HP回復アイテム


<全般論>

回復技を持たせずしてHPを回復することが出来るため、非常に有用である。
大きく分けて、食べ残しと、その他の木の実系の2つの分類することが出来る。
食べ残しは持っている限り常に発動し、木の実系は発動は1回きりの使い捨てである。
HP回復アイテムは全て、ローカルルールの指振りでは現在使用禁止とされている。
また、食べ残しのみ、ローカルルールの城杯(キャッスルカップ)でも使用が禁止されている。

回復アイテム全ての共通点としては、「お互いのターンの最後に発動する」という点がある。
注意すべきは、毒や宿り木とは異なり、「自分のターンの最後」ではなく、「ターン全体の最後」ということ。
砂嵐などよりも遅い一番最後のタイミングに発動するため、その前にそれらの定数ダメージでHPが0になると倒れてしまう。
また、全体のターンの最後ということは、吠えられたりしてそのポケモンが最後まで場に居なかった場合は発動せず、
逆に吠えるによって控えから引きずり出されたポケモンが回復アイテムを持っていれば(木の実系は条件を満たしていれば)回復することが出来る。
また、ポケモンが倒れた後に死に出しで新たなポケモンを繰り出した場合も、同様にターンの最後にこの道具は発動する。

木の実系の共通点として、発動する条件は自分のHPが「最大の半分(切り捨て)未満」になること。
最大HPが偶数の場合は単純に「半分を切った瞬間」なので、例えば最大HP200のポケモンは、100では発動せず99になると発動する。
「未満」であるため、奇数の場合は、「端数を切り捨てた上で、更に-1する」という点に注意で、
例えば最大HP201の場合だと、半分は端数を切り捨てて100、そこから更に1を引いた、99から発動ということになる。
腹太鼓や呪いで自ら削る体力や、怒りの前歯で相手に与えるダメージは、どれも半分の切り捨てなので、
HP満タンの状態からこれを1回使ったり使われたりしても、それだけでは木の実系が発動することは無い。
また、発動タイミングは先述した通り「ターン全体の最後」なので、この瞬間にHPが発動条件を満たしているかどうかで決まる。
例えば先制の腹太鼓や捨て身タックルの反動等で自らのHPが半分未満になってもその瞬間には発動しないため、
発動しないままそのターンの後攻の相手の攻撃でそのまま倒されてしまうこともある。
また、相手の攻撃を喰らいHPが一時的に半分未満になったが、後攻で眠るや自己再生などで回復したり、
これらの道具の発動の直前に宿り木で回復することによってHPが半分以上まで戻ったという場合も、
あくまでこれらの道具の判定時にはHPが発動条件を満たしていないことになるため、発動しない。

食べ残しは最大HPからの割合で回復量が決まるため、レベル帯によってそれぞれ使い道があるが、
木の実系は回復量が固定であるため、使うポケモンのレベルによって、回復の旨味が相対的に大きく異なって来る。
極端な話、多くのポケモンのHPが300を超えるウルトラカップでは、最も回復量の多い黄金の実でさえ最大HPの1/10程度しか回復出来ないが、
逆にほとんどのポケモンがHP20前後で戦うリトルカップにおいては、最も回復量の少ない木の実でさえ最大HPの半分も回復出来てしまうことになる。
また、同じレベル帯のルールにおいても、最大HPの低いポケモンの方が当然、相対的に木の実系の回復割合は大きくなるため、
これらの道具は最大HPの低いポケモンほど恩恵を受けやすいということになる。
また、木の実系は発動したら持ち物が無しの状態になるため、ここから泥棒を使うことで、相手の道具を奪うというコンボも可能。
泥棒によって奪ったアイテムがまたしても木の実系や状態異常回復アイテムなど消費出来るものならば、
それを発動させた上で更に泥棒を繰り返すことも出来る。

たべのこし

自分の最大HPの1/16(切り捨て)を、毎ターンの最後に回復する。世代問わず、よく「残飯(ざんぱん)」と略される。
発動のタイミングは上記の通り、「ターン全体の最後」である。
また、死に出しで新たなポケモンを繰り出した際にもこの道具が発動することを利用して、
わざと控えポケモンにチェンジし、そのポケモンが倒され、すぐ再び元のポケモンを繰り出すことで、
控えポケモンを犠牲にする代わりに、元のポケモンはこの道具による回復を1回分多く稼ぐことが出来るというテクニックがある。
場合によっては控えポケモン2匹を犠牲にして、回復を2回分多く稼ぐというケースも無くはない。

この道具の特徴としては、場に居る限り永久に発動し続けるため、場に長く居座るポケモンほど効果的になるということ。
したがって、受けるにせよ攻めるにせよ、硬さを活かして場に居座りながら展開して行くポケモンに持たせると相性が良い。
タイマンでの単純な殴り合いにおいても、相手の攻撃n発で倒れる場合この道具はn-1回活動するため、
当然nが大きいほど、すなわち相手からの必要攻撃回数が多いほどこの道具は効果を発揮する。
具体的には、一般に超高確率3発で倒されるという場合、この道具を持たせることでそれを超低確率3発に抑えることが出来る。
例えば55フーディンのサイコキネシスを55ライコウに打つような場合が、これに該当する。
乱数4発というような場合だと、この道具によって5発どころか6発かかるというケースも出て来る。
この道具での回復量よりも相手から受けるダメージが小さいような場合、無限に受け続けることが出来てしまう。
これは他のどの回復アイテムでも真似出来ない効果である。
また、回復量は毒・火傷・撒き菱・宿り木・砂嵐の半分であるため、完全に打ち消すことは出来ないものの、
これらのダメージによって削れる量が実質半分になるという計算になる。
特に撒き菱は、場に出した1回しか食らうことは無いため、その後2ターン居座れば完全にそのダメージを帳消しすることが出来る。
なお、束縛技による定数ダメージはこれと同じ1/16であるため、完全に打ち消すことが出来る。
最大HP496のポケモンにこの道具を持たせると回復量が31になるため、
これ以上のHPのポケモンにとっては、回復量が30である黄金の実のほぼ上位互換のような扱いとなる。
もっとも、そのようなポケモンはLv.100のウルトラカップであってもカビゴンぐらいHPが高いポケモンしか存在しない。
同様に、回復量が20の木の実ジュースを超える21になるのは最大HP336、回復量10の木の実を超える11になるのは最大HP176から。
当然、最大HPを16で割った時の切り捨て量が多いほど損となるため、
HPが16nや16n+1といったポケモンは相対的にこの道具で回復する効率が良いということになる。
この効率のことを「残飯効率」と言われたりすることもある。

コンボとしては、最もシンプルなのは守るや見切りとの組み合わせ。
これらの技は連続で使わない限りは、ほぼ100%の確率で1ターンを時間稼ぎ出来るため、その分この道具による回復を稼ぐことが出来る。
1ターンおきに交互に守るを使えば、この道具による回復量は単純に2倍になるということになる。
これを更に、どくどくや、砂嵐ダメージを受けないポケモンでの砂嵐と組み合わせれば、
自分は回復しながら、相手には定数ダメージを重ねて行くというコンボも成り立つ。
他には、身代わりとの併用が一般的。
自らHPを削る技なので、そのままだと4回しか貼れなくなってしまうが、
この道具を持たせることで、ターンが経過すれば身代わりを貼れる回数を増やすことが出来る。
単純に、4ターン経てば約1/4のHPが回復するので、身代わり1回で削った体力がほぼ回復することになる。
更に、身代わりは多くの場合、威張るやメロメロ、影分身といった、
相手の行動を止めたり攻撃を当たらなくするような技とコンボとして使われるため、
その間にこの道具でどんどん回復して行けるという効果もある。
これは、身代わりを持たない場合でもこれらの技を使う場合は相性が良いということを示唆している。

・エアームド、ドンファン、ジュゴン、オムスター
この道具を、どくどくや砂嵐+守ると併用することがあるポケモンの代表例。
エアームドは耐久・耐性ともに物理攻撃への防御性能が極めて高いため、
物理ポケモン相手にはこのコンボによって数値以上の耐久力を発揮することが出来る。
このコンボを活かしてタイマンでガラガラや破壊の遺伝子ケンタロスに有利を取ることも可能。
オムスターは、どくどくと砂嵐の両方を持たせることもある。
ドンファンやジュゴンは、このコンボに更にアンコールを絡めることが出来る。
シンプルに攻撃技を連打して来る相手に対しては、この道具で回復しながら毒ダメージを加算させて行くのが有効だが、
それに対して鈍いや剣の舞を使って1発分の火力を重くして来ようとする相手には、アンコールを刺すことが出来る。
もちろん、アンコールで相手を足止めしている間にこの道具で回復することも出来る。
エアームド:守ると併用で物凄いターン数粘ることが出来る
オムスター:守ると併用で貧弱な攻撃は完全に回復が追い付いてしまう
オムスター:2連守るによって攻撃を耐えるようになる

・ムウマ
この道具を、滅びの歌+守ると併用することがあるポケモンの代表例。
滅びターンを守るによって稼ぐという典型的なコンボだが、そこにこの道具があれば、ターン経過中に回復することまで出来る。
ここに更に痛み分けや眠るを絡めて耐久力を上げることもある。
また、他の型としては、呪いと併用することによって、呪いで削った体力をこの道具で回復することも出来る。
それだけでは流石に回復スピードが遅いため、痛み分けと併用されることが多い。
ムウマ:何度も無償降臨させることでどんどん回復

・サンダー、スターミー、サンダース、フーディン、ゲンガー、クロバット、キュウコン、レアコイル、ラプラス等
この道具を、いばみが・あやみが・メロみがのいずれかと併用することがあるポケモンの代表例。
身代わりで自身のHPを消費してしまうが、混乱やメロメロで相手の行動を止めている間に、この道具で回復して行くことが出来る。
4ターンかかれば、身代わりで減った分の体力をほぼ取り戻せる、すなわち身代わりを貼れる回数が1回増えるということになる。
ただし一般に、「この道具による回復4回分 ≦ 身代わりの消費HP」が成り立つ。
これは、身代わりの消費HPが4nならばこの道具による回復量はちょうどn(等号成立)になるが、
身代わりの消費HPが4nでないならばこの道具による回復量は端数切り捨てが起こり、n-1になってしまうからである。
すなわち、HP満タンの状態から4回連続で身代わりを貼り、この道具による回復が4回発動しても、
その後5回目の身代わりが貼れるHPが残っているとは限らないということになる。
実際に、命中率が100%でない相手の攻撃の外れや、乱数でしか身代わりを壊せない相手の攻撃の低乱数を期待して、
対面からいきなり身代わりを3回も4回も連打するというシチュエーションは存在し、
そのような場合に「5回連続で身代わりを貼れるかどうか」がそれなりに重要性を帯びてくることがある。
過去にあった事例として、Lv.51でこの道具を持たせたあやみがスターミーが大流行したことがあった。
このスターミーは、後手となるサンダーの雷やヘラクロスのメガホーン等を避けるまで身代わりを連打するという立ち回りが実際にあるが、
このスターミーのHPは169。身代わり消費HPは42、この道具による回復量は10であり、
4回これを繰り返すと残りHPは41しか残らず、5回目の身代わりを貼れなくなってしまう。
しかし、敢えて努力値を減らすことによってこのスターミーの最大HPを167に落とせばその限りではなくなる。
回復量は同じ10だが、身代わり消費HPが41に減ることで、これを4回繰り返してもHPが43残るため、5回目の身代わりを貼れるのである。
通常ならばポケモン対戦において極めて重要であるHPの実数値を敢えて落とすメリットはほとんど無いが、
このような場合にHPを落とす利点が生じる。
最大HPの数値によって、どのようなポケモンでもこのような事態は起こりうるが、
この道具を持たせて5連続で身代わりを貼れるよう最大HPを調整する際にはこちらのツールを利用されたい。
フーディン:控えをわざを犠牲にすることで無償降臨を稼いで回復
フーディン:悪足掻き合戦になった際にも役に立つ
サンダー:無償降臨と威張るでターン稼ぎをすることで窮地から復活
サンダー:吹き飛ばしで相手にチェンジのターンを何度も与えることで窮地から復活
サンダー:威張る+身代わりと併用で相手が混乱している間に回復
エレブー:メロメロ+身代わりと併用で相手が動けない間に窮地から身代わりを貼れるHPまで回復
キュウコン:控えポケモンを犠牲にして1回回復を増やすことで攻撃を耐えられるようになる
ガルーラ:時間稼ぎしてこの道具で回復してから反動技を打つ

・ライチュウ、カメックス、マルマイン、ケンタロス、エーフィ、ブラッキー等
この道具を、身代わり+影分身と併用することがあるポケモンの代表例。
上記の混乱やメロメロと違って相手の行動を止めることは無いが、逆に自分の回避率を上げることで身代わりを残しやすくし、
攻撃が当たらない間にこの道具でどんどん回復して行くというコンボである。
大抵の場合はここから、転がる等で無双するのがお約束の流れだが、
エーフィやブラッキーはこれをバトンタッチとも併用することができ、別のポケモンで無双することも出来る。
このコンボの恐怖としては、全抜きし切れずにPPが切れてしまっても、
回避率が上がった状態でこの道具まで持っているためなかなか倒されることが無く、
更にはその間も悪足掻きという攻撃技で相手を攻撃し続けることが出来るという点である。
ケンタロス等は、初めからそれを狙って、攻撃技を持たせず身代わり+影分身+鈍い+眠るという型すら存在する。
お互い影分身を積み合うような展開になった場合、両者が悪足掻き状態に入ったとしても決着に途方もない時間がかかるが、
その際にこの道具を持っていれば数回に1回ヒットした攻撃のダメージや悪足掻きの反動ダメージはすぐに回復することが出来る一方、
これが無ければ少しずつでもダメージが蓄積し、時間がかかってもいずれは最終的に倒れる運命にあるため、
長期的に見るならばこの道具の有無が完全に明暗を分けるということになる。
ライチュウ:影分身+身代わりと併用で相手の攻撃を避けている間に回復

・フシギバナ、ナッシー、ドーブル
この道具を、やどみがと併用することがあるポケモンの代表例。このコンボが出来るのは、この3種の系統のみである。
宿木のタネを相手に植えつつ身代わりを連打することで、相手に定数ダメージを与え続け、
こちらは同時に回復出来るため、身代わりによるHP消費を抑えられるというコンボで、必ずしもこの道具が必要になるわけではないが、
ここにこの道具も持たせることによって、身代わりでほとんどHPを削らずに済むという場合がある。
特に、HPが292もあるLv.55カビゴンに宿木のタネを打った場合、回復量は36に上る。
HP192のポケモンで55カビゴン相手にやどみがコンボをすれば、身代わり消費HPは48、宿木回復量36となり、
更にこの道具を持たせることで回復量12が加算されるため、何と身代わりで消費したHPを丸々回復することが出来る。
ということは、これよりHPの低いポケモンならば、身代わり消費HPが更に減るため、
何と身代わりを貼ったのにそのターンにHPが回復出来てしまうという事態が発生する。
例えばHP161のLv.50ドーブルが、Lv.55カビゴンにこのコンボを決めれば、
身代わり消費HPが40なのに対し、宿木回復量36、この道具による回復量が10となるため、1ターンに6回復出来てしまうことになる。
これによって、身代わりを連打するだけで一生倒されずに相手に宿木ダメージだけを与えることが出来るため、
いずれ相手は倒れるか、眠るで回復せざるを得なくなり、眠ったらそこから反撃に転ずることが出来る。
このコンボはHPが低いポケモンでやるほど有効であるため、タマタマやフシギソウと言った未進化ポケモンを活躍させる際のキーにもなる。

・バンギラス、ライコウ、サイドン等
耐久力のあるエースのポケモンにこの道具を持たせることで、眠るを持たずともかなりの場持ち性能を発揮出来ることがある。
バンギラスやサイドンのように優秀な耐性と耐久力を活かして場に何度も出したり、
ライコウのように先制でリフレクターを貼ることで物理ポケモンとのタイマン相性を逆転出来たりするようになる。
サイドンは、低レベルで使用する際はカウンターを持っている恐れがあるため、
相手からすると迂闊に攻撃してダメージを与えたくない。その隙にこの道具で回復して行くことも出来る。
眠るも奇跡の実も持たないということは、当然状態異常には弱くなるため、追加効果等に注意する必要がある。
サイドン:カウンターを狙う際には相手からダメージを受ける前提なのでその保険として持たせる

・スイクン、イノムー、フリーザー等
吠えるや吹き飛ばしで昆布戦術を狙う際にもこの道具は相性が良い。
基本的に有利対面を作って、こちらは居座り、相手を強制的にチェンジさせるという動きであるため、
居座っている分だけどんどん回復して行くことが出来るからである。
上記のサンダーやライコウでこの戦術を取ることもある。
スイクン:吠えている間にどんどん回復
フリーザー:吹き飛ばしを使うことで回復を稼ぐテクニック
フリーザー:偶発的にこの道具のお陰でギリギリ耐えるようになる例

・カビゴン、ポリゴン2、ガルーラ
捨て身タックル等の反動がある技をメイン技とするポケモンは、
メイン技をどんどん打っているだけで自然と自らの体力が削れてしまうため、
その予防策としてこの道具を持たせることで、反動を打ち消すような効果を発揮することが出来る。
カビゴン:眠る+寝言と併用で磐石な硬さ

・リザードン、ニョロトノ、ヌオー
腹太鼓を使用するポケモンは、HP管理が非常にシビアとなるため、
この道具を持たせることで少しでも耐久性能を上げるという場合がある。
ニョロトノ:催眠術で相手を眠らせている間に回復
ニョロトノ:腹太鼓で削ったHPを徐々に回復し何度も叩けるようにする
ニョロトノ:この道具のお陰でギリギリ耐えるようになる例

・ランターン、マンタイン
身代わりを持たない、もしくは覚えないポケモンでも、怪しい光やメロメロを中心としたストコンで展開する場合は、
やはり相手が動けない間に回復出来るこの道具を持たせる場合が多い。

・オーダイル、メガニウム、キングドラ、ノコッチ、オドシシ、キリンリキ等
その他、居座って鈍いなり嫌な音なりでじっくり展開したいポケモンに、耐久力増強の目的でこの道具を持たせることもある。
オーダイル:嫌な音で相手を交代させたり混乱でターンを稼いでいる間にどんどん回復
ジュゴン:凍える風でターンを稼いで1回多く回復
カメックス:ミラーコートで電気と戦う際にサブ技でほとんど削られないようになる
リザードン:1/4耐性を持つような技は限りなくノーダメージに出来る

・ハガネール、フォレトス、ハッサム、ベトベトン、ドククラゲ、ウツボット、ニドクイン、スピアー等
その他、エース・サポート問わず、鋼や毒タイプを持つポケモンは一般にこの道具と相性が良い。
何故ならば、通常毒を食らわないからである。
一般に、この道具を持たせたポケモンというのは、場に居座るだけ効果が得られるため、
構築を組む際にもそのポケモンが場に居座りやすいように組むものである。
しかし、これが毒を食らってしまうと、逆に場に居座るほど不利となってしまい、これが完全に逆効果となる。
そういった意味で、この道具を持たせるポケモンは、ある意味持たせないポケモン以上に毒を食らいたくない場合が多い。
したがって、毒状態になることがまず無い、毒や鋼ポケモンには必然的にこの道具は相性が良いことになる。
また、鋼ポケモンは耐性が極めて多いため、それだけ場に出して攻撃を受けられる回数も多く、その分この道具の恩恵を受けやすい。
毒ポケモンは、剣の舞で決定力を出せるポケモンも多く、これも場に居座る前提で使う場合が多い技であるため、この道具の恩恵を受けやすい。
ハガネール:吠えるで時間稼ぎすることでどんどん回復
ハガネール:サイクルを繰り返すことでどんどん回復
ニドクイン:甘える&無償降臨を利用して完全回復

・ハピナス、ツボツボ、サニーゴ等
その他、受けに徹したポケモンが、回復技も持っているのに更なる耐久力増強のためにダメ押しでこの道具を持たせる場合もある。
極めて強力な道具であるため、通常ならばもっと必要としているポケモンがパーティに居るはずなので、
よほどガン受けに力を入れる時ぐらいだろうか。
ブラッキー:この道具のお陰で眠るを持たずとも場持ちする
ブラッキー:眠る+寝言を持っていても更に硬くするためにこの道具を持たす

おうごんのみ

ターン全体の最後に、自分の残りHPが「最大HPの半分(切り捨て)未満」という条件を満たしていると発動する。
発動するとHPが30回復すると共に、この道具は消滅する。
全般論に記した通り、回復量は固定であるため、最大HPが少ないポケモンに持たせるほど相対的に恩恵が大きいということになる。
リトルカップや金銀ファンシー等の低レベル帯で行われるルールでは、言うまでもなく極めて重要な効果であるが、
ニンテンドウカップ2000を始めとする、Lv.50-55のポケモンが使われるルールでもそれなりの効果を発揮する。
特にLv.50のポケモンは最大HPが156-201程度であることが多く、この場合の30というのは、最大HPのおよそ15-20%に該当する。
一般に、3発で倒されてしまうような攻撃を、3発耐えられるようにするには十分足りている数値である場合が多い。
場合によっては2発で倒されてしまう攻撃を、この道具によって2発耐えられるようになるケースもあり、
これは食べ残しの回復率では決して真似出来ない効果である、この道具の最大の強みとも言える。
また、1発で倒されてしまうような場合は、当然この道具が発動する暇も無いのだが、
先制のリフレクター等で相手からのダメージを半減することで、この道具で1発どころか2発も耐えられるようになるケースがある。
代表的な例が、50パルシェンが55ガラガラの剣の舞+地震を受ける場合。
このままだとパルシェンは一撃で倒されてしまうが、先制でリフレクターを貼ることでこれを2発に抑えることが出来る。
更に、このパルシェンがこの道具を持っていた場合、地震1発分を食らった後にこの道具で30回復することによって、
地震をもう1発耐えることが出来るようになる。
すなわち、ガラガラ側にとっては、1発で倒せるはずのところが、2発どころか3発もかかるようになってしまうのである。

食べ残しと比べて、一度しか発動しない代わりに、大抵は1回の回復量は多いので、それだけ短期戦に向いているということになる。
また、回復技を持っている場合、この道具でたかだか30程度回復する意味は薄いと言える。
したがって、この道具は回復技を持たない、比較的短期仕様のポケモンに持たせることで、より効果を発揮しやすい。
具体的には、Lv.50で大爆発を使うポケモンや、壁技などでサポートするポケモン等。

リトルカップでは、ラッキーを除く全てのポケモンが最大HP30を下回るため、
この道具は、発動すればHPが全回復するという、極めて強力な効果を持つ。
この道具の下位互換である木の実ジュースや木の実ですら同様に強力であるため、
これら3つの道具が全てパーティに入るということも決して珍しいことではない。
またそこから発展し、それらの道具を奪い合うために泥棒を使うポケモンも多いという環境になっている。
この道具は第3世代では「オボンの実」に名称が変わり、更に第4世代以降は回復量が「最大HPの1/4」に変更されて行った。

・パルシェン、ナッシー
この道具を、大爆発と組み合わせて短期戦で効果を発揮したり、
重要どころの攻撃を耐える回数を増やすといった、効果的な使い方が出来るポケモンの代表例。
パルシェンはHPが低いため、上記のガラガラの例以外にも、この道具によって様々な攻撃を1発分多く耐えられるようになることが多い。
ナッシーは、HPは高めだが、Lv.50でこの道具を持たせることで、
55カビゴンの捨て身タックル、55サンダーの目覚めるパワー氷といった極めて重要な攻撃で、
通常ならば高確率2発で倒されるところを、高確率で2回耐えられるようになる。
目覚めるパワー草を持ち最大HPが下がっている場合は更に効果が大きく、
この他に50エアームドのドリル嘴を2回耐える確率なども同様に変化する。
パルシェン:この道具を持たせることによって重要な攻撃を耐える回数が増える例
ナッシー:明確な狙いは無くとも偶然1回多く耐えるようになる例
ナッシー:撒き菱ダメージを打ち消せる

・ゲンガー、ハガネール、ゴローニャ、フォレトス、ベトベトン、マタドガス
その他、大爆発で使い捨て的な運用をするポケモンにこの道具を持たせることは多い。
特に、ゲンガーやマタドガスは比較的HPが低めなので、相対的にこの道具による恩恵は大きい。
HPが高いベトベトンでも、Lv.50だとこの道具の有無で55カビゴンの捨て身タックルを2回耐える確率が大きく変わる等の効果がある。
相手の攻撃を耐える回数が増えるということは、その分行動出来る回数が増えるということであり、
大爆発を使うタイミングの自由度が増すというのは、立ち回りの上でかなり大きい。
自爆カビゴンは流石に、HPがかなり高いため、この道具による恩恵は受けづらく、持たせることはほとんど無い。
ゴローニャ:この道具を持たせることによって重要な攻撃を耐える回数が増える例

・エアームド、ヘルガー、グライガー、アーボック、モンジャラ、デリバード、ヤンヤンマ等
サポートのポケモンは、この道具を消費してHPを回復した後、泥棒で相手の持ち物を奪うということが狙える。
泥棒で奪ったアイテムが消費出来るアイテムだった場合、更に泥棒を繰り返すことも出来る。
泥棒は、デリバードがフリーザーと、ヤンヤンマがストライクと、それぞれ差別化する手段のひとつでもある。
ダグトリオ:道具を消費すると泥棒を使えるようになる
ヤンヤンマ:泥棒でこの道具を奪ったら消費したあと更に泥棒が使える

・サンダー、ムウマ、ルージュラ、ギャラドス、ウツボット、サンダース、ハッサム、ドーブル等
その他、明確な狙いは無くとも、3-4割程度のダメージを受ける攻撃ならば1回分ぐらいは多く耐えられるようになることが多いため、
低レベルでサポートするために回復技を持たせず技枠を広く使いたいポケモン等、あらゆるポケモンに持たせる価値のある道具と言える。
サンダース、ハッサム、ドーブル等は、バトンタッチコンボを決める際に、この道具によって1回多く行動出来るようになれば、
それだけ積み技を積む回数も増やせるということになる。
ムウマ:50カビゴンの地震を1回多く耐えるため行動の選択肢が増える
サンダー:この道具によってタイマンでの優劣が逆転する例
ハッサム:壁技と併用で元々一撃で倒れる技を2発耐えるようになる調整が可能
【2012ルール】ムウマ:眠る持ちにも持たせることで眠りに持ち込まれるまでのターン数が延びる

・スイクン、ツボツボ
回復技を持たせる場合でも、特定の重要な技を更に1回余分に耐えるようにするためにこの道具を持たせるケースもある。
ツボツボはHPがかなり低いため、言うまでもなく効果はかなり大きいが、
HPの高いスイクンも、例えばLv.50で使う場合、高レベルガラガラの地震を2発耐えるためにこの道具を持たせることがある。
その他のぬるい攻撃は、普段通り眠る+寝言で受けていれば良い。
ツボツボ:眠る持ちにも持たせることで眠りに持ち込まれるまでのターン数が延びる

・バリヤード、ダグトリオ、サワムラー等
エースで使用する場合でも、HPの低いポケモンにとっては食べ残し以上の効果を発揮する場合が少なくない。
当然、短期戦であればあるほどこちらの方が恩恵が大きい。

・カイリキー、ドンファン
Lv.55のエースで使われ、上記のポケモンと違ってHPも十分高いため、相対的にこの道具の恩恵が小さそうと思われるポケモンでも、
重要どころの攻撃を耐える回数が変わるのならばその限りではない。
その際たる例がカイリキーやドンファンで、
例えば55カイリキーはこの道具によって50スターミーのサイコキネシスを高確率で2回耐えるようになるため、
目覚めるパワー蟲で弱点を突くことによってタイマンで勝てるようになる。
また、55ライコウの10万ボルトを3回耐えるようになるため、地震を持っていればリフレクター+食べ残し相手にも勝てるようになる。
またドンファンは、この道具によって55バクフーンの大文字、55バンギラスの冷凍ビーム、55フーディンの冷凍パンチ、
55ガラガラの地震、55カイリキーのクロスチョップ等、
様々な重要なエースの攻撃技を耐える回数がことごとく1回ずつ増え、
結果的にこの道具の有無で完全に優劣が逆転してしまうケースが信じられないほどある。
カイリキー:この道具を持たせることによって重要な攻撃を耐える回数が増える例
カイリキー:この道具によってタイマンでの優劣が逆転する例

・リトルカップに出場するポケモン
前述した通り、使用するポケモンのHPが極端に低いリトルカップでは、ほぼ全回復アイテムとして、
あらゆるポケモンに持たせて良いというぐらい強力なアイテムである。
これを奪い合うために泥棒という技がメジャー化しているというほどである。
【リトルカップ】エレキッド:全回復して確定数が2発以上変わる

・その他低レベル帯のローカルルールに出場するポケモン
ローカルルールでも、5(Lv.5)、金銀ファンシー(Lv.25-30)、218(Lv.30)等があるが、
HPが低いルールほど相対的にこの道具は強くなり、その分どんなポケモンに持たせても良いということになる。
【金銀ファンシーカップ】コラッタ:低レベル帯の対戦では相対的に効果が大きい

きのみジュース

ターン全体の最後に、自分の残りHPが「最大HPの半分(切り捨て)未満」という条件を満たしていると発動する。
発動するとHPが20回復すると共に、この道具は消滅する。
黄金の実と比較して、回復量が10少ないだけで他は全く同じなので、黄金の実の完全下位互換と言ってしまって良い。
しかし、金銀では(後の世代もだが)公式ルール・ローカルルール問わず、
ほとんどのルールでは「パーティ内での道具の重複禁止」というルールが設けられているため、
「既に黄金の実を持っているポケモンが居るパーティに、もう1匹黄金の実を持たせたいポケモンが居る」という際に、
黄金の実の代わりとして仕方なくこの道具で妥協する、という使い方が考えられる。
ゲンガーを2匹使いたい際に、ゲンガーとゴーストを同じパーティに入れるというのと同じようなことである。
ニンデンドウカップ2000を中心としたLv.50-55のポケモンが使われるルールではそこまですることはあまり多くないが、
リトルカップ等の低レベル帯のルールとなると、この道具でも十分に強力な効果が得られるため、積極的に採用される。
特にリトルカップでは、HPが20台のポケモンが大半であるため、この道具でも十分に、全回復に近いぐらいの回復をすることが可能。

・パルシェン
2000ルール(一撃の有無を問わず)でも、パルシェンぐらいHPの密度(防御÷HP)が高いポケモンならば、
もし黄金の実を渡せなくてもこの道具でもそれなりの恩恵が期待出来る。
例えば、黄金の実の解説に書いた55ガラガラの地震も、この道具でも高確率で2発耐えることが出来る。

・その他低レベル帯のローカルルールに出場するポケモン
黄金の実と同じく、低レベルでHPが低いポケモンが出場するルールならば、
この道具でも十分な回復ソースとして、優先的に持たせることになる。
【リトルカップ】ドードー:リトルカップなら十分に全回復出来てしまう&消費後に泥棒が可能
【リトルカップ】チコリータ:ほぼ全回復して確定数が2発以上変わる
【リトルカップ】フシギダネ:大ダメージを食らっても1回分は無かったことに出来る
【金銀ファンシーカップ】ピカチュウ:Lv.30程度の対戦でも効果は大きい
【金銀ファンシーカップ】ヒメグマ:Lv.30程度の対戦でも効果は大きい
【5】ヘラクロス:HPの低いルールでは堪えると併用で全回復のコンボが可能

きのみ

ターン全体の最後に、自分の残りHPが「最大HPの半分(切り捨て)未満」という条件を満たしていると発動する。
発動するとHPが10回復すると共に、この道具は消滅する。
木の実ジュースより回復量は更に10低いため、木の実ジュースの完全下位互換と言える。
ここまで来ると流石に、Lv.50-55帯のルールで使われることはまず無い。
ダメージ10の差というのは、乱数圏内に丸め込まれてしまうほどであり、逆にこの道具の有効な利用方法を教えて欲しいぐらいである。
Lv.30帯のルールである、金銀ファンシーや218でさえ、この道具の採用率は高いとは言えない。
Lv.5で使われるリトルカップや5ルールでようやく、この道具の採用の余地が出て来る。
Lv.5ではほとんどのポケモンのHPが20台であるので、この道具によって最大HPの半分程度回復することができ、
相手の攻撃を1回分ぐらい多く耐えるには足りていると言える。

・ディグダ
リトルカップにおいてはディグダの最大HPは20だが、これを敢えて努力値調整で19に落とし、この道具を持たせることによって、
何と7回連続で身代わりを貼ることが出来るようになる。
HPを20から19へ落とすことによって身代わり消費HPが4になり、これを3回使った時点で残りHPが7になりこの道具が発動する。
するとHPは17になるため、そこから更に4回連続で身代わりを貼れるのである。
これを満たすためには黄金の実や木の実ジュースである必要は全くなく、この道具で完全に事足りている。
ディグダのHPの低さだから成せる業である。
【リトルカップ】ディグダ:この道具を持たせることで身代わりを貼れる回数が2回も増える

・ケーシィ、ゴース、ヒトデマン等
リトルカップにおいては、たった10のHP回復でも約半分は回復出来るため、相対的に十分有用なアイテムである。
したがって、基本的には黄金の実や木の実ジュースの下位互換アイテムではありながら、
第3の回復アイテムとして、それらとは更に別のポケモンに持たせる価値が十分にある。
当然、HPが低いポケモンほど恩恵は相対的に大きい。
【リトルカップ】ポリゴン:消費後に泥棒で更に相手の黄金の実を奪って2回回復
【リトルカップ】ポリゴン:耐久があれば10だけの回復でも十分機能する

・ピチュー
218ルールにおいて、強力なダメージソースであるコイキングの竜の怒りを、この道具を使って2発耐えた上で、
ちょうど残りHPが1になるよう調整して起死回生を使う、というテクニックがある。
この際、黄金の実や木の実ジュースでは多量に回復してしまい、起死回生の調整が出来ないため、
それらの上位アイテムを差し置いてこの道具の独自性を見出せるという極めて稀な事例である。


戻る