予備校物語
第47話 〜全てを出し切る瞬間〜

「なかなか、卒業できる人が出てこないね・・」
「最後に卒業したのって、だれだ!?」
「えーと・・・ウソッキー君まで遡るね。イワーク君が来る前の話だ」
「ひえっ!そんなに前なんだ・・・その頃からいるのって、ウチとアリアドス君とヨルノズク君ぐらいじゃない・・・?」
「随分と経つんだなあ」
「そういえば、休学中の生徒もいるって聞いたことがあるけど・・・」
「あー。いたな。キレイハナとかいう。どうなってんのかな」
「とにかく、早く誰か卒業できるようにがんばらないとね!」
「ま、ウチらずーっと一緒だったから、それはそれでちょっと寂しいけどね。」
「卒業しても離れ離れになるわけじゃないから、みんな仲良くしようね!」

「みんな〜、そろそろ試合の時間だよ〜。」
「さあさあ!卒業後の話をするヒマがあるなら、早く卒業できるよう修行するのじゃぞ!」
「先生、もしかして今回、俺の出番っすか」
「お!よく分かったのう。見極める力がついてきたようじゃな!パートナーは誰がいいかのう?」
「・・・パラセクト君だ。俺に力を貸してくれ!」
「お!オッケー!がんばろう!」
「(ぬぬぬ・・・今日のアリアドス君、いつもと違う目をしている・・・)」



「ぬおおおおおお!!!!2人とも素晴らしい!!!!120点!いや500万点じゃ!!!!!!!!」
「ブラボーーーーーーーー!!!!!!」
「すごーーい!!!めっちゃカッコイイ!」
「やー!サンキューパラセクト!お前のおかげで力を最大限に発揮できたぜ!!」
「ありがとう!!僕もアリアドス君を信用できたから、序盤のサポートに専念できたよ!」
「こ、これは・・・何という素晴らしいコンビネーションだ・・・
  痺れ粉に光の壁、そこからの高速バトン・・・
  蟲ポケモンとしてのそれぞれの得意分野を余すところなく完璧に発揮している・・・ッ!!」
「いや、それだけじゃないよ。今回レベル的にエースは僕だ。
  そこを利用して、敢えてエース抜きでLv.50の校長を裏のエースとして立てた・・・」
「そう!!そこなんじゃよ!!ワシは今回、何も言っとらん。アリアドス君が、そう決めたのじゃ!」
「すげぇ・・・これはあっぱれだ・・・!」
「はっ!もしかして、アリアドスくんが言ってた『やり残したこと』って・・・」
「校長・・・やりましたよ・・・!」
「うむ!やはりな。そうだと思っておったぞ!」
「そうか・・・!確かにアリアドス君は、校長ではなく僕をエースに立てて、クモの巣+バトンタッチで活躍していた。
  そしたら今度は校長をエースにして、高速移動+バトンタッチを・・・!」
「すごい・・・2通りのバトンサポートを成功したんだ・・・!!」
「・・・ゴホン。それではアリアドス君。君の、ガラガラ予備校からの卒業を認める!!!」
「ありがとうございます!!!もう何も悔いはありません!!」
「すごい!おめでとう!!」
「フッ、先を越されたか・・・致し方ない。おめでとう。」
「ブラボーーーーーーーー!!!!!!」
「今度は文句無しだね!アリアドス君・・・あれから随分と成長したねえ(感涙)」
「諦めなくて良かったです。先生方、ありがとうございました!みんなもありがとな!」
「パラセクト君も、非常に素晴らしい試合をしてくれたから、あと一息じゃぞ!」
「ハイ!がんばります!」
「はぁ〜、遂にこの時が来ちゃったか〜。寂しくなっちゃうなぁ」
「毒舌ツッコミ家がいなくなっちゃうと、キレが無くなっちゃうかもね。笑」
「いろいろあったけど・・・いざいなくなると・・・寂しいものだな。」
「はぁ、アリアドスくん・・・」
「遠くの世界へ行ってしまったんだね・・・」
「いい人だったのに・・・」
「もう、会えることはないのかなぁー・・・」
「草葉の陰から・・・僕たちのこと、見ててくれるかな・・・」
「オメーら勝手に人を殺すな!!!!一生卒業できなくなってしまえ」

つづく