「アーボック君、君にいい報せがあるぞ。」
「・・!!まさか!」
「ガラガラ校長と話し合った結果・・・」

「ここまでの活躍と成長を讃え、君の予備校からの卒業を認める!!卒業生第2号じゃ!!」

「ヨッシャアアアアアアアアアアア」

「おお!!おめでとうアーボックくん!すごいじゃん」
「おめでとうございます!」
「みんなありがとう!」
「おめでとう。・・・なかなかオイラの出番がこねぇなぁ」
「ヤミカラスさん、この前がんばっていたじゃないですか。力を合わせて、がんばりましょ」
「へへ、すまねぇすまねぇ。オイラとしたことが、弱気になっちまったぜ」
「アーボック君は初めから器用な子で、校長も一目置いておられたんだよ。
  みんなも、自分の適性を理解して、早く卒業できるといいね!ね、校長」
「そういうことじゃ。」
「改めて先生方、みんな、ありがとうございました!!
  ここでたくさんのことを学ぶことができたし、自信にも繋がりました!」
「(ひひ、これで晴れて、"あの娘"にも会わせる顔ができた、ってわけで)」
「(シーッ!その話今しちゃダメ!)」
「さて、では次の試合を・・・」

「待った待ったアアアア!!!!!」
「な、なななんだなんだ!?」

予備校物語
第6話 〜自分捜し〜

「このままでは1枠足りないでしょう。ボクに任せてもらえませんか」
「ようギャロップ!!先生、俺が紹介したかったのはコイツですよ!」
「おお!君がアーボック君と知り合いという、エリートのギャロップ君かね!
  甘える、催眠術、日本晴れとワシのサポートにピッタリな技をふんだんに覚えるという・・!」
「生徒第6号ですね!」
「初めまして。みなさんよろしく。ボクの力、ここで試してみたいと思いまして。」
「(なんだかいけ好かねぇ奴だが・・・)まぁよろしく」
「ハハハ、初めは戸惑うかもしれないけど、根はいい奴だから、みんな仲良くしてあげて!」
「よろしくお願いします。」
「四速歩行仲間としてよろしくね。」
「だいぶ顔ぶれも変わってきましたね。」
「マンネリ化しないためにもちょうどいいペースではないかの。では行くぞ!」



「SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEE」
「さすが・・・話には聞いておったが、見事な活躍じゃ。あっぱれ!」
「・・ありがとうございます。」
「そして忘れてはいけないのがキリンリキ君の活躍じゃ!君もよくがんばったぞ!」
「ありがとうございます!今回、やれるだけのことはできたつもりです。」
「やっぱり、勝てると雰囲気も良くなるものですね。」
「・・・」
「ギャロップ君?どうかしたの?せっかく君の活躍で勝てたのに」
「・・・なるほどな。そういうことか。」
「校長先生?なにかわかったのですか?」
「ギャロップ君、君は確かにとても優秀な生徒だ。こうして活躍したログをあっさり残すこともできた。しかし・・・
  これだけでは他の炎ポケモンとの差別化ができていない。
  自分が自分で在る意味・・・アイデンティティがほしい。違うかね?」
「・・・!!さすがは校長・・・恐れ入りました・・・その通りです。」
「なるほどね。。ギャロップ君にはギャロップ君なりの悩みがあるんだね」
「そうだよな・・・みんなそれぞれがんばってンだな。僻んだりして悪かったよ」
「そう。勝てば良いというものでもないんじゃ。
  ワシだって、地震を打って電気ポケモンに勝つことぐらいならサンドパンにもヌオーにもニドキングにも出来る。
  卒業生第1号のバタフリーちゃんは、眠り粉+糸を吐くのコンボを持っていた。
  あれは、他の蟲や草ポケモンたちには真似できんコンボなんじゃ。そこにアイデンティティがあった!」
「そういう子たちが、自分の中で答えを見つける場でもあるんですね、ここは」
「ギャロップさんなりの、答えをここで出せるといいですね。」
「わかってくれるのかい・・・みんな、ありがとう。こんな奴だけど、まあその、、よろしく頼む。」

つづく