その他のアイテム
はかいのいでんし
後にも先にも登場しない、金銀専用のアイテム。それゆえ、第2世代の対戦を語る上では欠かせない存在となる。
持たせたポケモンを場に繰り出した瞬間発動し、その瞬間この道具は消える。
発動したポケモンは攻撃ランクが2段階上昇(実質的に物理攻撃力がほぼ2倍になる)し、混乱する。
混乱持続ターン数は、ポケスタ金銀およびPBSでは通常の混乱と同じ1〜4ターンだが、
VCおよびGB環境では、何故か「直前に混乱していた味方のポケモンの残り混乱持続ターン数」が参照される。
味方のポケモンが直前に混乱していなかった場合、255ターン混乱し続けてしまうことになる。
ここでは基本的に、ポケスタ金銀およびPBSにおける仕様について考察する。
場に出した瞬間発動するため、通常の対戦では「この道具を不発で終わらせる」「泥棒でこの道具を奪う」という手段は一切存在しない。
ただし、この道具の効果はあくまで自分に対する混乱という状態変化と、攻撃ランクの変化なので、交代すればその効果はあっさり消えてしまう。
そのため、対策として吠えるや吹き飛ばしで相手を退場させてしまえば二度とこの道具による効果は発揮出来なくなる。
逆に、それを防ぐためには複数対決ではなくこの道具を持ったポケモンを最後の1匹に残しておくことが大切。
なお、発動後一瞬で道具が消えるため、そこから泥棒で相手の道具を奪うというコンボも存在する。
攻撃力が2倍になる代わりに混乱するということは、すなわち自身の混乱自滅ダメージも倍増するということであり、
分かりやすいハイリスクハイリターンアイテムと言える。
そのため、如何にこのリスクをカバーし、リターンを活かすかが、この道具の使い方の肝となる。
代表的な使い方としては、マルマイン等でリフレクターや光の壁を貼って大爆発で退場してから、
この道具を持ったポケモンを無償降臨させるという方法がある。
これによって、相手から受けるダメージを半減出来るため、少々混乱自滅で思うように動けなくても、
その間に相手に倒されてしまうリスクを軽減することが出来る。
また、リフレクターは自身の混乱自滅ダメージにも有効であるため、倍増された自滅ダメージを半減し、通常の混乱自滅ダメージに戻すことが出来る。
このような壁技は5ターン(壁を貼って大爆発するターンも考慮すると実質3ターン)というタイムリミットがあるものの、
混乱持続ターンにもリミットがあるため、壁の効果が切れる頃には、混乱も解けて自由に行動出来るという仕組みである。
この他、混乱している間にそもそも相手に自由に動かせないため、
相手を眠らせたり麻痺させたり混乱させたりした上で、この道具を持ったポケモンを繰り出すという手もある。
また、この道具は神秘の守りの効果を受けないため、混乱状態になること自体を防ぐことは残念ながら絶対に出来ないが、
この道具が発動したポケモンを、奇跡の実か苦い木の実を持ったポケモンにバトンタッチすることで、
それらの実を発動させて混乱を治すというコンボは可能である。
これは、混乱状態が実質的に永続するVC(GB)対戦においても使えるコンボである。
むしろ、VC(GB)環境においてはこの道具の混乱状態を治す数少ない手段であるので、より有用と言えるだろう。
この道具の有効な使い方は主に2種類ある。
1つ目は、シンプルにこの道具に依存し、相手を一撃で倒せるような超火力を得て全抜きを期待する使い方。
代表的なのがLv.55ケンタロスで、この道具が発動した状態で破壊光線を打てば、
50カビゴンや、55サンダー、55カイリキー、55ガラガラ等の重要どころがことごとく一撃で倒せるようになる。
これらに対し「先制で一撃」というのが重要で、相手の攻撃で一撃で倒されない限り、少なくとも2回は行動出来るということである。
混乱していても2回行動が許されるということは、「2回のうち少なくとも1回動けば勝てる」ということであり、
単純計算で75%の勝率が得られるということになる。
また、「先制で一撃」がもうひとつ意味するところは、「動きさえすれば敵からのダメージを一切受けない」ということである。
つまり、こちらが残りケンタロス1匹で、相手がまだ3匹残っていたとしても、そこから大逆転を狙うことが出来るということになる。
特に、低レベルのカビゴンやナッシー等を、爆破すらさせずに出オチさせられる可能性があるというのは極めて重要。
このように「先制出来る」というのが重要になるため、基本的には多くのメジャーなポケモンに先制出来る高い素早さと、
この道具によって様々な相手を一撃で倒せるようになるぐらいの高い物理攻撃力を持ったポケモンに向いていると言える。
もうひとつの使い方は、先発もしくは途中でこの道具を持ったポケモンを繰り出し、暴れるだけ暴れたところで一旦引っ込めるというもの。
例えば眠る+寝言で戦うヘラクロスや、耐性と大爆発の圧力でカビゴンや電気を流すハガネール等のようなポケモンは、
これと言って必ず持たせたい道具があるわけではなく、手持ち無沙汰になることがある。
そのようなポケモンにこの道具を持たせることによって、初動における火力を倍増させ、
役目を果たしたり失敗したりしたら一旦引っ込めてこの道具の効果を解除し、
以降は普通にいつも通りのヘラクロスやハガネールとして運用することが出来る、という使い方である。
これはこの道具の効果による崩しを大きく期待しているわけではなく、
あくまで冷凍ビームやのしかかり等と同じように追加効果によるワンチャン事故を期待しているという程度である。
因みに、VC(GB)版におけるこの道具の仕様を利用するには、
別のポケモンで相手の威張るや怪しい光を受けるか、暴れる等で自ら混乱状態になった上で、
自爆や大爆発で自主退場し、この道具を持ったポケモンを無償降臨させることで、
前のポケモンの混乱持続ターン数が引き継がれるため、数ターンで混乱解除が期待出来る、というテクニックがある。
・ケンタロス、ドードリオ、プテラ
この道具に依存し、多くのポケモンを先制一撃で倒せて全抜きを狙えるようになるポケモンの代表例。
ケンタロスは先述した例に加え、地震によって岩・鋼・ゴーストポケモンも楽に倒すことが出来る。
ドードリオはケンタロスより脆く、弱点が多く、素早さも少し低いという欠点を持つ代わりに、
攻撃力がケンタロスより高く、特にLv.55の破壊光線ならケンタロスと違って55カビゴンをも乱数一撃で倒せるという利点がある。
プテラはこれらと違い、強力な属性一致技を覚えないためカビゴンやスイクン等を倒すのは難しいものの、
目覚めるパワー岩+地震+飛行技の攻撃範囲で多くのポケモンの弱点を突くことができ、弱点さえ突けばことごとく一撃で倒せる。
また、ケンタロス等と違い、ノーマル耐性を持つため、一撃で相手を倒せなくても大爆発などを耐えられるという利点もある。
ケンタロス:相手の3匹が全員HP満タンの時ですら3タテを狙える
ケンタロス:本来不利であるはずの相手に有利を取れてしまう
ケンタロス:相手に枚数差を付けられても逆転出来る
ケンタロス:壁サポートを受けて混乱を凌げば運が悪くても勝ててしまう
ケンタロス:なるべく早く発動させることで混乱解除を早める
ケンタロス:この道具が邪魔な場合はローリスクな場面で出して即引っ込める
ドードリオ:この道具の有無を使い分ける
プテラ:眠り粉のサポートにより混乱のリスクを抑える
プテラ:当然うまくいかない時もある
プテラ:禁断のログ(PBSのみの仕様)
・リングマ
素早さが高いわけではないが、ドードリオ以上の更なる高火力を持ち、
Lv.55の破壊光線で55カビゴンや50パルシェンすら確定一撃で倒せてしまう。
地震で50ゴローニャを高確率一撃で倒せるのもケンタロスには真似出来ない。
ただしパルシェンには先制されてしまうため、上からリフレクターで耐えられたり、大爆発で巻き込まれてしまうのに注意。
・カイリキー
これも素早さは高くないが、適切に弱点を突くことでことごとく一撃で倒せるようになるという点はプテラと似ている。
特に、クロスチョップでカビゴンを一撃で倒せるようになるというのは特筆すべき点。
地震や岩雪崩などで攻撃範囲を広げても良いが、眠る+寝言で引っ込めてからも再利用出来るようにするのもアリか。
カイリキー:隙を見て途中で発動させて一暴れしてから引っ込める手もある
・ヘラクロス、サイドン、エアームド、ゴローニャ、ハガネール、バンギラス等
冒頭の解説に書いた後半の使い方をするポケモンの例。
初動の高火力で崩しを狙いつつ、無理そうなら引っ込めて通常の使い方に切り替えれば良い。
因みに、吠えるや吹き飛ばしと併用出来るポケモンは、これによって自分より素早い相手の吠えるや吹き飛ばしを防止することも出来る。
ヘラクロス:この道具に依存していない場合はいきなり発動させてから引っ込めても良い
・キリンリキ、エイパム、ブースター等
この道具を持ちながら、バトンタッチで奇跡の実か苦い木の実を持っているポケモンに継承して混乱を治すというコンボが可能。
そのためだけにバトンタッチ役を起用するのは理に適っていないので、
せっかくならばその攻撃力上昇を、自らも活かせるようなポケモンで使うのが望ましい。
ハッサムやヘラクロスに関しては、そもそもこんな回りくどいことをしなくても剣の舞で攻撃力を上昇出来るので、
剣の舞やヨガのポーズを覚えず、なおかつそれなりの物理決定力を見出せるポケモンということで、これらのポケモンが代表的な候補となる。
キリンリキは高速移動やド忘れを、エイパムは高速移動を、ブースターは身代わりを、それぞれ同時にバトンタッチ可能。
バリヤード:苦い木の実を持ったポケモンにバトンタッチして混乱を治して全抜き
キリンリキ:ド忘れと同時にプテラにバトンタッチして全抜き
キリンリキ:バトンタッチすると見せかけて自分で殴っても高火力を発揮出来る
アリアドス:ガラガラにバトンタッチすることで剣の舞を積む手間を省く
【ヒストリア2024】セレビィ:エースにバトンタッチすると見せかけて自ら殴る
・ダグトリオ、ニューラ、ペルシアン、ハリーセン、オニドリル、ヤミカラス、ラッタ等
その他、マイナーだが物理決定力と素早さはそれなりにあるというポケモンにこの道具を持たせることで、
「動きさえすればメジャーなポケモンを色々倒せるようになる」というワンチャンを得ることが出来る。
ヤミカラス:極論全て動けば2倍の火力になるためマイナーポケモンもワンチャンを得ることが出来る
オニドリル:睨み付けると併用で3倍の火力
エビワラー:急所に当てれば4倍の火力
エビワラー:ムウマの上を取れるポケモンなら一撃で倒しやすくなる
ハリーセン:どくどく+怪しい光型のムウマを起点に出来る
ペルシアン:ムウマの上を取れるポケモンなら一撃で倒しやすくなる
ニューラ:道具の威圧感でビビらせて相手に大爆発を使わせる
デリバード:一旦引っ込めてから泥棒を使う
ダグトリオ:むしろこの道具が邪魔になる場合は即引っ込めて解除する手もある
【一撃あり2000】カポエラー:この道具によって連続技で身代わりを貫通出来るようになる
・アンノーン
単体で使うならば、そもそもこの道具で無理矢理火力を増強しないと話にならないというポケモン。
物理タイプの目覚めるパワーを持たせ、この道具で2倍の火力を得た上で、弱点を突けばようやく多くのポケモンを2発で倒すことが出来る。
見せ球アイテム
対戦には全く意味の無いアイテムを敢えて持たせることで、相手に泥棒を使われて奪われた場合、
こちらは痛くも痒くもない上に、相手に精神的ダメージを与えたり、場を沸かせることが出来るという戦術である。
第5世代以降で、マイナス効果を持つ道具を敵から強制的に押し付けられるのを防ぐために、
メール系アイテムを持たせるという立派な戦術があるようだが、金銀にはそのような効果を持つ技が存在しないため、
まともな対戦においては無意味な道具をポケモンに持たせるメリットは全く無く、ハッキリ言って100%ネタの領域である。
自身にとって有効でありながら、泥棒対策もしたいという場合は、せいぜい属性強化アイテムあたりを持たせておけば良いだろう。
泥棒をよく使って来るメジャーなポケモンはエアームドぐらいなので、
エアームドはどくどくを食らわないという性質を利用して、毒消しの実を持たせるという手もある。
また、混乱によるリスクを気にしなければ、絶対に奪われることのない破壊の遺伝子を持たせる手も。
PBSではゼニガメじょうろや自転車などの「たいせつ」アイテムも持たせられるようになっているが、実機ではこれらは不可能。
一応、管理人の主観的にネタ度の高そうな道具を挙げておくと、
ラブラブボール、サイコソーダ、モーモーミルク、いかりまんじゅう、聖なる灰、穴抜けのヒモ、ヨクアタール、ピッピ人形、
リゾチウム、太陽の石、変わらずの石、アップグレード、みどぼんぐり、清めのお札、あたりだろうか。
なお、PBSで持たせられるアイテムの全貌については、こちらの記事にまとめられている。
持ち物なし
そもそもポケモンに持ち物を持たせないという選択肢も存在する。
これは見せ球アイテムとは違ってれっきとした戦略上の理由がある。
ズバリ、「いきなり泥棒で相手の道具を奪う、もしくはそれを警戒させるため」である。
理由はこの一点のみなので、逆に泥棒を覚えないポケモンを持ち物なしでエントリーするメリットは全く無い。
いきなり泥棒を使えるようになる道具としては、場に出した瞬間に効果が発動する破壊の遺伝子が存在するが、
混乱で動けないリスクはあるし、そもそも泥棒するポケモンが特殊ポケモンだった場合、完全にデメリットしか無くなってしまう。
この他にも、黄金の実や、眠る+薄荷の実でも、実を消費した後に泥棒を狙うことが出来るが、
「いつでもフレキシブルに相手の道具を狙うことが出来る」というのは、道具への依存度が高いポケモンにとってはかなりの圧力となる。
例えば太いホネに強く依存しているガラガラ等は、道具を持っていないポケモンを対面させるだけで引かせることが出来たりする。
それがたとえヤンヤンマのような貧弱なポケモンであってもである。
なお、ポケスタ金銀およびPBSでは、見せ合いの段階でお互いのポケモンが道具を持っているか否かを視認することが可能。
VC(GB)における通信対戦ではこれが出来ないが、通常オフ会等で対戦する際は、
お互いのポケモンの種族名・レベル・性別と同時に、持ち物の有無も申告した上で対戦するルールが一般的であるため、
「相手が道具を持っているか否かがそもそも分からない」という状態は通常の対戦では起こり得ない。
したがって、「道具を持っていると見せかけていきなり1ターン目から泥棒で奇襲をかける」といった戦術は使えず、
道具を持たせずにポケモンをエントリーした時点で、良くも悪くも相手に泥棒を警戒させることになる。
・エアームド、グライガー、アーボック、ダグトリオ、モンジャラ、ウソッキー、デリバード、ヤンヤンマ等
エアームドのようなメジャーなポケモンから、ヤンヤンマのようなマイナーなポケモンまで、この戦術はとられうる。
特に、他のポケモンとの差別化のために泥棒が重要となるポケモンほど、泥棒の所持率が高くなり、
必然的に相手も泥棒を警戒しやすくなるため、それがバレているのならば初めから持ち物を持たせないというのは理に適っている。
耐久力を活かせるポケモンならば、黄金の実や、眠る+薄荷の実ぐらい持たせても良いが、
ダグトリオやデリバードやヤンヤンマぐらいのレベルになると、黄金の実を持たせても救いようのない耐久だったり、
そもそも発動すらさせてくれずに一撃で倒されてしまうこともあるため、特に持ち物なしでエントリーした方が良い場合が少なくない。
例えばガラガラと対面した場合、ダグトリオは地震で、デリヤードやヤンヤンマは岩雪崩で一撃で倒されてしまうが、
その際に先制でいつでも泥棒で太いホネを奪えるという圧力があれば、それだけでガラガラにとっては大きな脅威となる。
因みに、このような「泥棒を使って来そうなポケモン」に関しては、泥棒を持たない型で使う場合でも、
敢えて持ち物なしにすることによって相手に泥棒を警戒させることが出来る。言うなれば「泥棒ファントム」である。
これによって、例えば嫌な音+地震ぐらいしか抵抗する術がないダグトリオでも、
「道具を持っていない」という事実だけで、ガラガラと対面させれば相手は泥棒を警戒して逃げて行くかも知れない。
通常ならば、泥棒を使うわけでもなければ何かしらの道具を持たせた方が良いのは当たり前なのだが、
このようなハッタリが役に立つことは決して無いとは言い切れない。
アーボック:いきなり泥棒で黄金の実を奪える
ヤンヤンマ:いきなり泥棒で黄金の実を奪って発動させたあと更に太いホネまで奪う
ウソッキー:泥棒を持っていないのに敢えて持ち物なしにすることで泥棒を警戒させる
・ポリゴン、エレキッド、ストライク、ケーシィ、ディグダ、ドードー、デルビル、タマタマ、ゴース他多数
リトルカップにおいては、黄金の実や木の実ジュース等の回復アイテムが極めて強力である。
そのため、それらを奪い合うために泥棒という技自体が他のルールよりも強力であり、
道具を持たせずにいきなり相手の回復アイテムを奪うという行為が強力であることも多い。
【リトルカップ】デルビル:回復アイテムを持っていそうな相手を狙う
【リトルカップ】ニャース:とりあえず誰に当たっても得なので適当に打つ
戻る