みがわり

世代問わず、ポケモン対戦の中核を支えている超重要技のひとつ。
どの世代においても、この技ひとつのおかげで戦略の幅が広がっていることは間違いないだろう。
この技が人気過ぎて、この技によって繰り出された人形がぬいぐるみとしてリアルで商品化されているというほどである。
自らの体力の1/4を削ることで、そのHPの分身を作り出し、それが生き残っている間はその分身を盾にして戦える。
分身は全ての状態異常と、ほとんどの状態変化を受け付けないため、補助技に対しては極めて有効。
また、どれだけ大ダメージを受けようが、分身を盾にすればHPは1/4の消費で済むので、
敵が打って来るハイリスクハイリターン技に対してもこの技で受け止めるのが有効である場合が多い。
この技を貫通して来る効果としては、メロメロ、アンコール、黒い眼差し、滅びの歌、道連れ、砂嵐など。
また、地味に防げる技としては、ギガドレイン等の吸収技、痛み分け、悪夢、恨みなどがある。
威張るは、混乱は無効化するが、攻撃力2段階上昇の効果だけをかけてしまうので、完全に塩行為となる。
分身が出ている間は、新たな分身を作り出すことは出来ないため、この技は失敗する。また、守るも失敗する。
混乱自傷ダメージは分身が受けるが、捨て身タックル等の反動ダメージは本体が受けるため注意。
分身のHPが残った状態でも、本体のHPが0になったら当然瀕死になってしまう。
また、敵が分身に対して捨て身タックル等を打った場合、VC環境では1の反動ダメージを受け、PBSでは反動ダメージは無い。
分身はバトンタッチで引き継ぐこともでき、その場合分身のHPも引き継がれる。

この技は、初代に存在するポケモンは、例外系以外全てがもれなく技マシンで覚えることが出来る。
逆に、金銀にはこの技マシンが存在しないため、初代に輸送出来ないポケモンは誰もこの技を覚えることが出来ない。
また、この技を覚える場合でも、ほとんどのポケモンは初代技マシンでしか覚えられないため、
初代に送ることが出来ない遺伝技などとの両立不可のケースが多い点に注意。
第3世代からは再び技マシンが復活し、ほとんどのポケモンが覚えられるようになったようなので、
特に他世代の対戦に慣れていて、金銀対戦を始める人は要注意。
スイクン、ライコウ、バンギラスなどはそもそもこの技を使うこと自体が出来ないことになる。

この技は、多くの世代では基本的に起点作成のために使われることが多いようだが、
金銀ではそのような使い方が難しいという点に注意が必要。
何故なら、金銀は他の世代よりも全体的に硬いゲームであるため、
この技で1ターン得をしたぐらいでは、そのまま全抜きに繋げるのは至極困難だからである。
このことについてはこちらの記事で詳しく記したので、参照されたい。

・サンダー、スターミー、フーディン、サンダース
この技を、威張るor怪しい光orメロメロと併用したコンボの使い手の代表格。
それぞれ、「いばみが」「あやみが」「メロみが」という略称が付いていることは有名。
50%の確率で相手が動けない隙にこの技で分身を残すことで、戦いを有利に運ぶことが出来る。
特に威張るに関しては、敵の攻撃力を上げてしまうリスクがあるため、その保険という意味合いも強い。
この技で敵の攻撃を受けて、本体が直接攻撃を食らうことさえ無ければ、いくら敵の攻撃力が上がっていても問題無いということだ。
この技は、先攻の方が圧倒的に使いやすい。
というのは、後攻の敵の行動を見てから、次の行動を決めることが出来るからだ。
後攻の敵の補助技をカット出来たり、敵がチェンジしたりして、分身を残すことが出来た場合、そこから展開することが出来る。
後攻の攻撃によって1発で分身を壊されてしまった場合、また次のターンに新たに考え直すことになる。
敵が雷のような命中率の低い技を打って来る場合も、外すまでこの技を連打して、外してから反撃に転ずるという判断が出来る。
また、物理技をメインとするポケモンは、カビゴンに対して打点があったり、
素の火力は無くても積み技によって決定力を出せる場合が多いが、
特殊技メインで、爆裂パンチも覚えないようなポケモンは、カビゴンの突破が難しい場合が多い。
そのようなポケモンが、これらのコンボを利用することでカビゴンを倒しやすくなる。
以上から、一定以上の火力があり、素早さの高い特殊ポケモンが、これらのコンボを使う代表例ということになる。
サンダー:相手が眠るターンに貼ることで起点を作る
スターミー:対面のパルシェンとナッシーは完封&雷ライコウにも刺さる
スターミー:自分よりレベルの低いスターミーを起点&怪しい光+電磁波のストコンで光合成ナッシーも突破
スターミー:雷サンダーに対して先制で貼れることの強さ
スターミー:これがあるだけでブラッキーを封じつつ波乗りで倒せる
フーディン:メロメロ+電磁波を使ったストコン

・キュウコン、ゲンガー、クロバット、エレブー、ルージュラ、ケンタロス、ダグトリオ等
その他、威張るor怪しい光orメロメロとこの技を併用したコンボを使うポケモンの例。
怪しい光は限られたポケモンしか覚えないが、威張るとメロメロはほとんどのポケモンが覚えられるため、
多くのポケモンは、困ったらこれらのコンボで決定力を出そうとすることが出来なくはない。
しかし、やはり向き不向きはあり、上記のように火力と素早さをある程度兼ね備えているポケモンが向いていると言える。
耐久力は低くても、敵の攻撃はこの技で受け止めてしまえば良いため、
とにかく火力と素早ささえ最低限あれば、これらのコンボによってワンチャンを見出すことが出来る。
逆に言うと、火力と素早さが高めで、耐久が低いという種族値配分をしているのに、
金銀出身であるためにこの技を覚えない、ニューラやヤンヤンマやデリバードと言ったポケモンは、
この技を覚えないこと自体がデメリットであると言っても良いほどである。
メロメロは、威張るor怪しい光の混乱と重ねがけすることもでき、その場合敵を25%の確率でしか行動させなくする強みがある。
キュウコンがそのコンボの代表例。
ゲンガー:怪しい光とのコンボで全抜き
ゲンガー:味方の宿木のタネとのコンボ&連打で相手の壁を切らせる
キュウコン:怪しい光+メロメロで高精度なストコンを展開
キュウコン:相手が高い確率で動けない場合は後攻でも有効
エレブー:メロメロは永続するためこれを残しやすい
クロバット:破壊の遺伝子ケンタロスに先制で貼ることで自動いばみが状態
ルージュラ:命中率の低い技に対しては後攻でも有効&悪魔のキッスから相手がいつ起きても良いように保険として使う
ギャロップ:相手の威張るは混乱をカットしつつ攻撃力だけを上げることが出来る
ダグトリオ:ターンを稼ぐことで相手の定数ダメージを稼ぐ
ケンタロス:威張るを併用せずとも起点作成として使える
ケンタロス:破壊の遺伝子型の場合この技が奇襲になることがある
ケンタロス:わざとこの技を出して相手の行動を読みやすくすることで安全に受ける&滅びのターン稼ぎ
シードラ:宿木のタネサポートを受けて何度も貼れる&高速移動と併用でどんな相手にも先制で貼れるようにする
ゴースト:耐久力が低くてもこれひとつあれば怪しい光とのコンボが展開出来る

・ペルシアン、オコリザル
この技を、自己暗示と併用出来るポケモンの代表例。
威張る+自己暗示で、敵の攻撃力上昇を自分にもコピーするというのは、攻略本にも載っているような基礎的なコンボだが、
威張るという技を使う以上、敵が物理ポケモンであった場合、50%の確率でこちらが大ダメージを受けてしまうという大きなリスクを孕む。
そこで、そのコンボにこの技も併用し、すなわち「いばみが」として運用することで、そのリスクを抑えることが出来る。
ただし、この時点で技が3つになってしまうため、攻撃技はメイン技1本しか使えないという窮屈さはある。
ペルシアン:威張る+自己暗示コンボのための起点作り

・シャワーズ、サンダース、ブースター、エーフィ、ブラッキー、バリヤード
この技を、バトンタッチと併用出来るポケモン。ドーブルを除けばこれだけである。
分身のHPはこの技を使ったポケモン依存であるため、例えばHPの高いシャワーズでこのコンボを使い、
HPが極端に低いが防御・特防が極端に高いツボツボに繋いだりしたら、驚異的な耐久力を獲得することになる。
それでなくとも、分身を残すことさえ出来れば、場に受け出ししにくいポケモンにバトンタッチすることによって、
交代際に攻撃を食らっても分身が盾になってくれるため、実質無償降臨させることが出来る。
Lv.52以上のエーフィとブラッキーは、この技を再生回復とも両立出来るため、この技で削った体力を回復させることも出来る。
エーフィ&ブラッキー:2匹で相手に合わせて交代しながら常に先制でこれを貼って安全に影分身を積み全抜きポケモンにバトンタッチ
ブラッキー:バトンタッチでゲンガーに繋ぎ相手に合わせて技を打ち分けられるようにする
エーフィ:バトンタッチでエースを実質無償光臨させる
エーフィ:外れ待ちをしながら影分身を積んでバトンタッチ
サンダース:影分身を積んでいたら後攻でもこれを貼れば粘りやすくなる
サンダース&ダグトリオ:影分身を積みながら2匹がかりで常に貼る

・サワムラー、アズマオウ、ガルーラ、ドーブル
この技を、じたばたor起死回生と併用出来るポケモン。それぞれ「みがじた」「みがきし」という略称で有名。
これらの技は、堪えると併用した「こらじた」「こらきし」といったコンボもあるが、
堪えるを使うターンを読まれてしまうと失敗しやすくなるため、甚だしい読みゲーに依存してしまうというデメリットがある。
しかしこの技ならば、能動的に確実にHPを過不足なく削ることが出来るため、
読みの要素無く成功させやすいというのが何よりのメリット。
使い手の最大HPがちょうど4の倍数だと、4回目にこの技を使おうとするとちょうどHP0になってしまうため失敗するので、
このコンボを使いたい場合は、HPを4nからズラしておく必要がある。
例えばLv.55のドーブル等でその必要が出て来る。
肝心のこのコンボの使い手だが、じたばた・起死回生を覚えるポケモンは、どちらも遺伝で覚えるケースが多いため、
初代に送らないと覚えられないこの技とは両立不可であるケースが極めて多く、
結果として金銀でこのコンボが出来るのは、ここに挙げた4系統だけしか存在しない。
逆に言うと、金銀ではそれだけ貴重なコンボであり、これが出来るというだけで重要なアイデンティティになる。
特にサワムラーは、ここに更にヨガのポーズを併用して攻撃力を上げることも出来るため、全抜きを実現しやすい。
また、アズマオウはここに高速移動を併用して確実に先手を取れるようになるコンボもある。
ドーブルは、ここに腹太鼓を併用して、腹太鼓+この技2回分で残りHP1の状態を作り出し、
極限まで攻撃力が上がったじたばたや起死回生で全抜きするというコンボがある。
サワムラー:起死回生とのコンボ&後手でも確実にHP調整可能
サワムラー:場合によっては1回貼ってからの起死回生でも十分
ガルーラ:確実にHPを減らし起死回生で全抜きするコンボ
アズマオウ:確実にHPを減らしじたばたで全抜きするコンボ

・ライチュウ、マルマイン、カメックス、レアコイル等
この技を、影分身+転がると併用するポケモンの代表例。
影分身戦術は、いくら回避率を上げても、一度当たってしまうと致命傷を食らうほどの攻撃を敵が持っている場合は、
不利な博打にしかならない。
そこで、この技を併用することで、敵の攻撃に対して分身を盾にして受けられるようになる。
影分身を積めば積むほどこの技は残しやすくなるため、1発ぐらい攻撃が当たっても、すぐ貼り直せば済む話になる。
その状態で、安全に転がるを開始して全抜きを図ることが出来るというコンボである。
ライチュウやカメックスは、ここに更に丸くなるまで併用し、防御も上げると同時に転がるの威力を倍増させることも出来る。
ただし、ここまですると技枠が4つ全て埋まってしまうため、完全にこのコンボに依存する形となる。
そのため、丸くなるは持たせず、空いた枠に通常の攻撃技を持たせることで、普通に殴れるようにする型もある。
ライチュウ:影分身とのコンボでは後攻でも有効

・ナッシー、フシギバナ
この技を、宿木のタネと併用出来るポケモン。「やどみが」という略称で有名。
この技で削った体力を、宿木で瞬時に回復出来るため、通常よりも何度も連続でこの技を使えるようになる。
その間に、敵はどんどん宿木で体力が減っていくというギミックである。
なお、後の世代では、ここに更に守るも併用して、更に時間稼ぎをする「みがまも」と呼ばれるコンボもあるようだが、
金銀では分身が出ている間は守るは失敗するため、そのようなコンボ自体は存在しない。
ハピナスやカビゴンのようなHPの高いポケモンが相手であるほど宿木のタネによる回復量は多いため、
この技でHPを削ってもHPがほとんど減らないか、下手すると回復してしまうほどになることもある。
素のHPが低いほど、この技で消費する体力も小さくなるため、このコンボを使う際には、
むしろHPが低い方が有利になるという場合すらある。
そのため、ナッシーやフシギバナよりもHPが低い、ドーブルでこのコンボを使う場合もある。
ドーブル:宿木のタネを55カビゴンに植えたらこの技でHPが減らないどころか増える
ナッシー:宿木のタネとの併用でしつこく居座りつつ全抜き
フシギバナ:光合成と併用して安全に影分身を積んで連続斬りで全抜き

・ドククラゲ、ハッサム、プテラ、ガルーラ等
この技を盾にしながら、剣の舞や鈍いによって全抜きを狙うポケモンの代表例。
それだけならば他にも色々なポケモンが出来るが、ここに挙げたポケモンは、耐性や耐久によってこの技を使いやすく、
また起点さえ作れればしっかり全抜きするぐらいの性能も持っているという、限られたポケモンである。
例えばドククラゲは、パルシェンやフシギバナ、スイクン等に対して、
ハッサムは、ナッシーや波乗りを持たないパルシェン、大文字を持たないカビゴン等に対して、
対面からこの技によって確実に分身を残すことができ、起点を作ることが出来る。
そこから剣の舞による全抜き性能も持っているので、この技による起点作成が有効に働くわけである。
プテラは、非常に高い素早さを活かし、鈍いを1回積んでもレベル差でフシギバナにまで先制出来るというのを活かし、
低レベルのカビゴンやフシギバナの前でこの技で盾にしながら、鈍いの起点を作ることが出来る。
ガルーラは耐性こそ無いものの、高めの耐久と先制の鈍いによって、カビゴンを起点にしやすくなるのが強み。
ブラッキーを対面から完封したり、ハガネールのどくどくや大爆発をシャットアウトすることも出来る。
ただし、吠えるを使われると強制退場させられてしまうため、この技によって削ったHPを丸損してしまうという点に注意。
ドククラゲ:これがあるだけでパルシェンやフシギバナ等を完封して起点に出来る
ドククラゲ:ターンを稼ぐことで敵の毒ダメージを回す
ガルーラ:鈍いと併用で遅い物理ポケモンを起点にする
カブトプス:素眠りの相手を起点にして剣の舞を積んで全抜き
ピジョット:鈍いと併用して50カビゴンののしかかりを耐える&爆破をカット
ピジョット:相手のリフレクターのターンを稼いで切らせる&命中率の低い技の前で連打して外れ待ち

・レアコイル、ラプラス、スリーパー
素早さがあまり高くなく、火力もそこまであるわけでなくとも、
メジャーなポケモンに対してこの技で分身を残せるのなら、そこから展開出来るというケースはいくつかある。
例えばレアコイルは、レベル差でパルシェンやフシギバナに先制出来る上、
冷凍ビームや葉っぱカッターは耐性によって余裕で耐えるため、対面からこの技で起点を作ることが出来る。
また、バンギラスに対しても、岩雪崩+冷凍ビームのような攻撃範囲に対しては、同様に上から分身を残せる。
その上でサンダーと同様に威張るとのコンボを展開すれば、決定力を出すことが出来る。
ラプラスも、レベル差によってパルシェンに先制し、上から分身を確実に残せる他、
耐久が極めて高いため、ナッシーのサイコキネシスや、カビゴンののしかかりに対してすら乱数で分身を残せるのが強み。
火力は無いものの、そこから怪しい光やメロメロ等で展開することが出来る。
スリーパーは、これまたレベル差によって、ナッシーはもちろん、パルシェンに対しても分身を残すことができ、
そこから電磁波や催眠術などを絡めたサポートを展開出来る。
レアコイル:型によってはバンギラスがこの技で詰む
レアコイル:連続で貼ることで猛毒のダメージを稼ぐ
スリーパー:メロメロと併用なら後攻でも大きな効果

・カビゴン
前述した通り、この技は先制で使うことで真価が発揮されるため、遅いポケモンにとっては使いにくい技だが、
カビゴンは例外的に特殊耐久が並外れて高い上、決定力も十分にあるため、この技を採用する余地がある。
上からどくどくや宿木のタネ等を打たれてしまうと手痛いが、
特殊ポケモンとの対面などで、相手が交代することを読めれば、この技で分身を残すことによって、
出て来たポケモンはカビゴンの分身を1発で壊すのはなかなか難しい。
特に、パルシェンやナッシー等は、カビゴンにこの技を使われてしまうと、大爆発でしか壊せなくなる。
その隙に、腹太鼓なり鈍いなりで決定力を出して行くことが出来る。
カビゴン:耐久力を活かして起点を作り腹太鼓を決め全抜き
カビゴン:これがあるだけでブラッキーは手も足も出ない

・ケンタロス、ダグトリオ、ギャロップ、ラプラス、リザードン等
冒頭に書いた、「金銀では起点を作ったところで全抜きは難しい」というのは、あくまで一撃無しルール前提の話であり、
一撃ありルールではその限りではない。
この技で起点を作りさえすれば、一撃技によってどこまでも全抜きは期待出来るし、
逆に相手の一撃技に対しては、この技で受け止めることが対策にもなるため、
一撃ありルールにおいては、一撃無しルールに比べてこの技が大きな意味を持つことになる。
【一撃あり2000】プテラ:ケンタロスの角ドリル対策になる
【一撃あり2000】ダグトリオ:地割れを打つ隙を作り出す
【一撃あり2000】ギャロップ:相手の一撃技をカットして自分だけ一撃技を打つ
【ウルトラカップ】ケンタロス:相手の一撃技をカットして自分だけ一撃技を打つ
【リトルカップ】ディグダ:木の実と併用すると7回連続で貼れる

みきり

成功すれば、そのターンは相手の攻撃を絶対に受けないという、時間稼ぎ用の技。
成功率は、連続して使用するごとに、約半分ずつに減って行き、一度失敗したら元に戻る。
この技以外に守る・堪えるを間に挟んだ場合でも、同様に成功率が減って行くため、
この技と守るを交互に使用することで無敵になることは出来ない。
全く同じ性質を持った技として、守るが存在するため、詳しい仕様や使い方はそちらを参照されたい。
守るに比べると、この技の方がPPが少ないため、技タイプが異なる点を除けば実質的にこの技は守るのほぼ下位互換技と言える。
更には覚えるポケモンも、この技は一部のポケモンに限られるのに対し、
守るの方は例外系以外の全てのポケモンがもれなく技マシンで習得出来るという点から、
通常は守るを使えば良く、わざわざこの技を採用する理由はほぼ無いと言える。

ただし、逆にPPの低さを利用して、守ると差別化出来るというケースが無くはない。
具体的にはアンコール対策で、金銀では技のPPが切れた後にアンコールをかけても失敗するという仕様があるため、
アンコールされた側は、その技のPPが切れれば、次のターン自由に行動を選択することが出来る。
この技のPPは5しか無いため、敢えてポイントアップを使わずPP5のまま使用することで、
アンコールをかけられてもその後4ターン分を凌げば、次のターン自由に行動出来ることになる。
4ターンを稼ぐというと難しそうだが、実際にはこの技のそもそもの性質から、
そのうち最低でも2ターン分は攻撃を守ることが出来るため、相手からの攻撃を2発ぐらい耐えられれば凌ぐことは出来る。
運が良ければ1発しか喰らわずに済む場合もある。
守るの場合はPPは最低でも10なので、これをPPが切れるまで凌ぎ切ることは困難となるため、
この動きは守るでは出来ず、この技である価値を見出だせることになる。

具体的な動きを書くと、まず黒い眼差しや鈍いなど、アンコールされたくない技を使い、
相手はそのターンにフーディンなど先制でアンコールを打てるポケモンを出して来る。
次のターンに1回目のこの技を使うことで、まず技の効果により、敵のアンコールを回避することが出来る。
次のターンは、打ちたい攻撃技なりバトンタッチなりを選択すれば良い。
これによって、相手がアンコールをして来なかった場合、ストレートにその技を成功させることが出来る。
アンコールを打って来た場合、こちらは後攻で2回目のこの技が自動的に発動させられる。
ただし、この技は後攻で打つと失敗するという仕様があるため、このターンのこの技は失敗する。
次のターンは、アンコールの効果により、自動的にこちらは3回目のこの技を先制で打つことになる。
前のターンに一度失敗しているため、このターンは相手の攻撃をほぼ確実に防ぐことが出来る。
ここまででこちらはまだ一度も敵の攻撃を受けていない。
次のターンは、アンコールの効果が切れない限り、相手は攻撃を打って来る。
それに対してこちらは4回目のこの技を打つが、これは約50%の確率で失敗し、攻撃を食らってしまう。
しかしその場合、次のターンは5回目のこの技によって、ほぼ100%相手の攻撃を防ぐことが出来る。
この時点でこの技のPPが切れるため、相手は次のターンにアンコールをかけることが出来ない。
したがって、相手は攻撃技を打たざるを得なくなる。そのターンの後攻に、こちらは自由な行動を選択出来る。
このパターンだと、相手からの攻撃を合計2発受けることになる。
また、4回目のこの技が成功した場合、5回目のこの技は約75%の確率で失敗してしまうが、
その場合でも、結局相手からの攻撃はその1発と、アンコールが切れてからの最後の1発を食らうだけなので、
やはり先ほどの例と同じく、攻撃を受ける回数は2発である。
4発目と5発目のこの技が全て成功した場合のみ、攻撃は1発しか喰らわずに済む。この確率は約12.5%である。

・ブラッキー、ハッサム等
この技を、バトンタッチと併用するケース。
ブラッキーは黒い眼差しを、ハッサムは剣の舞を、それぞれ使った時、
そのターンに先制でアンコールを打てるポケモンを合わせられてしまうと、バトンタッチを阻止されてしまう。
そこで、次のターンにこの技を使うことで、上記の流れでバトンタッチを成功出来るようになる。
これらのバトンタッチ対策をアンコールに頼っている相手には刺せる可能性がある。
ブラッキー:PPの少なさを利用してアンコールを無効化しロックバトンを決める

・オオタチ、オニドリル、グランブル
この技によって、特定のポケモンとの差別化が出来る可能性があるポケモン。
オオタチはガルーラと、オニドリルはドードリオと、グランブルはリングマとの差別化がそれぞれ難しいが、
どれも差別化対象はこの技を覚えないため、この技が差別点となり得る。
どれも、物理決定力を出したいポケモンなので、例えば鈍いと併用することで、
鈍いを積んだターンにアンコール持ちのポケモンを繰り出して来る相手に対して、上記の流れで刺せる可能性がある。
例えばグランブルは、鈍い1回+恩返しで、同レベルのフーディンを高確率一撃で倒せる。
鈍いに対して相手が最初からアンコール持ちにチェンジして来た場合、1回しか鈍いを積めないことになるが、
例えばカビゴン等との対面から、お互い鈍いを積み合う展開となり、
3-4回積んだ段階で、相手が途中で鈍い読みでフーディン等にチェンジしてアンコールを狙って来た場合なんかは、
そのまま全抜き出来る可能性を秘めている。
連続でこの技を使うという性質上、食べ残しを持たせるのがベターだろう。

・ドーブル
守るの技タイプがノーマルなのに対し、この技の技タイプは格闘であるという点も、守るとの相違点。
これは、テクスチャーを使う際に意義が出て来て、
敵の攻撃を守って時間稼ぎをしつつ、何らかの理由で格闘タイプに化けたいという場合に、
守るを差し置いてこの技が候補に挙がる。
ねぇよ

ミサイルばり

蟲タイプの連続攻撃技。スピアー・サンダース・ハリーセン・フォレトス族のみが覚えることが出来る。
2-5連続攻撃技の中で、技タイプがノーマルでないのはこの技とボーンラッシュのみである。
威力は何故か14という中途半端な値である。
5連続攻撃が発動する確率は12.5%しか無い上に、その場合でも実質威力は14×5=70相当であり、目覚めるパワーと同じにしかならない。
しかしながら蟲タイプの攻撃技はまるでろくなものが無いため、
他のタイプの目覚めるパワーを持ちたい場合、仕方なく蟲技としてこの技を採用する価値が無くはない。
また、身代わりを使って来るポケモンの代表格としてスターミーやフーディンが存在し、
この技はそれらの弱点を突けるという性質上、身代わり対策でこの技を採用するという価値もある。
ただし、この技自体の命中率が85%であるため、そもそも外れるというリスクはある。

・フォレトス
目覚めるパワー以外でまともに打てる唯一の属性一致蟲技がこの技というポケモン。
上記のように、他の目覚めるパワーを持たせたかったり、身代わりスターミー等を対策したかったり、
何らかの理由で♀(目覚めるパワーの威力が50になってしまう)で使いたい場合などに候補に挙がる。
目安として、Lv.51スターミーの身代わりを、Lv.50のこの技で2発分で高確率で壊すことが出来る。
また、フーディンはどのレベルであっても、2発分で身代わりを確実に破壊することが出来る。
3連続以上が発動する確率は62.5%なので、それぐらいの確率で本体にも直接ダメージを与えることが出来ることになる。
4発命中させれば、おおよそ半分のHPを削れる計算になる。
身代わり持ちのスターミーやフーディンが多い環境ならば、あながち悪くない選択肢である。

・スピアー
スピアーは、この技の他に、同じく連続技であるダブルニードルを覚える。
ダブルニードルは専用技というだけあって、命中率が100%で追加効果もあり、
肝心の合計威力も実質50で固定となる分、使い勝手はこの技よりもずっと良いと言える。
しかしながらこの技も、4連続以上が発動すれば合計ダメージはダブルニードルを上回る。
その確率は25%しか無く、更に外れる可能性もあるが、上限はこちらの方が上と言える。
また、Lv.55スピアーがLv.51スターミーの身代わりにダブルニードルを打った場合、
1発目で破壊出来る確率は超低確率でしかなく、実質的に身代わりを貫通出来ないと思った方が良い。
その点においてもこの技ならば、上記の約62.5%の確率で身代わりを貫通出来るため、秀でていると言える。

・サンダース、ハリーセン
属性不一致でこの技を覚えるポケモン。環境に多いナッシーの4倍弱点を突くことができ、
これまたスターミーやフーディンの身代わりを貫通出来る可能性があるという点で、利用価値はゼロではない。
ただし、属性不一致であるため、Lv.50ハリーセンや、Lv.55サンダースが、
3発分当ててようやくLv.51スターミーの身代わりを高確率で破壊出来るというレベルである。
破壊の遺伝子を持ったハリーセンでようやく、2発分で全レベルのスターミーの身代わりを壊せる。
サンダースは、目覚めるパワー水などを持たせたり、♀で目覚めるパワーを持てないという場合に、
ナッシーへの役割破壊としての使い方が最も現実的だが、それでも噛み付くで事足りているという説はある。
ハリーセン:破壊の遺伝子と併用でバンギラスにそこそこの打点

・小ネタ
初代ではこの技を覚えるポケモンはスピアーとサンダースしかおらず、
特にサンダースはナッシーへの有効打がこの技しか無かった他、
蟲技が毒に効果抜群である関係で、フシギバナ等の4倍弱点も突けたため、実戦で採用する機会があった。

みずでっぽう

水タイプの小技。これよりも更に小技である泡という技が存在するが、
この技が、他の属性で言うところの火の粉や電気ショックあたりと実質的に同等のポジションとなっている。
他の小技の例に洩れず、PPが多いというだけで、ストーリー序盤や努力値稼ぎでは役に立つが、
対戦においてはPP以外の面でこれを上回るバブル光線や波乗りの実質下位互換と言える。
この技を覚えるポケモンはほとんどが波乗りかバブル光線のいずれかも覚えることができ、
それらを覚えない場合でも、威力40で追加効果無しというのは弱すぎるため、対戦ではまず使われない。

・小ネタ
初代では、無駄にこの技の技マシンが存在するが、入手出来るのがお月見山という序盤であるため、
コラッタやニドラン系統などに覚えさせることで、イシツブテやイワーク相手に活躍出来たり、
PPの多い安定技であるため、技マシンをとっておけば努力値稼ぎの際にろくな攻撃技が無いポケモンの役に立ったりすることがある。
初代においては、この技を覚える場合は、同じく技マシンになっているバブル光線とセットになっており、
どちらか片方しか覚えないというポケモンは存在しない。

みだれづき

連続攻撃技のひとつ。技タイプ・威力・命中率・PPすべて、玉投げと全く同じ効果である。
これよりPPだけが少ない往復ビンタの完全上位互換技であり、
またこれより威力・命中率が高く、PPが5だけ低い棘キャノンの実質ほぼ下位互換技と言える。
威力は15しか無いため、5発全弾ヒットした上で、1回ぐらい急所に当ててもなお実質威力は90相当にしかならず、
この技を覚えるポケモンならばもれなく覚えることが出来る恩返しor八つ当たりを使った方がよほど強い。

みだれひっかき

連続攻撃技のひとつ。連続パンチと同じく、何故か威力18という中途半端な数値を持つ。
棘キャノン・連続パンチの双方の完全下位互換技である。
これらの上位技と覚えるポケモンは全く違うものの、全弾ヒットしても実質威力は90相当であり、
この技を覚えるポケモンならばもれなく覚えることが出来る恩返しor八つ当たりを使った方が強い。
5発分命中した上で、1回でも急所に当たれば実質威力は恩返しor八つ当たりをようやく上回ることが出来るが、
非現実的な確率であり、また身代わりを破壊しようにも1発分の威力が全く足りないため、対戦で使う理由がほぼ無い。
破壊の遺伝子を持たせて威力を底上げすることで、ようやく身代わりを破壊しつつ本体にダメージを与えるのに現実的な火力になる。

・リングマ
この技の最強の使い手。これより威力の高い棘キャノンは属性一致で打てるポケモンが存在せず、
また同威力である連続パンチを打てるガルーラは、リングマより攻撃力が低いため、
リングマのこの技が、太いホネを持ったガラガラのボーンラッシュの次に強い連続攻撃ということになる。
それでも並の耐久のポケモンの身代わりを壊すには3発以上かかるが、
フーディンやルージュラ程度の耐久の身代わりならば2発で壊せるため、確定で身代わり以上のダメージを与えられる。
また、面白いのは破壊の遺伝子を持たせることで、これらを1発で破壊出来るようになる。
1発で壊せるということは、残り3発を本体に当てればそのまま倒すに至るということなので、
4段ヒット以上が発動する、25%の確率で、これらが身代わりを貼ったにも関わらず一撃で倒せるということになる。

・ニャース
リトルカップにおいては、2000ルールに比べて少しだけ有効活用することが出来る。
ダメージ計算の都合上、威力の高低差によるダメージの差が小さいため、
高い威力の攻撃を1発打つよりも、低い威力の技を小分けに打った方がダメージ総数が大きくなる場合が多い。
例えばこれを属性一致で打てるニャースが使った場合、4段ヒットすると、実質威力は18×4=72相当しか無いのにも関わらず、
相手によっては威力120の捨て身タックルと同等のダメージを打ち出すことが出来る。
等倍相手ならほとんどのポケモンに対して3ダメージほぼ固定なので、
防御力が高いポケモンに対してほど、相対的に恩恵が大きくなる。
また、リフレクターを貼られてもこれが2ダメージにしか減少しないため、その場合更に大きく、
防御が高めの相手には、3段ヒットだけでも捨て身タックルと同等のダメージとなる。
なお、ニャースよりも攻撃力が高いヒメグマやコラッタでこの技を使っても、ほとんど同じダメージにしかならないため、
ニャースでこの技を使用するのが最も効率が良いと言える。
【リトルカップ】ニャース:リフレクターに対して相対的に大きなダメージ
【リトルカップ】ニャース:連続攻撃なので急所を狙いやすい


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