転がるでどれだけ倒せるか
ミルタンクを中心に、一部のポケモンで全抜き技として使われることがある「転がる」。
途轍もなく長いターン数攻撃することが出来るので、
長期的に見れば、急所や相手のPP切れも含めるとほとんどのポケモンを倒すことが出来るということは知られている。
しかし、大会でのターン制限等も考えると、そのような要素無しで素の転がるダメージだけで倒せるのに越したことは無い。
では、素の転がるダメージだけという条件だと、一体どれだけの体力の相手を倒せるのだろうか。
なお、素早さ関係は常に相手が先手とする。
転がるは威力でなく「ダメージの最大値」が倍になって行くので、ほぼ「ダメージが倍」と考えて良い。
つまり、1ターン目のダメージを1とすると、
2ターン目を2、3ターン目を4、4ターン目を8、5ターン目を16とすることが出来る。
〜ケース1:相手の回復技が眠るの場合〜
例えば、5発目のダメージ16をギリギリ耐えるHP17の場合はどうなるか。
相手の行動 | 転がるダメージ | 相手のHP |
何か | 1 | 17⇒16 |
何か | 2 | 16⇒14 |
何か | 4 | 14⇒10 |
何か | 8 | 10⇒2 |
ねむる | 16 | 2⇒17⇒1 |
眠っている | 1 | 1⇒ 0 |
これによって「5発目+次の1発目」で簡単に倒れてしまう。
しかもこのコースで行くと、次の1発目を喰らった後も眠っているので、2発目も喰らってしまう。
では、「5発目+次の1発目+次の2発目」(16+1+2)を耐える、HP20の場合はどうだろうか。
相手の行動 | 転がるダメージ | 相手のHP |
何か | 1 | 20⇒19 |
何か | 2 | 19⇒17 |
何か | 4 | 17⇒13 |
何か | 8 | 13⇒5 |
ねむる | 16 | 5⇒20⇒4 |
眠っている | 1 | 4⇒3 |
眠っている | 2 | 3⇒1 |
ねむる | 4 | 1⇒20⇒16 |
眠っている | 8 | 16⇒8 |
眠っている | 16 | 8⇒ 0 |
1回目の眠るでは耐えることが出来たが、2回目で倒されてしまった。
しかもご覧の通り、最後にはHP8の状態で16も喰らっているため、HPが9も足りない。
では、これに9を足したHP29の場合はどうか。
相手の行動 | 転がるダメージ | 相手のHP |
何か | 1 | 29⇒28 |
何か | 2 | 28⇒26 |
何か | 4 | 26⇒22 |
何か | 8 | 22⇒14 |
ねむる(※) | 16 | 14⇒29⇒13 |
眠っている | 1 | 13⇒12 |
眠っている | 2 | 12⇒10 |
何か | 4 | 10⇒6 |
ねむる | 8 | 6⇒29⇒21 |
眠っている | 16 | 21⇒5 |
眠っている | 1 | 5⇒4 |
何か | 2 | 4⇒2 |
ねむる | 4 | 2⇒29⇒25 |
眠っている | 8 | 25⇒17 |
眠っている | 16 | 17⇒1 |
ねむる | 1 | 1⇒29⇒28 |
眠っている | 2 | 28⇒26 |
眠っている | 4 | 26⇒22 |
何か | 8 | 22⇒14 |
ねむる | 16 | 14⇒29⇒13 |
ここまで来た時点で、(※)の部分に戻ってループすることが出来るので、
これならば急所等を考慮しない限り、相手は耐えることが出来るようだ。
…以下、考え方は省略するが、HP25の場合を考えてみる。
相手の行動 | 転がるダメージ | 相手のHP |
何か | 1 | 25⇒24 |
何か | 2 | 24⇒22 |
何か | 4 | 22⇒18 |
何か | 8 | 18⇒10 |
ねむる | 16 | 10⇒25⇒9 |
眠っている | 1 | 9⇒8 |
眠っている | 2 | 8⇒6 |
何か | 4 | 6⇒2 |
ねむる | 8 | 2⇒25⇒17 |
眠っている | 16 | 17⇒1 |
眠っている | 1 | 1⇒ 0 |
コレがギリギリ倒されるケースである。つまり「8+16+1」が効いている。
では、これを耐えるためにあと1だけ高い、HP26の場合はどうか。
相手の行動 | 転がるダメージ | 相手のHP |
何か | 1 | 26⇒25 |
何か | 2 | 25⇒23 |
何か | 4 | 23⇒19 |
何か | 8 | 19⇒11 |
ねむる(※) | 16 | 11⇒26⇒10 |
眠っている | 1 | 10⇒9 |
眠っている | 2 | 9⇒7 |
何か | 4 | 7⇒3 |
ねむる | 8 | 3⇒26⇒18 |
眠っている | 16 | 18⇒2 |
眠っている | 1 | 2⇒1 |
ねむる | 2 | 1⇒26⇒24 |
眠っている | 4 | 24⇒22 |
眠っている | 8 | 22⇒14 |
ねむる | 16 | 14⇒26⇒10 |
ここまで来た時点で、(※)の部分に戻ってループすることが出来るので、これなら耐えられる。
どうやらここが境界線のようだ。
〜結論〜
1発目の転がるダメージを1とすると、HP25までのポケモンを倒せる。
ただし食べ残しは考慮していないという点に注意。
〜ケース2:相手の回復技が自己再生の場合〜
もちろんタマゴ産みや光合成でも良いが、簡単にPPが切れてしまうので自己再生で考えよう。
要するに「最大HPの半分(切り捨て)を回復する回復技」の場合。
この場合、動けずに転がるダメージを2連続で喰らうということが無くなるので、
まず5ターン目の16ダメージを耐える、HP17で考えてみる。自己再生の回復量は8。
相手の行動 | 転がるダメージ | 相手のHP |
何か | 1 | 17⇒16 |
何か | 2 | 16⇒14 |
何か | 4 | 14⇒10 |
自己再生(※) | 8 | 10⇒17⇒9 |
自己再生 | 16 | 9⇒17⇒1 |
自己再生 | 1 | 1⇒9⇒8 |
自己再生 | 2 | 8⇒16⇒14 |
何か | 4 | 14⇒10 |
自己再生 | 8 | 10⇒17⇒9 |
ここまで来た時点で、(※)の部分に戻ってループすることが出来るので、これなら耐えられる。
実は自己再生の場合、HP17で既に回復が追い付くのである。
当たり前だがHP16の場合は5発目を喰らった瞬間即死なので、耐えられない。
つまり、自己再生の場合はここが境界線となる。
〜結論〜
1発目の転がるダメージを1とすると、HP16までのポケモンを倒せる。
やはり眠るよりもずっと丈夫だった。
繰り返すようだが、これらはあくまで素の転がるダメージだけを考慮した場合であり、
実際には長期的に見ればもっと高いHPのポケモンまで転がるで倒すことが出来るが、
ターン数が制限されている場合等のために、このラインは覚えておくと良いかも知れない。
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