最終更新日:'20/7/30  最終チェック日:'20/7/30
我流・個別分析 ~デンリュウ~

変態ポケモン図鑑はこちら


~概論~

純電気ポケモンの代表格であるライコウに、全ての種族値で同じか負けてしまっているポケモン。
しかし、エレブーやライチュウと同じく手足を使った物理技が使えたり、
補助技も嫌な音や壁技を中心にバラエティに富んでいるため、技で簡単に差別化は可能。
また、そのエレブー達と比べると全体的に種族値で勝っているため、
攻守面ではライコウとエレブーを足して2で割ったような性能に近いかも知れない。
エレブーとの能力値の差の一例として、Lv.55の10万ボルトで55サンダーを超高確率3発、50スターミーを高確率一撃などがある。
耐久面では、Lv.55だと55カビゴンの捨て身タックルを高確率で2回耐えるのが非常に大きい。
一方、他のどの電気ポケモンにも負けている大きな弱点として、素早さの低さがある。
特にパルシェンに必ず先制されるため、対面からでも大爆発で道連れされてしまったり、
他にもメジャーな電気ポケモンでは先制出来て当たり前のようなバンギラスやヘラクロス等との交戦も厳しかったりする。
素早さ以外の能力値はかなり優秀なので、そのステータスと多彩な技を両立させた使い方をして行きたい。


~実戦的ステータス~

タイマン性能■■■■■■■□□□ 出番の多さ■■■■■■■□□□
複数対決性能■■■■■■■□□□ 使い方の多様性■■■■■■■■■□
対カビゴン性能■■■■■■■□□□ 不利な相手への対抗力■■■■■■■■□□
対その他の一線級■■■■■■■■□□ 個人的総合評価■■■■■■■□□□


~優劣関係~

格好の餌エアームド パルシェン スイクン フォレトス ゲンガー サンダー
割と有利スターミー ファイヤー ライコウ ブラッキー
場合によるカイリュー カイリキー フーディン ハガネール ミルタンク ナッシー ハピナス
割と不利フシギバナ ムウマ カビゴン バンギラス ヘラクロス
天敵ヌオー ガラガラ ニドキング サイドン


~防御面~

55食べ残し5550食べ残し50
55磁石サンダーの雷乱数5~7発超低確率4発超低確率4発確4
50スターミーの波乗り超高確率4発確4確4低確率3発
50パルシェンの冷凍ビーム乱数5~6発低確率4発中乱数4発確4
50ナッシーのサイコキネシス中乱数4発確4超低確率3発超低確率3発
55ファイヤーの大文字確3超低確率2発超高確率2発確2
55ゲンガーの冷凍パンチ乱数6~8発乱数5~6発乱数5~6発低確率4発
55カビゴンの捨て身タックル確3低確率2発確2確2
50カビゴンののしかかり低確率4発確4確4高確率3発
50ヘラクロスのメガホーン確3確3中乱数2発高確率2発
バンギラスの岩雪崩超低確率3発高確率3発確3確3
バンギラスの噛み砕く乱数5~6発超高確率4発超高確率4発超低確率3発


~技候補~

10万ボルト
属性一致メイン技。特攻種族値は立派に115あり、ライコウと同じ火力。
爆裂パンチ物理技候補1。電気技と非常に相性が良い。カビゴンを倒しやすいのが魅力
アイアンテール物理技候補2。嫌な音と併用し、幅広い相手に打てる高威力の技。
恩返し
のしかかり
物理技候補3。デンリュウは遅いので、特にのしかかりは麻痺が活きる。
嫌な音上記の物理技と是非併用したい。タイマンならライコウも簡単に倒せるようになる。
炎のパンチ特殊サブ技筆頭候補。エレブーと違って冷凍パンチは覚えないが、
コレによってハガネール、イノムー、ナッシー、フシギバナあたりに打点が入る。
エレブーの炎のパンチ・ライコウのめざ炎のどちらよりも強いのがポイント。
めざ氷他の電気ポケモンでもお馴染みの、電気技と相性抜群のサブ技候補。
更に爆裂パンチと併用させることによって、冷凍パンチ+クロスチョップのエレブーと
同じ攻撃範囲となり、なかなか止めにくいキャラとなることが出来る。
めざ水これも他の電気ポケモンと同様、草を諦めてハガネールやサイドンを意識する場合に。
眠る速度の遅いポケモンなので、必要性は高い。
寝言低レベルで使う場合、電気受け性能が怪しいのでコレで必死に誤魔化すことも。
電磁波電気ポケモンお馴染みの補助技。遅いポケモンなので自分の役にも立つ。
光の壁サポートの他、低レベルで必死に特殊受けをする際の自身の防御手段にも。
リフレクター光の壁と両方使われることもある。
神秘の守り電気ポケモンでコレを覚える唯一のポケモン。
電磁波で麻痺を撒きつつ自分は拒否出来るというのは面白い。
雨乞い電気ポケモンということで一応こういうことも出来るが、流石にこれはライコウの専門か
メロメロ電磁波と併用でストコン狙い?地味にライコウには真似出来ない。
綿胞子電磁波と違って、眠っているポケモンの素早さを下げられる、面白い技。
鳴き声リフレクターもあるが、一応相手の攻撃力を下げられる技として。


~型サンプル~

Lv.55 10万ボルト/炎のパンチ/爆裂パンチ/電磁波@奇跡の実

某氏が愛用し、デンリュウの代名詞ともなった型。オフ会での優勝実績もある。
この型の詳細はこちらのパーティの解説およびこちらの記事で詳しく触れているので参照されたい。
ざっくり言うと、広範囲に渡る攻撃と、それが通用しないところには電磁波によるサポートをし、
カビゴンやガラガラなど他の鈍足ポケモンの起点にしやすくするという狙いがある。
概論に書いたようにデンリュウ自身の種族値もなかなか優秀で、55カビゴンの捨て身タックルを高確率で2発耐えるほか、
攻撃面ではライコウと同じで10万ボルトで50スターミーを高確率一撃、55サンダーを超高確率3発、
そして炎のパンチで50ハガネール・50イノムー確2、50ナッシー超高確率2発というのが、電気ポケモンとしてはかなり偉い。
素早さが低いため、爆裂パンチの混乱は活かしにくいが、そこは電磁波で補いたい。
低いと言えども、低レベルのハピナスやポリゴン2あたりには先制することが出来る。50ブラッキーとは同速。
この攻撃範囲だと、地面の弱点を突くことが出来ないため、ガラガラやサイドン等に起点にされやすいという点には注意しよう。
パーティ … デンリュウSA(2014)
ログ … セミフル電磁波エース
ログ … セミフル電磁波エース2
ログ … セミフル電磁波エース3
ログ … セミフル電磁波エース4


Lv.55 10万ボルト/炎のパンチ/爆裂パンチ/眠る@食べ残し

眠る+食べ残しで受け役割を持って、長期戦にも対応出来るようにした型。
55デンリュウは食べ残しによって、55カビゴンの捨て身タックルを確実に2発耐えるようになる他、
ライコウやサンダーに対して受け出しが出来るようになったり、
50スターミーの波乗りも5発となるので、怪しい光などの無いサポート型のスターミーも受けられるようになったりする。
ライコウを突破するのは難しいが、サンダーなら10万ボルトさえあれば倒せるため、受けながら起点にすることが出来る。
炎のパンチの枠は、他の電気ポケモンと同様に目覚めるパワー氷にする手もある。
ライコウと同じ火力はあるので、低レベルのガラガラやゴローニャを超高確率2発で倒せる火力がある。
ナッシーの弱点を突けるのは炎のパンチと同じだが、威力が5落ちるせいで、2発で倒せる確率が4割程度になってしまう点に注意。
因みに、食べ残しを持たせて耐久型にしているが、眠ると併用するなら薄荷の実にしても良い。
パーティ … リングマオムスターデンリュウTA(2019)
ログ … サンダーを起点にしながら広範囲で崩す


Lv.55 10万ボルト/爆裂パンチ/嫌な音/眠る@食べ残し

嫌な音を持たせて、物理技の火力を伸ばせるようにしたタイプ。これによって、カビゴンやハピナスの倒しやすさが一段と上がる他、
泥仕合となりがちな対ライコウを、現実的に突破しやすくなるというのが魅力。
嫌な音+爆裂パンチでバンギラス・50ハピナス確1、55カビゴン・55サイドン・50ハガネール確2、50ライコウ中乱数2発。
物理技は爆裂パンチの他に、威力があり岩の弱点を突けるアイアンテール、
無難に攻撃範囲の広い恩返し、電磁波と同様に麻痺で素早さを補えるのしかかりあたりも候補。
嫌な音+アイアンテールでバンギラスの他、55サイドンも確2という馬鹿に出来ない火力がある。
また、50イノムーに至っては、撒き菱を1回踏めば素のアイアンテールでも超高確率2発となる。
嫌な音+恩返しで55サンダース・51ハピナス確2、50ライコウ・50めざ飛ガラガラ・50フシギバナ高確率2発、53カビゴン確3。
嫌な音+のしかかりで50カビゴン・55ライコウ高確率3発、51ナッシー確3。これでもライコウを突破するには十分な火力である。
この型の場合、炎のパンチがあれば楽々倒せたはずのナッシーやハガネールを倒すのがかなり難しくなる点には注意。
嫌な音を紹介したいだけなので、眠るは持たせなくても、炎のパンチ等を持たせてセミフル型にするのもアリ。


Lv.55 雷/爆裂パンチ/眠る/寝言@ピントレンズ

素眠りで大きく隙を見せるのが嫌な場合はこちら。寝言で試行回数を稼いで事故を狙おう。
この型だと一番命中率の高い技が70%になってしまうので、それが気になるなら10万ボルトでも。
磁石の無い55サンダーの雷は、食べ残し無しでもほぼ4発耐える。
炎のパンチも嫌な音も無いため、ライコウに受けられてしまう他、地面や草ポケモンには起点にもされかねないので注意。
低レベルのナッシーには先制出来るので、麻痺と混乱によるクソゲーで強行突破出来なくはないかも知れない。
因みに、地味に爆裂パンチの枠は炎のパンチにしても独自性を出せる。
この場合、カビゴンにかなり弱くなってしまうのが痛いが、サンダー等を起点にしつつ、ナッシーやハガネールを倒せるようになる。
寝言を持っている分、眠り粉ナッシーに強く出られるようになるという利点がある。


Lv.50 雷/光の壁/眠る/寝言@光の粉

低レベルで、必死にサンダーを受けながらサポートする型。
特殊耐久はかなり落ち、スターミーの波乗りですら先制3発で倒されたりするので注意が必要。
耐性を持つ55サンダーの雷さえ素の状態では厳しいので、こうして寝言+光の壁まで持つ必要がある。
それでも威張るを絡められるとあっさり突破されてしまうこともあるため、
これ1枚でサンダーをガン受けするというよりはむしろ、光の壁を活かして他のポケモンで起点に出来るような構築の組み方が良いだろう。
攻撃面としては、雷ならLv.50でも55サンダーをちょうど確定3発で倒せる。
見れば分かるが、一生ガラガラの起点にされるのでぐれぐれも注意。


Lv.50 10万ボルト/リフレクター/光の壁/眠る@薄荷の実

「マルチシールドデンリュウ」等と呼ばれ、昔そこそこ居たらしい型。
電気の中で壁を両方貼れるのは他にマルマイン・エレブー・ライチュウも居るが、
(※サンダーも両方覚えるが、光の壁を覚えるのがLv.60なので、2000ルールでは使えない)
その誰よりも特攻・耐久ともに優れているので、このような型で使うならデンリュウが筆頭に挙がる。
もっとも、「ダブル壁」という視点で見れば、大爆発が出来るマルマインにすっかりお株を奪われているが…。


Lv.50 10万ボルト/電磁波/神秘の守り/眠る@薄荷の実

状態異常とその対策が重要視される環境で使うなら、寧ろ神秘の守りを持たせるのが面白いかも知れない。
これは他の電気ポケモンは誰も真似出来ない。状態異常に弱いガラガラのサポート等にどうか。
地味に、「麻痺技+神秘の守り」を両立出来るポケモンは、他にカイリューやバタフリーなど非常に限られており、かなりレア。
サンプルでは、これを活かせる電磁波を搭載し、味方は状態異常を防ぎつつこちらからは麻痺を撒けるようにしたが、
これに拘らず↑の型のようにどちらかの壁を入れたり、炎のパンチや爆裂パンチ等のサブ技を持たせる手も。
持たせたい技が多いため眠るを抜きたくもなるのだが、鈍足なので回復が出来ないとかなり動きづらくなってしまうというのも実情。


Lv.55 10万ボルト/爆裂パンチ/メロメロ/電磁波@食べ残し

身代わりを覚えないためメロみがやいばみがのコンボは出来ないが、
裸でもメロメロ+電磁波によるストップコンボを狙うことは出来る。
サンプルでは更に爆裂パンチまで絡めてクソゲーの精度を上げられるようにしているが、ここは炎のパンチでも可。
♀でメロメロしたい場合、爆裂パンチ等の物理攻撃技を持っていなければ1FFF、持っているなら7FFFという個体値で使うと良い。


Lv.50 10万ボルト/目覚めるパワー氷/電磁波/眠る@薄荷の実

肝心な電磁波をライコウが覚えないため、こんな至って普通の型で使っても、地味に誰の劣化にもならない。
サンダースには素早さで大幅に劣る代わりに、それ以外の全ての能力値で勝っている。


Lv.55 雷/目覚めるパワー水/雨乞い/電磁波@奇跡の実

と言うことは、こんなことをしても許される。
素の目覚めるパワー水で51サイドン確1、50ゴローニャ高確率一撃、50ハガネール確2、50ガラガラ高確率2発、
雨乞い中のめざ水でほとんどの地面・岩・炎(55ファイヤーや55めざ格エンテイも)しっかり確2、バンギラスは惜しくも超低確率2発。
特に炎ポケモンには攻守一体となるが、逆に相手が日本晴れを持っていることも多いため、
後手で雨乞いを使っても、次のターンすぐに先制の日本晴れで上書きされてしまう危険性もあるため要注意。
しかし、そこで電磁波が活きる。奇跡の実を持っている炎ポケモンも多いが、
それを剥がし素早さ逆転さえ出来れば、逆に相手の日本晴れを雨乞いで上書きする立ち回りを狙える。


~大体どれにでも通用する対策~

他の電気ポケモンと違い、炎のパンチの所持率が高いためハガネールやイノムー、ナッシー等で受けるのは危険。
受けどころか、タイマンですら2発で負けてしまうこともある。
その代わり、水や氷技を持っていないことが多いため、地面や岩ポケモンで受け、あわよくば起点に出来ることが多い。
特にガラガラ、ゴローニャ、サイドン、ニドキングあたりは起点にして展開するチャンス。カイリューも悪くない。
ただし目覚めるパワー氷を持っていることもあるため過信は禁物。これはHPから所持が判別出来ないため、「気を付ける」しか無い。

エースの場合、爆裂パンチや嫌な音を持っていることも多い。
そのためカビゴン、ハピナス、バンギラス等であまり悠長に居座るのは危険。
これらで戦うなら、それぞれ地震やプレゼント(※ポケスタ金銀環境では無効)と言った有効打が必要。
爆裂パンチを考慮すると、ニドクイン・ニドキング・グライガーあたりはかなり優秀なデンリュウキラーと言える。
また、炎のパンチを持っていない型の場合、フシギバナやナッシーといった草でも起点に出来る場合がある。
他の電気と比べて圧倒的に遅いので、Lv.50のニドクインやフシギバナでも余裕で先制出来るのがポイント。
嫌な音+アイアンテールやノーマル技を食らうと意外な痛手となるが、
それすらも抑止出来る甘えるを持ったニドクインは、デンリュウキラー筆頭と言えるかも知れない。

同じ電気タイプであるライコウや甘えるサンダースは、デンリュウが嫌な音を持っていなければ、受けるだけなら可能。
デンリュウが眠るを持っていなければそのままジリ貧を狙えるし、
眠るを持っていても、素眠りまで持ち込めば他のポケモンの起点にすることが出来るだろう。

デンリュウが低レベルの場合、サポート技がメインとなり、サブ技を持っていないことが多い。
これはつまり、サイドンやハガネールのみならず、ガラガラですら起点に出来ることが多いということになる。
低レベルのデンリュウには確実に先制出来る、サンドパンあたりも起点にするチャンスだ。
電磁波の所持率が高いので、状態異常を食らいたくない草ポケモンやミルタンク、フーディン等は安易に出さない方が良い。

全般的に言えることはやはり素早さの低さで、これによってデンリュウよりレベルの高いカイリキーや、ヘラクロス、バンギラス、
また電気に弱いスターミーやファイヤーでさえ、デンリュウの残りHP次第では上から圧力をかけられることがある。
Lv.55ハイドロポンプシャワーズとLv.50の10万ボルトデンリュウの殴り合いの場合、
デンリュウはハイドロポンプ高確率2発で倒れ、シャワーズは10万ボルトで低確率2発となり、シャワーズが先制するため、
シャワーズがデンリュウに後出しした上で勝つことすらある。
素早さの面で最も致命的なのはLv.55でも50パルシェンに後手という点で、
他の電気ポケモンと違ってパルシェンと対面した際に一方的に倒せずに大爆発で道連れされてしまう。
ムウマにも後手であり、ライコウのように吠えるも無いため、ムウマの道連れに対しても同じことが言える。
ただし逆に、ライコウと違って電磁波が飛んで来る可能性がある点には注意だ。


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