「・・・何じゃ、話とは」
「校長、イワーク君が来てから、その後も試合を重ねてきましたが・・・近頃どうも上手く行きませんね。」
「ああ・・・そうじゃな。残す価値のあるものはログにしてあるが、
  まるで悲惨な負け方をしてしまって、即破棄してしまったログもここまで大量にある。」
「アリアドス君やヨルノズク君も入学してからもうそれなりになりますが・・・なかなか陽の目を浴びさせることが出来ませんね。。」
「ワシもここ最近、気にしておるところじゃ。。。予備校全体の雰囲気も、最近どうもどんよりとしてしまって、いかん」
「何か良い手は無いものなのでしょうか。。。」

「こんちはー、宅配便です」
「ご苦労。」
「こちらでーす。よろしくお願いしまーす」
「ありがとう。ご苦労さまー。・・・招待状か何かみたいですね。誰からでしょう?」
「(ガサガサ)おお、卒業生のキリンリキ君からではないか!」
「ほほう!・・・どれどれ、」
「・・・おお!試合に出るというのか!」
「しかも、キリンリキ君がエースに立つようですね!いやはや素晴らしい」
「あのキリンリキ君がのう・・・エースとは・・・感慨深いのう」
「いやー、これは見に行くのが楽しみですね!」
「わざわざこうして我々に試合観戦の招待状までくれるとは・・・ワシらはよい生徒を持ったのう・・」

予備校物語
第36話 〜輝ける未来のために・前篇〜

「さあ校長!いよいよ始まりますよ!」
「うむ!楽しみじゃのう」

「先生〜〜!!!」
「おおキリンリキ君!来たよ!久しぶり!」
「お久しぶりです先生方!お忙しい中わざわざ来ていただいて、ありがとうございます!!」
「何を言っておる。教え子の新たなる活躍をこの目で見届けない法は無いじゃろう。
  しかも、今回はエースだというではないか!」
「そうなんです!先生、僕、予備校に通っていたからこそ、今の僕があるんです。
  あそこで僕は、仲間たちとともに、いろいろなことを経験して、いろいろなことを学びました。
  その経験があったからこそ、今こうして、胸を張ってエースとして試合に臨めるんです!」
「何と頼もしい・・・流石は我が校の生徒第1号じゃ・・・!!」
「おっ!そろそろ準備じゃない?」
「はい!では、行ってきます!」
「がんばって!」







「素晴らしい・・・素晴らしい・・・何と素晴らしい活躍じゃ・・・!!!(感涙)」
「キリンリキ君・・・立派になったね・・・(感涙)」

「ふぅ。お疲れ様でーす!」
「おおおキリンリキ君!お疲れさま!すごいよ!!大活躍だったじゃん!」
「ありがとうございます!先生方が観戦して下さっていたので、僕も心強かったんですよ!」
「いやはや・・・キリンリキ君・・・ワシは君を教えた身として、誇りに思うよ・・・」
「先生、僕だけじゃないですよ。みんな、結構がんばってますよ。先生の見えないところで。」
「見えないところで・・・か。そうじゃな・・・」
「こうして親切に連絡をよこしてくれるキリンリキ君は、先生たちにとってはありがたい存在だよ。」
「・・・ワシも、たまには自分から卒業生の活躍を見に行ってみるか・・・。」
「それがいいですよ!みんな絶対喜びますよ。」
「実は、卒業後どうなったか気になっておる者が、何人かおってな・・・。」
「行きましょうよ。その時は僕も付き合いますよ。気になりますし」
「うむ。キリンリキ君。今日はとてもよいものを見せてもらったぞ!引き続きがんばってくれ!応援しとるぞ!」
「ハイ!ありがとうございました!!」

「あ!先生たち帰ってきたー!おかえりなさーい」
「お二人とも一体どこへ?」
「ああ、ちょっとね、ここの卒業生ががんばってるみたいだから、様子を見に行ったんだよ。君たちの先輩だよ」
「えー!ずるーい!ウチらも見に行きたかったなー」
「それなーーー」
「ハハ、ごめんごめんw 今度機会があったらみんなも連れてくよ。」
「(ふむ・・・。"先生の見えないところで" か・・・。)」
「なに考え込んでるんすか、校長」
「いや、すまん。何でもない。」

つづく