がまん
使用してから2-3ターンの間に敵から受けたダメージを、その後その倍にして返すカウンター技。
第1世代ではすべてのポケモンに対して有効であったが、金銀では普通のノーマル技であり、ゴーストポケモンには無効。
この技を使い始めてから1ターンもしくは2ターンの隙が出来てしまい、相手に対策を取られやすいため、
基本的には読み勝って攻撃を食らった瞬間に倍返し出来る、カウンターやミラーコートの方がよほど使い勝手が良いと言える。
そのため、それらの技を覚えるポケモンは、まずそちらが採用される。
この技は初代のポケモンならば、例外系以外全員もれなく技マシンによって覚えることが出来るため、
極めて多くのポケモンが習得出来るというのが何よりの強みか。
しかし、やはり相手がこの技を使ったのを見てから、
溜めている間に倒したり、身代わりを貼ったり、解かれた瞬間に回復技を使ったりと、後手で対策に回られやすいため、
思わぬポケモンが突然この技を使って来たとしても、奇襲効果はあまり高いとは言えない。
特に、後攻でこの技を使った場合に至っては、相手はそれを見てから1ダメージも与えることなく凌ぎ切ることも容易に可能である。
そのため、この技を使おうとするならば、まず先手を取って、
後手の相手が攻撃技を打って来るであろうターンを読んで使い始めることが基本的な最低条件となる。
更にその上で、1ターンですぐには返せず、2-3ターンの猶予が必要であるため、敵の攻撃をそのまま2-3回耐えなければならない。
この条件が実戦では極めて厳しく、有効に使えるシーンというのはかなり限られる。
しかも、2ターンで解かれるか3ターンで解かれるかもランダムであるため、博打要素まで孕んでいる。
カウンターやミラーコートと比べたこの技のメリットとしては、
まず物理・特殊関係無く敵からのダメージを蓄積出来るため、どのような攻撃技でも受け付けることが出来るという点がある。
それから、攻撃を食らってから跳ね返すまでに時間差があるということは、
裏を返せば、2発分・3発分の攻撃をまとめて跳ね返したり、
相手が攻撃を打った後にポケモンチェンジをしても、そのチェンジ先のポケモンにダメージを跳ね返すと言ったことも出来る。
例えば最長の3ターンこの効果が継続した場合、相手はその間攻撃技は打ちたくはないので、
時間を稼ぐことによって、敵の毒ダメージや、自分の食べ残し回復を稼いだりすることは出来るかも知れない。
なお、ジムリーダーの城のPBSにおいては、設定ミスによりこの技で溜めるターン数が1-2ターンとなっている。
これは極めて強力な仕様であり、この技を先攻で使った上で50%の確率で1ターンしか溜めなかった場合、
実質的にカウンター兼ミラーコートのような性能を発揮することが出来てしまう。
一応、それらの技と比べて、倍返しされるのはその次のターンであるため、
守るで防いだり、ポケモンチェンジで控えポケモンを犠牲にしたり、ゴーストタイプで無効化すると言った対策は可能である。
実機とは異なる仕様であり、強さも大幅に変わるため、この技の使用の可否は取り決めておいた方が良いかも知れない。
・プテラ、クロバット等
カウンターもミラーコートも覚えず、かつ極めて素早さが高いため先攻でこの技を使いやすく、
かつ素の火力はイマイチであるため、この技で大ダメージを与えることの恩恵は大きく、
かつメジャーな弱点が多いため、敵からのダメージも受けやすいという好条件が揃っているため、
比較的この技を有効活用しやすいというポケモンの代表例。
ただし、PBS仕様でもない限り、弱点を突かれて2発の攻撃で倒れる場合、結局溜めている間に倒されてしまうことになる。
例えば威張るや怪しい光と併用することで、1ターン目は攻撃を喰らい、2ターン目は混乱自傷してもらえば、
次のターンにこの技が解かれれば一撃で相手を倒せる、というようなチャンスは作れなくはないが、甚だしい博打ではある。
プテラがノーマルポケモンとの交戦において、お互い決定打が無く、眠るを持っていないプテラ側がジリ貧になるというケースがあるが、
その際に逆に数ターンの間溜め続けるというこの技の性質を利用して、圧力をかけるというようなことは出来るかも知れない。
プテラ:バンギラスの岩雪崩を跳ね返す(※PBS仕様)
プテラ:ニョロボンの波乗りを跳ね返す(※PBS仕様)
プテラ:鈍いと併用でカビゴンに打ち勝つ
・カイリキー、ヘラクロス等
この技は、寝言で発動しないという仕様がある。
他に寝言で発動しない技は、寝言自身を除くと、ソーラービーム等の2ターンかかる技のみである。
眠る+寝言で寝ながら戦う際に、なるべく1種類の攻撃技しか出て欲しくないという場合がある。
そのような場合、技を3つしか持たせないという方法もあるが、
それよりは、何かあった時にワンチャン使えるかも知れない技を持たせておくに越したことはない。
その際、2ターンかかる使いづらい攻撃技を持たせるよりは、ワンチャン性能のあるこの技を持たせるという選択肢がある。
カイリキーは他に穴を掘る・ロケット頭突きという候補があるが、
ヘラクロスはそもそも寝言で発動しない技はこの技しか覚えないため、自動的にこの技を採用することになる。
カイリキー:寝言で発動しないためクロスチョップが出やすくなる
・小ネタ
初代ではジムリーダーから貰えるマシン技であるため、自力で覚えるポケモンは存在しなかったが、
金銀では自力で覚えるポケモンが居るほか、遺伝でこの技を習得出来るポケモンも存在する。
初代では敵の混乱自傷ダメージもこの技で溜めるカウントの対象となったため、「混乱技+この技」というコンボが存在した。
バグのような仕様に思われるが、ポケスタ2においては、NPCが明らかにこれを意図的に狙ったコンボをして来ることがある。
かみくだく
悪タイプの最高威力技。威力は80とそこまで高くない代わりに最高威力技にしては珍しく命中率が100%であり、
また20%の確率で特防ダウンを起こす追加効果もかなり美味しく非常に使いやすいため、悪技の頂点とも言える技。
悪技が欲しい場合この技を覚えるポケモンはほぼこの技一択となる。
・ヘルガー
属性一致であり、この技の最強の使い手。エスパーやゴーストに対する役割遂行としての目的はもちろんだが、
追加効果の特防ダウンによって、もうひとつの属性一致技である大文字を強烈な火力に化けさせるという目的もある。
相手の特防が1段階下がった状態での大文字は、すなわち日本晴れ状態のそれと同じ火力であり、
これによって、特殊技だけでの突破が難しいカビゴンすら倒せるようになる場合がある。
日本晴れと併用して更にえげつない火力を叩き出すことも出来る。
因みに追い打ち要員として起用される場合でも、相手に居座るリスクを与えるために、
悪技が被ってしまうがこの技も持たせることが多い。
ヘルガー:特防ダウンの強さ
ヘルガー:この技を持っているだけでフーディンへの大きな圧力になる
【リトルカップ】デルビル:ムチュールに対する安定遂行技として
・バンギラス
ヘルガーに次ぐ火力でこの技を打つことが出来るポケモン。属性一致でこの技を覚えるのはこの2系統だけである。
より高い攻撃力を活かせる、もうひとつの属性一致技である岩雪崩の方がメイン技としてはメジャーだが、
特殊耐久の低いポケモンやエスパーにはこの技の方が有効であることも少なくない。
また、攻撃範囲を広げる一環として、岩雪崩とこの技を両方持たせる場合もある。
地面や岩ポケモンは特殊耐久が低くこの技の通りが良いため、砂嵐との相性が良い。
砂嵐との組み合わせにより、特防ダウンによって物理攻撃を使わずしてカビゴンを倒せる場合もある。
バンギラス:この技が属性的に刺さる例
バンギラス:この技が能力的に刺さる例
バンギラス:砂嵐+特防ダウンでカビゴンを突破
バンギラス:スターミーにタイマンで勝つ
・ウインディ、リザードン
スターミーやフーディンを倒しやすくしたい時に、この技がサブ技の候補として挙がる。
2発では倒せない場合も多いが、相手も自己再生で回復が必死なので、連打しているうちに特防ダウンを狙える。
特に対スターミー性能は、この技の有無によって天と地ほど変わる。
なおリザードンは限定の配布タマゴによりこの技を覚えるため、
他の遺伝技や初代マシン技とは一切両立不可。特に腹太鼓や岩雪崩と両立出来ない点に注意。
これによって、リザードンにこの技を持たせる場合、他に爆裂パンチ等を持たせて広範囲型にするのが得策と言える。
リザードン:龍の息吹と併用でエーフィを倒す
リザードン:55フーディンに完全タイマンで勝つ
リザードン:特防ダウンを活かす
・オーダイル
この技を覚える唯一の水ポケモン。
炎ポケモンと同じく、この技によってスターミーやフーディンを倒しやすくなるほか、
冷凍ビームを持たずしてナッシーの弱点を突けるため、技枠を圧縮出来るというメリットもある。
オーダイル:ナッシーへの役割破壊
・キリンリキ
この技を覚える唯一のエスパーポケモン。
サイコキネシスに耐性を持つエスパーの弱点を突けるため、メイン技と直接的な相性が良い。
・ハガネール
進化することによりこの技を覚えるようになるという珍しいポケモン。
しかし特攻が低く、エスパーやゴーストに対しても基本的に地震で十分であるため利用価値は低い。
・ライコウ
この技を覚える唯一の電気ポケモンであり、属性不一致では最強の使い手でもある。
覚えるのはLv.61以上なので2000ルールでは使うことが出来ないが、ウルトラカップ等で使うことが出来る。
特にウルトラカップは強力なエスパーポケモンが多いため、この技の有用性は非常に高く、
この技を覚えること自体が、ライコウ自身の強さの評価に直結していると言えるほどである。
かみつく
初代でノーマル技だったのが、悪技に変更された技。
それによって、攻撃力の高いポケモンよりも特攻が高いポケモンで使いやすくなった。
また、ノーマル技としては他にもっと威力の高い攻撃技が山のようにあるが、
悪技はそういうわけでもなく、目覚めるパワーを除けばこの技が最強の悪技であるというポケモンも少なくない。
とは言え威力は60と、そこまで高いとは言えないため、
ほとんどは30%という高い確率で発動する怯みの追加効果のために採用される。
素早いポケモンが、メイン技のダメージが僅かに足りない時に追撃として使ったり、
毒や砂嵐と組み合わせて、怯みを利用して1ターン分ダメージを加算させるというような使い方が主。
・エーフィ
属性不一致でこの技の最強の使い手。特攻と素早さが非常に高いため技性能自体との相性が良く、
またメイン技のサイコキネシスに耐性を持つエスパーの弱点を突くことも出来る。
更には、それだけなら目覚めるパワー悪でも良いのだが、
エーフィは更に他の属性の目覚めるパワーを持たせたいという場合も決して少なくない。
以上の理由から、この技を最も有効に使うことが出来るポケモンかも知れない。
・サンダース、ライコウ
高い素早さからこの技で怯みを狙える電気ポケモン。
メインの電気技とこの技の直接的な属性相性も悪くなく、双方に耐性を持つのはハガネールだけである。
特にサンダースは、メロメロとの併用等で♀として使いたい場合、特殊の目覚めるパワーが使えなくなるので、
電気技以外で覚えることが出来る唯一の特殊技として、この技が自然とサブ技候補に挙がる。
・オムスター、シャワーズ、スイクン
水ポケモンで、この技を覚えるポケモンの例。
水技とも属性相性はなかなか良く、双方に耐性を持つのはニョロボンだけである。
威力は低いが、スターミーとナッシーの弱点を同時に突けるのがポイント。
電気ポケモンと違って素早くないので、多くのポケモンに対して上から怯みを狙うことは出来ないが、
持ち前の硬さを活かし、どくどくと組み合わせてジワジワと相手のHPを削るというような使い方は出来る。
特に、猛毒のターンが3ターン目や4ターン目になると、一度の怯みで途轍もない量のダメージを加算出来ることもある。
凍える風と併用することで、先手を取って怯みを狙えるようにするというコンボもある。
スイクン:どくどくと併用でハメ殺し
・プテラ、クロバット
サンダースと並んで、この技を覚える最速のポケモン。
決して特攻は高くないが、砂嵐やどくどくと併用する等して、追加ダメージを期待する使い方が出来る。
・バンギラス、ヘルガー、ブラッキー、ニューラ
この技を属性一致で使えるポケモン。だが、バンギラスやヘルガーはもっと威力の高い噛み砕くを覚えるため、
わざわざ悪技をもうひとつ増やしてまで怯みを狙うことはあまり無い。
しかも、バンギラスは他のメイン技である岩雪崩でも怯みを狙えるため、この技を使うことは滅多に無い。
ブラッキーとニューラは逆に、悪技を持たせること自体があまり無く、
この技を持たせたところで火力不足過ぎるので、やはり採用されることは稀である。
・リザードン
城杯ルールにおいて、ヤドランに対する役割破壊としてサブ技に持たせる価値がある。
このルールでは配布タマゴ技である噛み砕くや、目覚めるパワーの使用が禁止されているため、
この技がヤドランに対して最も有効な役割破壊となる。もちろん、高い素早さを活かすことも出来る。
・小ネタ
初代から金銀で、物理攻撃と特殊攻撃の分類が変更された唯一の攻撃技である。
かみなり
電気タイプの最高威力技。吹雪・大文字と同様、威力120で、命中率とPPが低く、追加効果がある。
金銀では技マシンが無限に入手出来るようになったため、手軽に覚えさせられるようになった。
他の威力120技と比べると、命中率が70%とかなり不安定というのと、無効化属性が存在するという短所を持つ。
代わりにPPが10(最大で16)とやや多めであり、また追加効果発動率が吹雪と大文字は10%だが、
この技は30%と、麻痺の追加効果にもかなり期待出来るという強みを持つ。
電気ポケモンにしろその他のポケモンにしろ、10万ボルトを使うかこの技を使うか、
はたまた電磁砲を使うかは完全にケースバイケースであり、実際の使用率もどれも伯仲していると言って良いだろう。
言うまでもなく10万ボルトに比べて安定性は劣るが、火力を重視したいという場合にこの技を採用することになる。
電気タイプが属性一致メイン技として使うのはもちろんだが、
属性不一致で覚えるポケモンも多く、特に物理ポケモンがパルシェンやエアームドの弱点を突きつつ、
高い確率で麻痺も狙えるというのが大きな強み。
電磁砲を覚えるポケモンは、より麻痺を重視したい場合はそちらを採用し、
純粋に高火力の電気技として使いたい場合はこの技が採用されることが多い。
なお、この技を覚えるポケモンは全員、10万ボルトも覚えることが出来るため、選択の余地はある。
逆にこの技を覚えず10万ボルトだけを覚えるポケモンは1種類だけ存在する。バンギラスである。
この技の特殊な効果として、雨乞い中には必中になり、日本晴れ中には命中率が50%になるという効果がある。
電気ポケモンは全員雨乞いを覚えることが出来るため、誰でもこのコンボを使うことが出来る。
ポイントは命中率100%ではなく必中という点で、影分身戦術に対する対策としても機能するのが美味しい。
ただし、相手の水技も強化されてしまうため、水ポケモンを起点にしづらくなるという点には注意が必要。
逆に、この技に対する対策として日本晴れが使われることもある。
特に炎ポケモンと戦う際は、自然とこの技を使われることも多いので注意が必要。
もうひとつ、空を飛んでいる相手にも命中するという効果を持つが、
空を飛ぶ自体が対戦で滅多に使われる技ではないため、この効果が意味を成すことはほとんど無い。
・電気ポケモン全般
全てのポケモンにおいて、この技か10万ボルトは選択肢になり得る。
特に寝言型で連射しやすかったり、いばみが型で火力が欲しい場合はこの技を使うことが多い。
逆に、昆布型などでわざわざ命中率を落としてまで火力を増強させる必要が無かったり、
電磁波を併用していて麻痺を狙う必要が無かったりする場合は10万ボルトが採用されることが多い。
どの電気ポケモンでも、この2つのどちらも持たないことは極めて稀である。
また、全ての電気ポケモンが、雨乞いと併用することも可能。
因みにこの技の最強の使い手は、電気玉を持ったピカチュウである。
サンダー:威張ると併用で全てを破壊する
サンダー:単体でもカビゴンを倒せる超火力
サンダー:麻痺事故でライコウを強行突破
サンダー:吹き飛ばしと併用で物凄い突破力
サンダー:低レベルでもピントレンズで超火力
ライコウ:麻痺の強み
サンダース:雨乞いで必中に
エレブー:クロスチョップとの両刀で崩す
レアコイル:急所で超火力
レアコイル:一部のノーマルポケモンを受けながら寝言と併用で起点に
ピカチュウ:電気玉で低レベルからでも超火力&麻痺
ピカチュウ:麻痺を利用してアンコールに繋げる
【5ルール】レアコイル:低レベルのルールだと更に火力が増す
・カビゴン、ケンタロス
高火力のノーマル技をメインとするポケモンが、苦手なパルシェンやエアームドの弱点を突くためにサブ技として使用する。
ノーマル技との直接相性としては、全ての鋼ポケモンに有効な大文字の方が優れているのだが、
パルシェンを特に意識したかったり、麻痺を狙いたい場合にこの技が候補に挙がる。
また、ノーマル耐性を持たずとも、眠るを持たず麻痺を治せない、
ミルタンクやポリゴン2、ナッシー、月の光ブラッキー等にも刺さる場合がある。
その他、ピンポイントではあるがオムスターやプテラに対する役割破壊にもなる。
カビゴン:エアームドを簡単に倒す
カビゴン:パルシェンを即死させる
・ペルシアン、ラッタ、ノコッチ、グランブル、キリンリキ、ミルタンク、ポリゴン2
ノーマル技をメインとし、大文字を覚えることは出来ないが、この技なら覚えるというポケモン。
カビゴン等と同じように、大文字の代わりにエアームド等に対する役割破壊としてサブ技に持たせることがある。
グランブルは、この技がリングマとの貴重な差別点のひとつとなる。
キリンリキ:麻痺を利用して鈍いで畳み掛ける
ポリゴン2:麻痺の恩恵&ギャラドスを一撃
ラッタ:怒りの前歯と併用でシャワーズを突破
【一撃あり2000】ペルシアン:エアームドを楽々倒す
【2012ルール】ラッタ:ハリーセンを楽々倒す
・スターミー、ラプラス、ギャラドス
属性一致水技をメインとする水ポケモンが、サブ技としてこの技を持たせるケース。
これがあれば、通常では倒しづらい、同属の水ポケモンを起点にまで出来るようになる。
メインの水技とこの技の双方を強化することが出来る雨乞いと併用することも少なくない。
その場合当然、相手から降りかかる同じ技にも注意する必要がある。
スターミー:水ポケモンを受けて一方的に倒せる
・ゲンガー、カイリュー、ニドキング、ニドクイン、オコリザル
攻撃技をたくさん持たせて攻撃範囲を広げるタイプのポケモンが、その一環としてこの技を持たせるケース。
特に、スターミーやスイクンにまともなダメージを与えられるのはこの技だけ、という場合も少なくない。
特にゲンガーは、属性不一致ではこの技の最強の使い手であり、また他にまともな威力の技を覚えないため、
不一致でありながらこの技をメイン技とする場合すらあるという極めて稀なケースである。
特攻が高くないオコリザル以外は、この技と非常に相性の良い冷凍ビームもしくは冷凍パンチと併用することが多い。
カイリュー:パルシェンを一撃
ニドキング:パルシェンを一撃
ニドキング:地面ポケモンが一般的な水ポケモンに勝てる
ニドクイン:地震と併用してスイクンを突破
・ハピナス
上記のゲンガーやカイリュー等と同じく属性不一致だが、
それらとは少し異なり、冷凍ビームと組み合わせることがほぼ前提、というようなケース。
威力としてはこの技の方が高いのだが、どちらにせよ火力は高くないため、
凍結を狙える冷凍ビームの方をメインのように使う場合も少なくない。
この技を単体で使ったり、他の攻撃技と組み合わせて使うことは極めて稀である。
ハピナス:雨乞い中に打てば30%の確率で相手を麻痺させる
・ムウマ
まともな攻撃技をあまり覚えないが、ひとつだけ持たせる場合にこの技が候補に挙がるというケース。
この技があるとエアームドやパルシェン等を起点に出来るようになる。
ただ、弱点を突かないと火力はイマイチであるため、
ダメージそのものよりも麻痺を狙うことを重視した電磁砲が採用されることの方が多い。
ムウマ:滅びコンボを狙いつつダメージソースとして使う
・ベトベトン、マタドガス
あまり多くはないが、ヘドロ爆弾をメインとする毒ポケモンがサブ技として使うこともある。
ノーマルポケモンと似た感覚で、エアームドとパルシェンに同時に有効であり、麻痺を狙える。
また、スターミー等を特に強く意識したい場合にこの技が候補として挙がって来る。
・小ネタ
吹雪・大文字は共に追加効果発動率が初代では30%⇒金銀では10%と下がっているが、
この技だけは逆に10%⇒30%に上がっている。
かみなりパンチ
電気タイプの中威力技。初代ではエビワラーとエレブーのみに許された技だったが、
金銀では技マシンによって覚えるポケモンが大量に追加された。
技の性能自体は10万ボルトと比べて威力が低く、その他は全て全く同じであるため、10万ボルトの完全下位互換である。
しかしながら10万ボルトを覚えずこの技だけを覚えるというポケモンはそこそこ多く、
そのようなポケモンはほとんどがこの技が最強の電気技となるため、需要はそれなりにある。
ただし属性一致である電気ポケモンはもれなく10万ボルトを覚えることが出来るため、
必然的に実戦でこの技を使うのは属性不一致のポケモンがサブ技として、ということになる。
3色パンチを覚えるポケモンとしては、凍結を期待出来る冷凍パンチ、
耐性を多く持つ鋼ポケモンに有効な炎のパンチと比べて、この技は優先順位が落ちることが多い。
・フーディン
属性不一致でこの技の最強の使い手。
サイコキネシスに耐性を持つポケモンのうち、スターミーとエアームドの弱点を同時に突けるところがポイント。
特に、自己再生で粘って来るスターミーを簡単に倒せるようになるのは大きい。
また、他のパンチと比べてヘルガーに最もダメージが入る技でもある。
より威力の高い電磁砲を覚えることが出来るが、純粋に電気技として打つだけなら当然この技の方が使い勝手が良い。
フーディン:スターミーへの役割破壊
フーディン:エアームドを楽に倒す&ブラッキーへの抵抗
フーディン:スイクンを楽に倒す&バンギラスへの抵抗
・バクフーン、ブーバー
この技を覚えることによって、水ポケモンに対する役割破壊が出来る炎ポケモン。
同じく水の弱点を突ける他、苦手な岩や地面の弱点まで突ける草技に比べると少し相性の良さは劣るものの、
目覚めるパワー草は大幅なHP減少が痛く、その上この技ならそれに比べ威力も少しだけ高いため、
この技を覚える炎ポケモンは目覚めるパワーに頼らずこの技を持たせることがほとんどである。
草技と違ってギャラドスにタイマンで勝てるというほど圧倒的に強くなり、プテラの弱点も突くことができ、
同じ炎ポケモンで、複合属性で飛行を持つファイヤーやリザードンにも強くなれるという利点を持つ。
爆裂パンチ・怪しい光と、どちらも高い素早さからの混乱を絡めることで水ポケモンを突破しやすくなる。
バクフーン:スターミーへの役割破壊
バクフーン:ファイヤーを楽に倒す&命中100%の安定技として
ブーバー:怪しい光と併用してスイクンを突破
ブーバー:リザードンへの役割破壊
・ガラガラ
この技でパルシェンに与えるダメージが地震・岩雪崩に比べてほんの少しだけ弱いことを利用して、
この技+地震or岩雪崩で、黄金の実を発動させずに2発で倒せる確率が少しだけ上がる。
10%ではあるが麻痺の追加効果にも期待出来る。
そのためにわざわざこの技で枠を費やす価値があるかどうかは不明である。
・オタチ
218ルールにおいて、物理耐久が高く特殊耐久の低いコイキングにこの技で大ダメージを与えることが出来る。
コイキング対策以外に使い所は無いが、他は高火力のノーマル技さえあれば十分なので、持たせる技スペースはある。
からてチョップ
初代ではノーマル技だったが金銀で格闘技に変更された技。急所に当たりやすい。
格闘技としては、命中率が100%である貴重な技でもあり、それだけに独自性がある。
ただし、同じく急所技であり威力が倍であるクロスチョップという技が存在し、
命中率でもPPでも勝っているものの威力の差が大きいため技性能としては劣りがち。
威力が倍ということは、この技が急所に当たったところでクロスチョップの通常ヒットと変わらないということである。
しかも、この技を覚えるポケモンはもれなく全員クロスチョップを覚えることが出来るため、
実戦で敢えてこの技を使うことは滅多に無い。
・カイリキー
眠る+寝言で戦う際に、出来るだけクロスチョップの発動率を上げるために、
技を3つだけにしたり、4つ目の技に寝言では発動しない我慢や穴を掘るを持たせる戦法があるが、
その4つ目の技として、「クロスチョップの代わり」として使うことが出来るこの技を持たせるという手がある。
カイリキーならばカビゴン等に対し弱点を突けばこの技でもそれなりのダメージを与えることが出来る。
ピントレンズを持たせている場合はその恩恵も受けることが出来る。
カイリキー:命中率100%を活かして身代わり破壊やトドメに使う
・ワンリキー、マンキー
リトルカップでクロスチョップを使おうとすると、一部の初代マシン技と両立不可の弊害がある。
特にワンリキーは岩雪崩と両立出来ないせいで、目覚めるパワー岩で妥協せざるを得なくなり、
ストライクを一発で倒せる確率に大きく関わって来るという影響がある。
そこで、逆にメイン技をクロスチョップの代わりにこの技で妥協することで、岩雪崩を両立出来るようになる。
今度はラッキーを中乱数2発という弊害があるが、急所もあるし、
ストライク対策のためならこれぐらいの犠牲を払う価値もあるかも知れない。
・小ネタ
エレキッドとブビィはクリスタル版でクロスチョップを遺伝するようになったが、
金銀版ではクロスチョップは遺伝せずこの技しか使うことが出来なかったため、
クリスタル発売前の環境下ではエレブーやブーバーにこの技を持たせる価値があった。
からではさむ
パルシェン族専用の束縛技。専用技というだけあって、束縛技の中では最高峰の性能を誇る。
他の束縛技は全て威力が15だが、この技だけは35と、倍以上もある。
命中率は75%と他の束縛技と大差無く、PPは10と少なめ。
束縛技は初代では2-5ターンの間相手に行動させない代わりにチェンジは可能だったが、
金銀では逆に行動出来る代わりに相手にチェンジさせないという、大幅な仕様変更がなされた。
その効果により、相手を逃さないことで効果が得られる滅びの歌や眠らせ技、嫌な音、金縛り等との相性が良くなった。
また、束縛している間は定数ダメージにより、相手の食べ残しを打ち消すことが出来る。
この定数ダメージは毒や砂嵐の1/8とは異なり、食べ残しと同じ1/16であるという点に注意。
命中率がそもそも高くないので、コンボ自体がそもそも初めから失敗する可能性も低くなく、
また束縛ターン数もランダムなので非常に不安定であり、性能が最も高いと考えられるこの技ですら、
実戦で有効活用するのは容易ではない。
・パルシェン
この技を覚える唯一のポケモン。属性一致でもあり、束縛技でありながら、4倍弱点を突けば2発で倒せる火力を持つ。
パルシェンでこの技を使う目的はほぼひとつで、大爆発を目の前の相手に確実に当てるためである。
嫌な音とも併用出来るため、居座って鈍いを積んで来る相手にも対応することが出来る。
大爆発を束縛技と併用出来るのはこの他には、締め付けるを覚えるハガネールだけである。
パルシェン:目の前の相手に確実に大爆発を当てる
からにこもる
防御力を1段階上げる技。同じ性能を持ちPPも同じであり転がるの威力を倍増させる効果を持つ丸くなるや、
防御力を2段階上げることができPPも同じである溶けるに比べると、技タイプが異なるだけなのでほぼ下位互換と言える。
また、バリアーと比較したら技タイプが異なる他にPPでも上回っているものの、
バリアーのPPも30と十分多く、それ以上に防御力が1段階ぶん多く上昇する効果の方が遥かに大きいので、
それと比べても実質的に下位互換と言ってしまって差し支えないだろう。
したがって、それらの技をひとつも覚えないポケモンで初めて採用価値が生まれて来る。
・オムスター
上位互換技を覚えず、この技を覚えるポケモンの例。
同じく防御力を上げる鈍いを覚えることが出来るものの、
ガン受けに徹したい場合、攻撃力を上げる必要は無く、寧ろ素早さが下がるデメリットが響く場合があるため、
純粋に防御力のみを上げることが出来るこの技が鈍いよりも適している場合がある。
オムスターの場合、物理攻撃を使うことはほとんど無いので尚更である。
鈍いに比べてPPも大幅に多いため、PP戦にも対応することが出来る。
また、相手の攻撃力アップを対策出来る技として他に黒い霧があり、そちらは腹太鼓や影分身にも対応出来る点が優秀だが、
鈍いだけを対策したい場合はこの技の方が安定することもある。
黒い霧で対策すると、眠っている間に再度相手に鈍いを積まれた際に、
こちらの防御ランクが0、相手の攻撃ランクが+1や+2という状況を何度も作られてしまい、一度の急所で崩れかねないが、
この技ならば自分の防御ランクを+2や+3に上げた状態で眠るで受け続けることが出来るため、
相対的に相手から受けるダメージを軽減しやすく、積めば積むほど急所事故のリスクを減らすことが出来る。
オムスター:レベル差があれば地震カビゴンも受かる
からみつく
ノーマル技の中で相手の素早さを下げる追加効果を持つ唯一の攻撃技なので独自性はあるが、
威力が10と絶望的に低いためとても実戦に耐えうるものではない。
素早さダウンによほど拘る場合でも、追加効果発動率はたった10%なので狙って出来ることでもない。
・ツボツボ
この技以外に相手の素早さを下げる術を持たないという唯一のポケモン。
他のポケモンはそれぞれバブル光線や痺れ粉、怖い顔などを覚えるためそちらを使えば良い。
ツボツボだけは代わりとなる技が無いため、百歩譲ってこの技が使えるシーンを無理矢理作れなくはないかも知れない。
・小ネタ
全ての攻撃技の中で、威力の低さは単独1位である。
威力が変動する技を含めば他に、マグニチュードや恩返し・八つ当たりでこれ以下の威力を出すことが出来る。
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