最終更新日:'23/6/18  最終チェック日:'23/6/18
我流・個別分析 〜グライガー〜

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〜概論〜

合計種族値はムウマを下回る低さで、一撃を除けばこれと言って特別な技を使えるわけでもないが、
地面・飛行という奇跡的なタイプの組み合わせと物理耐久の高さの絶妙なハーモニーにより、
無類の広範囲物理受けとして存在感を示しているポケモン。
他の多くの飛行ポケモンと同じく、格闘や地面に対する受け・流しが主な役割となるのだが、
ほとんどの飛行ポケモンは、それらがサブ技として打って来る岩技で弱点を受け、特にガラガラの岩雪崩では致命傷を負ってしまう。
また、岩技を等倍に抑えられるエアームドは、肝心の格闘技を等倍で受けてしまうため、カイリキー受けが不安定となり、
ガラガラ等がサブ技で打って来る大文字でも致命傷を受けてしまうという弱点がある。
それに対してグライガーは、これらのサブ技でもことごとく弱点を突かれないため、安定することが多いというのが特筆すべき点。
また、攻撃種族値こそ75と低いものの、属性一致で地震を打てるおかげで、結果的にエアームドより火力も高く、
バンギラスやサイドンと言った岩ポケモンに対して打点を持てるというのも強み。
エアームドに大きく負けているのは、肝心のノーマルを受けられないという点だが、
逆にノーマル以外の物理に関しては、総合的にかなり手広く役割を持つことが出来ると言える。
決して器用とは言えない技のバリエーションの中で、嫌な音、泥棒、カウンターと言った、
これらの物理を受ける、もしくは圧力をかける際に大きな手助けとなる技を覚えてくれるのも奇跡的。
なお、地震を覚えたグライガーはポケモンスタジアム金銀の景品であるためVC版では使用出来なかったり、
一撃ありのルールでは、その高い物理耐久と地割れ無効化耐性から、ハサミギロチンを振り回すことで一線級と戦えたりと、
レギュレーションによって大きく性質が変わって来るポケモンである。


〜実戦的ステータス〜

タイマン性能■■■■□□□□□□ 出番の多さ■■■■■■■■□□
複数対決性能■■■■■■□□□□ 使い方の多様性■■■□□□□□□□
対カビゴン性能■■■■□□□□□□ 不利な相手への対抗力■□□□□□□□□□
対その他の一線級■■■■■■□□□□ 個人的総合評価■■■■■■□□□□


〜優劣関係〜

格好の餌カイリキー ヘラクロス ガラガラ ハガネール ベトベトン
割と有利サイドン ゴローニャ ブラッキー ムウマ
場合によるナッシー フシギバナ バンギラス エアームド ゲンガー
割と不利ライコウ フーディン ファイヤー カビゴン ミルタンク
天敵サンダー パルシェン スイクン スターミー ケンタロス


〜防御面〜

55食べ残し5550黄金の実50
55めざ蟲ガラガラの岩雪崩高確率4発確4確4超高確率3発
55カイリキーの鈍い+クロスチョップ超高確率4発超低確率3発超低確率3発確3
55カイリキーの大文字低確率4発確4確4超高確率3発
バンギラスの岩雪崩確4低確率3発微低確率3発確3
55カビゴンの捨て身タックル確3確3低確率2発超高確率2発
50カビゴンののしかかり超低確率4発超高確率4発確4低確率3発
50ナッシーのサイコキネシス確3確3高確率2発中乱数2発
55ライコウのめざ氷中乱数1発中乱数1発確1確1


〜技候補〜

地震属性一致メイン技。ポケスタ環境限定だが、使える環境なら是非持たせたい。
サポートで格闘受けとして使う場合は必ずしも必要とは限らない。
めざ飛
翼で打つ
属性一致技。地震のサブ技のような感覚で使っても、これをメインとしてもOK。
格闘受けの際には遂行技として欲しい。地味に草ポケモンへの打点も嬉しい。
めざ岩サブ技筆頭候補。地震との相性は抜群。エースで全抜きを狙うなら必須か。
ヘドロ爆弾サブ技候補。弱点はほぼナッシーしか突けないものの、威力と範囲のバランスが良く、追加効果も美味しい。
嫌な音素の攻撃力がイマイチなグライガーにとって重要な決定力の源。エースなら必須か。
砂嵐素の攻撃力がイマイチなグライガーにとって重要な決定力の源その2
鈍い鈍いを積んで来る格闘等をしっかり受けたい場合は、嫌な音よりこちらを。
硬くなる更にガン受けに徹したい場合はこちら。PP戦も最強だ
眠る受ける際には当然必要な技。エアームドにも簡単に倒されなくなる。
寝言ギリギリの受けを誤魔化したい際に。技スペースが悩ましい
泥棒しっかりと受けられない場合に圧力をかけて誤魔化す技その1。特にガラガラに有効。
カウンターしっかりと受けられない場合に圧力をかけて誤魔化す技その2
どくどく地震との相性が良い補助技。火力が低くナメられがちなので、汎用性はある。
恩返し変態サブ技候補。一応地震との相性は良く、幅広く安定したダメージソースにはなる。
めざ地ポケスタ環境が無く、地震を使えない場合、地面技が欲しければこれを使うしか無い。
砂かけ交代して来た相手に嫌がらせをさせる技。雷サンダーなんかには有効かも。何故か泥かけは覚えない
ハサミギロチン一撃アリ用。グライガーの必須技となるだろう。地震との両立はLv.52からなので注意


〜型サンプル〜

Lv.50 地震/目覚めるパワー飛行/嫌な音/眠る@薄荷の実

ひとまずポケスタ環境で地震を使えるという前提で、型を紹介。
まずは2つの属性一致技に、決定力を出す嫌な音を交えつつ、眠るでしっかり受け役割を遂行するという分かりやすい型。
素の地震の火力は知れているが、一応55ライコウをギリギリ2発で落とすぐらいのことは出来る。
ただし、逆にライコウの目覚めるパワー氷では上から確1で落とされてしまうので、対面どころか後出しされた上で負けてしまう。
ライコウに限らず、電気ポケモンはサブ技に4倍弱点の氷技を持っているポケモンが多いので、
地面ポケモンと言えども、基本的に電気と戦うことは避け、あくまで釘付けとして捉えておこう。
逆に、♀のサンダースやマルマイン等、氷や水技を持っていない電気ポケモンは安心して受けに行くことが出来る。
特にマルマインに対しては、自慢の物理耐久により、大爆発も余裕で耐えることが出来るため、枚数差を付けることが出来る。
マルマイン+ガラガラのような組み合わせに対するキラー性能は高い。
対電気に関してはそれぐらいで、基本的には「飛行ポケモン」として、格闘や地面を受ける役割で使うのが良いだろう。
その際に役割遂行技として重要なのは、地面技よりもむしろ飛行技。
これが無いと、格闘ポケモンにもナメられて、鈍いを積まれたり急所などで強行突破されてしまう危険性が増える。
また、飛行技は地味に、何かと厄介な草ポケモンに対する打点として使えるのも優秀。
基本的に目覚めるパワー飛行でも翼で打つでも確定数は変わらない相手が多いので、HPを落としたくなければ翼で打つでも良い。
これらを遂行する際には地震は不要だが、これが無いと、エアームドと同じように電気やバンギラス等の起点にされ放題になってしまう。
地震はどちらかと言うと、そのあたりに対する起点回避の意味合いの方が強い。
特にバンギラスに対しては、冷凍ビームや波乗りを持っていなければ対面から殴り勝つことが出来る。
格闘受けが出来る飛行ポケモンとしては、これが出来るのはかなり貴重。
また、嫌な音+地震で低レベルのガラガラは確定2発で倒せるため、これによってタイマンで勝てる。
注意点として、グライガーはエアームドと違って、同レベルのガラガラの剣の舞+岩雪崩を2耐えすることは出来ない。
したがって、後出しから殴り勝つことは出来ない点に注意したい。
更に、高レベルのガラガラに対しては嫌な音+地震でも高確率で2耐えされてしまうので、タイマンですら不利ということになる。
あくまで地震無効を活かすなどして、他のポケモンと力を合わせて戦うようにしよう。
パーティ … パルシェンカビゴンWA(2020)
ログ … 電気+格闘に対するキラー
ログ … 電気+格闘に対するキラー2
ログ … 鈍いには嫌な音で対抗


Lv.50 目覚めるパワー飛行/泥棒/カウンター/嫌な音@黄金の実

眠るでしっかり受けるわけではなく、逆に圧力を利用して誤魔化すタイプの対策法。
特にガラガラに対しては、元々後出しからでは勝てないということで、泥棒やカウンターの圧力で引かせる方が対策として機能する場合がある。
黄金の実は発動しても残念ながら剣の舞+岩雪崩を2耐えすることは出来ないが、
単発の岩雪崩は乱数で1回多く耐えられるようになったりする。
もちろん、剣の舞+岩雪崩に対してカウンターを決めれば一撃でガラガラを倒すことが出来る。
最初から泥棒の圧力をかけたい場合は、いっそ持ち物無しでも良いかも知れない。
また、眠る+薄荷の実で一旦回復してから泥棒を狙うという策も。
この型ならばVC環境でも使えるが、どれかの技を抜いて地震を持たせても良い。
ログ … ガラガラ受け+ナッシー潰し


Lv.50 地震/目覚めるパワー飛行/眠る/寝言@ピントレンズ

逆にガラガラは潔く諦め、格闘や一部の地面(ハガネール等)を永久に受けつつ、隙を見せないようにした型。
嫌な音が無いと鈍いを積んで来る格闘に強行突破される危険性があるが、ピントレンズでそこを誤魔化す。
また、眠る+寝言は眠り粉対策にもなり、地味に草ポケモンにそこそこ強くなるというメリットもある。


Lv.50 翼で打つ/固くなる/眠る/寝言@光の粉

格闘絶対完封するマン。この型なら格闘受け性能に関しては全ポケモンのあらゆる型の中でもトップクラスに入るのではなかろうか。
概論に書いたようにサブ技に左右されず、鈍いを積まれても固くなるで合わせに行くことが可能。
そしてしっかり属性一致飛行技で打点もあるので、ナメられて事故を待たれるようなことにもならない。
唯一、高レベルカイリキーの大文字ではほぼ3発で倒されてしまうので、
そこは命中率とPPの低さを突いて、寝言と光の粉で補おう。
もしくは、黄金の実も可。これによって確定で3耐えとなるので、少なくとも1回眠るだけで、相手は6発攻撃を打たなければならなくなる。
また、この型は地味にPP戦においても極めて強く、翼で打つ・固くなるともに最大56回ずつ使うことが出来る。
これによって、何と食べ残しを持っていないエアームドとのタイマンで勝てる計算となる。
グライガーは基本的にエアームドへの打点がほとんど無く、ガン止まりしがちだが、
逆にエアームド側もグライガーへの打点はあまり無く、お互い眠るを持っていればPP戦になりがち。
固くなるがあれば、エアームドが鈍いを持っていた場合にも対応出来るため、
こちらが潰される心配が無く、最終的にエアームドのPPが切れてから、
悪足掻きの反動と翼で打つのダメージでジリ貧に追いやることが出来る。
ログ … 固くなるでガン受け


Lv.50 目覚めるパワー飛行/鈍い/カウンター/眠る@薄荷の実

通常の格闘受けをこなしつつ、本来の役割対象外であるカビゴンとも戦えるようにした型。
嫌な音+カウンターだと、鈍いを積まれまくった場合に対処出来ないが、こちらも鈍いを持っているならばその限りではない。
もちろん、カウンターを打つか打たないかの読み合いにはなってしまうため、あくまでカビゴンに「抵抗出来る」ぐらいだと思おう。


Lv.55 地震/目覚めるパワー岩/嫌な音/眠る@薄荷の実

エースで決定力を出そうとする場合、流石に地震と嫌な音は不可欠となるだろう。
嫌な音+地震で低レベルカビゴンは確2、55カビゴンも一応食べ残しを持っていなければ中乱数2発という程度。
地震のサブ技となるとやはり目覚めるパワー岩が筆頭候補となる。嫌な音+めざ岩で多くの飛行ポケモンを2発。
Lv.55であっても55ライコウの目覚めるパワー氷では中乱数一撃で倒されてしまい、
55サンダーに至っては高確率一撃で倒されるので、実際は嫌な音をかけてからめざ岩を打つような余裕はまず無い。
光の壁や眠り・麻痺などのサポートは必要となるだろう。
低レベルのサンダーはめざ氷を持たず、ドリル嘴がサブ技であることも多いため、狙い所かも知れない。
エアームドには、鈍いを持っていなければ勝つことが出来る。
嫌な音を1回かけるだけで意外とほぼ4発になるので急所待ちが可能。2回かければ確3となる。
鈍い型の場合、逆にこちらが上がった攻撃力からのドリル嘴で圧殺されてしまう。
他のサブ技候補としては、ヘドロ爆弾なんかもある。
サンダーに対してはどうせめざ岩をもってしても時間がかかると諦める代わりに、
ナッシーに打点がある他、ヘラクロス等の等倍相手にもめざ岩よりダメージが高く、追加効果の毒を振り撒ける期待もある。
この場合、エアームドには完全に手も足も出なくなってしまう点に注意。


Lv.55 地震/目覚めるパワー岩/嫌な音/砂嵐@食べ残し

砂嵐によって決定力を伸ばすことも出来る。
これによって例えば、嫌な音+地震だけでは僅かに足りなかった、55食べ残しカビゴンを2発で倒したり出来るようになる。
眠るが無いと、エアームドに一気に弱くなってしまう点には要注意。


Lv.52 地震/ヘドロ爆弾/砂嵐/泥棒@破壊の遺伝子

なんか色々出来そうな型。あとは某氏が語ってくれるでしょう。私は大人しくしておきます


〜一撃ありの場合〜

Lv.55 地震/ハサミギロチン/カウンター/眠る@薄荷の実

優秀な耐性を持ち、物理耐久も高めのグライガーだが、一撃無しルールではとにかく火力が乏しかった。
そんなポケモンが一撃技を持つことがどれだけ凶悪であるかは想像に容易いことだろう。
しかも、ポケスタ環境ならばこれを属性一致の地震と併用することができ(ただし両立はLv.52以上なので注意!)、
ハサミギロチンの効かないムウマとゲンガーは地震で撃退出来るため、攻撃範囲に関しては完全に死角が無い。
しかも、こちらは地割れを無効化することも出来るため、自分が一撃技で落とされるリスクも小さい。
特に、一撃ありルールで強力となるカイリキーをド起点に出来る点はあまりにも大きく、
そこからハサミギロチンを振り回せばサンダーだろうがエアームドだろうが常に一瞬で粉砕出来る可能性がある。
自慢の物理耐久により、55カビゴンの捨て身タックルも確定で2耐えする上、地割れも無効なので、
こちらはハサミギロチンを3回も打つ猶予があり、6割以上の勝率を確保することが出来る。
肝心のケンタロスに上から角ドリルを打たれてしまう動きには弱く、後手である分勝率は落ちてしまう。
単発で捨て身タックル等で殴って来るのに対しては、カウンターで対策出来るようにしてあるが、
この枠は嫌な音などに変えても良く、何なら寝言でも良いぐらいかも知れない。
VC環境ならば、角ドリルと地割れの外れに対してカウンターが有効なので、大いに役に立つ。
しかも、こちらのハサミギロチンはカウンター無効なので、そこでも差を付けることが出来る。
ただし、VC環境では地震が使えないというジレンマがあり、
特にケンタロスに上から身代わりを貼られてしまった際に壊す手段がほとんど無いというのが致命的な弱点となる。
残念ながら全ての性能を兼ね備えるのは諦めよう。
パーティ … グライガースターミーWA(2022)
ログ … 地震+ハサミギロチン
ログ … 地震+ハサミギロチン2
ログ … 地震+ハサミギロチン3
ログ … 物理受け性能を活かす
ログ … 物理受け性能を活かす2


Lv.55 ハサミギロチン/目覚めるパワー格闘/カウンター/眠る@薄荷の実

VC環境でグライガーを使う場合の一例。地震が無いとなると、実質的にほぼハサミギロチンで戦わざるを得ない。
前述のケンタロスの身代わりを壊せる唯一とも言える手段が、目覚めるパワー格闘である。
これによって、身代わりにはめざ格、その他の技には全てカウンター、という択ゲーに持ち込むことが出来る。
めざ格でHPが落ちても、捨て身タックルはギリギリ超高確率2耐えすることが可能。
ただしケンタロスのHPはグライガーより高いので、カウンターで返しても一撃では倒せない。
目覚めるパワー格闘でトドメを刺すことは出来る。
自力で覚える地面技は一切無く、この型だと目覚めるパワー地面すら使えないので、
ゴーストに無抵抗になってしまうのは残念ながら諦めることになりそうだ。
強いて言えば、眠るは必ずしも必要とは限らないので、ここを翼で打つあたりにするのがささやかな抵抗か…。


Lv.50 翼で打つ/ハサミギロチン/砂嵐/泥棒@黄金の実

低レベルで荒らす型の一例。一撃無しルールと同様に、飛行技を持ってカイリキー等への役割を果たしながら、密かに一撃を狙って行く。
やはり、目覚めるパワー格闘が無いとケンタロスの身代わりには起点にされてしまうが、
一応砂嵐で本体に直接ダメージを与えたりすることは出来る。
この他、相手の一撃技の命中率を下げたり、こちらの起点作成のために、砂かけなんかも使える。


Lv.55 ハサミギロチン/砂嵐/どくどく/メロメロ@食べ残し

どうせハサミギロチンでしか決定力を出せないなら、いっそこれぐらいのことをする手もある。性別はもちろん♀。
これによってケンタロスの行動を制限することが出来るが、やはり身代わりにはシャットアウトされてしまう。
ただ、メロメロは身代わりを貫通するため、ハサミギロチンを当てて身代わりを破壊することが出来れば、
相手がメロメロで動けず身代わりを貼れない隙にハサミギロチンを本体に当てて倒せる可能性は一応ある。
また、本体にどくどくを入れてしまい、砂嵐との定数ダメージ攻撃で倒すという手も。
どくどくの枠はカウンターでも良いかも知れない。
ケンタロスは身代わりを貼ったあと、どうせグライガーに攻撃を打たないといけないので、そこをカウンターすれば身代わりを壊せる。
次のターン、メロメロで動けないのを狙ってハサミギロチンを差し込むという作戦。
どれぐらい現実的かは不明。


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