最終更新日:'20/10/29  最終チェック日:'20/10/29
我流・個別分析 ~マタドガス~

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~概論~

第1世代において対照的な存在であったベトベトンが大幅な特防種族値アップにより強化されたのに対し、
逆に特防種族値ダウンという仕打ちを受けてしまった悲劇のポケモン。
特殊耐久と攻撃力があってメジャーな電気ポケモンと張り合えるベトベトンの方がやや人気があるが、
合計種族値は10しか差が無く、覚える技も攻撃技ではヘドロ爆弾や大爆発、大文字、雷など、
補助技でも嫌な音と、ベトベトンと似ている部分が多い。
マタドガスの良さとしては、物理耐久・特攻・素早さが高く、特に素早さ面では、ベトベトンと種族値が10しか違わないものの、
Lv.50で50ナッシー・50カイリキー・50ハピナス・55ガラガラと言った超メジャー層に先制出来るというのは大きな差別点となる。
技の面では、道連れや痛み分けと言った搦め手によって、他の毒とは違ったゴースト的な活躍の仕方が出来るのが特徴的。
また、地味ながら毒ポケモンの中でNo.1の物理耐久を誇り、
上記の搦め手と併用することで、カビゴンや格闘に対する流し性能を発揮することが出来る。
特攻種族値はニドキングと同じなので、大文字や雷もニドキングのそれと同じという、意外な特殊火力も出せる。
余談だが、初代の技マシンで突進を覚えないのは、例外系を除くとゴース・ゴーストと、マタドガスの一族だけだったりする。


~実戦的ステータス~

タイマン性能■■□□□□□□□□ 出番の多さ■■■■■■■■□□
複数対決性能■■■■■■■■□□ 使い方の多様性■■■■■■□□□□
対カビゴン性能■■■■■■■■□□ 不利な相手への対抗力■■■■■■■■□□
対その他の一線級■■■■■■□□□□ 個人的総合評価■■■■■■■□□□


~優劣関係~

格好の餌エアームド フォレトス ヘラクロス カイリキー
割と有利ハガネール ブラッキー ハピナス
場合によるカビゴン ナッシー パルシェン フシギバナ ミルタンク
割と不利サンダー ライコウ スターミー スイクン ファイヤー ケンタロス ゲンガー
天敵バンギラス サイドン ガラガラ フーディン ムウマ グライガー


~防御面~

55食べ残し53食べ残し50黄金の実50
55ライコウの10万ボルト確3低確率2発低確率2発確2
55カイリキーの鈍い+クロスチョップ超低確率4発高確率4発確4高確率3発
55めざ蟲カイリキーの地震低確率2発微高確率2発高確率2発確2
50ヘラクロスの鈍い+メガホーン確4超低確率3発高確率3発確3
50ヘラクロスの地震確3確3低確率2発微高確率2発
55カビゴンの地震確3超低確率2発超低確率2発確2
53カビゴンの恩返し確4超低確率3発微低確率3発確3
50カビゴンののしかかり乱数5~6発乱数5~6発中乱数4発確4
52フーディンのサイコキネシス確2超低確率1発高確率1発高確率1発
50パルシェンの冷凍ビーム確4超低確率3発微低確率3発確3
52パルシェンの大爆発確2低確率1発高確率1発高確率1発


~技候補~

大爆発ほぼ必須。ある意味メイン技。火力はフォレトスと同じで、メジャー所を倒すにはリボンが必要。
ヘドロ爆弾属性一致メイン技。火力はそこまで無いが、3割の毒の追加効果が便利。
大爆発との相性は最悪なので、1-1交換を意識した場合これを持たせない選択肢もある。
大文字
火炎放射
ヘドロ爆弾とも大爆発とも相性が良い、サブ技筆頭候補。
対草、鋼、ヘラクロスと有効範囲が広く、火力もニドキングのそれと同等にある。
便利なので、ヘドロ爆弾を持たせずこちらをメイン技のように扱うことも。

電磁砲
10万ボルト
サブ技候補。炎技と比べて大爆発やヘドロ爆弾との相性は微妙なので採用率は高くないが、
パルシェンやスターミーを倒しやすくなり、麻痺も狙えるのが美味しい。
道連れマタドガスの大事なアイデンティティのひとつ。1-1交換自体は大爆発でも出来るが、
大爆発では倒せないような相手に対しても即1-1交換を決められるというのは便利。
特に、ガラガラに先制で道連れ出来るというのは、ベトベトンとの重要な差別点となる。
痛み分けマタドガスの大事なアイデンティティのひとつ。HPの高いカビゴン等に対して特に有効。
この技で粘りながら最終的に大爆発という動きは、ムウマにも真似出来ない。
嫌な音微妙な火力の大爆発やヘドロ爆弾を強化出来る。1回使えば多くのポケモンはヘドロ爆弾2発に。
カビゴンを大爆発で処理しようにも、鈍いを積まれてしまうと倒せなくなるので、そこの対策にも。
黒い霧ふてぶてしく鈍いや影分身を積んで来るポケモンには大爆発も道連れも通らないが、そこを対策出来る技。
煙幕相手の命中率を下げつつ自主退場することで、後続のポケモンの身代わりの起点を作りやすくする。
マルマインのフラッシュと違って、命中率が100%というのが利点。
日本晴れ大文字を強化することで、地味にパルシェンやゲンガーあたりを倒しやすくなる。炎エースのサポートにも。
めざ格ここまでの技のチョイスだとバンギラスに非常に弱いため、そこを強く意識した役割破壊。
めざ水こちらはサイドンやゴローニャに有効。ベトベトンと違って特攻があるのでそこそこ効く。
泥棒食べ残しカビゴンやガラガラに対して奇襲を狙えるかも知れない。
どくどくヘドロ爆弾と違って、より確実に毒を撒きたい場合に。大文字との相性も抜群。
鈍い鈍いを積んで来るカビゴンや格闘を大爆発で倒したい場合、嫌な音よりも確実性のある技。
守る食べ残し+痛み分けと併用すればなかなか厄介な壁になれるかも知れない。
同様のコンボが出来るムウマと違って、自分は毒を喰らわないというのが大きな利点。
サイケ光線格闘への役割遂行と、毒への役割破壊を兼ねつつ、混乱でワンチャン事故を狙える技。
ただし、弱点を突いたとしても火力は大文字とそこまで変わらない。
影分身
転がる
痛み分けと併用しつつ使うと、他の転がるポケモンと違った動きが出来るかも知れない。


~型サンプル~

Lv.50 ヘドロ爆弾/大文字/道連れ/大爆発@ピンクのリボン

属性一致のヘドロ爆弾と、それと相性が良く特攻の高さも活かせる大文字を使ったオーソドックスな型の一例。
概論で述べたように、ベトベトンとの僅かな素早さの差が大きく、Lv.50でも同レベルのナッシー・カイリキー・ハピナスに先制出来る他、
Lv.55のガラガラにも先制出来る上、大爆発だけでなく道連れを使えるため、
上から強制的に1-1交換を狙えるというのは、ベトベトンには真似出来ない重要な動きのひとつ。
道連れは他にも、相手に鈍いを積まれてしまったり、身代わりを貼られてしまったりして大爆発では倒せないような時に役に立つ。
大文字は全てのレベルのフォレトスを確1、鋼ポケモンほぼ2発、51ナッシー確2、50ヘラクロスやや高確率2発という火力を持つ。
低レベルのエアームドやハガネールを高確率2発で倒すだけなら、火炎放射でも代用可能。
ナッシーは2発で倒せなくなるが、そもそもメイン技のヘドロ爆弾で倒せる。
なお、耐久面ではマタドガスは同レベルのナッシーのサイコキネシスを8割程度の確率で耐えるため、高確率で殴り勝てるのだが、
眠り粉で足止めされると不利になってしまうため注意。
また、撒き菱を踏んだり、目覚めるパワーを持たせたりと少しでもHPが減ってしまうと一撃で倒されてしまう。
フーディンのサイコキネシスは同レベルでも中乱数一撃、レベル差を付けられると確定一撃で倒されてしまうので注意。
大爆発の火力はフォレトスと同じで、パルシェンやナッシーより少しだけ弱い。
素の大爆発では54スターミー・53ヘラクロス・52ライコウ・51フシギバナ・50カイリキーを確1、
50ナッシー・50サンダー・50ガラガラを高確率1発で倒せるという程度。50カビゴンや55サンダー等にはほぼ耐えられてしまう。
ここにピンクのリボンを持たせることで、55ライコウを超高確率一撃で倒せるようになる他、
50カビゴン・55サンダー・55ガラガラ・55カイリキー等を中乱数~やや高確率で倒せるようになる。
それでもライコウ以外に対しては7割を超えるような確率にはならないため、ここは妥協して他の道具を持たせるのも大いにアリ。
のしかかりカビゴンや格闘ポケモンを流す回数をシンプルに増やせる、黄金の実や麻痺治しの実あたりが妥当だろう。
初動のヘドロ爆弾が強くなる破壊の遺伝子もアリかも知れない。
遺伝子状態のヘドロ爆弾で、ピンクのリボン+大爆発のちょうど半分程度のダメージを出すことが出来る。
パーティ … ケンタロスエレブーWA(2021)
ログ … 道連れ+大爆発の性能
ログ … 大文字マタドガスが刺さる例
ログ … どくどくでサポートしながら大爆発


Lv.50 ヘドロ爆弾/大文字/嫌な音/大爆発@ピンクのリボン

↑の型はシンプルに鈍いを積んで来るカビゴンに弱いという欠点を持つ。
上手く攻撃技を打って来るターンを読んで道連れを決めれば良いが、甚だしい読みゲーに他ならない。
そこを対策しようとすると、嫌な音、鈍い、黒い霧あたりのいずれかを持たせることになる。
この中では嫌な音が、ヘドロ爆弾の火力増強もあって最も汎用性が高いだろうか。
因みに嫌な音+ヘドロ爆弾で、上記の破壊の遺伝子+ヘドロ爆弾と実質的に同じ火力が出せる。
55ライコウ超高確率2発、50カビゴンやや高確率2発と言ったところが大きい。
道連れが無いため、全く同じ型を、より攻撃力が高いベトベトンでも出来るが、
やはり55ガラガラに対して上から大爆発で巻き込める他、物理耐久と素早さにより、カイリキー流し性能もこちらの方が上回る。
命中率が気になり、鈍いに対してより確実に対策したい場合は鈍いを、影分身なども対策したい場合は黒い霧を。
パーティ … ガラガラガルーラWA(2020)
ログ … 大爆発をチラつかせながらヘドロ爆弾を撒く
ログ … 格闘を流しながら嫌な音で決定力
ログ … 鈍い1枚残しに対しては嫌な音で対策


Lv.50 大文字/黒い霧/痛み分け/大爆発@奇跡の実

マタドガスは持たせたい補助技が多く、技スペースに困る場合がある。
そんな時、ヘドロ爆弾を抜いてしまって大文字1本にしてしまっても使えなくはない。
そもそもヘドロ爆弾は大爆発との属性的な相性は絶望的に悪く、大文字があれば事足りている。
もちろん、大文字だけで倒せる相手は限られるため、他は補助技で掻き回しながら大爆発を狙っていくことになる。
特にカビゴンに対しては絶対に大爆発でしか倒せないが、そもそもそれはパルシェンやフォレトスでも同じこと。
そこを、相手のHPを大幅に削りつつ自らも粘れる痛み分けや、鈍いに対して黒い霧で対策出来れば十分である。
毒ポケモンよりも、炎ポケモンとして鋼や草などに出して行く立ち回りが重要となる。
この型は某氏がかつて愛用しており、こちらの記事にも解説されているので参照されたい。


Lv.50 大文字/日本晴れ/道連れ/大爆発@木炭

そこから更に発展して、もはや炎ポケモンのような扱いになったマタドガス。
いくら特攻種族値がそこそこあるとは言え、100を超えているほどではないし、弱点を突かないと決定力にはならない。
しかし、そこに日本晴れ+木炭まで持たせることによって、50ゲンガーや50めざ飛ガラガラあたりを高確率2発という火力を獲得出来る。
特に、マタドガスをゲンガーで流そうとしている相手には刺さるかも知れない。
因みに、50エアームドや50ハガネールに至っては、同条件で何と高確率一撃で倒せてしまう。
大爆発を持つポケモンで、このような動きが出来るポケモンは他には居ない。
この他、炎エースなど後続で日本晴れの恩恵を受けるポケモンを用意することで、天候を残しながら退場するコンボも可能。
どちらかと言うと天候を残すことが大切なので、自主退場は大爆発があれば十分で、道連れの枠は他の補助技にしても良いかも知れない。
パーティ … ポリゴン2ピクシーWA(2013)
ログ … 日本晴れ+大文字マタドガス


Lv.50 ヘドロ爆弾/電磁砲/煙幕/大爆発@奇跡の実

煙幕+大爆発というコンボが出来る。相手の命中率を下げた状態で自主退場し、身代わり持ちのエースに繋げることで、
後続が身代わりを残しやすくし、影分身などの起点を作りやすくなるというコンボである。
煙幕と同じく相手の命中率を下げるフラッシュで、マルマインやナッシーも同様なコンボが出来るが、
フラッシュは命中率が70%しか無く、相手の命中率を下げたいのにこちらが技を外してしまうという皮肉が発生してしまう危険性がある。
それに対し煙幕は命中率100%なので、確実にコンボを決めることが出来る。
煙幕を言いたいだけなので他の技枠は自由だが、後続の起点を作りやすくするという意味合いで、サンプルでは電磁砲を持たせた。
また、せっかく命中率を下げた相手を大爆発で倒してしまっては意味が無いので、
ここは敢えて倒さず相手を生き残らせるために、威力の低い自爆を採用しても良いかも知れない。
パーティ … キュウコンヘラクロスWA(2018)
ログ … 大爆発をチラつかせながらヘドロ爆弾を撒く
ログ … 煙幕マタドガス


Lv.55 ヘドロ爆弾/雷/大文字/嫌な音@食べ残し

マタドガスはベトベトンに比べて、搦め手+大爆発や道連れでの1-1交換的な側面が強いため、エースで使われることはあまり無いが、
Lv.55まで振ることによって、Lv.50のパルシェンやエアームドに先制出来るようになるという面白い性能を持つ。
更に、ニドキングと同じ火力の雷を持たせることで、50パルシェンを上から超高確率一撃で出オチさせることが出来るのが非常に大きい。
これはベトベトンには逆立ちしても真似出来ない。
大文字の火力も、Lv.55となるとエースのニドキングのそれと同じで、50フシギバナを確2、55ヘラクロスを中乱数2発で倒すに至る。
嫌な音+ヘドロ爆弾では、50スイクン確2、55カビゴン高確率2発、55ミルタンク中乱数2発となる。
相変わらず岩ポケモンにはほとんど完封されてしまうため、
バンギラスを対策するなら目覚めるパワー格闘、サイドンやゴローニャを対策するなら目覚めるパワー水あたりを持たせるのもアリか。


Lv.55 ヘドロ爆弾/雷/嫌な音/痛み分け@食べ残し

攻撃範囲を狭める代わりに、痛み分けを持たせるのも面白い。
例えば55地震ミルタンクとのタイマンにおいて、嫌な音→適宜痛み分け→ヘドロ爆弾という動きで勝てる可能性がある。
基本的には鈍いを積んで来たら嫌な音、地震で削って来たら痛み分けをすれば良い。1回でも鈍いを積まれれば素早さは逆転出来る。
例えばミルタンク側が鈍い→地震→地震と動くと、マタドガスは2発で倒されてしまうが、
それに対しては嫌な音→嫌な音→痛み分け→痛み分け→ヘドロ爆弾、という動きで勝つことが出来る。
痛み分けによって地震を耐えながら、防御ランクが-3になったミルタンクをヘドロ爆弾一撃圏内に入れることが出来るのである。
鈍い→地震の後にもう1回鈍いを挟まれた場合も、痛み分けの回復によって攻撃ランク+2の地震をマタドガスは耐えることができ、
そこからヘドロ爆弾2発でミルタンクを倒すことが出来る。
ムウマ以上に痛み分けを攻撃的に使える好例であるかも知れない。
雷は50パルシェンを先制一撃で倒せるのが大きいので持たせているが、この枠は大文字などでも良いだろう。


Lv.50 影分身/鈍い/痛み分け/転がる@食べ残し

実際うまく行くか分からんがとりあえず転がるコンボに痛み分けを挟めるのが唯一無二で面白そうなので
煙幕とか挟むのもアリかもね


~大体どれにでも通用する対策~

ヘドロ爆弾+大文字+大爆発までを考慮すると、圧倒的に信頼出来るのは岩ポケモン。
バンギラス、サイドン、ゴローニャ、オムスター等で基本的にはほぼ完封することが出来る。
ただし、マタドガスに先制されてしまうポケモンに関しては、道連れで1-1交換を狙われるところに要注意。
バンギラスならば確実にマタドガスに先制出来るため、その点でも優秀なキラーとなる。
その他、痛み分けでHPを削がれたり、追加効果の毒や火傷、稀に持っているかも知れない電磁砲あたりには注意。
ゴーストタイプでも比較的封じやすく、滅びコンボの起点にはしやすい。
その他に関しては、大爆発や道連れがあるため、基本的に一方的に封じ込むのは難しい。まずは役割重複をさせないこと。
レベル差を付けたフーディンやエーフィならば先制一撃で倒せるが、交代際に大爆発を食らうと一撃で倒されてしまう。
逆に、他に役割を持たず、マタドガスに1-1交換されても良いのならば、
ヘドロ爆弾+大文字で倒されさえしなければ良いため、ガラガラ、ニドキング、グライガー等の地面ポケモンで相手させれば良い。
稀に泥棒を持っていることがあるので、ガラガラは道具を持っていない状態のマタドガスに対しては少し警戒したい。
特殊耐久が低いので、ヘドロ爆弾と大文字に弱過ぎず、先制で高火力の特殊技が打てるポケモンでも圧力をかけられる。
サンダーやライコウ、スターミーなどなど。
特に、サンダーやスイクンあたりは大爆発も耐えられる耐久があるため、上手く行けば一方的に倒せる場合もある。
パルシェンでも有利を取りやすいが、突然電気技を打たれると弱いため注意。
なお、攻撃技が大文字1本のマタドガスに関しては、サンダーやスターミーの身代わりで完全に起点に出来る。
身代わりは、地味に痛み分けを封じる効果もある。


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