力は最低限備わっており、属性一致の破壊光線が打てるため、
この技+破壊光線のコンボで並の耐久のポケモンを2発で倒すことが出来る。
また、カウンターや起死回生と言った技とも併用出来るため、先発で出して場を荒らして使い捨てするのに非常に向いている。
ローカルルールはさておき、一撃無し2000ルールにおいてわざわざラッタというポケモンを採用するのは、
この技があったればこそである。
ラッタ:複数の相手を半分削る
ラッタ:雷と併用でシャワーズを突破&更にカビゴンも削る
【2012ルール】ラッタ:雷と併用してエアームドを突破
【金銀ファンシーカップ】コラッタ:王者の印と併用
【ドラフト対戦】コラッタ:相手に腹太鼓を使わせない

・ドーブル
性能自体は非常に強力な技であるため、ドーブルがこの技を使う場合もある。
ドーブルは基本的に、その種族値の低さが影響しない、状態異常やコンボ系のサポートを任されることが多いが、
そんなドーブルでもこの技ひとつ持てば強力なダメージソースを得ることが出来る。
更には、宿木のタネや地球投げと併用することで、様々な相手をそのまま倒すことまで出来てしまう。
単純に、この技+地球投げ2発で、HP200までのポケモンを3発で倒せる計算となるため、
それ以下のポケモンはドーブルを眠るによって受け続けることが不可能になる。
そこに宿木のタネまで絡めれば、55食べ残しカビゴンさえも3発で倒すことが出来るようになる。
もちろん、倒すまでには至らずとも、サポートの一環として使うだけでも十分に有用な技。
ドーブル:宿木のタネ+地球投げと組み合わせて定数ダメージだけで55食べ残しカビゴンを突破

いたみわけ

自分と相手のHPを平均化するという、変わった効果を持つ技。端数は切り捨てとなる。
マタドガス族とムウマのみが使うことが出来る技である。
自らのHPが減っている際に、回復技のように使うことが出来るが、回復量は相手のHPに依存してしまう上、
この技を使う瞬間に残りHPが自分よりも低いポケモンにチェンジされてしまったら、
自らのHPを削ってしまう上に相手も回復させてしまうことになるため、使う際には注意が必要。
しかし、相手のHPが多く自分の残りHPが少ない場合は、
自分が大幅に回復出来るだけでなく、相手にも大きなダメージを与えられるというのが、この技の醍醐味である。
特に、HPの高いカビゴンやハピナス等に対しては、ムウマ等のHPが低いポケモンが使えば、
初めからいきなり使っても相手にある程度のダメージを与えることが出来る。
攻防一体となる技なので、いかに自分が得し、相手を損させるタイミングで使うかが鍵となる。
なお、この技は回復技ではなく、あくまで「相手に打つ技」であるため、
命中率が存在し、また身代わりには封じられてしまうという点に注意。

・ムウマ、マタドガス
この技を使える貴重なポケモン。
ムウマは属性を活かした粘りができ、マタドガスは物理耐久を活かした受けが出来るため、
どちらもサイクルをしながらこの技を回復技のように使って粘りつつ、相手の体力もジリジリと削ることが出来る。
どちらもHPは比較的低めなので、HPが高いポケモンに使えば大きな効果を得られる。
ムウマはこの技を滅びの歌と併用出来るため、カウントダウンの間、この技を連打して粘ることが可能。
また、ゴーストタイプの呪いとも併用出来るため、削った体力をこの技で回復した上、
呪いダメージ+この技の二重で相手の体力を削ることも狙えるといったコンボがある。
マタドガスはこの技を遺伝で覚えるため、初代マシン技とは両立不可なので注意。
とは言っても、実は該当するのは怒り・ものまね・我慢・身代わりの4種類の技しか無い。
ムウマ:自分の回復と相手のHP削りを同時に行いながらエースの起点を作る
ムウマ:エースの一撃圏内に入れる攻撃技として使える
ムウマ:軽めの攻撃に対しては連打することで相手を瀕死まで追い込める
ムウマ:カビゴンに対しては大幅なダメージソースとなる
ムウマ:HP1の状態からいきなりほぼ全回復
ムウマ:毒を食らったハピナスにはほぼガン受けが成立
ムウマ:回復技として滅びの歌のターン稼ぎ

いとをはく

相手の素早さを1段階下げる技。命中率は95%であり、まれに外れることがあるので注意。
ストーリープレイの序盤にキャタピーやビードルが打って来る補助技として有名だが、
当然それらの進化系のポケモンも使うことができ、金銀ではアリアドス族もこれを使うことが出来る。
これよりも優秀な、相手の素早さを2段階下げる効果を持つ技として、怖い顔と綿胞子があるが、
その双方に比べて命中率の高さで秀でているため、完全下位互換にはならない。
ただし、それらの命中率も致命的な低さではないため、
両方覚える場合は、多少の命中率の低さを我慢しても、より効果が大きい怖い顔もしくは綿胞子を使われることになるだろう。
例えばアリアドスは、この技と同時に怖い顔も覚えることが出来るため、
相手の素早さを下げたいならばこの技よりも怖い顔を使われることの方が多いだろう。

・バタフリー
この技を、眠り粉や痺れ粉と併用することが出来る。
痺れ粉で相手の素早さを下げられるため、この技まで持たせる必要性は無さそうに思えるが、
麻痺は状態異常であり、他の状態異常と重ねがけは出来ない。
すなわち、眠っていたり毒を喰らっている相手に対し、痺れ粉では素早さを下げることは出来ない。
そこで、どんな状態の相手の素早さも下げることが出来るこの技が効果を発揮するのである。
特に、眠り粉と併用することにより、相手を眠らせた上で素早さまで下げるということが実現出来る。
バタフリーはモルフォンとの差別化が難しいポケモンであるが、
モルフォンはこの技を覚えないため、この点で差別化することが出来る。
バタフリー:眠っていて痺れ粉が効かない相手の素早さを下げる

・キャタピー、トランセル、ビードル、コクーン
5種類以上の技を覚えられないポケモンなので、否が応でもこの技を持たせることになる。
218ルールでは、一応この技によって、足の遅いオタチやウパーのサポートをすることが出来なくもない。
【218ルール】コクーン:コイキングの素早さを下げピチューで流す

いばる

相手を混乱させる代わりに、攻撃ランクも2段階上げてしまうという、博打要素の高い技。
ダイレクトに相手を混乱状態にする怪しい光などと比べて、相手の攻撃力を高めてしまうリスクがある代わりに、
混乱自滅ダメージが大きいという利点がある。
また、物理攻撃を持たない相手に対しては、攻撃力を上げてしまうのは全くリスクにならず、
むしろ混乱自滅ダメージだけが増えるためリターンがかなり大きい。
反面、怪しい光に比べると命中率が低く外れる恐れがあり、
また攻撃ランクが上昇し切ってMAXになった相手にはこの技は無効となってしまうため、
それまでに倒し切れなかったら受け切られてしまうというデメリットもある。
どちらも一長一短ではあるが、対戦環境には物理技を持ったポケモンの方が圧倒的に多いため、
攻撃力を2段階上げてしまうというのは大きなリスクになってしまう場合が多いので、
怪しい光を覚えるポケモンはどちらかと言えばこの技よりもそちらの方が採用される場合が多い。
この技の最大のポイントは、技マシンで例外系以外の全てのポケモンがもれなく覚えるという点であり、
いくらリスクが大きかろうがクソゲーで強行突破出来る可能性が生まれるため、
影分身などと同じくどんなポケモンにも持たせることでワンチャン性能を持たせることが出来るという点であろう。
特に、リスクを緩和することが出来る身代わり+食べ残しと併用したコンボは、
「いばみが」という略称であまりに有名であり、後の世代にまで継がれている。
後の世代との相違点としては、先述した通り攻撃ランクが上がり切った相手には無効となってしまう点と、
身代わりに対してこの技を打つと無効化とはならず、混乱のみがカットされて攻撃力のみを上げてしまうという点である。
つまり身代わりに対しては塩を贈る行為以外の何物でもない。
身代わりとのコンボが一般的ではあるが、あくまでワンチャンを残すためなら単発でこの技を使う場合も少なくない。
そもそも身代わりは初代にしか技マシンが存在しなしため金銀初登場のポケモンは基本的に覚えることが出来ず、
それらのポケモンはいばみがやメロみがと言ったコンボは成立しない。

・サンダー、フーディン、サンダース
高い素早さと特殊火力から、この技と身代わりを併用し、全抜きを狙うポケモンの代表格。
特にこれらのポケモンはカビゴンやハピナスの突破に骨が折れるが、そこに混乱を絡めて強行突破を図る。
電気ポケモンにとってはライコウ等、フーディンにとってはスターミーやナッシー等の強行突破も狙える。
ハピナスやライコウ、スターミーと言った特殊型のポケモンに対してはこの技のリスクを受けないのが美味しい。
この技を使ったサンダーは特に実戦における最前線の一角であり、対策が必須な相手のひとつである。
サンダー:カビゴンをゲンガーで流しながら強行突破
サンダー:55カビゴン+ナッシーも強行突破
サンダー:高レベルイノムーを強行突破
フーディン:特殊技でカビゴンを強行突破

・ペルシアン、オコリザル
この技を、身代わり+自己暗示と併用出来る物理ポケモンの代表例。
この技+自己暗示というのは攻略本にも載っているような基礎的なコンボのひとつで、
2段階上がった相手の攻撃力を自分にもコピーして、剣の舞を使ったような状態になれるという効果があるが、
それを身代わりとも絡めることで、よりリスクを軽減しコンボを現実的なものにすることが出来る。
攻撃技は1本になってしまうが、2段階のみならず4段階や6段階上がった相手の攻撃力をコピーすることに成功すれば、
たとえ耐性を持つ相手にでもお構いなしに全抜きを狙うことが出来るようになる。
ペルシアン:相手の上がった攻撃力を自己暗示でコピー
ブラッキー:相手の上がった攻撃力を自己暗示でコピーして更にバトンタッチ

・プテラ、ダグトリオ、ケンタロス、ギャロップ、ドードリオ、ラッタ
その他、素早さの高いポケモンは先制の身代わりを活かして上からコンボを狙うことが出来る。
どれも身代わり+食べ残しとのコンボが一般的だが、
ケンタロスは破壊の遺伝子型で使う際、不利な相手に更にクソゲーを仕掛けるためにこの技を単発で持たせることがある。
これはもちろん、破壊の遺伝子型でドードリオ等を使う際にも適用出来る戦術である。
ギャロップ:超クソゲーでゴローニャを強行突破
ギャロップ:相手の身代わりが割れた隙に打ち込む
ダグトリオ:砂嵐サポートを受けて決定力を伸ばす

・レアコイル
決して素早さは高くないが、耐性を利用して身代わりが色々な技を耐えることが出来るため、
そこからこの技で展開して行くことが出来るという珍しいケース。
自分より素早く、奇跡の実を持ったポケモンに受けられてしまうと、
完全に相手に塩を贈ってしまう事態となるため立ち回りには注意する必要がある。
レアコイル:嫌な音と併用で混乱ダメージがえげつない
オムスター:超クソゲーでハピナスを強行突破
カイリキー:高火力物理ポケモンが出て来ないことを利用する

・ピカチュウ、ドククラゲ、モルフォン、サワムラー、ルージュラ等
その他、素早さと火力はそれなりにあるが、耐久力があまり高くないというポケモンは、
この技+身代わりで使う選択肢が常にある。
ピカチュウのように他の道具を持たせ、食べ残しを持たせていないと、身代わりを4回しか貼ることが出来ないが、
それでもなおこのコンボが使われることがある。
モルフォンやルージュラは、この技を眠らせ技と併用させることで、ストコンのようなことが狙える。
ルージュラ:悪魔のキッスとの併用でとことん相手を止める
ルージュラ:超クソゲーでハピナスを強行突破
ピカチュウ:サポートで起点作りとして使用する

・ライコウ
身代わりを覚えないが、この技を自己暗示と併用出来るポケモンの例。
身代わりが無い分、かなりリスキーにはなるが、なるべく特殊ポケモンを狙う等してリスクを軽減したい。
当然、上がった攻撃力を活かすため、恩返しやアイアンテール等の物理技を持たせることになる。

・エーフィ、ブラッキー
この技を、身代わり+自己暗示+バトンタッチと併用出来るポケモン。この2種類だけである。
これで全ての技枠が埋まってしまうため、攻撃技をひとつも持てないというのが不便だが、
バトンタッチが決まれば剣の舞+バトンタッチをしたようなものである。
独自性のあるコンボではあるが、かなりの段階を踏む必要があるためハードルは高い。

・ファイヤー、シードラ、エビワラー等
この技を、高速移動と併用出来るポケモンの例。
高速移動でどんなポケモンにも先制を取れるようにした状態で、この技+身代わりのコンボを始動することで、
後手よりも安全にコンボを展開することが出来るようになる。
特にシードラは、このコンボがゴルダックとの数少ない差別点のひとつとなる。
シードラ:高速移動で先手を取れるようにしてからいばみが始動

・マルマイン
全抜きを狙うわけではなくとも、混乱を絡めて相手の行動を制限しながら、状態異常を撒いたりしてサポートするというケース。
マルマインは全ポケモン中最速であるため必ず先制でこの技をかけることが出来る上、
最終的に大爆発まですることが出来るので、相手の攻撃力を上げてしまうリスクも軽減しやすい。
また、大爆発を使わずとも、この技を打ちながら相手にすぐ倒されることで、
身代わりを持った後続のポケモンに繋げれば、実質的にいばみがのコンボが始動出来るようなものとなる。

・クロバット、スターミー、ゲンガー、キュウコン等
怪しい光を覚えるポケモンでも、相手の混乱ダメージを増幅したい場合は敢えてこちらを採用することがある。

・その他あらゆるポケモン
この技は例外系以外の全てのポケモンが技マシンで覚えられる上、ピンチの時にワンチャン性能を発揮出来る技なので、
マイナーなポケモンに持たせてワンチャンに期待するという使い方が可能。
完全にヤケクソではあるが、下手に大人しいことをするよりもよほど勝率が稼げる可能性があるという悲しい現実もある。

・ミュウツー
ウルトラカップにおいては、ミュウツーは素早さと火力の総合がぶっちぎりで高いポケモンであるため、
身代わりとのコンボが非常に強力である。
全てにおいてフーディンの強化版と思えば間違いないだろう。
サブ技は様々な高威力の特殊技から、サイコキネシスの効きづらいエスパーに有効なシャドーボールや目覚めるパワー悪、
またサポートに徹する電磁波など、幅広い選択肢がある。
【ウルトラカップ】ミュウツー:素早さと火力を活かして全抜き狙い


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