第2部 前編 ~船上は戦場!~
Ciga「まぁ落ち着け。詳しい話を聞こう」
Cigaretteは、グリップ博士に歩み寄った。
Ciga「ウチの若い者が失礼を致しました。グリップ博士とお見受けしましたが…」
龍御「(隊長も十分若いけどな)」
博士「ああその通りじゃ。助けてもらった礼は言うぞ」
Ciga「色々とお尋ねしたいことが……ちょっと小屋までついてきてもらえませんかね。」
博士「まぁ良かろう。」
雷神「(なんだこの態度は……)」
…ガサガサッ
草陰から物音が聞こえた。
Ciga「ああ、もう大丈夫だ、出て来ていいぞ!」
博士の助手達が怯えながら出て来た。
助手「は、博士!無事でしたか!!」
~~~
一行はグリップ博士と助手たちを連れて小屋に戻り、早速話を聞き出した。
Ciga「なるほど、それで奴らは博士を洗脳し、洗脳砲の弾を作らせようと…」
博士「そういうことじゃ。」
TRY「だがな…、そもそもアンタはどうしてそんな物騒な武器を…」
Ciga「落ち着け、今はとにかく奴らから洗脳砲を取り返すか、最悪弾切れにさせるかだ!」
龍御「だが、弾切れを狙うなら俺たちは迂闊に動かない方がいいんじゃ?」
雷神「そうですよ、こうして博士たちをかくまっておけば、奴らが攻めて来ない限りは!」
Ciga「しかしな、博士たちが無事でも、奴らの手元には弾が2発あるんだから、
誰か心ある人間が奴らに洗脳されてしまうかも知れないんだよ。
我々の任務は、博士たちだけを守ることではない。
悪者の手から、心ある人間を救うのがわたちゃん軍の仕事なんだ」
みみ「ですが、弾はそれ以上無いって言うじゃありやせんか。
てことは、奴らはその辺の人でなく、博士を狙わざるを得ないんじゃ…?」
博士「いや、待てよ…」
Ciga「ん、どうしました」
博士「実は、弾は既に何十発分と出来ているかも知れん…」
TRY「どういうことだ!?」
博士「いや、ここの研究所では作っておらんがな、島に第2研究所(通称"2研")があって…」
Ciga「まさか、そっちの研究所で弾が作られていると!?」
助手「そうだ!数日前、『こっちではもうすぐ弾を作り始める』というようなことを、
2研で働いている友人が言っていました…!」
博士「今では多分、既に…」
みみ「なんつーこった…」
ガチャッ!
伊達「どうやらそうらしいですよ!」
雪春たちの動きを陰で見張っていた伊達じゃない!!が帰って来た。
Ciga「おお、様子はどうだった?」
伊達「奴らも、第2研究所に向かうようなことを言っていましたよ。で、今、船で準備を…」
Ciga「そりゃいかん!一刻も早く止めないと…!!」
雷神「じゃあ、俺たちも!」
みみ「船に乗り込むと行きやすか!」
TRY「なんで……(ぶつぶつ)……弾を……(ぶつぶつ)……」
Ciga「さぁTRYSTEYも早く行くぞ!」
博士「ワシも行くぞ。」
Ciga「え!それはダメですよ…」
助手「博士は私たちと一緒に残っていて下さい!危険すぎます!!」
博士「お前さんたちは2研がどんな所か知っとるのか…?」
伊達「と、言いますと…?」
博士「中は助手でも時々道に迷うような構造になっておる。
それに、ワシが同行しておらんと通らせてくれん道も沢山ある。」
みみ「そんな…アホな……」
博士「パスワードが無いと入れてくれん部屋があったり…
とにかく素人だけじゃあ、弾を作っておるのを止めるのは無理というもんじゃ」
龍御「確かに、大掛かりな武器を作ってんだ。それぐらいのセキュリティはあって当然だろうな…」
TRY「(ぶつぶつ)……めんどくせえ……(ぶつぶつ)……」
雷神「隊長、どうします……?」
Ciga「うーむ、、、こりゃ、やむを得ん。博士もお連れしよう…!」
助手「博士!!!」
博士「あぁ、大丈夫じゃ。ワシは滅多なことじゃ撃たれたりせんわい!」
助手「しかし……本当に……大丈夫でしょうか………」
TRY「ええい、煩わしい奴らだ!!俺たちがそんなに頼りないとでも言いたいか!!」
Ciga「お!TRYSTEYもやる気になったな!」
TRY「え、いや、、その、、、」
伊達「そうと決まったら、さあ、早く準備をしましょう!」
龍御「おいちょっと待て…、助手たちはどうすんだ?ここに置いといて大丈夫なのか?」
Ciga「確かに…。誰か留守番を付けたいところだ。。」
伊達「そのことなら心配要りませんよ。ヤッホーに繋ぎを付けて、
明日の夜明けまでにここに来るように手筈を整えておきました」
Ciga「おぉ、流石伊達。用意周到だな!」
みみ「じゃぁ、ヤッホーと入れ替わりで船に突撃と行きやすか!」
Ciga「うむ、そうしよう。雪春たちもそう早く出発の準備は出来ないだろう。」
TRY「どうだ!これがわたちゃん軍のチームワークだ!少しは見直したか!」
助手「は、、はぁ。。。。」
博士「・・・・・・。」
龍御「なんか一人熱い奴が居るが、ほっといて俺たちはそろそろ寝るか。」
そして翌朝。
雷神「うおおぉ、ヤッホー!いつの間にここに!?」
ヤホ「ハハハ、驚かせて悪かったな」
TRY「流石は忍びだ!」
ヤホ「何言ってる、皆いびき立ててガーガー寝てたじゃないか。あれじゃ誰でも忍べるよ(笑)」
コブ「忍術の心得が無い俺だって容易に入って来れたからな(笑)」
雷神「あれれ、コブロンも一緒だったのか!」
みみ「こりゃ百人力だ。安心して俺たちは船に乗り込めるってもんだ!」
TRY「あれ、隊長はもう気付いていたんですか」
Ciga「当たり前だ。わたちゃん軍隊長たる者、忍びの気配にも気付かずには勤まらん!!」
龍御「こりゃ俺らも見習わねぇといけませんわ」
博士「ワシもそこでさっきから話しておった所じゃ。年寄りは早起きと言ってだな…」
コブ「いやぁ、この博士も話してみればなかなか面白い人だったよ」
和やかなムードになりつつも、船の侵略に向けて、気の緩んだ者は居なかった。
そして一行は博士を連れ、助手たちをヤッホーとコブロンに任せて小屋に残し、
雪春たちの船へと向かった。
伊達「あれです!」
Ciga「ほほう、なかなか立派な船だ…」
雷神「もっと小さな小船を想像してたよ。。」
龍御「どうする、奴らのことだ、きっとそこらじゅうに警備や罠が…」
Ciga「ここは俺に考えがある。」
Cigaretteは何か準備してあったものを取り出し、TRYSTEYに渡した。
Ciga「これを着て、これを被ってみてくれないか」
TRY「は・・・?」
Ciga「いいから、やってみてくれ」
TRY「はぁ。。。」
TRYSTEYは言われた通りにしてみた。
みみ「おおお、こりゃスゲーや!」
伊達「博士そっくりだ!」
博士「ぐぬぬ…ワシはもっと上品なヒゲを…」
Ciga「まぁ、細かいことは言わないで下さい(笑) 遠くから敵の目を欺ければ、それで十分ですから」
TRY「ワ、ワシゃ…、簡単には打たれんぞッ!!」
雷神「ハハハ、いいぞいいぞ、その調子!」
TRY「(何で、俺がこんな役を………)」
Ciga「じゃあ、TRYSTEYは俺、雷神掌、龍御と一緒に表から入ろう。
本物の博士は伊達とみみみーに頼む!」
伊達「分かりました。じゃあ、こちらは裏口を探して…」
みみ「博士、行きやしょう!」
博士「うむ。」
Ciga「じゃあ、我々も行くぞ!」
雷神「はい!」
龍御「いいですね博士(偽)!」
TRY「おう!……じゃなくて、うむ!」
本物の博士たちが、バレないように物陰に隠れたあと、偽博士一行は船の正面から堂々と突入した。
雪春の部下1「来やがったな…!!」
雪春の部下2「行け!」
数人の部下がCigaretteたちにかかって来たが、彼らの敵ではなかった。
4人は次の部屋に入り、雷神掌がドアを閉めた、その時。
ピチュンッ!
Ciga「!? 何事だ!?」
部屋の明かりが全て消され、そこは一瞬にして暗闇と化した。
ザッ!
ザッ!
ドンッ!
雷神「うぐぁ!」
天井から何者かが2人ほど跳びかかって来て、一行を襲った。
Ciga「博士(偽)は!博士(偽)は何処にいる!!」
龍御「はかs・・・うぉぁ!!」
ガタンッ!
暗闇の中、博士(偽)が無事かどうかも確認出来ぬまま、突然床が抜けた。
雷神「あぁーーーーっ!!」
ドサッ
一行は、下の階に落とされた。
Ciga「博士(偽)が・・・・・居ない!!」
見る!