予備校物語
第20話 〜非情の別れ〜

「あっ!このやろう!やったな!」
「や〜いや〜〜い」

「校長。あの2人・・・すっかりいい喧嘩友達になりましたね。」
「うむ・・・・」
「・・校長?どうかされましたか?」
「いやな、ちと心配事があってな・・」
「先生!先生!早く次の試合しましょう!」
「ぼくも〜〜〜」
「わかったわかった。お、ちょうど良い。2人とも出番がありそうじゃぞ」



「くぅぅ、、惜しい、、、けど、手応えアリ!」
「ぼくも〜〜〜」
「うむ!いろいろ相手と噛み合わないところがあって勝てはしなかったものの、2人ともよい働きをしてくれた!
  (・・・やはり、時が来たか。。。)」
「(・・!!なるほど・・・)」
「流石、仲良しコンビッスね〜!」
「・・ゴホン。さて、ここで話があるのだが・・・
  ノコッチ君。君はワシの期待通り、我が校で素晴らしい活躍をしてくれた。
  それを讃え・・・卒業を認める!!」
「・・・!?・・・ウオオオオオオオオオキェェェェエェェエエエエェエエェェェェェエェェエ!!!!!!!!!」
「ノ、ノコッチ君落ち着いて!ノコッチ君!!」
「まただ。。。」
「あっ、、ご、ごめんなさ〜い。でも、ぼく、すっごくうれしいです!!」
「おめでとう。卒業生第9号です。」
「おめでとうございます。」
「みんな・・・ありがと〜〜〜う!!ぼく、ここに来れてほんとうによかった〜〜!」

「・・・おめでとう。」
「エイパムくん・・・・・・なんかごめん」
「なにがだよ!なんで謝るんだよ」
「だって、なんか、、ぼくだけ、先に・・・」
「フン!うるせえ!そんな情けなんて僕は要らないよ!
  君は君なりの努力をして、ここまでがんばって、その結果、卒業になったんじゃないか。
  胸張って出てきゃいいんだよ!!僕のことなんて構わないでくれ!!」
「ご、ごめん、、、、」
「僕はなにも、ノコッチ君に対して怒ってるわけじゃないんだ。
  ただ、その、自分が情けなくて、、、、」
「(やはりな・・)ノコッチ君、これは確かに、エイパム君の言うことが正しい。
  自分がこれまでして来たことには胸を張るべきじゃ。
  第一、そんなことで気を遣われても、あまり良い気がするもんではないぞ。」
「。。。は〜い。。。」
「だがなノコッチ君。君のそういう、仲間思いの優しいところは、とても良いところなんじゃ。
  その気持ちは、絶対に忘れてはいかん。これからも、新しく出会う仲間たちと、仲良くやるんじゃぞ。」
「・・・はい!」
「(さて、問題はここからじゃ。。。)」

つづく