状態異常等の回復アイテム


<全般論>

すべて、持っているポケモンが特定の状態異常などになった瞬間に発動し、それを回復すると同時に消失する。
使用できるのは1回きりである。
発動するタイミングは、基本的には当該状態異常にかかった直後であり、
例えば相手が先制で状態異常をかけて来た場合、後攻でこれらの道具を持っているポケモンは、
それを自分のターンの直前に回復しながら、自分のターンでは健康な状態で行動することが出来る。
例外として、眠るによって自発的に眠り状態になった場合、
それが先攻であっても、道具が発動するのはお互いのターンの最後になる。
すなわち、後攻の相手のターン一瞬だけ自分は眠ったままの状態であり、この瞬間に別の状態異常を受けることは無い。

これらの道具の使い方としては、基本的に特定の状態異常などを回避したい場合となるが、
1回しか治せないという点は重要であり、二度も三度も受け続けるような場面では返って効果が発揮しづらい。
そのため、対面のほんの一瞬を有利にする使い方(お互い状態異常を打ち合う場面など)や、
ダイレクトに状態異常をかけて来る技でなく、のしかかりや冷凍ビームのような追加効果の状態異常への保険として使うのが有効。
この考え方については、こちらの記事も併せて参照されたい。
記事では奇跡の実の話となっているが、あらゆる状態異常に対して同じことが言える。

発動すると消費される道具なので、これらの道具を持たせつつ、泥棒を持たせるというコンボも存在する。
例えば、眠る+薄荷の実を使用し、道具が無くなった状態で泥棒を使い、相手の薄荷の実を奪うことが出来たら、
眠る+薄荷の実コンボがもう一度使えるようになる、というようなテクニックである。

きせきのみ

すべての状態異常(眠り・麻痺・毒・凍結・火傷)および混乱状態に対して発動する。
その効果から、性能的には以下の薄荷の実・麻痺治しの実・毒消しの実・焼けた木の実・凍った木の実・苦い木の実のすべての上位互換と言える。
これは非常に強力な効果であり、実際に、道具の重複ありのようなルールでは、複数のポケモンにこの道具が持たせられることもある。
道具の重複無しのルールでは、一撃無し2000ルールに限らず、ほとんどのルールにおいて、
この道具は必ずパーティの誰か1匹に持たせることになるだろう。
それだけ競争率の高い道具となるが、当然、なるべく多くの種類の状態異常を治したいポケモンに持たせるのが効果的で、
逆に眠りや麻痺など特定の状態異常のみ対策したい場合は、それらの専用の実で代用することが出来る。

上位互換と言ったものの、すべての状態異常を治すというのは時としてデメリットが生ずることもある。
例えば、絶対に麻痺は食らいたくないというポケモンにこの道具を持たせた場合、
どくどくや怪しい光を食らった場合にもこの道具は発動し、消滅してしまう。
言わば誤作動のようなことが起こり、以降肝心の麻痺を治せなくなってしまう。
この点に関して言えば、逆にどくどくや怪しい光で誤作動することが無い、麻痺治しの実の方が優れていると言える。
このように、特定の状態異常のみを治したい場合、それぞれの専用の実の方が返って有効という場合もある。
その最たる例が、眠る+薄荷の実を併用する場合で、
眠るによって一度HPや状態異常を全回復し、その瞬間眠り状態を治すというのは非常に強力かつ基礎的なコンボであるが、
眠るを使う前に他の状態異常を食らい、この道具が発動してしまうと、以降このコンボが出来なくなってしまうことになる。
眠るを使うポケモンに、この道具か薄荷の実かどちらを渡せば良いかについては、こちらの記事で触れている。

この道具が真価を発揮するのは、エースで相手のサポートポケモンを突破しようとする時である。
低レベルのサポート要員というのは、数値で不利ということもあって、状態異常技を使って来る場合が多い。
そのような相手を無策で突破しようとすると、そのポケモンは倒せたとしても、大きな後遺症を負ってしまい、
それ以降エースとして機能出来なくなってしまう、というパターンは非常によくあるケース。
ここでこの道具を持っていることによって、相手が状態異常技を打って来る1ターン、丸々無敵状態になるということになる。
この1ターンをもらって相手を倒せば、引き続きエースは敵に睨みを利かせ続けることが出来る。
サポートポケモンが打って来る状態異常技というのは様々で、どくどく・電磁波・眠り粉などのダイレクトな技に加え、
のしかかり・冷凍ビームなど追加効果で状態異常を付与して来るポケモンも多い。
すなわち、特定でなく幅広い状態異常を対策したいため、まさにこの道具がベストマッチというわけである。

・バンギラス、バクフーン、エンテイ、リザードン、エレブー、ゲンガー、カイリュー等
Lv.50のサポートポケモンを起点にし、広範囲の攻撃技で全抜きを図るタイプのエース。
サポートポケモンを起点にしたり、強行突破したりする必要が必ず出て来るため、
この道具の必要性はかなり高く、むしろこれを持っていない場合それがデメリットになりうるというほどである。
ゲンガーはどくどくものしかかりも食らわないため、他のポケモンよりは依存度が低いが、
それでも電磁波・眠り粉・威張る・冷凍ビーム・電磁砲など、まだまだ対策したい状態異常技はたくさんある。
バクフーン:状態異常によるぬるいサポートを起点にする際に役立つことが多い
デンリュウ:状態異常によるぬるいサポートを起点にする際に役立つことが多い
エレブー:素早くて決定力のあるポケモンにとってはあらゆる状態異常対策として重要
ライチュウ:素早くて決定力のあるポケモンにとってはあらゆる状態異常対策として重要
リザードン:素早くて決定力のあるポケモンにとってはあらゆる状態異常対策として重要
エンテイ:素早くて決定力のあるポケモンにとってはあらゆる状態異常対策として重要
ブーバー:素早くて決定力のあるポケモンにとってはあらゆる状態異常対策として重要
ストライク:素早くて決定力のあるポケモンにとってはあらゆる状態異常対策として重要
ストライク:積み技を使ったあと一旦全回復してから攻めに転ずる
カブトプス:眠ると併用で一瞬で回復
ドククラゲ:眠ると併用だが他の状態異常回復にも使える
ドククラゲ:炎技を何度も受けるポケモンには火傷対策にもなる
ウインディ:状態異常だけでなく威張るの混乱もカット出来る
カイリキー:威張るの混乱をカットして攻撃力アップだけをいただく
ゴルダック:怪しい光の混乱もカット出来る
バンギラス:この道具が発動しなくても持っている前提で動くだけで強い
ゲンガー:あらゆる状態異常で発動してしまうため逆に不要なところで誤作動してしまうというデメリットも
【リトルカップ】ストライク:その他のルールにおいても素早いポケモンで全抜きを図る場合は重要
【リトルカップ】エレキッド:その他のルールにおいても後攻の状態異常対策に優秀

・フーディン、スターミー、ブラッキー、ポリゴン2等
再生回復で、HPは回復出来るものの、眠ると違って状態異常は回復出来ない、というポケモンに、状態異常対策として持たせる。
これも、相手の状態異常技を何度も食らうようでは意味が無いため、
基本的には決定力があって相手を手早く倒せるポケモンや、こちらから状態異常の打ち合いに持ち込めるポケモンに持たせる場合が多い。
スターミー:氷技を何度も受けるポケモンには凍結対策にもなる

・マルマイン、パルシェン、ナッシー
サポートをして場を整えつつ、大爆発でエースに繋ぐタイプのポケモン。
回復するわけではないので動けるターン数は限られるというのと、
壁技を使うような場合、残りターン数がシビアになり、如何に相手に邪魔されず能動的に動けるかという点が大事になって来る。
その際に、敵の小細工に足を掬われず、機動力を維持しつつ場を整える仕事が出来るようにするため、
この道具は保険として大きな効果を発揮し、エースよりも優先的に渡されることも決して少なくない。
マルマイン:状態異常による邪魔をさせずに自分のペースで壁+大爆発を決められる

・エアームド、ムウマ等
上記の記事にあるように、眠る+実で回復したいポケモンが2匹居る場合には、
なるべく他の状態異常を受けづらいポケモンにこちらの道具を回した方が効率が良い。
エアームドはどくどくを食らわず、ムウマはのしかかりを食らわないため、眠るを使う前にこの道具が誤作動することを抑えやすい。
エアームド:状態異常を受けづらいため誤作動しにくいので眠ると併用しやすい
グライガー:眠るでこの道具を消費してから泥棒で太いホネを奪う

・プテラ、ケンタロス、ドードリオ
これらのポケモンは破壊の遺伝子を持たせることで強力になるポケモンの代表例だが、
代わりにこれらのポケモンにこの道具を持たせ、バトンタッチを持ったサポートポケモンに破壊の遺伝子を持たせるという手もある。
破壊の遺伝子が作動したポケモンが、混乱しながらバトンタッチした場合、
バトン先のポケモンがこの道具を持っていれば、瞬時に混乱を回復することが出来る、というコンボである。
わざわざバトンタッチ役を用意する必要があり、コストがかかるというデメリットがある反面、
バトンタッチさえ決まれば混乱は治るため確実に行動出来るようになったり、
エースがこの道具を持っているということ自体が強いため、破壊の遺伝子コンボに拘る必要が無くなる、と言った利点がある。
もちろん、コンボに拘るだけなら、この道具でなく苦い木の実を持たせれば良い。
プテラ:破壊の遺伝子で混乱した状態をバトンタッチしても治せる

・カビゴン
カビゴンは状態異常を何度も受けやすいポケモンであるため、この道具で1回治せたところで効果を発揮しづらいが、
腹太鼓を持たせた場合、1-2ターンの短い間の機動力が問われるため、この道具を持たせてあらゆる状態異常を対策しておく価値がある。
特に、上から行動不能にして来る眠りと、攻撃力が上がったことによりかなりの痛手を受ける混乱は治したい場合が多く、
それらを同時に治すことが出来るのはこの道具だけである。

はっかのみ

眠り状態を一度だけ回復し、発動したら消滅する。
他の状態異常回復と大きく異なるのは、少なくとも一撃無し2000ルールにおいては、
眠りという状態異常は相手から食らうよりも、「眠る」という技で自発的にかかることの方が多いという点。
そのため、眠り粉などへの対策よりは、眠ると併用したコンボとしての使用が一般的。
HPや状態異常を一瞬で全回復しつつ、次のターンからも不自由なく動けるというのはとても強力。
特に耐久寄りのパーティであるほど、回復技を多く持たせたいため、眠るを持つポケモンが多くなり、
この道具の他に、奇跡の実もこの道具の代用として使われる場合もある。
奇跡の実の項にも記載したが、これら2つの道具の使い分けに関してはこちらの記事を参照されたい。
逆に、速攻寄りのパーティにおいては眠るを持つポケモンが1匹も居ない場合もあり、
そのようなパーティではこの道具を誰にも持たせないか、もしくは相手の眠り粉対策として持たせることになる。

全般論にも書いたが、相手から眠りの状態異常を受けた場合、この道具は瞬時に発動し、直後の行動に影響を及ぼさないが、
眠ると併用した場合、この道具が発動するのはお互いのターンの最後になる。
そのため、例えば先攻で眠るを使い、後攻で吹き飛ばしをされた場合、
そのポケモンは眠った状態のまま控えに下がることになり、場に再登場しターンが終わった時点で、この道具が発動し目が覚める。
控えにいる間眠ったままということは、複数催眠禁止ルールにより、他のポケモンが相手に眠らされることはなくなる。

・カビゴン
この道具と特に相性が良いポケモン。物理特殊ともに優秀な耐久を持っているため、眠るの回復による恩恵は大きく、
その際に寝言と併用するわけでなければ、一発で回復出来るメリットが大きいためこの道具との併用が主となる。
奇跡の実でも同様のコンボが出来るが、カビゴンは他の状態異常を食らいやすいポケモンであるため、
眠るを使う前に奇跡の実は誤作動してしまい、肝心の眠りを一発で回復出来なくなってしまう。
特に怖いのが、眠るを使うターンに、先攻の相手にそれを読まれてどくどくや電磁波などを打たれた場合。
この場合、相手から食らった状態異常をその瞬間奇跡の実でカットするため、その後から眠るを使うことになる。
そうすると、カビゴンは目覚めることが出来ず、2ターンぐうぐうするハメになる、いわゆる「素眠り」状態になってしまう。
このようなデメリットが痛いため、カビゴンには奇跡の実よりもこちらの道具の方が適していると言える。
カビゴン:腹太鼓で削った体力を一瞬で回復
カビゴン:眠るで回復することで自爆のタイミングの選択肢を増やす
カビゴン:この道具で眠りを回復することによって寝言を持ってないと思わせる

・ナッシー、ゴローニャ、マルマイン、ハガネール、ベトベトン等
大爆発をするポケモンにこの道具を持たせ、相手の眠り粉を対策するという使い方。
爆破速攻寄りのパーティでは、眠るを持つポケモンがパーティに1匹も居ない場合も少なくなく、
逆に相手から眠らされて爆発すら出来ず倒されてしまうのを避けるため、このような使い方をする場合がある。
この使い方については、こちらの記事でも触れている。
ベトベトン:先制の眠り粉で動きを止められず後攻で確実に大爆発を決める
ネイティオ:眠り粉を打って来る草ポケモンを安全に受けるために持たせる

・その他あらゆるポケモン
眠るという技は、例外系以外すべてのポケモンが技マシンで覚えることが出来るため、
眠る+この道具のコンボはあらゆるポケモンでやる価値がある、極めて汎用的な戦術である。
より耐久力の高いポケモンでやる方が恩恵が強いが、逆に攻撃的なポケモンが突然回復することで、思わぬ奇襲になることもある。
ライコウ:眠るでHPと状態異常を同時に一瞬で回復
ライコウ:状態異常を瞬時に回復したいために残りHPに余裕があっても眠る
エアームド:自身の眠ると併用すると同時に相手の眠り粉対策にもなる
カイリキー:積み技を使ったあと一旦回復してから攻める
サンダー:先制で全回復することで後攻の大爆発を耐える

まひなおしのみ

麻痺状態を一度だけ回復し、発動したら消滅する。
麻痺というのは基本的には常に後手になってしまう上、行動すらさせてもらえない場合もあるため、機動力が著しく低下する。
特にエースにとっては死活問題で、麻痺してしまったら実質的に機能停止となってしまうポケモンも少なくない。
毒はまだ、耐久が落ちるだけで攻撃面には差し支えず、眠りは控えポケモンを眠らせておけば防止出来る。
火傷や凍結はそもそも1割の追加効果でしかないため、目を瞑れる。
それに対し、麻痺というのは防ぎようがなく、電磁波やのしかかりも環境で非常に多く使われているため、
とにかく他の状態異常よりも麻痺を優先的に治したい、というようなポケモンは決して少なくない。
そのようなポケモンにとって、奇跡の実と同等の価値があるのがこの道具である。
そもそも上記のうち眠り・火傷・凍結はどのようなポケモンに対しても言えることであるため、
「状態異常対策」と言っても、基本的に治したいのは毒と麻痺がほとんどである場合が多い。
そして、状態異常全般が気になるようなポケモンは、毒よりも麻痺が痛手となる場合がほとんどなので、
結果として、「状態異常対策をしたいが奇跡の実が余っていない」という場合、この道具の採用が効率的となる。
使い方として、のしかかりや雷の麻痺を対策するならば、数回に1回の事故への保険として使えるが、
100%麻痺させて来る電磁波への対策として使う場合、あくまで1回しか治せないという点に注意する必要がある。

・フシギバナ
この道具と特に相性が良いポケモン。
回復が光合成であるため、HPは回復出来るが状態異常は回復出来ない。
ただ、毒タイプを持っているため毒は食らわないので、実質的に麻痺だけを心配すれば良い。
また、戦う相手も、カビゴンののしかかりやライコウの雷など麻痺させる技を打って来る場合が多く、
更には電磁波を持ったスターミーと対面した際にも効果がある。
逆に、麻痺してしまうと一気に機動力が下がり、眠り粉も宿木のタネも後攻では弱体化するし、
光合成で耐えられた攻撃も痺れで耐えられなくなってしまう危険性がかなり高くなる。
以上の様々な理由から、フシギバナにとってはこの上なくこの道具のコスパが良く、特に優先的に持たせたいポケモンである。
フシギバナ:電気ポケモンと長期に渡って戦う場合の追加効果対策
フシギバナ:カビゴンののしかかり対策に役に立つことは多い

・フーディン、スターミー、ピクシー、メガニウム等
フシギバナと違って毒を食らうポケモンであっても、再生回復があれば最悪毒によるダメージは回復出来る。
一方で麻痺はどうしようもないため、麻痺を優先的に対策すべく、奇跡の実の代用としてこの道具を持つことが多い。
スターミー:素早いポケモンに電磁波対策で持たせる
フーディン:素早いポケモンに電磁波対策で持たせる
フーディン:電磁波持ちの相手に1回後出し出来るようになる
フーディン:奇跡の実の下位互換だが麻痺以外の状態異常が気にならない場合はむしろこの道具で十分
ピクシー:腹太鼓で全抜きを狙う際の電磁波対策
ポリゴン2:いずれ2回目の麻痺を食らうとしてもそれまで時間を稼げる

・パルシェン、ナッシー、ゴローニャ
低レベルのカビゴンに対して出しながら、大爆発の火力で圧力をかけるポケモン。
眠る+薄荷の実を持っていれば別だが、基本的には技スペース的に入らないので、状態異常は回復出来ない。
低レベルのカビゴンを受けるとなると避けられないのはのしかかりで、これを何度も食らうようでは簡単に麻痺をしてしまう。
麻痺してしまうとカビゴンに先制を取られ、ここで鈍いを積まれたりしたら大爆発ですら倒せなくなる。
ゴローニャの場合、麻痺からの先制地震で倒されてしまう危険性も。
そこに対する対策という理由だけで、この道具を持たせる価値がある。
低レベルカビゴンののしかかりというのは、1試合に1回必ず見かけても良いというほど常時飛び交っている技なので、
たとえそこに対するピンポイントな対策であっても、高い頻度で機能してくれること請け合いだ。
ナッシー:カビゴンののしかかり対策に役に立つことは多い
パルシェン:カビゴンののしかかりピンポイント対策でも役に立つことは多い
パルシェン:相手の電磁波をカットしながら確実に撒き菱
マルマイン:電気ポケモンに対する追加効果予防

・リザードン、ヘラクロス等
その他、速攻的な決定力を出す際に、麻痺してしまうと実質機能停止してしまうようなポケモンに、予防として持たせることがある。
リザードンは腹太鼓で全抜きする際に、混乱や眠りも大きな障壁となるため奇跡の実を持たせるのが理想だが、
どうしても余っていない場合はこの道具で妥協することになる。
ヘラクロスは眠るを持っている場合は別だが、回復せず堪える+起死回生で使う型の場合、
HP1の状態で相手に先制するということが極めて重要になるため、素早さを下げられないためにこの道具で予防する策がある。
ただ逆に、ヘラクロスがこの道具を所持していることがバレてしまうと、
堪える+起死回生型であることがバレるようなものなので、その点には注意。

・サンダー、ワタッコ等
サポートでも、カビゴンののしかかりを何度か受ける可能性があったり、
相手のサポートとの電磁波の打ち合いを有利にしたい場合にこの道具を持たせる価値がある。
特に、麻痺は素早さダウンの効果が大きいので、素早さの高いポケモンほど保険として持たせたい。
サンダー:先制2発で倒せる相手に何もさせずに倒せる

どくけしのみ

毒状態を一度だけ回復し、発動したら消滅する。どくどくを受けた場合は猛毒状態と共に回復する。
毒ダメージだけで倒れたくないポケモンには基本的に眠るを持たせており、
そうでないポケモンはある程度アグレッシブな使い方になるため、
毒による定数ダメージで寿命が早まるよりは、麻痺や眠りにより機動力が著しく低下する方が困る場合が多い。
したがって、毒状態を優先的に治したいというポケモンは少なく、それだけこの道具の使用機会も少ない。

・カビゴン
素早さは元々捨てているようなポケモンであり、逆に定数ダメージの方が痛手となりやすいため、
麻痺よりも毒を食らいたくないという場合が多い。
それでも食べ残しか眠る+薄荷の実、もしくは眠る+寝言で戦う場合が多いが、
そのいずれでもない場合、延命処置としてこの道具を持たせる選択肢が出て来る。

・ムウマ、スターミー等
そもそも仮想敵がどくどく以外の状態異常技を打って来るようなことが無い場合、毒のみを治せれば良く、
奇跡の実も勿体ないためこの道具で十分という場合もある。
例えばスターミーは、電磁波を打って来るような相手と向き合うわけではなく、
エアームドやハガネールへの受けとして使用する場合、どくどくを対策すれば良いためこの道具で十分となる。
ムウマはのしかかりを無効化でき、滅びコンボの際に毒ダメージが障壁となることがあるため、
エアームド、ハガネール、ブラッキー、スイクン等が打って来る毒を治せるようにこの道具を持たせる価値がある。
スターミー:エアームド受けの際のどくどく対策

やけたきのみ

凍結状態を一度だけ回復し、発動したら消滅する。
金銀では凍結の追加効果を持つ技は、吹雪・冷凍ビーム・冷凍パンチ・粉雪であるが、いずれも発動率は10%である。
また、トライアタックでも発動するが、これも約6.7%でしかない。相手をダイレクトに凍結状態にするような補助技は存在しない。
したがって、最大でも10%の発動率のためだけの道具となるが、
凍結というのは一度かかってしまうと、再度10%の確率で解けるまでずっと動けないという、全ての状態異常の中でも最強の状態異常である。
そのため、何としてでもそれだけは回避したいという場合に、この道具が予防策として使われることがある。
追加効果発動率がたった10%とは言え、これを5発も6発も受けているとどんどんその確率は上がって行く。
したがって、冷凍ビームや冷凍パンチを受け続けるような戦い方をするポケモンに持たせることになる。

・ハピナス、スターミー、フーディン
水・氷受けの役割を持ちながら、再生回復のため、眠るによる状態異常耐性を持たないポケモンの代表例。
サイクルが続けば続くほど、冷凍ビームや冷凍パンチを何発も受けることになるため、凍結のリスクは高くなる。
スターミーやフーディンは他に麻痺なども治したいため、奇跡の実があればそれを持たせるに越したことはないのだが、
ハピナスは耐久力が有り余っているため、毒や麻痺ぐらいは物ともしない場合も多い。
そのため、最も恐るべき状態異常である凍結を対策するため、この道具を持たせることが現実的になって来る。

・ポリゴン2、ブラッキー、メガニウム
サイクルするわけではないが、例えばパルシェンやスイクンを起点にして鈍いを積むというような動きをしたい場合、
冷凍ビームを連打されて凍結試行回数を稼がれても良いように、この道具を持たせておくという手がある。

・スイクン
眠る+寝言で戦うポケモンは、眠っている最中は他の状態異常を受けないため、凍結の心配も無い。
ただ、それは攻撃を打つ側も分かっているため、極力相手の目が覚めている状態で冷凍ビームを打って来る。
そこを更に盤石にするために、たとえ眠る+寝言型のポケモンであっても、この道具を持たせることがある。

こおったきのみ

火傷状態を一度だけ回復し、発動したら消滅する。
火傷の追加効果発動率は、唯一聖なる炎が50%である以外は、大文字・火炎放射・炎のパンチ・火炎車・火の粉すべて10%である。
また、トライアタックでも発動するが、これも凍結と同じ約6.7%であり、金銀では凍結と同じく相手を火傷させる補助技も存在しない。
したがって、聖なる炎を除けば、凍結と同じく基本的には10%の追加効果を対策するだけの道具となる。
また、聖なる炎は2000ルールで使えるポケモンはドーブルしかおらず、そのドーブルも頻繁に使って来るわけではない。
肝心の効果は、定数ダメージと物理攻撃力半減を同時に引き起こすのは強力ではあるものの、凍結ほどの脅威ではない。
また、火傷の追加効果を持つ技は、対戦環境において凍結の追加効果を持つ冷凍ビームほど頻繁に使われるわけでもない。
以上の理由から、よほどでない限り「火傷状態を治す」ということ自体が必要になりづらく、この道具が使用されることは稀である。

(なお、ジムリーダーの城のシミュレータ(PBS)においては、設定ミスによりこの道具が火傷の他に混乱も治すことが出来る。
そのため、PBSにおいて混乱を治したい場合にも、この道具を持たせることになるが、
混乱を治す効果については、当コーナーでは実機に即して、苦い木の実の項で解説する。)

・バンギラス
炎技を受ける機会が比較的多く、なおかつ物理技をメインで使うため、火傷を対策することがそれなりに意味を成すポケモンの代表例。
基本的には奇跡の実で良いが、どうしても他のポケモンに優先したく余らない場合、
バンギラスならばこの道具を持たせる気持ちが百歩譲って分からなくもない、という程度。

・ルギア、ミュウ等
ウルトラカップにおいては、聖なる炎を使えるホウオウが参戦出来るため、火傷という状態異常がそれなりに発生するかも知れない。
しかも、ウルトラカップで使用出来る伝説級のポケモンはすべて、再生回復技を覚えるため、
回復はそれに頼りがちになり、すなわち状態異常に弱くなりがちになる。
そこで、その中でも物理技を使うポケモンには、聖なる炎対策としてこの道具を持たせておくのはアリかも知れない。

にがいきのみ

混乱状態を一度だけ回復し、発動したら消滅する。
(※ジムリーダーの城のシミュレータにおいては、設定ミスによりこの道具の効果を受けるには凍った木の実を持たせる必要があるが、
混乱を治す効果としては実機に即して本項で取り上げることとする。)
混乱というのはここまでの状態異常と異なり、状態変化(昔は仮状態異常と呼ばれたことも)である。
その決定的な違いは、交代することで解除出来るという点。
一度混乱してしまっても、ポケモンチェンジして再登場させれば、治った状態で行動することが出来る。
その代わり、状態異常と重複してかかることがある。麻痺+毒が重複することは無いが、麻痺+混乱なら重複する。
交代により手軽に治せる他、最大4ターンで自然治癒されるという点で、
わざわざ道具にコストを割いてまで混乱を対策する、というようなことはしない場合が多いが、
混乱という効果自体は、50%の確率で動けない上自らにダメージが入るという極めて強力な効果を持つため、
対策としてこの道具を持たせるケースが無くはない。

この道具の狙い目として特に有効なのが、爆裂パンチと威張るである。
爆裂パンチに関しては、これを打つ側のポケモンは、ダメージと同時に混乱の追加効果に期待して打つ場合が多い。
命中率は50%であるが、当たれば相手も混乱によって50%で動けなくなるため、チャラに出来るというようなノリで使われる。
そこで、ダメージは我慢して混乱だけこの道具によって治すことが出来れば、爆裂パンチの脅威は一気に弱まることとなる。
爆裂パンチを2回打って相手を混乱させたい場合、どちらかが当たれば良いのならその成功率は75%だが、
受ける側がこの道具を持っていれば、爆裂パンチを2連続で命中させなければならなくなるため、逆に成功率が25%になってしまう。
また、威張るに関しては、混乱と引き換えに相手の攻撃ランクを2段階上昇させてしまうというリスクがあるが、
この際に受ける側がこの道具で混乱を治せば、ただただ攻撃力だけが上がることができ、実質剣の舞を使ったのと同じ状況になる。
場合によってはそのまま相手が受からなくなってしまうこともあり、かなり美味しい状況になると言える。

・バンギラス、カビゴン
爆裂パンチ・威張るともに受けやすく、なおかつ物理技をメインとするため威張るの混乱カットが美味しいというポケモンの代表例。
混乱は状態異常と違って眠っている状態でもかけられるため、
眠る+寝言のような型で使う場合でもこの道具を持たせる価値があるというのが、他の状態異常回復の実と違う点と言えよう。
バンギラスはやはり、奇跡の実を持たせるに越したことはないが、
奇跡の実がどうしても余っていない場合、爆裂パンチ対策を重視したいならばこの道具が候補に挙がる。
これは、岩雪崩で致命傷を与えられるものの、上から爆裂パンチを打って来るという、
バクフーンやカイリュー等とのタイマンの際に大きく効果を発揮することとなる。

・プテラ、ケンタロス、ドードリオ
これらのポケモンは破壊の遺伝子を持たせることで強力になるポケモンの代表例だが、
代わりにこれらのポケモンにこの道具を持たせ、バトンタッチを持ったサポートポケモンに破壊の遺伝子を持たせるという手もある。
破壊の遺伝子が作動したポケモンが、混乱しながらバトンタッチした場合、
バトン先のポケモンがこの道具を持っていれば、瞬時に混乱を回復することが出来る、というコンボである。
わざわざバトンタッチ役を用意する必要があり、コストがかかるというデメリットがある反面、
バトンタッチさえ決まれば混乱は治るため確実に行動出来るようになったり、
奇跡の実でも同様のコンボが成功するため、アタッカーを2匹用意して、片方に奇跡の実、片方にこちらの道具を持たせれば、
相手に合わせて破壊の遺伝子のバトンタッチ先を選択出来る、というような利点がある。
プテラ:破壊の遺伝子+バトンタッチから繋いで混乱を解除
ケンタロス:破壊の遺伝子+バトンタッチから繋いで混乱を解除

・ワタッコ
かなりピンポイントな使い方ではあるが、ド忘れ+宿木のタネ+眠り粉orアンコールというような型で、
炎ポケモンやいばみがサンダーにタイマンで勝つことを狙う場合、
炎ポケモンが打って来る爆裂パンチや、サンダーが打って来る威張るを対策するためにこの道具を持たせるのが有力となる。
ワタッコにとって不利な事故が無ければ、それらのポケモンにタイマンで勝てるようなコンボなので、
その事故の一因である混乱を予防しておくというのは、非常に重要な策と言えよう。
ワタッコ:爆裂パンチ対策

・カイリュー
この道具は、逆鱗・花びらの舞・暴れるによって自ら混乱状態がかかった場合においても、瞬時に発動し混乱を治すことが出来る。
これらの技自体が使い勝手が悪く、滅多に使われるものではないものの、
使用する場合は混乱のデメリットを解消するためにこの道具を持たせるというのは、攻略本にも載っているような基礎的なコンボである。

ふしぎなきのみ

持っているいずれかの技のPPが切れた際、その技のPPを5だけ回復し、発動したら消滅する。
他の状態異常等回復の木の実と異なり、相手から受ける何かしらの状態に対する対策でなく、能動的な使い方をすることになる。
PPを増やしたいという目的なので、基本的にはPPが少ない技を、より多く連射するために使われる。
特に、PPが8しか無い技に関しては、この道具を持てば13回使えることになり、1.5倍以上の力を発揮出来ることが出来る。
PP8の大技は特に、相手は使った回数を数えており、「あとn回凌げば勝てる」と考えていることが多いため、
その計算を崩壊させられるという強みがある。
ただし、当然PPが切れるほど技を打たないと意味が無く、そもそもPPが足りる短期決戦では全く意味を成さないこともある。
また、PPを回復出来る技は自由に選択出来るわけでなく、あくまで「初めにPPが0になった技」が対象となるため、
増やしたい技とは異なる技のPPを誤って先に切らしてしまわないよう注意が必要。

・ファイヤー、シャワーズ、オムスター等
PPが8で威力120の大技を、天候まで絡めて強化し、その技1本だけで戦うというような場合、
いくら火力があっても、8回凌ぎ切られてしまったらもう抜け殻同然の何も出来ないポケモンと化してしまう。
そこで、技を打てる回数を増やすためにこの道具を持たせておくという手がある。

・フシギバナ
カイリキー等のポケモンを受け続ける際、これが長引くと、回復技である光合成のPPが危うくなることがある。
その予防として、この道具を持たせておけば、光合成を13回使えることになり、これはタマゴ産みやミルク飲み(16回)と近い回数になる。

・カビゴン、ニョロボン等
眠る+寝言で受け続けながら爆裂パンチを打つようなポケモンは、爆裂パンチのPPが切れてしまうことがあるため、
爆裂パンチのPPを増やす目的で使うという手がある。
ニョロボン:爆裂パンチのPPを回復

・バンギラス、イノムー等
原始の力の追加効果により、全能力を上昇させてみたいというのは、誰もが夢見ることではあるが、
肝心の原始の力のPPが最大8しか無いため、狙って出来ることではない。
たとえ8回すべて打ち切ることが出来たとしても、その中で一度でも成功する確率は約57%という、かなり微妙な数字である。
眠る+寝言によって、打てる回数を増やすという手もあるが、この道具を持たせれば更に試行回数を増やすことが出来る。
13回打つことが出来れば、一度でも追加効果が発動する確率は、約75%まで上る。
イノムー:原始の力のPPを回復し試行回数を稼ぐ

・エアームド、フォレトス、サイドン等
鈍いカビゴンに対して、鈍い+眠るを併用してガン受けを狙うポケモンは、
カビゴンが寝言持ちであった場合、寝言で鈍いを発動されてしまうと、受けるための鈍いのPPが足りなくなってしまう危険性がある。
寝言のPPは16回あるので、フルで使われると、その1/3で約5回の鈍いを余分に使われる計算となる。
そこで、受ける側もこの道具で鈍いを5回余分に使えるようにすることで、ギリギリ回数が足りる可能性が高くなる。
エアームド:寝言カビゴンに対して鈍いのPPを増やしてガン受け


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