「なるほど・・・そういうことでしたか。アリアドス君が・・・。」
「そうなんだ。それで校長も、困ってしまって・・・」
「先生、・・・今だから言えますけど、僕も正直、そうでした。。。」
「あっ、やっぱり。。。」
「ガラガラ校長は素晴らしい指導者だと思いますし、尊敬もしています。
  でも、必ずしもタイプや戦術の相性が、校長先生と合うとは限らないんですよね・・・。
  だから僕も、校長先生抜きで試合に出て、カビゴン先生のサポートをした時に初めて、これだ!と思えたんです。」
「アリアドス君にもそういう道を残してあげているつもりなんだけどね・・・。」
「・・・そうだ。先生、確かこの前、校長先生が、生徒のためにレベルを割いた、とおっしゃいましたよね?」
「うん。Lv.51になれば輝けそうな生徒がたくさん居たから、校長は自らのレベルを54に下げたんだ」
「それですよ先生・・・!!!」
「レベルを・・・?でも、アリアドス君は特にレベルを振っても大きな恩恵は無いと思うけど・・」
「そうじゃなくて。カビゴン先生。あなたのレベルですよ!!」
「・・・・ハッ、まさか・・・!!!」
「どうですか・・・!?」
「なるほど・・・考えてもみなかった・・・・!しかもそれなら、校長に負担もかからずに済むな・・・」
「負担?校長、どこかお悪いのですか・・・?」
「あ、いや・・・特別どこが、というわけでもないのだけど、最近、歳のせいか、少しご無理をされてるようで・・・。」
「そうだったんですね・・・。それならなおさら、カビゴン先生、あなたが・・・!」
「うん・・・!エイパム君、貴重な意見をありがとう・・!校長に相談してみるよ!」
「あっ、そろそろ時間だ。ウソッキー君に味噌バターラーメン誘われたんで、行ってきますね!」

予備校物語
第41話 〜起死回生の一手・後篇〜

「!!!妙案じゃ・・・妙案じゃぞカビゴン君!!!」
「実は、この案は・・・」
「エイパム君、じゃな?そうじゃろう?」
「!??どうしてそれを・・・」
「こういうのは身をもって体験した者から出てくる案じゃ。特に、ワシよりもカビゴン君、君と相性が良かった生徒からな・・」
「・・・さすがです。でも・・・本当にそれで、よろしいんでしょうか・・・?この僕に、レベルを・・・」
「構わん!むしろ、素晴らしい案じゃ!!ワシはたとえLv.50まで成り下がろうとも、
  みんなの活躍と成長が見られればそれでよい。それに・・・
  認めたくはないが、ワシにもだんだんと限界が近づいてきておることは、自分が一番よく分かっておる・・。
  ワシがいつまでもつまらん意地を張っておっても、それは生徒のためにはならん。
  カビゴン君、君ならまだ出来る!・・・頼んだ!!
  ・・・しかしエイパムめ、ワシが全く考えもしなかった案を・・・あやつ、やりおったな!」

「おーいみんな!ちょっと、大事な話があるんだ。」
「今日から試合の中では・・・全体のレベル編成も自由とする!!」
「レベル編成・・・?しかし、ボクらは既に、Lv.51に上げることを許してもらったばかりですが・・・」
「みんな、入学の時に目を通したはずの、ここでのルールをもう一度思い出してみい」
「・・・ガラガラ校長ではなく、カビゴン先生のサポートをしても・・・・・ハッ!!!」
「もしかして・・・カビゴン先生に、レベルを・・・!」
「その通り!!今まではな、ワシ抜きで、カビゴン先生のサポートをしても良いと、確かに謳ってはおった。
  だがな、それはあくまでエース抜きの、裏からの抜き筋じゃ。
  そうではなく、思いっ切りカビゴン先生にレベルを振ってしまい、それをメインの筋とすることも出来るのじゃ!!」
「・・・・!!!??」
「そうか!つまり、カビゴン先生と組みたい場合は、普通にカビゴンエース+サポメンの形で挑めるわけですね!!」
「そういうことじゃ。もちろん、ワシのサポートのほうが得意な者は、これまで通りワシが付き合うぞ。」

「・・・どうだい、アリアドス君。これで一度、やってみないか?」
「・・・・・・分かりました。」



「アリアドス君・・・!いいよ!いいよアリアドス君!!!」
「すごーい!やるじゃん!」
「へぇ〜・・・カビゴン先生のサポートだとこんなことが出来るんだぁ!」
「実はオイラも・・・ちょっとやりやすかった」
「みんな、ワシのことは気にするな。相性というものはあって当然なんじゃ。
  アリアドス君!君は今後も、存分にカビゴン先生のサポートとして活躍してくれ!
  これでもう、迷いは無いじゃろう??」
「うーん、まあ・・・まぐれかも知れないし、もうちょい様子見で。。」
「そうか・・・カビゴン先生はムウマやブラッキーが苦手。そこを大得意とするクモの巣バトン・・・(メガネクイッ)」
「よーし!これからは僕たちも、より相性の良い先生と組むことにしよう!」
「私は引き続き、ガラガラ校長のサポートをさせていただきますね。」
「お?いいのかのぉ?それで??ンッッフフフフフフwwwwwwwwww」
「あーあ」

つづく