「こういうときは、こうしてね・・」
「なるほど!すごい♪」

「パラセクト君、随分としっかりして来ましたね・・・!」
「マリルリ君たちが卒業してから、自分がしっかりしないとという自覚が芽生えたのじゃろう。
  元々、よく気がつく子じゃから、面倒見はいいはずなんじゃ。」
「校長、これはそろそろ・・・」
「うむ、ワシもそう思っておった。・・・パラセクト君!」
「はい!」
「君のこれまでの努力と成長を讃え・・・ガラガラ予備校からの卒業を認める!!」
「・・・本当ですか!??」
「僕も校長も、一致した意見だよ。胸を張って卒業していいんだよ!」
「やったあ!!ありがとうございます!!!」
「おめでとう!よかったね。」
「ほとんど入れ違いになってしまうけど、おめでとうございます!」
「おめでとう。パラセクト君との試合は、とてもやりやすかったよ。」
「みんなありがとう!先生、僕まだまだ出来ることがある気がするので、
  先輩たちみたいに、卒業してからも自分の可能性を探していろいろやってみます!!」
「素晴らしい!!それでこそ我が校の卒業生じゃ!!」

予備校物語
第51話 〜ニューフェイスたち〜

「こんにちは。」
「どちらさま?」
「お!君はハリーセン君じゃな?」
「おや?彼は?」
「この予備校が気になってな、体験入学をしたいと言って来たのじゃ。彼は撒き菱が撒ける、非常に貴重な存在じゃ!」
「一度試合に出てみて、自分の適性を確かめたいと思います。よろしくお願いします。」
「なるほど。よろしく。(メガネクイッ)」
「では、早速試合に出てみようか!キレイハナ君も、頼んだよ!」
「はい、がんばります!ハリーセンくん、よろしくね」



「あ〜、惜しい!」
「うわあ、ゴメンなさい!ボクがもうちょっと踏ん張って、サイコキネシスを耐えていたら・・・」
「気にしなくていいよ!そういうこともあるよ。」
「試合の流れは決して悪くなかったぞ!ハリーセン君も、なかなかの仕事をしておったのう」
「ありがとうございます。運良く、僕がそこそこやりやすい相手だったようです。」
「(自分を客観視出来ている・・・こやつ、なかなか侮れないな)」

「カビゴン君・・・ちょっと話がある。」
「はい。何でしょう?」
「実はな・・・この予備校も・・・そろそろ潮時かも知れん・・・。」
「え??校長、やっぱりどこか、お悪いところでも・・・」
「いや、そうではない。ワシの話ではないんじゃ。生徒が・・・そろそろ入って来なくなってしまいそうなんじゃ・・・。」
「なるほど・・・。そういえば、クラスを拡大して以降、新たに入学希望を出してくる人もめっきりと居なくなりましたね・・・。」
「振り返れば、結構な数の生徒を送り出すことが出来た。
  ここを必要としているようなポケモンも、もう一通りワシらが見ることは出来ておる。
  この場所が役目を終えるのも、そろそろなのかも知れんな・・・」
「しかし・・・正直なところ、今残っている生徒たちの卒業も・・・なかなか難しいところではないですか?」
「そうなんじゃ。あと一歩というところまでは行くのじゃが、なかなか・・・。
  それに、体験入学で入ってくれたハリーセン君は、どうも我々のサポートには合っておらんような気がしてのう。
  彼は客観的に自己を見つめることが出来るから、恐らく自分でそれに気づいて、
  ピジョット君の時と同じように、ここではなく新たな居場所を探すことになるのではないか、と思っておるのじゃ・・・」
「そうですか・・・。しかしそうするといよいよ、生徒が3人になってしまいますが・・・」
「そうなんじゃ。次の入学のめども、立っておらん。。。」

つづく