最終更新日:'25/5/29  最終チェック日:'25/5/29
我流・個別分析 <ハリーセン>

変態ポケモン図鑑はこちら


<概論>

クリスタル発売前の環境では、攻撃力が少し高い以外はほとんどの面でドククラゲに劣る相当な不遇キャラだったが、
クリスタルから撒き菱という極めて重要な技が与えられ、個性を発揮することが出来たポケモン。
ドククラゲと比較すると、ほとんど撒き菱のお陰で生きているポケモンと言っても過言ではないだろう。
幸いにも、他のメジャーな撒き菱ポケモンであるパルシェンやフォレトスと比べるとかなり異質な存在である。
まず毒タイプという優秀な耐性を持つ属性により、地震を持たない格闘ポケモンを受けることが出来る。
また、ヘドロ爆弾という、まともな属性一致物理技を使うことが出来るのも撒き菱ポケモンの中では唯一。攻撃力もそれなりにある。
そして、素早さは撒き菱ポケモンの中では最速である。
属性一致ヘドロ爆弾使いとして見た場合、ドククラゲ・モルフォンに次ぐ素早さでそれを打つことができ、その中では最も攻撃力が高い。
逆に攻撃面でも、ベトベトン・ウツボットに次いで高い火力でそれを打つことができ、その中で最も素早い。
反面、パルシェンにおける対ガラガラや、フォレトスにおける対カビゴンと言った、
超メジャー級ポケモンを受けることは出来なかったり、何よりも大爆発が使えないというデメリットは大きいが、
上記の独自性の魅力はなかなか侮れず、比較的マイナーな部類ではあるがガチで使用されることも稀にある。
対格闘の他には、水タイプによる耐性を活かしてパルシェンやスイクンを受け、起点にすることが出来たり、
どくどくに決定力を頼っているエアームドやムウマのようなポケモンも相手出来る場合がある。
特に、スイクンに圧倒的に強いというのはポイントのひとつで、
これを活かし、スイクンに弱いバンギラスのサポートとして組み込むことが出来たりする。


<実戦的ステータス>

タイマン性能■■■□□□□□□□ 出番の多さ■■■■■■■□□□
複数対決性能■■■■■■■□□□ 使い方の多様性■■□□□□□□□□
対カビゴン性能■■■□□□□□□□ 不利な相手への対抗力■■□□□□□□□□
対その他の一線級■■■□□□□□□□ 個人的総合評価■■■■□□□□□□


<優劣関係>

格好の餌スイクン パルシェン フォレトス キングドラ ツボツボ ハピナス
割と有利カイリキー エアームド ベトベトン ブラッキー ファイヤー
場合によるヘラクロス スターミー バンギラス ハガネール ナッシー ムウマ
割と不利カビゴン ガラガラ リザードン フシギバナ
天敵フーディン ライコウ サンダー ゲンガー ミルタンク ケンタロス


<防御面>

55食べ残し5550黄金の実50
50サンダーの10万ボルト微低確率1発微低確率1発確1確1
50スイクンの波乗り乱数7-8発乱数5-6発乱数5-6発確5
55ファイヤーのめざ草超低確率4発確4確4微高確率3発
50フシギバナの葉っぱカッター乱数5-6発超低確率4発微低確率4発確4
50カビゴンののしかかり確4微低確率3発中乱数3発確3
50カビゴンの地震微低確率2発高確率2発超高確率2発確2
50ヘラクロスのメガホーン乱数5-6発中乱数4発高確率4発確4
55カイリキーのクロスチョップ乱数5-6発超高確率4発超高確率4発超低確率3発
55ベトベトンのヘドロ爆弾乱数6-8発乱数5-6発乱数5-6発低確率4発
50エアームドのドリル嘴乱数5-6発高確率4発超高確率4発超低確率3発
バンギラスの岩雪崩超高確率3発確3低確率2発低確率2発
バンギラスの噛み砕く超高確率3発確3超低確率2発超低確率2発
50ナッシーのサイコキネシス確2確2超高確率1発超高確率1発


<技候補>

撒き菱コレが無いと流石に存在意義が危ういというレベルで必須中の必須技。
ヘドロ爆弾属性一致メイン技。特攻が低いのと、役割の関係上主にこちらがメイン。
ハイドロポンプ
波乗り
属性一致技だが、地面・岩・鋼に打つサブ技のような感覚で、必須というわけではない。
火力が無いので持たせるならハイドロポンプがオススメ。
鈍い素のヘドロ爆弾の火力はイマイチなので、コレでスイクン等を突破出来るようにする。
眠る格闘や水をちゃんと受け続けたい場合には必要な技。
寝言耐久は上がるが、撒き菱+攻撃技1本だけではどうしても不便なのであまり使われない。
黒い霧相手の鈍い、腹太鼓、影分身などを解除出来る。他の撒き菱ポケモンには出来ない技のひとつ。
堪える
じたばた
爆発が出来ないので、代わりに最後の抵抗をする技。
流石に素の火力はかなりしょっぱいので、ヘラクロスのような全抜きは期待出来ない。
吹雪
冷凍ビーム
水技と相性の良いサブ技だが、草にはヘドロ爆弾で充分。
サンダーを2発になったりもしないので、凍結狙いがせいぜいか。
凍える風むしろダメージは度外視で、素早さのサポートが出来るこちらの方が有用かも。
丸くなる鈍いを積んで来る格闘をガン受けする際に。転がるとのコンボも可能。
小さくなる
転がる
丸くなる+小さくなる+転がるの3段コンボを狙っても良いが、
技スペースを大幅に喰ってしまうので、単発の転がるもアリか・・・?
守る眠るの代わりに食べ残しと併用すると面白いかも。パルシェンの大爆発を狙ったり。
ミサイル針3回ヒットすれば同レベルのスターミーの身代わりをギリギリ壊せるという程度。


<型サンプル>

Lv.50 ヘドロ爆弾/ハイドロポンプ/撒き菱/鈍い@黄金の実

得意の撒き菱を撒きつつ、物理+特殊の両刀の属性一致技を持たせたオーソドックスな型。
概論に書いたように、カビゴンやガラガラと言ったメジャーポケモンに対して受け出せるわけでもないし、
大爆発で最低限1-1交換の仕事が出来るというわけでもないが、その代わり、
カイリキーやヘラクロスといった格闘ポケモン、スイクンやパルシェンといった水ポケモン、
そして素の火力はぬるく、どくどくにダメージソースを依存した、
エアームドやブラッキー、ムウマ、ハピナスのようなポケモンには強く出ることが出来る。
しかも、パルシェンやフォレトスより素早く、これらのポケモンの上も取りやすい。
繰り出したい対象が、スイクン・ヘラクロス・ムウマと、同速が多いので、
バランス編成で組めればLv.51振るだけでもかなり美味しい。
格闘ポケモンは、地震を持っていることも多いため、安易に後出しは禁物。
あくまでメインのクロスチョップやメガホーンの一貫を切る程度の感覚にしておこう。
属性一致のヘドロ爆弾+ハイドロポンプという組み合わせは、あのドククラゲと同じで、
ドククラゲのように高い素早さと剣の舞から決定力を出せるわけではないが、止まりにくいと言えば止まりにくい。
素のヘドロ爆弾でLv.53までのナッシーを確2、
鈍い+ヘドロ爆弾で50ハピナス確2、50スターミー超高確率2発、52カビゴン確3(先制も可)。
ナッシーに対しては鈍いを積んでしまうと、素早さ逆転した上にサイコキネシス一撃で返り討ちにされてしまうので注意。
ハイドロポンプでサイドン・ゴローニャ確1、55ガラガラ・ハガネール確2、51エアームド・52フォレトス確3。
特攻が低く、波乗りだと火力が無さ過ぎるので、基本的にはハイドロポンプが欲しい。
惜しむらくは、ハイドロポンプを以てしても、パルシェンの波乗りより少し火力が劣るという点である。
また、ガラガラは2発で倒せても、ハリーセンは地震を弱点としているため一撃で倒されてしまい、タイマンでは勝てないので注意。
鈍いの枠は眠る+薄荷の実に変更して、受けられるようにしても良いが、
鈍いを1回積んでも55カビゴンまでに先制というのはなかなか美味しい。
道具はもし余っていれば食べ残しを持たせることが出来たらそれに越したことはない。
どくどくを喰らわないという点で、食べ残しと相性が良いと言えば良い。
パーティ … フリーザーSA(2017)
ログ … ニョロボン受け
ログ … フリーザーエースのサポート
ログ … カビゴンエースのサポート
ログ … ウツボット受け


Lv.50 ヘドロ爆弾/鈍い/撒き菱/眠る@薄荷の実

水ポケモンとしての矜持を捨て、一部の格闘への受けなどに徹した型。
2000年代では比較的普通にこのような型が使われることもあった。某氏によってこちらのような記事も作られている。
撒き菱役としては、パルシェンやフォレトスと違って大爆発で使い捨てが出来ないので、
逆に眠るでしっかりと受け役割を遂行するというのは、ハリーセンの生きる道のひとつと言えるかも知れない。
格闘ポケモンが地震を打って来たら一溜りも無いが、
例えばクロスチョップ+岩雪崩+目覚めるパワー蟲orゴーストのような攻撃範囲のカイリキーや、
メガホーン+目覚めるパワー格闘のような攻撃範囲のヘラクロスはある程度受け続けることが出来る。
ただしヘラクロスとは同速なので、やはりレベルは出来れば51あった方が望ましい。
同レベルのヘラクロスのメガホーンでハリーセンは確4なので、
同速で眠るのターンがズレたりすると、受け続けられずに倒されてしまうことがある。
また、これらのポケモンが鈍いを積んで来ても対応出来るよう、こちらにも鈍いを持たせている。
攻撃よりもどちらかと言うと防御的な理由での鈍いである。
ここは代わりに、素早さの落ちない丸くなるにするという手もあるが、
攻撃力が上がらないため、ヘドロ爆弾で相手を倒せなくなってしまうというデメリットがある。
なお、攻撃範囲に関しては、ヘドロ爆弾1本だと一見攻撃範囲が狭そうだが、
実際の対戦環境では、鋼や地面ポケモンが不在の3匹の選出というのは意外と多いので、
場所さえ間違えなければそこそこ一貫性を持つことが出来る(カビゴン+パルシェン+サンダー等)。


Lv.50 ヘドロ爆弾/ハイドロポンプ/目覚めるパワー格闘/撒き菱@破壊の遺伝子

ハリーセンと言えば上記のどちらかがほぼテンプレ、という状態のまま20年近くの時が経ち、
開拓も特にされないまま迎えた2020年、某氏が遂に爆誕させた令和の新世代ハリーセン。こちらのログ参照。
Lv.50の破壊の遺伝子持ちというのが数値としてあまりにも絶妙に美味しいところを突いていて、
ヘドロ爆弾で50カビゴン・55サンダー・55カイリキー・55ケンタロス等の水準をことごとく高確率2発、低レベルのナッシー・メガニウム確1。
今書いた全てのことを、同じタイプのドククラゲには逆立ちしても真似出来ない。
つまり、撒き菱を持たせずしてドククラゲとの差別化が比較的容易に出来てしまうという、ハリーセンにとっては革命的な型である。
とは言え、撒き菱というのは極めて強力な技であり、
また電気ポケモン等に流されてしまった場合はすぐに破壊の遺伝子は解除されてしまうため、
以降も普通の使い方が出来るようにするためには、やはり撒き菱は持たせるに越したことはない。
目覚めるパワー格闘はバンギラスへのキラーとなるが、他の岩や鋼ポケモンには基本的にハイドロポンプの方が効き、
50カビゴンにはヘドロ爆弾でも火力が足りているので、この枠は破壊の遺伝子解除後用に鈍いなどでも良いかも知れない。
ただ、50カビゴンが食べ残しを持っている場合、ヘドロ爆弾ではやや低確率2発となってしまい、これがめざ格ならやや高確率で倒せる。
せっかく攻撃力を上げるのなら、堪える+じたばたを持たせるのもアリかも知れない。
破壊の遺伝子+最大威力のじたばたで、50カビゴン等は残念ながら倒せないものの、
50カイリキー、50めざ蟲ガラガラ、50めざ氷サンダー、50めざ草ナッシー、50ギャラドス、51ライコウ、51フシギバナ、
52ヘラクロス、52リザードン、54スターミー、55サンダースあたりを全て一撃で倒すことが出来る。
特にカイリキー、ガラガラ、フシギバナ等には先制も出来るためチャンス。ヘラクロスとは同速である。
ただし、じたばたは肝心の破壊の遺伝子が解除されてしまうとかなり貧弱なので注意。
素早さはやはり激戦区なので、Lv.51で使えると更に美味しい。


Lv.51 ヘドロ爆弾/ハイドロポンプ/目覚めるパワーゴースト/撒き菱@破壊の遺伝子

更に時を経て、2020年代、環境にどくどくを持ったムウマが激増してからは、このような型が有効になった。
破壊の遺伝子+目覚めるパワーゴーストでムウマを当然余裕の2発。
しかも、どくどくを喰らわないので、どくどく+怪しい光型のムウマは完全に起点にすることが出来る。
ついでに冷凍ビーム+プレゼントという攻撃範囲のハピナスもド起点にすることができ、
いわゆる「ハピムウマ」の組み合わせを蹂躙出来るという点で大きな価値がある。
これに関してはドククラゲでも同様のことが出来るが、
やはり上記の破壊の遺伝子+ヘドロ爆弾の火力は真似出来ない。
パーティ … カビゴンポリゴン2WA(2023)
ログ … 破壊の遺伝子+ヘドロ爆弾でパルシェンに打ち勝つ
ログ … 目覚めるパワーゴーストでムウマを起点に
ログ … 破壊の遺伝子+ミサイル針でバンギラスへそこそこの打点


Lv.50 ヘドロ爆弾/波乗り/撒き菱/黒い霧@黄金の実

2011年の大会で某氏が使っていた型。黒い霧もパルシェンやフォレトスには真似出来ない。
対カビゴンもそうだが、他に鈍いカイリキー等に対しても、こちらで鈍いを合わせずとも黒い霧で解除するという手がある。
その他、腹太鼓カビゴンや、影分身戦術に対しても有効なのは言うまでもない。
特に、身代わり+影分身のような戦術の起点にされにくくなるという点は馬鹿に出来ない。


Lv.55 ヘドロ爆弾/鈍い/眠る/寝言@毒バリ

エースで使ってみた場合。撒き菱ももちろん良いのだが、物理攻撃力でドククラゲと差別化出来るため、更に毒バリでパワーアップ。
鈍い+ヘドロ爆弾では50カビゴン・55サンダー・55カイリキー等を残念ながら超低確率3発でしか倒せないのだが、
毒バリを持たせることでこれがことごとく高確率3発、すなわち鈍いを1回積むことで高確率2発で倒せるようになる。
ギリギリの高確率なので、もちろんこれは55ドククラゲには真似出来ない。
特に地震持ちの50カビゴンに対しては、鈍いを積むことにより地震を2発耐えるようになり、
なおかつ先制でヘドロ爆弾高確率2発になるため、タイマンで勝てるというのは大きい。
(基本的に食らいたくはないが、鈍いを1回積めば一応自爆も約1/3の確率で耐えることが出来る。)
逆に地震が無く、のしかかり+鈍い+ねむねごような50カビゴンに対しても、
単純な殴り合いではお互い3発、かつお互い眠る+寝言なので、殴り合いで勝てる可能性が十分にある。
眠る+寝言と併用しているため、スイクンや地震の無いカイリキー等は完全に起点にすることが出来る。
ログ … 55ねむねごハリーセン
ログ … 55ねむねごハリーセン2


Lv.50 撒き菱/小さくなる/丸くなる/転がる@食べ残し

頑張ってください!応援しています!


<その他ルールの場合>

Lv.50 ヘドロ爆弾/ハイドロポンプ/撒き菱/鈍い@黄金の実
<対応ルール:一撃あり2000、城杯、2006、2012、ヒストリア2024等>

ハリーセンは他のローカルルール等でも基本的にやることは変わらない。
強いて言えば、攻撃力が比較的高いため、
対戦環境に合わせて、刺さる目覚めるパワーを持たせるのがアリという程度か。
特に、2006や2012ルールあたりでは、競合するパルシェンが使用出来なかったりコストが高かったりするので、
撒き菱を撒けるというだけで大きな需要がある。
特に2006においては、Cランクで撒き菱を撒けるポケモンは、全ポケモンで見てもハリーセンとクヌギダマのみである。


Lv.30 ヘドロ爆弾/波乗り/眠る/寝言@ピントレンズ
<対応ルール:金銀ファンシー>

ハリーセンは体重が軽く、金銀ファンシールールに出場することが出来る。
出場可能ポケモンの中では合計種族値がムウマに次いで2番目に高く、数値の暴力を奮うことが出来る。
そのため、撒き菱でサポートに回るのはむしろ勿体ないぐらいで、
ただただ数値に物を言わせてヘドロ爆弾と波乗りを振り回しているだけで十分凶悪。
素早さもかなり速い方で、Lv.30ならば低レベルのディグダやビリリダマまで抜くことが出来る。
ヘドロ爆弾で等倍のLv.25のポケモンは、大半を上から2発で倒すことが出来る。
エース同士の戦いでは3発かかることもあるので、寝言をやめて鈍いを積めるようにしても良い。
また、このままだと環境上位のムウマが壁となってしまうため、目覚めるパワーゴーストを持たせるのもアリ。
いずれにしても最上位クラスの活躍が出来るポケモンのひとつだと思って良いだろう。
パーティ … 【金銀ファンシー】ヤミカラスハリーセンWA(2009)
ログ … 【金銀ファンシー】シンプルに数値が強い


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