「いや〜先生、すごくいい試合を見させていただきました。ありがとうございました!」
「みんな良かったね!ピジョット君どう?体験入学で来ていたけど、入る気になった?」
「それが・・・実は」
「どーしたの?」
「僕、さっきのヤドキングさんの試合を見て思ったんです。人にはそれぞれ、向き不向きがある、って。
  僕がいるべき場所はたぶん、ここではないと思いました。」
「やはりな・・・そんな気がしておったよ。」
「先生方には申し訳ないのですが、僕、もっと自分を出せる場所で頑張って来たいと思います!!」
「ワシらのことなど気遣うでない!ワシはな、一人でも多くの子が、
  最も自分が輝ける舞台に立ってくれればそれで良いと思っておるのじゃ。
  この予備校でワシのサポートをするというのは、あくまでただの、ひとつのやり方に過ぎん。
  ピジョット君も、卒業してから初めて輝いているヤドキング君の姿を見て、気づいたようじゃな」
「はい!僕、がんばります!ありがとうございました!」
「寂しいけど、がんばってー」
「実に合理的ですね。ボクも同じ鳥として、応援していますよ。
  ボクはピジョット君とは違って、もっぱらサポートが向いていると自覚しているので、このまま予備校でがんばらせてもらいますよ」
「引き続きよろしく!」

予備校物語
第37話 〜校長の一大決心・後篇〜

「ハクリューちゃん、イワーク君、ヨルノズク君。」
「はい!」
「ワシは気づいてしまったのじゃ。君たちはみんな、素早さ種族値70族じゃな?」
「ほんとだー!」
「70族というのは・・・パルシェンやエアームドも居る激選区じゃ。
  そのことは、君たちが一番、身をもってよく知っておるじゃろう」
「確かに。どうしても同速が多くなってしまいますね。」
「そこ!ワシが言いたいのはそこなんじゃ。どうじゃみんな、レベルを、ひとつ上げてみんか?」
「レベルを!?ウチらが、Lv.51になるってことですか??」
「その通りじゃ。Lv.51になれば、非常に頻繁に見るパルシェンやエアームドに確実に先制することが出来る。
  これはかなり大きいじゃろう。ついでに、不安定ではあるがバンギラスと同速になることも出来る。」
「実に合理的な手・・・ですが、そうすると、レベルがオーバーしてしまいます」
「もちろん。そこで、ワシがレベルをひとつ、落とすのじゃ。」
「校長先生が、レベルを!?」
「ああ。君たちがLv.51になる代わりに、ワシがLv.54になる。
  少々火力は落ちるがな、それでも君たちが激選区に先制出来るようになるメリットのほうが大きいと、ワシは思うのじゃ。」
「校長先生・・・そうまでして、あたしたちのことを・・・!(うるうる)」
「か、かたじけねぇ・・・!」
「これは、、、期待に応えるしかありませんね・・・(メガネクイッ)(セスジピーーーン)」
「実を言うと・・・ワシも、さっきのヤドキング君の試合をこっそり見ていて、気づいたのじゃ。
  いつまでもワシがLv.55であることが、必ずしも正解とは限らん、とな。
  それに、Lv.54とLv.51の編成というのも、アリかも知れんと思ったのじゃ」
「我々もまだまだ、生徒から学ぶことだらけですね、校長」

「あ!みんな帰ってきた!お帰りなさーい!」
「みんな、ただいま〜!」

「初めまして。」
「キミはだ〜れ?」
「さっきここに来たのだけど・・・なんでも、この予備校に入学したいそうなんです。」
「お!君はデリバードちゃんじゃな?あの伝説のポケモン、フリーザーと同じ属性じゃが、
  泥棒やメロメロで場を荒らすことが出来るので、そこを活かしたい。そうじゃろう!」
「す、、すごい!その通りです。よろしくお願いします!」
「やったー!女の子あたし一人しか居なかったから寂しかったんだよね。よろしくね♪」
「ええのう、ええのうwwww」
「あーあ」
「さぁ、早速今日の試合いきましょう!」



「あ〜〜!!校長先生、惜しい!!」
「クッッ、、、すまぬ、、ワシとしたことが・・・完全に立ち回りミスをしてしまった。。」
「校長にも、そういうことがあるのですね。」
「マリルリ君は今の試合、すごく良かったぞ!!光の壁を残してくれたおかげで、ワシがバンギラスに勝てるようになった!」
「光の壁を貼れる水ポケモンは、他にスターミーとゴルダックしか居ませんからね。これは良い活躍だね!」
「うん。今日もマリルリ君らしい試合だ!」
「私も早く試合に出られるよう、がんばりますね。」
「がんばろーね!」

つづく