翼門祭レポート
しのぶさんの主催により、2024/4/30(火)-8/14(水)の間、翼門祭という長期に渡る大会がジムリーダーの城にて開催されました。
ジム城史上初の、BO3・かつダブルイリミネーション形式の大会で、3ヶ月半・総試合数63試合にも及ぶ長丁場の、
久しぶりの大々的な大会となりました。
改めて、主催のしのぶさん、対戦してくださった皆さん、ありがとうございました!
さて、ここではせっかくなので、管理人の参戦レポートを、1試合ずつ細かく書いて行こうと思います。
<5/1(水) 1戦目 vs 117さん>
最悪だった。あまりプレイヤーに序列を付けるようなことをしたくはないが、
間違いなく管理人にとって、最も恐れるべき相手と、初戦からいきなり当たってしまった。
想定されうるパーティは、サンダーバンギ系と、この頃よく使っていたスイクンヘラクロスWAあたり。
このあたりに戦えそうなエースを考えたところ、エンテイが思い浮かんだ。
55エンテイは、日本晴れ→ソーラービーム連打によって、55スイクンにも完全タイマンで有利を付けることが出来る。
エーフィが入ったTAを使われる可能性もあるため、そこに強そうなハピムウマ軸にエンテイを入れることにした。
つまり魔人島の既存パーティエース追加型3のエースに、
「大文字/ソーラービーム/目覚めるパワー格闘/日本晴れ」というテンプレ型のエンテイを組み込んだ形。
このパーティにおいてはエースに食べ残しを渡せるため、持ち物は奇跡の実ではなく食べ残しでサイクルも想定。
サンダー+バンギラス+エーフィのTAのようなパーティに対しては、
バンギラス選出にはエンテイで刺すことができ、その他にはエースをハピナスで止めることが出来る。
エンテイはエーフィを一生突破することが出来ないが、逆に相手がハピナスを受からなくなるため、
パーティとして有利を取れるのではないかという考え。
第1試合 負け
まず、パーティの読みを大きく誤った。55カビゴンに対してそもそも有利を取れるパーティではなかった。
やはりというか、相手はシンプルに最近使っていたようなパーティをそのまま使って来るような相手ではない。
ここは、下手に読むよりも、自分が最近最もガチで使っており、調子も良いパーティをストレートにぶつけてみようと思った。
それが、近年ガチで研究中の「令和カビガラポリ」コンセプトのひとつである、速攻カビガラポリである。
このパーティは元々、この1ヶ月前ぐらいに行われた突発対戦会51で使用し、優勝したパーティでもあるのだが、
その際に117氏の55スイクンを警戒し、マルマインが元々リフレクターだったところを光の壁に変更したという経緯がある。
結局その対戦会においてスイスドローの構成上、117氏と試合をすることはなかったが、
要するに、もし例のスイクンヘラクロスWAを使われたとしても、準備は既に出来ているということである。
直接対戦こそしていないが、同じ対戦会に出ていたため、相手はこのパーティを全く知らないということはないだろう。
基本的に管理人は、手の内のバレたパーティを使うのを最も嫌うが、
逆に奇襲が通用しにくい相手だったため、今の自分の最先端を信じてみるのも悪くないだろう、と腹を括った。
第2試合 勝ち(※上記パーティのログに直接リンクを繋いでいます)
運良く火傷を引いてからは、心は穏やかだった。
「まずこの試合は間違いなくもらった」という手応えがあった。
最後のミルタンクの雷を見た時は、後からヒヤッとしたが・・・。
そして、この第2試合で分かったことがひとつある。
それは、相手は編成を大きく変えてはいないということである。
第1試合と比べて、見かけ上は50サンダー→50フシギバナの変化のみ。
第3試合も、大きくは変わらないことが予想される。
第2試合では、パーティの手応えは悪くなく、同じような編成ならば有利が取れるという感覚を得た。
もし全く異なったパーティを突然使われたとしても、このパーティには汎用性がある。
よって、第3試合でも、全く同じパーティを堂々とそのまま使う決心が着いた。
第3試合 勝ち(※上記パーティのログに直接リンクを繋いでいます)
あまりにもハイカロリーな試合だった。
試合後にお互いが交わした一言目がこれだった。
ログ解説にも書いたが、終盤は80秒制限のうち70秒ぐらいを毎ターン使い、ギリギリで答えを出していた。
50フシギバナが50サンダーに戻った分、第2試合よりは明らかに苦戦を強いられたが、
このパーティと、それを扱える自分の腕を信じて良かったと思った。
最も恐れる相手との1戦目を辛勝に終え、安堵したのも束の間。
次に待ち構えているのもまた、恐ろしい相手であった。
<5/3(金) 2戦目 vs けつばんさん>
普段頻繁に野良試合をしているわけではないが、このような大きな大会には高頻度で参加して来るプレイヤー。
それだけでなく、管理人主催の大会「蟹杯」シリーズでは、
前人未到の3連覇という偉業を成し遂げているバケモノである。
1戦目の117氏と比べて厄介なのは、直近の野良試合のデータが全く無いため、
パーティの予想が全く付かず、どこから考えれば良いか見当も付かなかったという点。
しかし、裏を返せば相手も管理人としばらくの間試合をしておらず、
こちらの最新のトレンドを細かくは知らないはずである。そこを突くのが最善と考えた。
特に身代わり+腹太鼓カビゴンは、初見殺し性能が極めて高く、1戦目の117戦においても型バレしていないため、
もし相手がこのパーティを全く知らなかった場合に、大きく有利を付けられる可能性があるとも考え、
1戦目に使用した速攻カビガラポリをそのまま続投した。
第1試合 勝ち(※上記パーティのログに直接リンクを繋いでいます)
やや予想外のこともあったが、概ねシミュレーション通りに試合を終えることが出来て安堵。
さて第2試合だが、こちらの隠し玉であった55カビゴンの型は割れてしまい、
それ以外の部分も、1戦目の117戦で大半は構成が割れてしまっているため、
流石に一旦はパーティを変更しようと思った。
一方の相手はここまで、パーティの内容は異なるものの、55サンダー軸というのは一貫している。
55カビゴンは来なさそうと判断し、117戦では不発に終わった、エンテイを再登用しても良さそうと考えた。
117戦との大きな違いは、初めに1勝を既にもらっているため、
ここは必ず勝たないといけない場面ではないということ。
少しだけ気が楽な状態で、刺さればラッキーという感じで、1戦目の第1試合と同じエンテイinハピムウマ軸を使うことにした。
唯一、エンテイのソーラービームは必要無さそうだったので、ここを念のためカビゴンに対抗出来る鈍いに変更した。
第2試合 負け
負けてしまったが、収穫は多く、次に繋げられそうな内容だと感じた。
まず、相手は恐らく第1試合と全く同じ編成をそのまま使っており、
しかも手応えを感じていそうなので、恐らく第3試合もそのまま同じ編成で来ることが予想される。
第2試合において最も痛かったのは、「エンテイがガラガラに勝つためにパルシェンの準備が重すぎる」という点。
そこで、エンテイに木炭を持たせれば、ガラガラを超高確率2発で倒せるようになるため、
撒き菱が必要無くなり、リフレクターだけあればタイマンで勝てることを思い付いた。
他のエースに対しても、特に食べ残しや奇跡の実は必要無く有利を取れるため、
エンテイの道具を変更するだけで対応出来るなら、これほどコスパの良い話は無い、と思った。
あとは改めて、エンテイをどのようなパーティで使うかだが、
第2試合のハピムウマ軸よりも、第1試合で使った令和カビガラポリ軸の方が動きやすく、
この55リザードンの枠を臨時で55エンテイに変更すると良いのでは、と思い付いた。
このパーティのリザードンがエンテイに変更されると、
見た目上はバンギラスに強くなり、ガラガラに弱くなる。
第2試合の内容もあり、相手は高い確率でガラガラを選出してくれるのではと期待出来る。
そこを木炭で倒すのを本筋として狙いつつ、
万が一全く異なったパーティを使われた場合でも、汎用性を確保出来るということで、第3試合のパーティが決まった。
第3試合 勝ち
微妙に想定通りではなかったが、結果的に55ガラガラのHPを半分削ることで、
木炭を活かして勝つことが出来たので感無量。試合後に「ッシャア!!」と声を上げた。
第1試合・第2試合の反省を活かし、「対策」が通ったというのは気持ちとしても大きかった。
<5/11(土) 3戦目 vs ジミーさん>
次に控えていたのは、まさかの自称「蟹さんの弟子」(管理人は弟子を取るつもりは無いのでこれを認めていない)。
これまでに戦って来た相手と比べると歴が浅いが、奇襲で足元を掬って来る危険性がある。
2戦目のけつばん戦からは1週間の期間があったため、しっかりと対策を立てることにした。
相手がそれまでの2戦で使っていたパーティは、大きく分けて2種類。
プテラ・カイリキー・フーディンのTAと、プテラ・カビゴンorミルタンクのWAである。
相手の性格上、そしてキャリア上、この他の全く異なったパーティを突然使って来ることはまず無いと踏んだ。
したがって、ここまでに割れている情報を頼りに、これらのパーティ両方に対するキラーを、1週間かけて考えた。
ただし、サポメンなど細部は少しずつ変わっている様子なので、ある程度汎用性は持たせる必要がある。
まず前者のTAに対しては、55スターミーが真っ先に思い浮かんだ。
プテラ・カイリキー・フーディンのいずれにも、ガン有利が取れる。
カイリキーはサブ技に目覚めるパワーを持っておらず、フーディンもアンコールではなくメロメロ型で、雷パンチも無いようなので、
これらに対しては後出しからガン受けまで出来る。
破壊の遺伝子プテラは不安定だが、リフレクターがあれば全て動かれても耐え切れることが判明。
ここで、ジム城特有のバグである、「遺伝子空を飛ぶ」まで出来れば考慮したい。
空高く飛び上がった状態で、混乱自傷など動けない状態が発生すると、
次のターンから自由に動ける上で、自分はずっと空中に居続けて無敵になるというバグである。
これに対する対策として、雷を思い付いた。雷は空中の相手にも命中する。
かくして「波乗り/雷/リフレクター/自己再生」という型のスターミーが出来上がった。
後者のパーティの方が対策が難しい。単に使用回数が少なく、情報量が少ないというのと、
肝心のエースがカビゴンかミルタンクか分からないという点がある。
特にカビゴンが怖く、ジミー氏のカビゴンはカウンターやシャドーボール、Lv.55での自爆など何をして来るか分からない。
ここで思い付いたのが、ドンファンという存在である。
(ジム城のルール上、期間限定の配布タマゴ技であるアンコールの使用が許可されている。)
何故ドンファンなのかというと、「役割破壊に翻弄されず、数値でノーマルポケモンを相手出来るポケモン」だからである。
このようなカテゴリにおいては、ドンファンというややマイナーなポケモンは、
全ポケモンの中でも頂点に君臨するほどの高い性能を持っていることは知られておきたい。
大文字にも爆裂パンチにもシャドーボールにも動じず、シンプルに攻撃技の殴り合いで有利がつき、
鈍いやカウンターに対してはアンコールでハメることが出来る。
これは対ミルタンクに対しても同様で、相手の行動を封じながら自分だけ鈍いを積んで圧殺することが出来る。
更についでに、単地面タイプという属性は、プテラに対しても極めて強い。
そこにサブ技として目覚めるパワー岩を持たせておけば、ついでにプテラに対するキラーにもなれるということである。
また、ドンファンというポケモン自体、恐らくジミー氏はあまり使われたことが無いと思われるため、
何をして来るか分からず、分からん殺しを狙える可能性も高いと判断した。
かくして「地震/目覚めるパワー岩/アンコール/鈍い」という型のドンファンを、上記のスターミーとWAにするに至った。
あとはなるべく割れている情報から、相手のサポメンも含めて封じられる方向で組んだ。
ドンファンと同じく「役割破壊に動じない数値受け」として、ツボツボも採用。
腹太鼓カビゴンには滅法弱いが、ここまでの観察により、相手は腹太鼓カビゴンをまず使わないことが分かっていた。
ルージュラやフーディン、スターミーあたりのエスパーも目立つので、
眠る+寝言カビゴンを採用し、♀にしてフーディンのメロメロを対策し、
サブ技に冷凍ビームを持たせてプテラに起点にされないようにしたりした。
サポメンも含めてとにかく硬い編成を心掛け、ガン受けから完封する方向を目指した。
多少不利が発生した場合でも、手堅く立ち回って相手のミスを誘うことが出来るためである。
当日、ジミー氏は「蟹さんに恩返しがしたい」というようなことをツイートしていた。
任侠の世界に生きているような義理堅い男。恐らく管理人に勝って成果を上げることを指しているのだろうが、
こちらとしては溜まったものではない。
勝つか負けるかの勝負に、そんな恩返しなど御免被る。
全力で返り討ちにして、100年早いと帰らせる準備は出来た。
第1試合 勝ち
パーティは予想と違ったが、逆に「恩返し」の意味が管理人にはすぐに分かった。
相手のパーティ、魔人島のエース追加型3の毒昆布プテラである。
このパーティは第1回オン会で管理人が使用し、優勝を収めたパーティ。
プテラをこよなく愛するジミー氏の目の前で、プテラをSAという編成で優勝に導くことが出来た。
パーティのメンツを見た瞬間、そのまま丸コピして当てて来たのだとすぐに分かった。
ここで下手に技構成を変えたり細工を入れるのは、師と仰ぐ相手に対する冒涜。
彼にそんなことが出来るはずが無いと確信し、相手の技構成はすべて筒抜けも同然だった。
やや予想外のパーティではあったため、思ったように安定勝ちは出来なかったが、
それでもやはり情報アドの差は大きく、一度凍ったツボツボが解凍されてからはほぼ勝ちが見えていた。
続く第2試合は、今度こそ今までに使っていたどちらかのパーティが使われると予想し、
こちらは敢えて全く同じスターミードンファンWAをそのまま続投した。
第2試合 勝ち
まさに予想的中。冷静な判断で危なげなく動けたかと思う。
1週間かけて準備した甲斐があった、と思った瞬間であった。
さて、いよいよWINNERS SIDEの決勝まで駒を進めることが出来たわけだが、
ここで別ブロックの進行が大きく遅れており、管理人の次の試合は少し期間を置くことになる。
程なくして、対戦相手がのりすけ氏になることは決まったが、
せっかくのWINNERS SIDEの決勝戦ということで、これをさっさと終わらせてしまうのも湿気ていると思い、
他ブロックの様子を見つつ、頃合いを計って対戦日を決めることにした。
<6/24(月) 4戦目 vs のりすけさん>
その間に、管理人はのりすけ氏と野良試合も通話も数多くしており、節々から情報を集めようとしていた。
というのも、この相手、ここまでで最も実体の掴めない相手なのである。
ここまで相手がどのような勝ち方をして決勝まで登り詰めたかと言うと、
1戦目はシード、2戦目は相手のパーティをミラーでぶつけ、細部をミラー有利になるよう細工、
そして3戦目も今大会の別のプレイヤーが使っていたものをパクって細工して勝っている。
最も柔軟であり、最も実体が掴めないプレイヤーなのである。
野良試合においても、多種多様なパーティを繰り広げ、戦術に偏りが無い。
策に溺れ、自滅する場面も見受けられたが、管理人が見事に術中にハメられてしまった回もある。
特に影分身・小さくなるに苦しめられた経験が何度かあり、ここを最も対策すべきと考えていた。
他はとにかく、ミラーコートや闇型といった奇襲を出来るだけ想定する構想で行く。
ただし、「のりすけ氏と戦う際には影分身に注意」というのはネタ的にも定着しており、
実際管理人が、野良試合でネタでスピードスターを使ってみたこともあった。
つまり、相手からしてみると、「もはや影分身は奇襲にはならない」と考えられている可能性もある。
ここが逆に読みづらくなってしまった部分もあるのだが、使って来ないならそれはそれで良いと考えることにした。
通話においては、これまでの相手の考えや心持ちも聞くことが出来た。
決して自信があるわけではなく、パーティは上手いこと思い付かず、
試合直前まで精神をすり減らしていたらしいことが窺えた。
今回、前の試合から実に1ヶ月以上もの期間が空いている。
また、管理人は恐らく相手から恐れられている存在であるという自覚もある。
したがって、こちら以上に、相手にかなりのプレッシャーがかかっているであろうという予想は出来た。
こういう時は、こちらの立場としては変に凝ったことはせず、
戦績の良い安定したパーティで、どっしりと構えて立ち回るのが良いというのは勝負の常である。
いざとなったら、「18年間の重みで戦う」という心構えで行くことにした。
まず第1試合は、試しに影分身対策・PP戦対策、かつ奇襲を用意したパーティで臨んでみることにした。
主力は「影分身/カウンター/砂嵐/眠る@食べ残し」というカビゴンである。
影分身対策として、黒い霧やスピードスター等の対策もあるが、
それらはもし影分身が使われなかった場合に腐ってしまうという汎用性の狭さがある。
一方、影分身に対して影分身ミラーで対策するならば、こちらの影分身が逆に相手に刺さる可能性もある。
影分身ミラーになると、PP戦になり、規定により80ターン目の判定に持ち込まれる可能性が高い。
その際に有効なのが砂嵐+食べ残しで、相手が食べ残しを持っていなければ、
最後のターンにお互いに1/8ずつのダメージが入った後、自分だけ食べ残しで1/16の回復をして、
結果的にHPの割合で上回り、判定勝ちを狙えるというもの。
相手も食べ残しを持っていたらDRAWになってしまうが、カビゴンは遅いため、後攻で眠るで全回復することが出来る。
少なくとも「負け」になることはなく、再試合に持ち込めればそれもアリだろうという構え。
また、相手が転がる戦法や、闇型で悪足掻きを打って来た際に、
カウンターならば必中技なので、影分身を貫通して打ち勝つことが出来る。
これも、ただの影分身対策だけでなく、シンプルにカビゴンのカウンターというだけでも奇襲性能が高い。
カイリキーやガラガラ等との対面において、逆転勝ちを狙えるということである。
かくして、このド変態カビゴンを登用してみることにした。
せっかく55カビゴンを使うのならば、1戦目・2戦目に使用した速攻カビガラポリの姿を借りようと思い付いた。
見かけ上は同じパーティで、55カビゴンをこの型に変更する。
この他、ポリゴン2を念のため影分身対策のスピードスター型にし、
更に相手は恐らくナッシーを使って来る可能性がやや低いと見て、
ガラガラの目覚めるパワー蟲を切り、ここにも奇襲のカウンターを仕込んでおいた。
ギミックを仕込むなら複数。1ヶ所を回避して油断した相手を次のトラップで待ち構えるという常套手段である。
試しに第1試合をこれで臨んでみて、もし通用しなさそうならば、第2試合からは極力普通のパーティを使おうという構想。
第1試合 負け
カウンターが極めて惜しかった。成功率6割なのであまりに微妙すぎるが、
「カウンターさえ決めれば勝ち」という状況にまでは持って行けただけに、惜しかった。
後半戦はこちらがほぼ負け確状態だったため、行動選択をしながら、次の試合をどうするかを考えていた。
流石にこのカビゴンリザードンWAは使いすぎているので、
これ以外で、比較的最近の、自信のある、安定感のあるパーティは何だろうか。
考えたところ、サンダーヱーヴが思い浮かんだ。
これならば、立ち回りも慣れているし、少々不利でも立ち回りで巻き返せる可能性がある。
もし影分身系の戦術を相手が使って来たとしても、ムウマの滅びの歌や、サンダーの吹き飛ばしといった対策も入っている。
特に変更するような点も思い付かなかったため、公開されている構成そのままで臨んだ。
第2試合 勝ち
パルシェンとライコウに立て続けに麻痺が入ってからは、心は穏やかだった。
よもやこの試合を落とすことは無いと確信し、
安定行動を取りながら、次の試合にどんなパーティを使うを考えていた。
近年は55カビゴンを軸としたガチパもいくつか組んでいるため、そのどれかで行こうと考えた。
選ばれたのはカビバン'22。変えて秀才カビ'23のようなセミフルカビゴンも考えたが、
がっちり鈍いを積める編成にした方が良い気がして、こちらを選んだ。
ただし、相手が55ねむねごカビゴンを使って来ることはあまり無いかなと予想したため、
WAのバンギラスの枠を取っ払い、裏決定力となる50ガラガラを採用した。
秀才カビのようの解説にも書いたが、55カビゴンミラーさえ考えなければ、50ヘラクロス+50ガラガラを揃えた型がかなり盤石である。
ここだけの変更で行こうと思った矢先、のりすけ氏の方から数分タイムの申し出が。
この隙にこちらもパーティを更に考え直し、カビゴンのサブ技は地震よりも電磁砲の方が刺さるのではないかと考えた。
ちょうど50ガラガラも入れたことだし、ここの連接も考え、鈍い+電磁砲という型に変更。
更に、相手が昆布戦術を使って来ることも考えにくかったため、スターミーの高速スピンは不要と判断。
波乗り+サイコキネシス+電磁波という汎用的な型にした。
本来ならば波乗りの枠はハイドロポンプで、50ガラガラを乱数1発、バンギラスを確定2発で倒せるようにするのだが、
ガラガラもバンギラスも、他のポケモンでも戦えるため、安定性を取って波乗りとした。
そして、バンギラスの枠がガラガラになったことにより、薄荷の実が浮いたため、
元々黄金の実+素眠りという構成だったムウマに、薄荷の実を渡して試合に臨んだ。
第3試合 勝ち
初め、相手がまさかのサンダー昆布風の編成で、かなりヤバいと思った。
スターミーから高速スピンを抜いてしまった矢先だった。
結果的に相手が吹き飛ばしを持っていなかったため楽になったが、
それに加えてカビゴンの電磁砲変更、ムウマの薄荷の実、と言った直前の変更がことごとく役に立った。
あとは18年間の重みのオーラを身に纏い、圧力で戦っていたように思う。
55カビゴンが、パルシェンの前で堂々とぐうぐうターンを消費出来たのも、そういう精神面から来るところがあった。
この試合によって、管理人はWINNERS SIDEの頂点に立つことに成功し、残すところはGRAND FINALのみとなった。
この段階ではLOSERS SIDEの決勝戦「yasu vs しのぶ」がまだ行われておらず、
どちらのプレイヤーが自分と戦うことになるかは分からなかったが、
いずれにせよWINNERS SIDEの頂点に立てたことはかなり条件的に大きく、
GRAND FINALでは相手はBO3で管理人に勝ち越すことを2回決めないといけない。
最大6試合の中で、相手は最低でも4勝を上げなければならず、
逆にこちらは最低3勝3敗でも優勝が確定することになる。
しかも途中で2連勝すれば、それだけで優勝確定だ。
普段の自分の実力が出せればそれぐらいのことは出来るので、
変に気張らず、対戦相手が決まり次第、ほどほどに対策したパーティを考える心積もりであった。
<8/14(水) 5戦目 vs yasuさん>
LOSERS SIDEを勝ち残り、GRAND FINALに駒を進めたのは、旧知の仲であるyasu氏だった。
初戦こそ痛い下振れが続き敗退したものの、以降は実力を発揮して着々と勝ち進み、
特にLOSERS SIDE2試合目以降は4人の相手に対するストレート勝ちを繰り返し、
1戦目も含めると本大会において通算10連勝中という勢いを発揮している。
オフ会においても極めて勝率の高いプレイヤーであり、
また構築も偏りが少なく、時にはB級のポケモンも使いこなして来る柔軟性を持っている。
本大会においても管理人と同様、ここまで臨機応変にパーティを変更し続けて来た。
管理人とyasu氏はスケジュール的になかなかタイミングが合わず、
このGRAND FINALを迎えるまでには1ヶ月以上の期間を要した。
その間にオフ会で会うタイミングもあり、2人で翼門祭についての話をしたこともあった。
お互い幅広いポケモンを臨機応変に使うタイプのプレイヤーなので、
この大会は我々に有利なルールだったな、というような話もしていた。
さて、そんな相手に対してどう立ち向かうかだが、
yasu氏は基本的に突拍子もないようなことはして来ないものの、
本大会においてはサンダースで影分身+バトンタッチのコンボを使った試合があったのが目に付いた。
管理人も同じ型を何度も使ったことがあったため強さは十分理解しており、
また管理人自身、パーティが影分身対策が出来ておらず、相手に影分身から牛蒡抜きされて負けるという経験も何度もしたことがある。
その他においては基本的にバンギラス、サンダー、ライコウあたりの王道エースを使って来る印象があったため、
影分身+バトンタッチを対策しつつ、王道エースに対してきっちりと戦えるような無難な編成を目指してパーティを考えた。
今回、対yasu氏用に事前にゼロから作っておいたパーティは2つ。
残りは今までと同じように、試合の流れから判断して、既存の自分のパーティを少しアレンジして使おうと考えていた。
まず1つは、影分身サンダース+55ガラガラの組み合わせに強い、53ドンファンをエースとした構築。
この組み合わせに強いポケモンと言うと、ナッシーやグライガーも代表的なのだが、
影分身をケアするとなると、吠えるを使えるドンファンに白羽の矢が立つ。
レベルは53まで振ることで55ガラガラに先制出来るため、タイマンでも有利を取れるようになる。
もちろん、運良くそのパーティに当たれば良いのだが、
そう上手く行くはずもないため、残りの枠でなるべく王道エースに対してガッチリと対策出来る編成にした。
yasu氏は基本的に50カビゴン構築を使って来るため、対ジミー氏の時と同じく、サブ技に影響されないツボツボを組み込んだ。
yasu氏のカビゴンが腹太鼓を使って来る印象があまり無かったため、これ1枚で50カビゴンは盤石になるはず。
あとは、ガン受けパーティにおいて必須の昆布対策として、高速スピンスターミーを組み込んだ。
ちょうどドンファンがLv.53のため、Lv.51で採用することが出来たので、
自己再生を持たせて、万が一リザードン等を使って来た際にもガン受け出来るようにしておいた。
残りはバンギラス受けのスイクン、ナッシー受けのヘルガー、サンダー受けのライコウ。
ライコウはもちろんLv.51では心許ないので、しっかり眠る+寝言を持たせておく。
もう1つのパーティは、バンギラス・サンダー・ライコウあたりのエースに満遍なく強い、55ヌオーをエースとした構築を用意した。
ヌオーはこれらのメジャーなエースのストッパーにはなれるが、
逆にLv.50でよく使われる三銃士系に弱いというのが最大の弱点なので、
ここも高速スピンを初めとし、格闘やエンテイ受けも兼ねてギャラドスを採用するなど受けを徹底した。
今回yasu氏は途中でリザードンやエンテイと言った炎エースを使っていた試合もあったため、
そこは念のため無視しないように組んだ。
第1試合 勝ち
勝ちに不思議の勝ちあり。
ツボツボとガラガラが対面した瞬間、流石にこの試合は負けたと思った。
大局から言えば相手がガラガラを捨ててしまったのが間違いだったように見えるが、
こちらのスターミーやライコウの型が割れていたわけでもなかったため、何らかの圧力が機能したと思うことにしよう。
さて、次の試合で何を使うかだが、ここで第1試合の途中にひとつ思い付いたことがあった。
相手のパーティ、5匹が♂である。
それまで考えていなかったが、思い返してみればyasu氏のパーティはここまででも、♂のポケモンがほとんどだったことに気付く。
一度だけ、55ハガネールを♀で使っていたぐらいか。
これはメロメロで崩せる可能性がある、と第1試合の途中で思い付き、
第2試合は急遽その場で新しくパーティを組むことにした。
もちろんこれも、試合間のインターバルでゼロから組むのは厳しいため、
第1試合の終盤で少しパーティの構想を練りながら同時に立ち回っていた。
では、誰でメロメロするかと言うと、ズバリエレブーである。
メロみがエレブーはたこ氏がよく使っており、♂ばかりのパーティではボコボコにされたことも何度もある。
自身で使用したこともあり、高く評価しているポケモンのひとつ。
♀メロメロ戦術を使うからには、相手の性別不明や♀のポケモンにも戦えるようにしなければならないが、
性別不明のサンダーに対する素の強さや、ライコウに対しても冷凍パンチを狙えるのがエレブーの強み。
また、yasu氏はガラガラを使うこともよくあるが、メイン技は地震であることも多く、
ホネブーメランでさえなければメロメロからあっさり突破出来てしまうというのもあった。
サポメンは正直、鳴海型ムウマによる起点作成と、パルシェンのリフレクター+大爆発からの繋ぎがあれば、
あとはエレブーの個人技だけで十分なほどだと考えており、
これらが両方入ったパーティエース追加型3を一旦再現してから、エースをエレブーに変更した。
そこからエレブー+ハピナスは流石に相性が悪いため、ハピナスを別のポケモンに変更しようと考えたのだが、
ハピナスを抜くと当然厳しくなるのは、55ライコウやフーディンである。
yasu氏がフーディンを使って来る印象はまるで無かったが、ライコウは十分あり得る。
そこで、カビゴンとガラガラが居るので、ここにポリゴン2を入れ、カビゴンをLv.55に引き上げれば、
カビガラポリ形式を作ることができ、麻痺ゲーによってライコウ軸を攻略出来ることに気が付いた。
本大会ではもう使う気が無かったが、1戦目の117氏や、2戦目のけつばん氏に対して使っていた、
「令和カビガラポリ」系コンセプトへの回帰である。
これならばエレブーのメロみがに依存することなく、汎用的に戦えると踏んだ。
かくして、予定を変更して急遽組んだパーティを、第2試合で使ってみることにした。
第2試合 勝ち
エレブーこそ不発に終わったが、汎用的な選出をもって、概ね想定通りのコースをなぞることが出来た。
この瞬間、管理人の本大会優勝が確定した。
奇しくも、最後は現在管理人の中で最もアツいガチコンセプトである、「令和カビガラポリ」系統のパーティで締め括ることが出来た。
改めて、この錚々たるメンバーの中で、
しかもBO3・ダブルイリミネーションという、より実力が反映される試合形式において、
優勝出来たというのはこの上なく嬉しい。
1戦目に117氏、2戦目にけつばん氏、というマッチングになった時は、正直キレそうになったが、
じゃあ誰だったら良かったかと言われると困り、つまるところ「全員強すぎ」というところに行き着く。
他の試合も途中で随時見させていただき、楽しませてもらった。
改めて、ここまでナイスゲームを繰り広げてくれた5名の方、
すべての参加者、そして何より企画・運営してくれたしのぶ氏に多大なる感謝を!
皆さんありがとうございました!!
戻る