予備校物語
第2話 〜涙の味〜

「では、次の試合に行きましょう!」



「うぇーーーん・・ぐっすん・・ひっぐ・・・ごめんなさい・・ぐすんっ・・ごめんなさい・・・」
「はわわわわわわわわわ」
「バタフリーちゃん!泣かないで!元気出して!」
「そうだよ。バタフリーちゃんがぜんぶ悪いんじゃないよ。僕もなにもできなかったもん」
「身代わりハッサムか・・・これは僕も読めませんでしたね・・・」
「なかなか世の中甘くないでやんすね・・・」
「みんな、自分を責めないでくれ。これは完全にワシの判断ミスじゃ・・・」
「ひっぐ・・・でも・・・私がもっと身代わりに抵抗できれば・・・ぐすん・・・」
「バタフリーちゃんはすごいよ。眠り粉も痺れ粉もあるんだもん。俺は麻痺はかけられても眠らせることはできない」
「バタフリーちゃん、君が持っている4つの技にはすべて、意味があるんだ。
  眠り粉は校長が攻める隙を作るための技。痺れ粉は校長がどんな相手にも先制できるようになるための技。
  糸を吐くは、痺れ粉と違って眠っている相手の素早さも下げられる技。
  サイコキネシスは、補助技だけだと何もできないから、相手にダメージを与えられる技。
  ポケモンが持てる技は、4つしか無いよね。だから、どんなに強いポケモンでも、どうしても無理な部分は出てくるんだよ。
  校長だって、今は恩返しを持っているおかげでヘラクロスには強い。けど、ナッシーには弱い。
  でも、今は追い打ちを持ったヤミカラス君がいるからこの型で戦えるんだよ。
  バタフリーちゃんも、自分を責めないで、今の自分の型に誇りを持って、
  自分の得意なことと苦手なことをしっかりと判断して、仲間たちと連携ができるようになるといいね。ね、校長」
「」

つづく