専用アイテム
<全般論>
特定のポケモンに持たせた場合にのみ発動するアイテム。
すべて、そのポケモンが持っている限りは一切無効化されることは無く、必ず常に効果が発揮される。
元々がそのポケモンでないと効果が発揮せず、変身でそのポケモンに姿を変えても、そのポケモンの専用アイテムは発動しない。
長ネギとラッキーパンチに関しては、特定のポケモンに持たせることによって「急所ランクが+2(25%)固定になる」という効果を持つが、
これは第3世代以降と異なり、急所ランクが2段階上がるわけではなく、+2固定になってしまうという点に注意。
どんな技でも25%で急所に当たるが、それは元々25%で急所に当たる切り裂く等でも同じで、
この急所率がここから更に上がるわけではない。
これに対してピントレンズは、持たせたポケモンの急所ランクが「1段階上がる」という効果なので、
切り裂くを使った場合急所率が約33%となり、むしろそちらの方が高い急所率を出すことが出来る。
専用アイテム全般の傾向としては、使えるポケモンが限られているだけあって、その効果はどれも強力であり、
そのポケモンを使うからには専用アイテムがマストとなることが多い。
それどころか、専用アイテムありきで評価されているというポケモンすら存在し、
そのようなポケモンは、強力な武器を手に入れる代償として、致命的な弱点が2つ生じる。
1つ目は、食べ残しや奇跡の実と言った、他の優秀な道具を持たせられないという点。
特に、奇跡の実・薄荷の実を持てないということは、状態異常を治すことが出来ず、
眠るを使えば治せるものの、寝言を持たない限り完全に素眠りになってしまうということになる。
このため、耐久力が著しく落ちる結果となる。
2つ目は、強さの大部分を道具に依存しているため、泥棒で奪われてしまうと一気に弱体化してしまうという点。
泥棒した側は、自身がそんな道具を手に入れても何の特にもならないが、
それ以上に相手にその道具を失わせて損をさせることのメリットが尋常でなく大きいため、非常に有効な対策となる。
ふといホネ
カラカラおよびガラガラに持たせた場合に、常に物理攻撃力が2倍になる。
ガラガラの攻撃種族値は80であり、地面ポケモンとしてはハガネールやヌオー(85)、ニドクイン(82)にも劣る。
しかし、この道具を持たせることで、Lv.50ならば種族値換算で約210相当となり、
地面ポケモンで攻撃種族値最強のサイドン(130)を優に超える火力となる。
その火力は、素の地震でも同レベルのカビゴンをほぼ2発、
岩雪崩でレベルが上のサンダーを2発、ファイヤーを1発、目覚めるパワー蟲でナッシーを1発で倒せるというほど。
更には、ガラガラは剣の舞や腹太鼓でここから更に攻撃力を上げることまで出来るため、
あらゆるポケモンを簡単に一撃で倒す火力を手に入れることが出来る。
また、進化前で、攻撃種族値50のカラカラですら、同様に種族値換算すると約150程度に化け、
未進化ポケモンでありながら、これもサイドンを超えるほどの火力になっている。
この道具を持っているだけで常に剣の舞を1回分使っているようなものなのだが、
第4世代以降と違って金銀には強力な火力アップアイテムがほとんど無い(属性強化アイテムと破壊の遺伝子ぐらい)ため、
その効果は相対的に他のあらゆる便利な道具の比にならないほど強く、
カラカラ・ガラガラはまず間違いなくこの道具の所持が大前提の上で考察・評価がされている。
なお、2012ルールではガラガラにこの道具を持たせることが禁止されており、カラカラには持たせることが出来るため、
進化前のカラカラがガラガラの攻撃力を超えることができ、それによって差別化出来るようになっている。
重要な注意点として、攻撃力の実数値が2倍となるため、ここから更に剣の舞や腹太鼓などで攻撃力を上げると、
能力値のオーバーフローやカンストを起こしてしまう場合がある。
GB・VC環境では実数値が1024になると0に戻ってしまい、それ以上は1からやり直しという計算になってしまう(オーバーフロー)。
特に、Lv.100の理想個体のガラガラの攻撃力は258であるため、この道具を持つと常に攻撃力が516となる。
ここから剣の舞を1回積むだけで攻撃力が1032になってしまうため、
ここから1024がマイナスされて、攻撃力がたったの「8」と計算されてしまい、極端に弱いダメージとなってしまう。
これを防ぐには、敢えてガラガラの攻撃個体値もしくは努力値を少しだけ抑え、255にしておく必要がある。
そうすれば、この道具を持たせた上で剣の舞を1回使っても、攻撃力はギリギリ1020に留まる。
また、2000ルールで関係あるLv.50-55であっても、剣の舞2回までは問題無いが、
3回目もしくは腹太鼓を使ってしまうと、オーバーフローで弱体化してしまうため要注意。
ポケスタ金銀・PBS環境では実数値が999で打ち止めになり、これ以上上がらなくなる(カンスト)。
(※PBSではカンストでなく、上記のオーバーフロー仕様で対戦出来るモードも用意されている。)
こちらは、オーバーフローとは違い、打ち止めになるだけで、弱くなるようなことは起こらない。
その代わり、GB・VC環境では出せた実数値1000-1023という値が出せなくなるため、
攻撃力の上限がやや低く、最大火力が少しだけ落ちることになる。
・代表的なログ
ガラガラ:剣の舞を1回積むだけでほとんどのポケモンを一撃
ガラガラ:剣の舞を積み切れば岩雪崩でエアームドすら一撃
ガラガラ:Lv.50でありながら眠った55カビゴンに後出しから倒せるほどの火力
ガラガラ:Lv.50でも全抜きを任せられる決定力
【2006】カラカラ:進化前でもサイドンを超える火力
でんきだま
ピカチュウに持たせた場合に、常に特殊攻撃力が2倍になる。
ピカチュウにのみ有効で、同系統であってもピチューおよびライチュウに持たせても無効であるという、
明らかにポケットモンスターの看板ポケモンであるピカチュウを優遇するための道具()。
この道具によって、ピカチュウは自身の進化後であるライチュウの特攻を超えることができ、差別化が可能となっている。
逆に言えば、ライチュウが参戦可能であるルールにおいて、ライチュウ不在のパーティにピカチュウを入れる場合、
差別化をするためにはこの道具が必須ということになる。
ピカチュウの特攻種族値は50だが、この道具を持たせることで、Lv.50だとこれが種族値換算で約150相当になり、
電気ポケモンで特攻種族値最強のサンダー(125)を超える火力となる。
ちょうど、カラカラ(攻撃種族値50)が太いホネで物理攻撃力が上がるのと同じ上昇のしかたである。
なお、金銀ファンシールールにおいては、ピカチュウの参戦は可能であるが、この道具の使用が禁止されている。
太いホネを持たせたガラガラとは異なり、未進化ポケモンだけあって元々の特攻は低く、
また特攻ランクを上昇させる技も覚えないため、オーバーフローやカンストを気にする必要はまず無い。
たとえ成長+バトンタッチを、この道具を持ったピカチュウに繋ぐ場合であっても、
2000ルールで使う最大レベルであるLv.55ならば特攻の実数値は888に留まるため、どちらにも引っ掛からない。
・代表的なログ
ピカチュウ:ゴローニャもスターミーも余裕の一撃
ピカチュウ:めざ氷でガラガラも余裕で2発
ピカチュウ:低レベルでもめざ氷で55サンダーを3発で倒すのは他の電気には出来ない
メタルパウダー
メタモンに持たせた場合に、常に防御および特防が1.5倍になる。また、変身をした状態でも効果は持続する。
第3世代以降とは異なる仕様なので注意。また、金銀にはスピードパウダーは存在しない。
物理・特殊両面において有効であることと、変身後も効果が続くという点から、
実質的にHPを1.5倍として換算することが出来る。
実際にはHPが変わるわけではないので、それよりも地球投げ等の固定ダメージに弱く、毒や宿木などの定数ダメージに強いことになる。
メタモンのHPは、Lv.50だと154、Lv.55でも168と、パルシェンより低いほどであり、
変身でHPはコピーされずメタモンのものがそのまま引き継がれるため、
残念ながらメタモンはそのまま変身しても、ほとんどの相手に対して耐久力で下回ってしまうため、不利なミラーマッチとなる。
しかし、この道具を持たせることで、HPを1.5倍換算すると、Lv.50だと231、Lv.55だと252まで上昇し、
逆にほとんどのポケモンの耐久を上回れるようになる。
これによって、変身したメタモンは「相手の攻撃は耐えつつ、こちらの攻撃で相手を倒せる」といった状況を作れる場合がある。
例として、Lv.50ナッシーは大爆発で同じ50ナッシーを確定一撃で倒すことが出来るが、
この道具を持って50ナッシーに変身した50メタモンは、逆に大爆発を確定で耐えることが出来る。
大爆発を耐えられるということは、そこから更に大爆発で別の相手を倒せば、1-2交換が出来てしまうという望みがある。
その他、細かいシチュエーションの想定などはメタモンの個別分析にいくつか記してあるため、参照されたい。
残念ながら、少なくとも一撃無し2000ルールにおいては、メタモンは滅多に使われるポケモンではないものの、
敢えて使う際には、このようにメタモンの性能が大幅に上昇する、この道具を優先的に持たせることになるだろう。
・代表的なログ
メタモン:パルシェンに変身することでバンギラスの岩雪崩も平気
メタモン:パルシェンに変身することで冷凍ビームをかなりの回数耐えられる
メタモン:リフレクターサポートで更に盤石な硬さ
ながねぎ
カモネギに持たせた場合に、常に急所タンクが+2固定となる。具体的には、全ての技が25%で急所に当たる。
全般論に書いたように、第3世代以降とは異なり、+2されるわけではない点に注意。
カモネギ自体が、少なくとも一撃無し2000ルールにおいては滅多に使われることが無いマイナーなポケモンであるため、
せっかく使うからには、他の道具に比べて比較的有用である、この道具を持たせる場合が多い。
特に侮れないのが、剣の舞で攻撃力を上昇させた時で、
剣の舞を1回積んだ状態で攻撃を急所に当てると、単純にいきなり4倍のダメージを叩き出すことが出来る。
具体例として、Lv.55カモネギが剣の舞1回+捨て身タックルを急所に当てると、55カビゴンを確定一撃で倒すに至る。
25%の確率でこれが実現出来るなら、それなりに夢もあるというもの。
また、急所は相手のリフレクターや防御力アップ、自分の攻撃力ダウンを無視することが出来るため、
リフレクター、鈍い、甘える等に対しても強行突破しやすくなる。
属性一致の恩返しや捨て身タックルと言ったまともな火力の攻撃技を、
25%という確率で急所に当てることが出来るのは、カモネギぐらいである。
なお、金銀ファンシーカップ等、カモネギがある程度まともに使えるルールにおいては、
ワンチャン急所に拘らなくとも、普通に奇跡の実や食べ残し等の強力なアイテムを持たせられる場合もある。
・代表的なログ
カモネギ:剣の舞を積んで急所に当てれば超火力
カモネギ:単発の捨て身タックル急所でカビゴンを追い込む
ラッキーパンチ
ラッキーに持たせた場合に、常に急所タンクが+2固定となる。具体的には、全ての技が25%で急所に当たる。
全般論に書いたように、第3世代以降とは異なり、+2されるわけではない点に注意。
進化後のハピナスには適用されないため、ラッキーはこの道具を持つことでハピナスとの差別化が可能となる。
逆に言うと、ハピナスを使用出来るルールにおいて、ハピナスを差し置いてラッキーを採用する場合、
独自性を見出すためにはこの道具を持たせることが必要不可欠ということになる。
しかし、この道具を持たせたところでハピナスとの差別化が容易に出来るかというと、そう簡単には行かない。
急所率を活かすには当然、どくどくや地球投げでなく、威力のある攻撃技を使う必要があるのだが、
まずラッキーの特攻種族値は35しか無く、ハピナスの特攻種族値75に比べて大幅に劣っている。
実数値にしてもおよそ2/3程度しか無く、2回に1回、すなわち50%程度の確率で急所に当てないと、
ダメージ期待率でハピナスを上回ることが出来ない。
例えばLv.50ハピナスは冷凍ビームでLv.55サンダーを倒すのに4発かかるため、
眠り続けるサンダーに対しては急所に当てる必要があるが、
これがラッキーになるとそもそも5発かかるため、1回急所に当たったぐらいでは結局サンダーを倒せない。
特攻の差がありすぎて、1回程度の急所では追い付けていないのである。
一応、1回の急所でハピナスの通常ヒット1回分よりは流石に上回るダメージを出せるので、
攻撃回数が1回しか許されないような場合に、成功率25%と6.6%の差を出すことは出来る。
特殊攻撃がダメなら物理攻撃ではどうかという考え方もある。
ハピナスでも鈍い+捨て身タックルや、丸くなる+転がるで物理攻撃で戦う型が存在する。
ラッキーも同様のことが出来るが、ラッキーの攻撃力は特攻と違い、ハピナスと5しか違わない。
そのため、特殊攻撃に比べてハピナスとの差は小さく、その分急所を活かしやすいと言える。
例えば鈍いを6回積んだLv.50ハピナスの捨て身タックルでは、素の状態のLv.50エアームドを倒すのに4発かかるため急所待ちになるが、
ラッキーでも同条件でやや高確率4発で倒すことが出来るため、急所での突破が現実的となる。
また、ハピナスもラッキーも、鈍いを積み切ったLv.55カビゴンを転がるで倒そうとすると、5発目を急所に当てる必要がある。
急所に当てることが必須となるならば当然、急所率で大きな差を付けているラッキーの方が倒しやすいということになる。
特殊攻撃に比べて物理攻撃ならばこのように、リフレクター・鈍い・甘えるのような、
対戦環境においてよく使われる防御手段に対して貫通出来るという利点も持っている。
ただし、これも実際には鈍い+捨て身タックルも、丸くなる+転がるも、
「準備さえ成功すればほぼ勝ち」というような状況がほとんどなので、
「この道具による急所率のおかげで勝ちを拾えた」というようなシーンに出くわすのは実際のところ難しいだろう。
最後に、この他にプレゼント(ポケスタ金銀以外での仕様)の急所を期待するという使い方もある。
プレゼントはここまでの攻撃技と違って、ハピナスが打ってもラッキーが打っても完全に同じダメージとなる。
そのため、単純に急所率が高い方が、その分ダメージ期待率は高くなる。
しかしこれも実のところ、恩恵は微妙である。
プレゼントという技は、威力が40・80・120の3段階に分かれており、それぞれ一定確率で発動するという仕様なので、
威力40が発動することもあれば、その倍である威力80が発動することもある。
ここで、威力40が発動した際に急所に当てることが出来ても、それは威力80相当にしかならない。
威力80は元々30%の確率で発動するため、この道具の25%分を加算したところで劇的に変わるわけではない。
しかも、プレゼントは有効な相手には一撃で倒せるほどのダメージを与え、
そうでない相手には痛くも痒くもない程度のダメージしか与えられないため、
その点から見ても、急所によってダメージが2倍になることそのものの旨味が薄いと言える。
強いて言えば、VC(GB)環境において、地面や毒ポケモン(ガラガラ、フシギバナ等)にプレゼントを打つ際、
通常ヒットで威力40なら35前後、威力80なら70前後、威力120なら105前後のダメージを与えることが出来るので、
これが急所に当たって2倍になれば、なかなかに有効な火力となるだろう。
もしかすると、一撃無し2000ルールにおける、この道具の最も有効な使い方がこれなのかも知れない。
なお、ハピナスの使用が禁止されている、リトルカップ・2012・城杯などのルールにおいては、
そもそもハピナスとの差別化を考える必要が無いため、
ラッキーを使用する際に、ピントレンズよりも優秀な火力増強アイテムとして自然とこの道具を持たせる選択肢が生じる。
カモネギと同じく、道具への依存度は低いため、他の道具を持たされることもしばしばある。
・代表的なログ
ラッキー:威張るを食らった状態で捨て身タックルを急所に当てるとそれなりの火力
ラッキー:鈍い6積み捨て身タックルを急所に当てると55サンダーを一撃
【リトルカップ】ラッキー:電磁波と併用でミラーに勝ちやすくなる
【リトルカップ】ラッキー:紙耐久相手なら素の捨て身タックルでも急所で一撃
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