袋叩きダメージ一覧

特別なダメージ計算がされる「ふくろだたき」。
ほとんどのポケモンには1〜2程度のダメージしか与えられませんが、ラッキーには極めて有効となります。
特にラッキーが一線級として使われるリトルカップにおいては、強力なキラーとして使えるので、掘り下げて行きます。

ラッキーに与えられるダメージ一覧

まず細かいことはさておき、結論から行っちゃいましょう!
リトルカップに出場出来るポケモンそれぞれが、ラッキーに単体で与えられるダメージを、表にまとめてみました。
因みに、ラッキーのHPの理想値は44です。

攻撃種族名
(黄色は自身が袋叩きを覚えるポケモン)
乱数ごとのダメージ一覧 (1〜39の乱数/39、中央値は20)
0
1
0
2
0
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8
3
9
110ストライク
16
17
18
19
105クラブ
15
16
17
18
85サイホーン ドードー ポニータ
12
13
14
15
80イシツブテ カブト ヒメグマ ブルー
ベトベター マンキー ワンリキー
11
12
13
14
75サンド ブビィ マダツボミ
70ガーディ パラス
11
12
13
67トサキント
10
11
12
65クヌギダマ シェルダー
テッポウオ ドガース ヤドン ワニノコ
64ミニリュウ ヨーギラス
63エレキッド
60アーボ イトマル オニスズメ
ゴマゾウ デルビル ポリゴン
9
10
11
57ニドラン♂
56コラッタ
8
9
10
55イーブイ コンパン ディグダ
52コダック ヒトカゲ ヒノアラシ
50ウリムー カラカラ ナゾノクサ ニョロモ ネイティ
49チコリータ フシギダネ
7
8
9
48スリープ ゼニガメ
47ニドラン♀
46オタチ
45イワーク ウパー ズバット ニャース
パウワウ ヒトデマン ポッポ
41ロコン
6
7
8
40オムナイト タッツー タマタマ
ピチュー マグマッグ メノクラゲ メリープ
38チョンチー
35コイル ゴース ハネッコ バルキー ビードル
5
6
7
30キャタピー ヒマナッツ ビリリダマ
ププリン ホーホー ムチュール
5
6
25ピィ
20ケーシィ トゲピー マリル レディバ
4
5
10
コイキング
2
3
5
ラッキー
1
2

詳しい仕様は後述しますが、ひとまずこの表を参照すると、
例えばストライクの場合、16,17,18ダメージがほぼ等確率で発生することが分かります。
ダメージ計算の際は、中央値の17で考えておくのが無難と言えるでしょう。
例えば控えにストライク+エレキッドが居るという状態で、デルビルがラッキーに袋叩きを打てば、
それぞれ中央値を取ると17+11+10=38となり、およそ38前後のダメージを期待出来ます。
攻撃回数が増える分、いずれかが急所に当たる確率も高くなるので、
この中のうちどれかが急所に当たり、HP44のラッキーを一撃で倒せてしまう可能性もあるということですね。

ストライクが手持ちに居ないと大幅な戦力ダウンになってしまいますが、
それでも例えば、カラカラ+チョンチー+デルビルだと、中央値で9+10+7=26ダメージとなり、
少なくともラッキーのHPを半分削る、すなわち2発で倒すには十分足りています
しかも、ラッキーが鈍いを積もうが関係無い(詳細は後述)というのがかなり大きいですね。
逆に、ストライクが控えに居た場合、こちらが1匹倒されていて、残りがストライク+デルビルだけの場合でも、
中央値で17+10=27ダメージ程度と、十分な火力を発揮することが出来ます。
ストライク1匹で、攻撃力のやや低めなポケモン2匹分ぐらいの火力になる、と覚えておくと良いかも知れません。


なぜ、ラッキーに大ダメージを与えることが出来るのか?

通常のダメージ計算は、種族値・個体値・努力レベルと、ランク変動などの要素から計算された、
「攻撃実数値」「防御実数値」を参照して計算がされますが、
袋叩きの場合、これが「攻撃種族値」「防御種族値」のまま計算されます。
個体値や努力値、ランク変動も壁も無意味なのです。

つまり、攻撃種族値110のストライクがこの技を打つ場合、攻撃実数値がそのまま110で計算されます。
通常、Lv.5のストライクの攻撃力は20が理想値なので、この5倍以上の攻撃力を得られることになります。
一方、ラッキーの防御種族値は5なので、防御実数値も5で計算されます。
通常、Lv.5のラッキーの防御力は10が理想値なので、更に嫌な音でガクッと下がったのと同じ状態というわけですね。
これが、たとえ威力がたった10しか無くても、ラッキーに与えるダメージが大きくなる仕組みです。
それでも、ただ防御が低いだけの脆いポケモンだったら、他の技で普通に殴った方が大きなダメージが期待出来ますが、
HPが異常に高く、硬いラッキーに対してここまで有効というのが、かなり大きいですよね。

これは逆に言うと、ラッキー以外のポケモンに対して雀の涙程度のダメージしか与えられない説明にもなります。
例えばストライクの防御種族値は80、つまり防御実数値80でダメージ計算されます。
これがどういうことかと言うと、防御5のラッキーよりも16倍硬いということです。
ラッキーのほぼ1/16のダメージしか与えられません。結果、1とか2ダメージです。
防御が低いムチュールですら、種族値15と、ラッキーの3倍はあるので、
ラッキーの1/3程度のダメージしか与えられないということになります。
実数値に換算すると、種族値が2倍あれば単純に2倍になる、という計算には普通はならないのですが、
袋叩きの場合のみ、そういう計算が出来てしまうということですね。


詳細な仕様

袋叩きは、「試合に選出されたポケモンが全員、攻撃に参加する」という極めて特殊な仕様があります。
打つポケモンだけでなく、控えに居るポケモンもダメージに影響して来るというのは、
後の世代を含めても、なかなか無い技なのではないでしょうか。
たとえストライクが袋叩きを覚えることが出来なくても、
ストライクを控えに置いておいて、別のポケモンで袋叩きを使うことで、ストライクも攻撃に参加出来るというわけです。
したがって、この技を使う際には、控えポケモンもなるべく攻撃力が高いポケモンを選んだ方が良いということになります。

これに加え、「瀕死や状態異常のポケモンは攻撃に参加出来ない」という仕様があります。
控えが2匹とも戦闘不能で、袋叩きを打つポケモンも状態異常になっている場合、ダメージが0ということになります。
枚数を減らしてからラス1のタイマンのような状況で使っても弱いということですね。
袋叩きを有効に使うには、なるべく試合序盤が良いということになるでしょう。

単発の威力は10、技タイプは悪ですが、属性の影響を受けません。
ただし、あくまで悪技なので、ミラーコートでは跳ね返せるようです。
また、種族値を参照するという仕様上、攻撃/防御ランク変動や、光の壁の影響もありません。

連続攻撃の仕様に関しては、ミサイル針などと同じで、
金銀では1発ごとに急所判定がありますが、命中判定や、王者の印判定は1発分しかありません
後の世代では、王者の印+袋叩きのコンボが有効らしいですが、金銀では意味が無いことになります。
攻撃の途中で身代わりを破壊したら、以降はそのまま本体に直接ダメージを与えることが出来たり、
ミラーコートに対しては最後の1発分しか跳ね返されない、と言った点も他の連続攻撃と同じ。
地味に、金銀においては、唯一の特殊技の連続攻撃だったりします。

ダメージ計算自体は、攻撃/防御種族値で計算がされますが、あくまで特殊攻撃なので、
リフレクターで返せず、ミラーコートで返せるという点に注意しましょう。
返したところで1発分なので、ろくなダメージになりませんが・・・。


2000でハピナス相手には使えない?

この理屈なら、2000ルールにおいて、ハピナス相手にもそれなりのダメージが期待出来そうです。
ハピナスも防御種族値が10しか無いので、控えにバンギラスやカイリキーが居る状態で、
ヘルガーなりニドクインなりで袋叩きをすれば、それなりのダメージになるかも知れません。
しかし・・・、実際計算してみると分かるのですが、攻撃力最強のバンギラスをもってしても、ダメージは60程度。
たとえこれが3匹分集まったとしても、HP361のLv.50ハピナスを、半分しか削れません。
実際はもっと攻撃種族値の低いポケモンが集まるので、3匹がかりでもハピナスを半分も削れない計算になります。
これはやはり、ハピナスの防御種族値10というのが、それだけでもラッキーの2倍あるというのが大きく影響しています。

実際、Lv.50ラッキーで計算すると、対ハピナスの2倍の、120前後のダメージを与えることが出来ます。
例えばヘルガー+フシギバナ+カイリキーのような選出の場合、
HP356のLv.50ラッキーにはトータルでおよそ260程度のダメージを与えることができ、十分な火力と言えます。
結局、ラッキーとハピナスの時点で既に耐久力に2倍もの差が付いているのがとても大きいです。
6匹分が攻撃に参加することが出来れば、単純計算でその倍近くのトータルダメージを与えられるため、
手持ち6匹全員がバトルに参加出来る、海外で主流のOUのようなルールでは対ハピナスにも使えるかも知れませんが、
あくまで3匹の選出制限がある2000ルールでは、やはり対ラッキー専用の技と言えそうですね。


攻撃時のメッセージと、情報公開について

実際、袋叩きで攻撃する時には、どういうメッセージが出るのか?
気になるのは、攻撃に参加するこちらの控えポケモンが誰なのか、相手にバレないかどうか、という点です。
まずGB/VC版の実機では、「○○のこうげき!」「△△のこうげき!」というように順にメッセージが表示されます。
つまり、攻撃に参加出来る、手持ちの控えポケモンの存在が相手にも割れてしまうことになります。
しかし、これは控えポケモンにニックネームを付けておくことで対策が出来ます
ニックネームが付いたポケモンはその名前で表示されるため、
あからさまにどのポケモンか分かるようなニックネームでなければ相手には分からないし、
逆にそこを突いて、敢えてストライクに「エレキッド」というニックネームを付けるというような、悪質な手も・・・!?
まさかニックネームがこんなところに影響を及ぼすとは、ビックリですね!

なお、ジムリーダーの城のPBSでは、攻撃に参加するポケモンの名前は表示されず、
連続攻撃と同じように、相手に与えたダメージのみが縦に並んで表示されます。
そのため、攻撃を受けた側も、相手の控えポケモンを特定することは出来ません。
ただ一応、1発ごとにいくつのダメージが入ったかは明確に見えるので、
そこから逆算して、相手の選出を推測するという、テクいことが出来るかも・・・!?
これは、実機でも同様のことが言えますね。
相手のHPは見れませんが、自分のHPは正確な値が分かるので、そこから推測は出来なくはなさそうです。
最初に貼った表を、ある程度頭に入れておくと、ちょっとだけ良いことがあるかも知れませんね。


なぜ、そんな変な仕様になったのか?

これはあくまで推測の域を出ない、勝手な予想ですが、「データ容量の都合上、仕方なく」なのではないかと考えられます。
控えのポケモンも攻撃に参加するという仕様上、ダメージ計算の際にたくさんの値を参照しなければならなくなります。
ポケモンの種族値・個体値・努力値・レベル・・・といった情報を、
普通なら攻撃を打つ側と受ける側の数値で計算して決定するところですが、
袋叩きの場合は、攻撃側は控えポケモンの数だけそれが増えることになります。
手持ちが6匹居る場合は、通常の6倍の量の変数を参照しなければなりません。
ご存知、ポケモン金銀はマップやグラフィック等において、
至るところで容量削減の工夫が見え隠れし、いかに当時の制作が容量とのギリギリの勝負だったかが窺えます。
袋叩きも、そこを削減するため、種族値・レベルという2変数のみを参照するような仕様にしたのではないか?
と考えるのが自然なのではないでしょうか。


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