予備校物語
第39話 〜あと一歩が遠い〜

「はぁ・・・」
「どーしたの?元気無いじゃん」
「いや・・・なかなか活躍できねーな・・・と思ってさ」
「アリアドスくん・・・」
「俺な・・・実は先生たちに、前もお世話になったことがあるんだよ。
  その時、一緒にトレーニングしてたもう一人のヤツは先生たちと相性ピッタリだったんだけどよ、
  どうも俺は、その時も上手くいかなかったんだ」
「なるほどなー」
「でも君は、それを変えるために、ここに来たんじゃないのか」
「だからこうして、いろいろ型も変えたりしながら、がんばってるじゃねえか。
  でも結局、大して報われてねえような気がしてならねえんだ・・・」
「そんなこと無いよ!同じ蟲ポケモンとして、一緒にがんばろうよ。いつか絶対報われるって、僕は信じてるよ」
「はぁ・・・よくそんな前向きになれるよな。俺には無理だ」
「うーん・・・これは闇深そうだね・・・」

「お。どうしたんじゃ、みんなしんみりして」
「次の試合の時間ですよー。イワーク君の出番だよ!」



「ウゥゥ〜・・・足りねぇ〜〜〜・・・・」
「イワーク君、惜しかった!確かに火力は足りなかったけど、
  岩雪崩でナッシーを怯ませるのは他のポケモンには出来ないことだよ!
  それに、実は先生も立ち回りミスをしてしまったし・・・。」
「なるほど・・・!Lv.50でナッシーに先制岩雪崩を打てる、唯一の岩ポケモンなのか・・・!これは勉強になる」
「ううむ。。。しかしこのごろ、ワシも随分と対策されてしまうようになって来たのう・・」
「校長ですら苦戦してるんだから、やっぱり俺なんて、無理なんじゃ・・・」
「アリアドス君、ちがうよ!そういう校長先生を逆転させるのが、僕たちの役目なんじゃん!」
「よく言ったパラセクト君!その通りだよ。そもそも校長が一人で全部できちゃったら、
  わざわざ予備校なんて開かないからね。君たちは、校長に必要とされているんだよ!ね、校長」
「そういうことじゃ。みんな、ワシを頼むぞ!」
「(頼むって言われてもなあ・・・)」

つづく