「あ、カビゴン先生〜!お久しぶりです!」
「おお、ブースター君じゃん!久しぶりだね!元気してる?」
「お陰さまで!実は今、校長先生から頼まれごとをしていて、今日はその話を・・・」
「そうだったんだね!あ、ちょうど来たみたい。」
「おおブースター君!待っておったぞ!」
「かねてからお話いただいてた、ブラッキーのスケジュールの都合が付けられるようになったそうです!」
「そうかそうか!ワシはな、それをずっと待っておったのじゃよ」
「ブラッキーさん・・・?ブースター君の友達かな?」
「僕の歳上のいとこです。すごく頼りになるお姉さんなんですよ。」
「今、ヨルノズク君のための新体制を作っておるじゃろう?そこにブラッキーさんの力が欲しいと思ったのじゃ。
  親戚関係であるブースター君から上手く頼んでみてくれんかとお願いしておったところでな。
  いや〜よくやってくれたぞ。礼を言う」
「そういうことだったんだね。ブースター君、やるじゃん!」
「いえいえ!先生方にいただいた恩に比べればこれぐらい、全然!」
「よォし!これで環境は整ったぞ。」

予備校物語
第57話 〜時は来た〜

「バタフリーせんぱい!あのね、私」
「うんうん♪」

「デリバードちゃん、しばらく女の子の友達が周りに居なかったから、すっかりバタフリーちゃんに懐いてますね。」
「こうして我が校を通して、先輩と後輩が繋がってゆくのも、いいもんじゃのう」

「校長先生。ボクに話があると伺ったのですが・・・」
「おお、ヨルノズク君!遂に!準備が出来たぞ!」
「準備?もしかして・・・!」
「前々から話していた、ヨルノズク君がもっと活躍できる環境が整ったんだ」
「おお!やったじゃんヨルノズク君!」
「ありがとうございます・・・!ここまでに培った経験、学んで来た知識を活かし、必ずや本領発揮して見せます(メガネキラリーン)」
「さすが、長い間ここにいるだけあって、言葉の重みがちがうね。」
「それを言わないで・・・orz」
「さぁ!じゃあ今日の試合を始めるよ。バタフリーちゃんとデリバードちゃん、お願いね。」
「やったぁ!またせんぱいと一緒♪」
「がんばろうね。」



「うわーー!これは惜しかったなぁ」
「あぁっ、、またやっちゃった。。。せんぱい、ゴメンなさい、、、」
「ううん、いいのいいの。私も一人じゃ何もできないんだから。デリバードちゃんは決定力があってえらいね。」
「そ、そうだよ!デリバードさんは、この調子で行けば卒業も時間の問題なんじゃないかな」
「(お!珍しく良いこと言えた!)」

「そうそう!バタフリーちゃんは、一人じゃな〜んにもできないから!」
「そんなことない!この前だってシチューつくってあげたし、洗濯物だって・・・
  って、ぇ!?、、ちょ、、アーボックくん、なんでここに(あたふた)」
「言ったじゃん、たまに見に行くよ、って」
「や、、やめてよ!はずかしい////(かぁぁぁっ)」
「えーー?せんぱい、この人だれですか?もしかして、せんぱいの・・・」
「な、なんでもないの!!ちょっとアーボックくん!あっち行っててよ!////」
「ごめんごめんww 外で待ってるわ」
「せんぱいシチュー作ってあげたりしてるんですか??カワイイ・・・!!」
「(おいヨルノズク君、きみもデリバードちゃんにシチュー作ってもらえるようにがんばらないと!)」
「(ボクはカレーのほうが・・・って、ちがう!ボ、ボクには何のことだかサッパリだ!)」

「校長!朗報です!」
「オニドリル君!その報らせは、もしや」
「デリバードちゃん向けの個別指導体制も、準備が整ったようですよ」
「おお、ヨルノズク君に続いて、デリバードちゃんも!これで、残っていた生徒全員分の新体制が組めたということですね!」
「遂に・・・その時が来たか・・・」
「少し寂しそうですね。」
「ああ・・・生徒全員分の個別指導体制が組めたということはつまり・・・」
「もう、このクラスは必要がなくなる。役目を終えたということじゃ。」
「・・・なるほど。」
「喜ばなきゃいけないことなんだけどね。今までのことを思うと、どうしても」
「だが・・・我々の使命はまだ終わっとらんぞ。この教室は、単なる通過点に過ぎん。
  生徒たちに立派な活躍の場を与えてあげるという使命は、これまで通り変わらんのじゃ!」
「そうですね・・・!残り少ない機会かもしれませんが、生徒のために全力を尽くしましょう!」
「カビゴン君・・・スマンの。いつまでもワシのワガママのようなモノに付き合わせる形となってしまって」
「・・・校長。見くびられては困ります!今となってはこの僕も、校長と全く同じ志を持っていますよ。」
「フッ・・・キミもいつの間にやら、随分と変わってしまったのう」
「ええ。お陰さまで。」