やつあたり

恩返しとは真逆で、懐き度が低いほど威力が高くなる技。
実機では普通に育成していれば基本的に懐き度は勝手に上がって行くので、
この技よりも恩返しの方が威力が高くなりやすいが、
いざ対戦となると、威力を最大の102まで上げる必要が出て来る。
こうなると話は別で、懐き度を最大値まで上げるよりも、最小値まで落とす方が、
カンポーの薬(力の根っこが楽)を数回使うだけで簡単に実現出来てしまうため、圧倒的に楽。
よって、趣味的な要素を排除した効率だけで考えるなら、恩返しよりもこの技の方が使いやすいと言える。
ジムリーダーの城のPBS(シミュレータ)では懐き度という概念が無いため、
恩返しとこの技が共に無条件で最大威力の102で使うことが出来るばかりか、
これらの技を同時に持たせても、双方の技を同時に最大威力で使うことが出来るという実機との相違点がある。
つまり、PBSでは恩返しとこの技は全く同じ効果を持つため、完全に好みで選んでしまって良い。
また、実機においても、懐き度が高ければ威力が上がるか、低ければ威力が上がるかの違いだけであり、
技の性能自体は恩返しと全く同じで、覚えるポケモンも全く同じであるため、解説は全て恩返しの項目を参照されたい。
なお、ヒストリアカップ2024ルールにおいては、恩返しの使用を禁止されているため、必然的にこちらの技を使うことになる。

・あらゆるポケモン
上記のように、恩返しを使う全てのポケモンは、恩返しの代わりにこの技を持たせても良い。
カビゴン:55腹太鼓型のメイン技として
カビゴン:55鈍い型のメイン技として
ミルタンク:ピンクのリボンで55食べ残しカビゴンを急所待ち
ミルタンク:ピンクのリボンで55ガラガラにも勝てる
ミルタンク:ピンクのリボンで55ケンタロスも倒しやすくなる
ミルタンク:爆裂パンチを絡めてカビゴンを突破
ガルーラ:鈍いを1回積んで50カビゴンを上から2発
リングマ:水玉リボンを持たせて驚異的な火力
ピクシー:腹太鼓を決めて全抜き
キリンリキ:破壊の遺伝子と併用して低レベルから決定力を出す
キングラー:ハピナスを起点にして剣の舞を積んで全抜き
オクタン:鈍いを積んでフシギバナを突破
【ヒストリア2024】セレビィ:破壊の遺伝子+バトンタッチをチラつかせつつ自ら殴る
【ヒストリア2024】ガルーラ:地割れが効かない格上には普通に殴る
【ヒストリア2024】ケンタロス:低レベルライコウの上から負荷をかける
【城杯ルール】キングラー:自慢の攻撃力を活かす
【金銀ファンシーカップ】エイパム:非常に強力なメイン技

・小ネタ
恩返しと同じく、この技を自力で覚えるポケモンは存在せず、技マシンの使用が不可欠。
ただし、技マシンは無限に入手が可能であるため、手軽に覚えさせることが出来る。
恩返しと同じく、威力0の攻撃が出来る技であり、この場合ダメージも0になる。

やどりぎのタネ

この技をかけられたポケモンは、自分のターンの最後に、最大HPの1/8を相手に吸収される。
技をかけた側が交代しても効果が継続し、かけられた側が交代することで解除される。
定数ダメージ発動のタイミングは毒ダメージ等と同じ「自分のターンの最後」なので、
後攻でこの技をかけられたターンや、相手を倒してターンをカットした場合は定数ダメージは発動しない。
特にこの点は、後の世代との重要な相違点であり、
例えば交代だけを延々と繰り返している相手に対してこの技を連発しても、1ダメージも与えることが出来ないという点に注意。
毎ターン相手のHPを1/8ずつ削り、同時にその分自分が回復出来るということは、
例えて言えば相手を毒状態にし、同時に自分は食べ残しを2個分持っているというような状態。
回復量は相手のHP依存であるため、カビゴンやハピナス相手ならば、これが食べ残し3個分や4個分相当になることもある。
技の性質上、まさに「攻守一体」となる技で、極めて利用価値の高い技であり、
この技が「最強の草技」と評されることすらある。
特に一撃無し2000ルールにおける最強ポケモンであるカビゴンはHPが非常に高いため、
対策としてこの技が非常に有効に働く。
定数ダメージを絡めて相手を倒しやすくなるだけでなく、
その分回復するので同時に倒されにくくもなるというのがこの技の特筆すべき点である。
また、一度かければ交代以外ではほぼ解除出来ないため、1匹残し対策としても優秀。
逆に、技をかけた側は交代しても効果が継続するというのが特徴的で、
体力に余裕のある草ポケモンでこの技を打ち、眠り粉で相手を動けなくして、
その間に控えにいる体力が減ったポケモンに交代し、この技の効果を利用してHPを回復させるというテクニックがある。
草ポケモンや身代わりを貼った相手に対しては無効だが、
この技を受けた状態で草ポケモンにバトンタッチした場合はそのまま効果が継続する。
また、忘れられがちな効果だが、この技を使われたポケモンは高速スピンを使うことで解除することが出来る。
この技を覚えるポケモンは草ポケモンのみ。この技を覚えない草ポケモンも存在するが、
あまりに強力な技であるため、この技を覚えるか覚えないかで大幅に評価が変わるほどである。
特に、眠り粉と併用したコンボは極めて凶悪であり、
たとえメイン技のダメージが貧弱であっても、これだけでほとんど何もさせずに倒せてしまう場合も往々にしてあるというほど。
この技を覚えるポケモンはもれなく全員光合成も覚えるが、
この技によってHPを回復出来るため、光合成を持たせずとも十分場持ちするという場合も多い。

・ナッシー、フシギバナ、ワタッコ
この技を、眠り粉と併用出来るポケモン。
フシギバナとワタッコは、ろくな火力の攻撃技を覚えず、メイン技が貧弱になりがちだが、
このコンボがあるだけで、寝言を持たないカビゴンを倒せてしまうことも決して珍しくない。
定数ダメージが突破口になるだけでなく、相手のHPの1/8も毎ターン回復しながら戦えるため、
例えばフシギバナなら、光合成と併用することで、
弱点となるサンダーやライコウの目覚めるパワー氷を受けながらでも戦うことが出来る。
ワタッコは更にアンコールと絡めたコンボも可能であり、
1枚残しに対しては相手の行動を縛ることで、この技をかければあとは待っているだけで倒せる状態となる。
以上のように、ろくな火力のメイン技を持たずとも十分戦えるようになるほどの優れた性能を持っている技なのだが、
ナッシーはここに更に高火力のサイコキネシスを絡めることが出来る。
食べ残しを持ったカビゴンですらこれを受け切るのは不可能であり、
しかもこの技を無効化出来る草ポケモンの中で、サイコキネシスに耐性を持つのは同じナッシーのみである。
これが、かつて「最強のナッシー受けはナッシー」と謳われることもあった所以である。
また、フシギバナとナッシーはこの技を身代わりと併用した、通称「やどみが」のコンボも可能。
この技を相手にかけた状態で身代わりを連発すれば、毒ダメージ等と同じく相手はジワジワとHPが減って行く上、
こちらは回復するので身代わりの消費HPを幾分かカバーすることが出来る。
結果、身代わりを貼れる回数が増えることになる。
たまらず相手が回復なりチェンジなりして来たところで、攻撃に転ずるというコンボである。
フシギバナ:眠り粉と併用するだけで全抜きが可能
フシギバナ:交代で解除を繰り返しても無駄
フシギバナ:残りHPが少ない味方のエースを回復させて攻撃に転じる
フシギバナ:味方のポケモンの身代わりとのコンボ
フシギバナ:後手の身代わりには滅法強い
フシギバナ:バトンタッチへの対策にもなる
ナッシー:サイクルで味方の負担を減らす
ナッシー:身代わりとのコンボで全抜き
ナッシー:味方の身代わりの起点を作る
ナッシー:道連れされず一方的に倒せる
ナッシー:転がる系のポケモンを完封
ナッシー:身代わりと併用して影分身を積んで行き転がるで全抜き
ワタッコ:アンコールと併用で攻撃技無しで詰ます
ワタッコ:ド忘れと併用して炎ポケモンにタイマンで勝つ

・メガニウム
眠り粉や身代わりは覚えないものの、単発でこの技を使うことが出来るポケモン。
リフレクターやどくどくと併用してサポートとして使うのも良いが、
メガニウムはその硬さを活かして、光合成で粘りながら鈍いや剣の舞を積んで火力を出すという使い方がある。
その際に、この技を相手にかけることによって、積んで行く際の守りになると同時に、攻めに転じた際は火力の補助にもなる。
メガニウム:カビゴン相手に事故りまくっても全然倒されない
メガニウム:剣の舞と併用で突破力を伸ばす

・ドーブル
この技は、ドーブルですらしばしば使われることがあるというほど強力な技である。
ドーブルは耐久力が著しく低いため、この技で少々回復したところで効果は薄そうだが、
身代わりと併用することでこの技は効果を発揮する。
同じやどみがコンボ使いのフシギバナやナッシーと比べて、ドーブルはHPが低い。
つまり、この技で回復するHPの割合が相対的に高くなるのである。
具体的に言うと、Lv.50のドーブルのHPは161、つまり身代わりのHPは40。
これに対し、Lv.55のカビゴンのHPは292、つまりこの技をかけると、毎ターン36のHPを回復することが出来る。
すなわち、この技をカビゴンにかけた状態で身代わりを貼って、それを即壊されても、ドーブルのHPは4しか減らない。
更に、ここに食べ残しまで持たせれば、あろうことか「身代わりを貼ったのにHPが回復した」という事態が得られる。
これによってカビゴンの攻撃を直接喰らうことなく眠りに追い込むことが出来る。
更に、怒りの前歯や地球投げと言った定数ダメージ技とセットならば、
あらゆるポケモンを定数ダメージのみで倒せる可能性も秘めている。
ドーブル:怒りの前歯+地球投げと併用で定数ダメージだけで55食べ残しカビゴンを倒す
ドーブル:アンコールと併用で1匹残しの相手を完全に詰ませる

・タマタマ、フシギソウ等
この技は自分でなく相手のHP依存で自分が回復出来るため、逆に自分のHPは低い方が回復効率が良い。
そのため、このような未進化ポケモンを敢えて使おうという際には、何よりもこの技が極めて重要になる。
この技+身代わりのコンボが、自身の進化後よりも強力になるという可能性がありうるのである。
タマタマ:メロメロと併用で55カビゴンを突破
フシギソウ:普通にサイクルでサポート

・セレビィ
ウルトラカップでは、この技をバトンタッチと併用出来る唯一のポケモン。
バトンタッチに対して吠えるで対策して来る相手に対してこの技をかけ、後続を無償光臨させることが狙える。

・小ネタ
初代では毒ダメージと同じく、定数ダメージは1/8でなく1/16だった。
その代わり、この技は猛毒の効果を受けた。つまり、どくどくと併用すると、
1ターン目は毒ダメージが1/16、この技のダメージが2/16、
2ターン目は毒ダメージが3/16、この技のダメージが4/16、と恐ろしい速さでダメージ量が増えて行くコンボが存在した。

ゆびをふる

ランダムであらゆる技を繰り出すことが出来る、無限の可能性を秘めた技。
この技で発動しない技は、スケッチ・ものまね・守る・見切り・堪える・カウンター・ミラーコート・泥棒・道連れ・寝言・悪足掻き、
その他、この技を使ったポケモンが既に持っている技。
第5世代以降では、変身・オウム返し・いびきも発動しないようだが、金銀では発動する。
また、この技で発動した技は、カウンターやミラーコートで返されず、
アンコールを受けたり、相手のものまねやテクスチャー2の対象にもならない。
一撃無しルールで一撃技を発動させて命中させたり、
苦手な相手に致命傷を与えられるような役割破壊技を繰り出したりと、ロマンは絶えないのだが、
一方で多くの技は威力が低かったり、効果が薄いものであるといった現実もある。
実戦で真剣に採用を検討するならば、やはり試行回数を稼ぐことが必須となるため、
耐久力が高く、場に居座りやすいポケモンで狙った方が良いだろう。
この技のみを使用し、運だけで戦う「指振りルール」といったエンタメ要素の強いローカルルールも存在する。
この技を覚えるポケモンは、指を使うというだけあって、人型グループや格闘タイプのポケモンが多い。
特に人型グループに関しては、カポエラー以外の全てのポケモンがこの技を覚えることが出来る。
ただし、ほとんどのポケモンは初代技マシンでこの技を覚えるため、
初代に送ることが出来ない遺伝技との両立不可のケースが多いという点に注意。
技の性質上、「種族値は高いが技のレパートリーが少ない」というポケモンが使うと恩恵が得られやすい技なのだが、
残念ながらこの技の使い手は元々器用なポケモンがほとんどである。
発動して損をする技というのはほとんど無いが、例えば嫌な音をかけた後に吠えるが発動してしまったり、
自分のHPの方が高いのに痛み分けが発動してしまったり、腹太鼓を叩いたのに黒い霧が発動してしまったり、
最悪、自分が最後の1匹なのに大爆発が発動してしまうという可能性もあり得るため、多少のリスクも伴う。

・ハピナス
群を抜いて高い特殊耐久を活かして場に居座り、この技の試行回数を稼ぐことによって、
一撃技の発動を狙う等して相手の事故を狙うことが出来る。
使う際は物理ポケモン相手でもある程度居座れるよう、リフレクターか鳴き声も併用すると良いかも知れない。
ただし、試行回数を稼いで事故を狙うのならば、冷凍ビームで十分という説があり、
また場に居座って突破力を出すのならば、鈍い+捨て身タックルか、丸くなる+転がるを狙った方が良いという説もある。

・カビゴン、カイリキー
攻撃力が非常に高く、それなりに試行回数を稼げる程度の耐久力も備えているポケモンの例。
金銀に存在する全ての技を考えてみれば分かると思うが、ノーマルタイプの攻撃技というのは最も種類が多い。
つまり、この技で発動する可能性が高いということになる。
したがって、物理攻撃力の高いノーマルポケモンは、相対的にこの技の恩恵を受けやすい。
カイリキーはノーマルタイプではないものの、この技を使えるポケモンの中では最も物理攻撃力が高い。
眠る+寝言と併用すれば、それなりに試行回数も稼ぐことが出来る。
カイリキー:フシギバナを吹っ飛ばす
カイリキー:ぬるい受けポケモンに対しては試行回数を稼げる

・ゲンガー
指振りルールにおいて、破格の強さを持つ最強ポケモン。
数多いノーマルタイプの全ての攻撃技を無効化することが出来るばかりか、
ノーマル技の次に攻撃技の種類が多い格闘技も同時に無効化することが出来る。
更には、このルールで使用することが出来る唯一の毒ポケモンでもあり、
回復技を持てないこのルールにおいて毒状態にならないというのはあまりにも大きい。
挙句の果てに素早さも、フーディンの次に高い。

・グランブル、ゴローニャ、フーディン、ニョロボン、ラッキー
その他、指振りルールにおいて活躍出来る可能性があるポケモン。
グランブルは、この技を覚えるノーマルポケモンの中で最強の物理攻撃力を持つ。
ゴローニャは、ゲンガーと同様にノーマル技への耐性を持っていると同時に、物理攻撃力も高い。
フーディンは、このルールにおける最速かつ最強の特攻を持つポケモンである。
ニョロボンは、攻守のバランスが優れており、耐性が多い。
ラッキーは、種族値ではハピナスの下位互換だが、専用アイテムのラッキーパンチがあり、
これを持たせることで試行回数を稼いで急所を狙うことが出来る。
特に、小技の連発が多く試行回数を稼ぎやすいこのルールにおいては、ラッキーパンチの恩恵は受けやすい。

ゆめくい

悪夢と同じく、眠っている相手にのみ有効な技。眠っていない相手には全く効果が無い。
威力は100であり、実はエスパータイプの最高威力技である。
与えたダメージの半分をHP回復出来る効果も大きく、技そのものの性能としては悪くない。
しかし、公式ルールの対戦では、複数催眠が効かないという仕様により、相手を眠らせてもチェンジされてしまうことが多い。
また、眠らせ技と併用するには技スペースを2個も喰ってしまい、
相手の自発的な「眠る」を利用するには相手が限られてしまうという使い勝手の悪さがある。
更には、眠るによって受け続けて来るような相手は特殊耐久が高かったりエスパー耐性を持つポケモンが多く、
この技をもってしても突破が難しいという場合が少なくない。
結局、それなら眠っていない状態でも気にせず打つことが出来て、
特防ダウンの追加効果も期待出来るサイコキネシスを連打した方が良い、という結論になりがち。
また、眠っている相手に有効な技としては、
初めに1回かければあとは攻撃技を打ちながら定数ダメージを蓄積させることが出来る悪夢に出番を取られがちである。
この技を覚えるポケモンは、初代ではゲンガー族・スリーパー族・ミュウのみであったが、
金銀では例外系以外の全てのエスパーポケモンが技マシンで習得出来るようになった。

・ルージュラ
この技を、命中率が比較的高い催眠技である、悪魔のキッスと併用出来る。
通常は共に属性一致である冷凍ビーム+サイコキネシスの攻撃範囲で使われることが多いが、
メインはどちらかと言えば冷凍ビームで、サイコキネシスを打つ場面はやや限られるため、
それをこの技に変更しても、使い勝手にはそこまで差し支えない。
また、ルージュラは技スペースが悩ましく、眠るを持たせて回復するような余裕が無い場合が多いため、
貴重な回復ソースとして使えるという点でも、この技との相性が比較的良いポケモンと言えるだろう。
ルージュラ:悪魔のキッスと併用して回復を利用

・ヘルガー、ヤミカラス、ニューラ、ブラッキー
バンギラス以外は悪ポケモンも軒並みこの技を覚えることが出来る。
特にブラッキー以外は、サイコキネシスを覚えないため、この技が唯一のエスパー技ということになる。
したがって、エスパー技を持たせたい場合、必然的にこの技が候補に挙がる。
エスパー技は弱点を突ける範囲が狭いため、サブ技としては採用しづらいが、
悪ポケモンにとっては苦手な格闘ポケモンを返り討ちに遭わすことが出来るという旨みはある。
ただし、ヘルガーは属性一致の大文字でも十分な火力があり、ヤミカラスには属性一致のドリル嘴があり、
ニューラは特攻があまりにも低すぎて弱点を突く意味がほとんど無い。
そのため、ヘルガーがカイリキー等に対して大文字より僅かにダメージが大きいことを利用したり、
ニョロボンやドククラゲに対するピンポイント役割破壊や、回復を活かすと言った、かなり狭い使い方になる。

・ペルシアン、ベロリンガ、ヨルノズク、エイパム、ノコッチ
その他、一部のクセの強いノーマルポケモンも、サイコキネシスを覚えず、この技のみを覚えるケースがある。
これも悪ポケモンと同じく、苦手な格闘ポケモンの弱点を突くことが出来るが、
肝心の特攻がまともに高いポケモンがまるで居ないのが残念。
結局、属性一致の恩返しで普通に殴った方が強いという場合も往々にしてある。
この中ではヨルノズクが、比較的マシな特攻を持ち、物理攻撃力はかなり低いため、やや恩恵があると言ったところか。
ペルシアンとヨルノズクは、この技を催眠術と併用することが出来る。

・フーディン
一応、この技の最強の使い手。
例えば食べ残しを持った同レベルのライコウには、サイコキネシスではほぼ3発耐えられてしまうが、
この技ならば高確率3発で倒せる、と言った恩恵がある。
また、Lv.55で50エアームドを倒すのにサイコキネシスなら確定4発かかるが、
この技ならばやや低確率ではあるものの乱数3発で倒せるようになる。
これらの相手はサイコキネシスでも、特防ダウンの追加効果や急所を待てばそのうち倒せはするのだが、
サイコキネシスのPPは16と決して多くないため、あまり連射するのも憚られる。
そういう点で、この技の採用価値が無くはないと言える。
ただし、眠らせ技を覚えないため、完全に相手の自発的な眠るに依存するか、味方の眠らせ技と併用するしか無い上に、
この技をメイン技としてしまうと流石に使い勝手が悪過ぎるため、結局サイコキネシスを持つこととなり、
そうするとエスパー技を2個も持つことになり技スペースを圧縮し過ぎてしまう。
これはフーディンに限らず、多くのエスパーポケモンに対して言えるジレンマである。
また、先述した通り、眠っている相手を追い込むには、悪夢+サイコキネシスでも十分である。

・ゲンガー
属性不一致でこの技の最強の使い手。
催眠術と併用することができ、また命中率の安定した10万ボルトやサイコキネシスに比べて少しだけ威力が高いため、
威力の緩急を付けて相手を倒すことを狙えなくもない。
眠るを持たせるスペースも無いポケモンなので、体力回復の効果も美味しい。
例えば、寝言+目覚めるパワーでゲンガーを受けて来るカイリキーなんかに対しては効果覿面。

・小ネタ
この技は初代から技マシンが存在したが、覚えるのはゲンガー族・スリーパー族・ミュウのみだった。
しかもゲンガー族はこの技を自力で覚えるため、実質的にスリーパーに覚えさせるぐらいしか使い道が無かった。
しかし、他のエスパーポケモンはこの技を覚えなかったため、
スリーパーは催眠術+この技のコンボが使えることによってフーディンとの差別化が可能であった。

ようかいえき

毒タイプの小技。1割の確率で相手の防御を1段階下げるという独自性があるため、どの技の劣化にもならないが、
威力が40しか無いため実戦に耐えうる数字ではない。
また、追加効果を狙うにも1割では低過ぎるため、狙って出せるものではない。
更に、この技を覚えるポケモンはもれなく全員、もっと威力の高い毒技を覚える上、
追加効果の観点から見ても、物理技の火力を伸ばせる剣の舞もしくは嫌な音をもれなく全員覚えるため、
やはりこの技を実戦で使う必要性は皆無と言ってしまって良いだろう。

・小ネタ
キレイハナは、この技を属性不一致で使える唯一のポケモンである。
初代では、追加効果の発動率が約1/3と、高めだった。
更には、毒タイプの最高威力技が、ベトベトン族とマタドガス族しか覚えないヘドロ攻撃であり、
この技は何と、その次に威力が高い技だったため、
アーボック・ラフレシア・ウツボット・ドククラゲが、属性一致の毒技に拘る場合は、持たせる価値が無いわけではなかった。

ヨガのポーズ

攻撃力を1段階上げる技。技タイプが異なるが、全く同じ効果を持つ角ばるに比べて、
PPで上回っているため、実質的に上位互換と言える。
また、攻撃力を2段階上げる技として剣の舞が存在し、こちらにもPPで上回っているが、
流石に2段階上昇という効果の方が遥かに優秀であるため、この技は剣の舞のほぼ下位互換と言ってしまって良い。
ただし、この技を覚えるポケモンは誰一人として剣の舞を覚えられないため、攻撃力を上昇させる技として需要がある。
この技を覚えるポケモンはもれなく全員鈍いも覚えるが、
鈍いは素早さが下がってしまうというデメリットがあるため、素早さを下げたくない場合にこの技が候補に挙がる。

・カイリキー、オコリザル、エレブー
この技を使うことで、鈍いと違って素早さを落とさずにクロスチョップ等の物理技の火力を伸ばすことが出来る。
オコリザルとエレブーは嫌な音も覚えるため、この技の代わりに使われることもある。
この技は自分の攻撃力を1段階上げるのに対し、嫌な音は相手の防御力を2段階下げるため、
嫌な音の方がダメージの上昇率は高いが、居座って全抜きを狙う場合は、効果が続くこの技の方が向いている。
55エレブーは特に、この技を1回積むことでクロスチョップでバンギラスが乱数一撃になったり、
50カビゴンが2発になったりと恩恵がやや多い。
オコリザルやエレブーに比べてカイリキーは遅いため、この技ではなく鈍いが使われることもあるが、
カイリキーよりも更に遅いポケモンも環境には決して少なくなく、
この技ならば1回積んでもカビゴンやハガネール、ガラガラ等に先制されないという利点がある。
エレブー:クロスチョップでバンギラスやカビゴンを倒しやすくなる
カイリキー:鈍いと違って積みながらカビゴンに先制可能
オコリザル:フシギバナを強行突破出来るようになる
オコリザル:相手のリフレクターに対抗する

・サワムラー
Lv.51以上ならば、この技を、身代わり+起死回生と併用したコンボが可能である唯一のポケモン。
みがじたorみがきしのコンボは、他にガルーラやアズマオウが使えるが、
せっかくHP1の状態を作っても威力不足だったり、相手に鈍いを積まれたら倒せなくなってしまうという場合も多い。
そこで、この技で攻撃力まで上げることで、全抜きを狙えるようになる。
このコンボが使えるのは、ドーブルを除けばサワムラーのみであり、
またドーブルすら、この技の代わりに腹太鼓でこのコンボを狙うことも稀にあるという、決まれば強力なコンボのひとつ。
特にフシギバナ等の前では、身代わりを壊されず残せるため、この技を積んで行くことが出来る。
起死回生をLv.51からしか覚えないため、このコンボはLv.50では出来ないという点に注意。
サワムラー:みがきしコンボにおける鈍い対策&PPの多さ
サワムラー:1回積むことで55エンテイクラスの耐久も起死回生で一撃に
サワムラー:1回積むことで複数のポケモンを同時に一撃で倒せるようになる例
サワムラー:1回積むことで威力150の起死回生でも十分な決定力

・バリヤード
この技を、バトンタッチと併用出来る唯一のポケモン。
より上昇率の高い剣の舞+バトンタッチを、ハッサムやカモネギ等が使うことが出来るが、
バリヤードは他にバリアーや身代わり等も同時に継承したり、
電磁波やアンコールと言った器用なサポートをしながらバトンコンボを狙ったりすることが出来る。

・ドーブル
この技を、テクスチャーと併用出来る唯一のポケモン。
普通に攻撃力を上げたり、それをバトンタッチしたいならば剣の舞の方が基本的に秀でているが、
技タイプが異なり、この技はエスパータイプの技なので、
この技を持ちながらテクスチャーを使えば、エスパータイプになることが可能。
つまり、エスパータイプになりたいシチュエーションがありつつ、同時に攻撃力も上げたいという場合、
剣の舞を差し置いてこの技が候補に挙がる場合が、理論上はある。
例えば、この技+テクスチャー+自己再生+バトンタッチという型ならば、
控えポケモンが眠っていれば、ナッシーを受けながらこの技を積んでバトンタッチが出来るかも知れない。
ねーよ


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